ポスト京都議定書、COP、温暖化対策、温室効果ガス削減が話題になると本当に憂鬱になる。温暖化人為起源説が科学者らの十分な検証を経ないままに、政治課題になりドンドン進んでいることだ。
今開催されているCOP15では、日本は2020年までに25%削減することを政治合意文書に盛り込むことを決めたという。確か麻生政権では8%だったと思う。既に省エネが進んでいる我が国では25%は厳しい目標値だ。
この温暖化対策をとった場合、所得は2.5~16.2%減少するらしい。ある機関の試算ではそれが13~76万円減ることになるのだ。環境分野で内需拡大を狙っているのではなかったのか。
更に役50%の排出量を占める途上国の削減目標に対して、反発が強いらしい。当然だろう経済成長にも関係する重大な問題だからだ。そこで先進国からの支援が必要になるが、先進国の経済状況も厳しい。日本も3年間で約8000億円の拠出を考えているようだが、他の先進国に比べるとかなりの高額である。鳩山さんは初めての国際舞台でいい顔をしすぎたのではないか。
それにしても納得のいかない地球温暖化論争だ。
私が学生の頃、1960年代、地球は寒冷化に向かっていると言われて今から考えると笑い話であるが、就職するには繊維会社が一番だと言われたモノだ。長期トレンドの中で気温はグッと上がったかと思うと、グッと下がる。その下がっているころの話だったのだろうか。
大気のCO2の測定は、1958年頃からハワイ上空で毎日測定され始め、CO2の濃度は上がり下がりを続けながら着々と上昇していることは分かっていた。
それが政治の舞台に躍り出たのは、1988年、NASAゴダード宇宙研究所のジェームス・ハンセンが連邦議会で、「温暖化傾向は自然変動ではなく、大気中のCO2ガスなどの増加に寄ることが99%確かだ」と証言したことから始まる。
1992年に国連総会で採択され、リオデジャネイロで地球サミットが開催された。確かこの時、日本は政界の実力者・竹下元首相を送り込んだ。これと言った政治課題がない時で環境問題に飛びついた格好になったと当時新聞で読んだことがある。
日本がイニシアテイブをとって、1997年12月のCOP3で、温室効果ガス削減義務を定めた京都議定書が出来た。
なかなか発効を見なかったが、2005年5月ロシアが批准して京都議定書が発効した。「政治的課題」に大きく飛び込んできた。
地球温暖化は不幸なことに科学者による十分な議論、検証を経ないままに「政治的課題」になったのだ。これが後後の禍根を残すことになった。
地球温暖化に異論を唱えたのが、1998年のビヨルン・ロンボルグの「環境危機を煽っては行けない」(邦訳 2003年)だ。私も読んだが、莫大な資料から検証を試みており納得がいく。環境団体やビジネス・ロビイスト、メデイアだけに優先付けの提案を任せておくべきではない。環境論争において慎重な民主的チェックをがんばって追求すべきだと言う(本書より)。どっちの議論が正しいのか判断するのは貴方だともいう。
2007年元副大統領のアル・ゴアが「不都合な真実」を著したが、今まで言われていた資料を羅列したモノで、何ら新鮮さは感じられなかった。
そして、IPCCの第4次報告書で「20世紀半ば以降の温暖化は、人為的起源温室効果ガスが原因である可能性が非常に高い」と一歩踏み込んだ。これには日本のスーパーパソコン「地球シミュレーター」の解析結果が大きく貢献していると聞いた。あの「事業仕分け」で「何故世界一位でなければならないんですか。第二位ではダメなんですか」と質問されたスーパー・パソコンだ。
そう言った論争が続く中で、日本エネルギ・資源学会が貴重な科学的論争の企画をした。e―mail討論「地球温暖化:その科学的真実を問う」を実施したのだ。5人の学者が論争に挑んだ。
赤祖父先生は、気温上昇は2001年頃止まっているが、それでもCO2は上昇している。IPCCの報告の仮説は間違っている。自然変動しか考えられないと言う。
