2019年12月31日火曜日

日産前会長ゴーン容疑者レバノンへ(2):関係者の虚を突くマフィアまがいの密出国のようだ

日産前会長の日本脱出は、関係者の虚を突いたマフィアまがいの密出国のようだ。「日本では公平な裁判が受けられない」「有罪ありきの裁判」と自己都合のいいことばかり言いながら密出国とは驚く。

一部のメデイアの報道によれば「楽器箱」に隠れての密出国で、当然に何らかの支援者がいるのだろうという。

検察は逃亡を恐れて保釈に反対していたが、日本の司法制度が海外から批判されることを考え地裁の裁判官は逃走、証拠隠滅の恐れがあったが無理やりに保釈を認め大恥をかいた。

一方、強力な弁護団と言われ、しっこく保釈請求しやっと保釈を勝ち取り面目を保ったように思えた弁護団も「ニュースで知った」という程、不意打ちだったのだろう。保釈人の監視をする義務があったが虚を突かれたことになる。

いずれも正月休みという虚を突かれた密出国になった。裁判所も弁護人もこの事案を教訓にしなければならない。

ゴーン容疑者でなければできないマフィアまがいの密出国だ。今後の裁判に大きく影響するだろう。


日産前会長・ゴーン容疑者レバノンに(1):保釈条件に外国渡航禁止のはずが何故

日産前会長で会社法違反の特別背任で起訴され裁判を待つだけのゴーン容疑者が、なぜか日本を出国し本籍地のレバノンに入国したというニュースがFTやWSJで報じられていると大手メデイアが伝える。

強力(?)弁護団の保釈要求に屈して地裁が保釈したが、在ってはならない事態になった。保釈条件に日本在住、外国渡航禁止、妻との接触も条件付きという厳しい内容だった。おまけにパスポートは弁護人預かりという。

何故出国できたのか。

事実なら保釈取り消しで15億円の保釈保証金も没収、再入国すれば即収監になるだろう。

でもゴーン容疑者は日本では公平な裁判が受けれれないと不満を言っていたから再入国はしないのではないか。だとしたら被告人国外逃亡で検察側の主張が認められるのではないか。

裁判を受けなくともすでに社会的には役員も降ろされ社会的制裁は受けている。日産の社内調査では「典型的な経営者犯罪」と言われている通りだ。それでもゴーン容疑者が「無罪」を主張するのは、すべて日産の社内手続きを経ていること、私利私欲ではなく会社のため」という意識が強いのではないか。

むしろゴーン容疑者のために長期にわたり裁判をやっていく費用を節約できたことになるのではないか。

2019年から2020年へ:安倍失脚? トランプ落選? 米中2極化の行方?


2019年の経緯から2020年を予測すると日本は安倍総理の失脚、米国は米国民の良心から大統領選でトランプ大統領落選、そして米中2極化の世界で日本は置き去りでその落としどころはどうなるか。

安倍政権を見ると実績よりも不祥事の多さ、憲法改正を訴えるが集団的自衛権行使では憲法解釈を閣議決定する横暴さ、民主政権の根幹を揺るがす公文書改ざん、隠蔽、破棄、参考人招致の拒否、説明責任の放棄、それでも内閣支持率は40%台を維持するが悪事は続かない。

森友事件で特記事項を不開示にしたが裁判で違法と認定され、安倍友の元TBS記者のレイプ事件では原告ジャーナリストの損害賠償請求で元記者が敗訴した。海外ではこの事件は安倍事件を見られている。

そして、最近の秋元容疑者逮捕に始まるIR汚職は安倍政権の重要政策だったことから考えると安倍政権の集大成になったか。

朝日新聞(2019.12.30)の社説「安倍政権2019」で安倍政権の問題点として「責任放棄」「国会軽視」「官僚の変質」をあわせ考えると憲法改正での自衛隊明記、国会承認なしの海上自衛隊中東派遣など新興国の独裁軍事政権ほどではないが、それに類似する様相を呈している。

安倍政権にはもう飽きた。オリンピックとは言わず何か花道を与え岸田さんにバトンタッチという手がある。ただ石破さんも言うように臨時総会で次の総裁を選ぶ方法もあるのではないか

2020年の一番の関心事は大統領選だろう。トランプ氏は「アメリカ第一」「保護主義」を掲げ、今まで政権から遠ざけられていた国民を奮い立たせ大方の専門家の予想がはずれ大統領に当選した。

その結果、世界は大混乱、リーダー不在のG7,G20、先進国間での同盟に亀裂が入る数々の恣意的な政策、外交でドイツ、フランスは距離を置くほどだ。

米国の失業者、労働者、産業を守る目的で対貿易赤字国に高関税を吹っかける手に出た。日本も対象国で日米経済交渉がトランプ大統領に大きなプレゼントを与える結果になったが、特に中国に対しては第4弾にわたる関税の掛け合いが続いた。世界経済は景気下降リスク、米国内経済も停滞の懸念が出て急遽、一時的合意で景気下降リスクに対応する。

貿易問題だけでなく、知的所有権問題、国営企業への優遇策など米国が改善を要求している項目は多い。中国の構造改革を求めているのだから、そう簡単には解決しない。

特に今の世界経済は2%程度の低い成長率にもかかわらず株価などの実体経済は大きな伸びを示している。いわゆる実態経済と金融政策とのギャップが大きい。

トランプ大統領は「アメリカ第一」でドル安を願っているのだから円高のトレンドだろう。日本経済も円高での政策転換が必要か。

トランプ氏自身ロシアゲート、ウクライナ疑惑では弾劾裁判にかけられる。それなのにトランプ大統領の支持が高いのはなぜか。共和党は政策理念を忘れトランプ党になったのか。

我々の生活に大きく影響するアメリカ大統領選では投票権はないが、トランプ落選にかける。

米国内では民主党左派が台頭しているのか、経済界は「脱株主第一、従業員、地域の貢献する」経営理念を発表するほどだ。

そして進む米中2極化の落としどころはどこなのか。

米国は「中国は陸海空でアメリカの優位を脅かしている」と警告する。中国は豊富(?)な資金で世界の新興国の経済活動を支援する。一対一路構想では新興国での拠点作りに専念する。港湾建設は貿易支援と思っていたら軍港化が目立ち債務の返済不能が出てきた。

アメリカは遅ればせながらインド太平洋構想を打ち出し日本にも参加を要請するが、日本は一対一路構想にも賛意を示し板ばさみだ。

巨大な市場を抱えグローバルな軍拡はコストがかかる。中国はどこまでいけるか。

米中貿易摩擦はどうなるか。トランプ氏が落選すれば中国の勝ちか。今までの交渉を継続するか、元に戻すか。二国間交渉から多国間交渉へ?。

日本は安倍さん失脚で保守リベラルの岸田さんで正常化、トランプ大統領落選でアメリカが再び世界のリーダーに、米中2極でも中国は先進国を取り込んだリーダーにはなれない。貿易摩擦はグローバリゼーションの見直しの契機に。



2019年12月28日土曜日

今日の新聞を読んで(319):IR汚職は安倍政権の集大成になるか

今回の秋元容疑者逮捕に始まるIR汚職は、今後どう展開するかわからないが、安倍政権の集大成になるのではないか。憲政史上まれなる総理夫妻による数々の不祥事、民主政治の根幹を揺るがす公文書破棄、改ざん、官僚の忖度行政、トランプ大統領を頼るあまり大統領の数々の要求を呑む結果、高額な兵器の購入など国民にとっては国益を害する行為が目立つ。

そして今回のカジノ汚職は、その発端をネットで検索すると昨年のトランプ、安倍会談でトランプ大統領の大口後援者であるカジノ事業者の日本参入を働きかけた結果ではないのかっと大手メデイアは一様に報じている。