伊藤先生は、大気や海洋の大きな振動も平均気温に動いているのでモデルにいれなければならない。温室効果ガスの影響を「検出」出来たとは言い得ない。温度測定も不確かで結論を急ぎすぎだと指摘する。
江守先生は、このプロジェクトに参加した研究者だ。反対意見には誤解が多く整合性と定量性に欠けるとして、本質的な非半紙はなっていないと反論する。
草野先生は、エアロゾル、雲も影響するがその挙動が積極的に理解されておらず、ファクターが欠けている。今の気候変動モデルは試行錯誤のモデルで気温上昇は仮説する仮説を導いているだけだと言う。
丸山先生は、古気候額の観点から地球の平均気温は±1℃で変化してこれを越えていない。理由は地球の緩衝機構だという。
正確さを期すためには、学会のHPhttp://www.jser.gr.jp/index.htmlを参考に。
データの読み方、長期トレンドで見るか短期トレンドで見るか。それぞれの研究分野での重要なファクターをどう取り込んでいるか、気温の測定法など論争は尽きない。
そして、「温暖化データの誇張疑惑に波紋 発信源の英米 沈静化に必死」という記事を目にした(朝日新聞 2009.12.12)。
それによると、イギリスの気候変動研究の中心的大学のコンピューターがハッカーの攻撃を受け、盗まれた電子メールのなかに、英国の研究者と米国の研究者が、地球気温データを操作して温暖化の進行を誇張していたことを疑わせるやりとりがあったことが発覚したという。約1000通の中から、「気温の低下を隠す策略を終えた」などと書いてあったらしい。
地球温暖化対策は、莫大な費用を要する割には、投資しても直ぐには効果は現れず、100年以上は続くという報告も見たことがある。
ここは、急がずもう一度各分野の研究者を加えての検証をやる必要があるのではないか。これ程論争があり、各国で利害が絡んでくる政治問題では、「確かに、そうらしい」という確証がいる。
国民全体のコンセンサスを得なければ、温室効果ガス削減対策もうまく行くはずがない。
今開催されているCOP15では、日本は2020年までに25%削減することを政治合意文書に盛り込むことを決めたという。確か麻生政権では8%だったと思う。既に省エネが進んでいる我が国では25%は厳しい目標値だ。
この温暖化対策をとった場合、所得は2.5~16.2%減少するらしい。ある機関の試算ではそれが13~76万円減ることになるのだ。環境分野で内需拡大を狙っているのではなかったのか。
更に役50%の排出量を占める途上国の削減目標に対して、反発が強いらしい。当然だろう経済成長にも関係する重大な問題だからだ。そこで先進国からの支援が必要になるが、先進国の経済状況も厳しい。日本も3年間で約8000億円の拠出を考えているようだが、他の先進国に比べるとかなりの高額である。鳩山さんは初めての国際舞台でいい顔をしすぎたのではないか。
それにしても納得のいかない地球温暖化論争だ。
私が学生の頃、1960年代、地球は寒冷化に向かっていると言われて今から考えると笑い話であるが、就職するには繊維会社が一番だと言われたモノだ。長期トレンドの中で気温はグッと上がったかと思うと、グッと下がる。その下がっているころの話だったのだろうか。
大気のCO2の測定は、1958年頃からハワイ上空で毎日測定され始め、CO2の濃度は上がり下がりを続けながら着々と上昇していることは分かっていた。
それが政治の舞台に躍り出たのは、1988年、NASAゴダード宇宙研究所のジェームス・ハンセンが連邦議会で、「温暖化傾向は自然変動ではなく、大気中のCO2ガスなどの増加に寄ることが99%確かだ」と証言したことから始まる。
1992年に国連総会で採択され、リオデジャネイロで地球サミットが開催された。確かこの時、日本は政界の実力者・竹下元首相を送り込んだ。これと言った政治課題がない時で環境問題に飛びついた格好になったと当時新聞で読んだことがある。
日本がイニシアテイブをとって、1997年12月のCOP3で、温室効果ガス削減義務を定めた京都議定書が出来た。
なかなか発効を見なかったが、2005年5月ロシアが批准して京都議定書が発効した。「政治的課題」に大きく飛び込んできた。
地球温暖化は不幸なことに科学者による十分な議論、検証を経ないままに「政治的課題」になったのだ。これが後後の禍根を残すことになった。
地球温暖化に異論を唱えたのが、1998年のビヨルン・ロンボルグの「環境危機を煽っては行けない」(邦訳 2003年)だ。私も読んだが、莫大な資料から検証を試みており納得がいく。環境団体やビジネス・ロビイスト、メデイアだけに優先付けの提案を任せておくべきではない。環境論争において慎重な民主的チェックをがんばって追求すべきだと言う(本書より)。どっちの議論が正しいのか判断するのは貴方だともいう。
2007年元副大統領のアル・ゴアが「不都合な真実」を著したが、今まで言われていた資料を羅列したモノで、何ら新鮮さは感じられなかった。
そして、IPCCの第4次報告書で「20世紀半ば以降の温暖化は、人為的起源温室効果ガスが原因である可能性が非常に高い」と一歩踏み込んだ。これには日本のスーパーパソコン「地球シミュレーター」の解析結果が大きく貢献していると聞いた。あの「事業仕分け」で「何故世界一位でなければならないんですか。第二位ではダメなんですか」と質問されたスーパー・パソコンだ。
そう言った論争が続く中で、日本エネルギ・資源学会が貴重な科学的論争の企画をした。e―mail討論「地球温暖化:その科学的真実を問う」を実施したのだ。5人の学者が論争に挑んだ。
赤祖父先生は、気温上昇は2001年頃止まっているが、それでもCO2は上昇している。IPCCの報告の仮説は間違っている。自然変動しか考えられないと言う。
伊藤先生は、大気や海洋の大きな振動も平均気温に動いているのでモデルにいれなければならない。温室効果ガスの影響を「検出」出来たとは言い得ない。温度測定も不確かで結論を急ぎすぎだと指摘する。
江守先生は、このプロジェクトに参加した研究者だ。反対意見には誤解が多く整合性と定量性に欠けるとして、本質的な非半紙はなっていないと反論する。
草野先生は、エアロゾル、雲も影響するがその挙動が積極的に理解されておらず、ファクターが欠けている。今の気候変動モデルは試行錯誤のモデルで気温上昇は仮説する仮説を導いているだけだと言う。
丸山先生は、古気候額の観点から地球の平均気温は±1℃で変化してこれを越えていない。理由は地球の緩衝機構だという。
正確さを期すためには、学会のHPhttp://www.jser.gr.jp/index.htmlを参考に。
データの読み方、長期トレンドで見るか短期トレンドで見るか。それぞれの研究分野での重要なファクターをどう取り込んでいるか、気温の測定法など論争は尽きない。
そして、「温暖化データの誇張疑惑に波紋 発信源の英米 沈静化に必死」という記事を目にした(朝日新聞 2009.12.12)。
それによると、イギリスの気候変動研究の中心的大学のコンピューターがハッカーの攻撃を受け、盗まれた電子メールのなかに、英国の研究者と米国の研究者が、地球気温データを操作して温暖化の進行を誇張していたことを疑わせるやりとりがあったことが発覚したという。約1000通の中から、「気温の低下を隠す策略を終えた」などと書いてあったらしい。
地球温暖化対策は、莫大な費用を要する割には、投資しても直ぐには効果は現れず、100年以上は続くという報告も見たことがある。
ここは、急がずもう一度各分野の研究者を加えての検証をやる必要があるのではないか。これ程論争があり、各国で利害が絡んでくる政治問題では、「確かに、そうらしい」という確証がいる。
国民全体のコンセンサスを得なければ、温室効果ガス削減対策もうまく行くはずがない。
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