安倍総理にとっては打撃が大きいばかりか、秋元容疑者は不祥事が続く二階派所属だったし、官邸の菅官房長官の地元横浜がカジノに名乗りを上げたが地元の大物実力者に反対され菅官房長官とのギクシャクが話題になった。安倍政権を支持してきた連中が関連した汚職事件なのだ。

秋元容疑者がどうやってこのIR事業に取り入ってきたか知らないが、関連法案の成立に力を発揮したようだ。当然に日本のカジノ事業に参入を狙う海外企業は秋元容疑者をキーマンとみて近づいてきたのだろう。

その中でもカジノとしては実績のない中国の500ドットコムが狙いをつけたのだろう。
秋元容疑者は白須賀議員や勝沼元議員などと500ドットコムの中国の本社も訪問している。

500ドットコムは北海道の留寿都村を開発しようと村幹部にも食い込み、1500億円の出資計画も持ち上げた。しかしなぜか北海道は21年までIR誘致を断念したという。

東京地検特捜部は秋元容疑者が500ドットコムの紺野顧問から300万円の資金を手渡されたことで収賄罪を念頭に置いているが贈賄罪も視野にあるのか。丁度衆院選挙前だったので陣中見舞い的な感覚だったのか。

国土交通省の副大臣といっても大臣は公明党だ。その副大臣に自民党だった秋元容疑者がいたのだ。留寿都の近くに飛行場を建設するとボラを吹いていたようだ。中国人はプライベートジェットで来るだろうから必要なのだという理屈だ。

権力の中枢に食い込めば大きな利権を得ることが出来る。そこに戦略特区構想の罠がある。キーマンに事業者が群がり汚職の温床になるのだ。

安倍政権は在位最長記録を達成したというが数々の悪事も達成したのだ。もう潮時ではないか。










2019年12月27日金曜日

皆既日食と「時空の歪み」:アインシュタインの一般相対性理論かニュートンの万有引力か

TBSテレビ UAEで観測された皆既日食 2019.12.26
2019年12月26日は皆既日食が見えるというが、日本は残念ながら部分日食だが、グアムなどでは皆既日食が見えるらしい。皆既日食で思い出すのは「時空の歪み」を検証するために優秀な物理学者たちが観測を続けたという。

1916年アインシュタインが一般相対性理論を発表、「質量があれば時空はゆがむ。歪んだ時空を通過する光はその進路を曲げられる」という。ニュートン力学でも「星の見かけの位置が動く」という。しかしそれを検証するのは難しい。歪みはほんのわずかなのだ。

大きな質量というと太陽で地球の100万倍だ。太陽の縁の方向に星が見えると、その星は太陽の質量により時空が歪み進路がわずかに曲がるのだという。

とすると皆既日食がチャンスという。

1919年5月、ギリシャ沖のプリンシベ島とブラジルのソルバルに観測チームが送られた。プリンジべ島では天気が悪かったがわずかの間雲が切れたその時太陽の縁に見える星を撮影した。全部で16枚撮影しだが使えるのは2枚だったようだ。

勿論、事前に調査する星の位置は調査していた。

「ニュートンの万有引力とアインシュタインの一般相対性理論か」の検証にもなる。ニュートンの万有引力でも星の見かけに位置が動くと考えられていたが、星の移動量はアインシュタインの半分だった。当然にアインシュタインに一般相対性理論が正しいということになった・

これらは私たちの生活にも大きく影響するのだ。GPSで「300m先左折」「この先左折」とナビしてくれるが一般相対性理論で補正されているのだ。そうでないとこんなタイミングでナビは出来ない。

皆既日食のあるたびにアインシュタインの一般相対性理論を思い出してみよう。

日本の日食は、2020年6月、2023年4月部分日食、2030年6月北海道で金環日食が観測されるという。

参考文献 「重力はなぜ生まれたか」(ブライアン・クレッグ著 ソフトバンククリエイテイブ社)

2019年12月25日水曜日

今日の新聞を読んで(318):進む出生数減少、若者が結婚、子育出来る環境づくりに産業界の責任は

出生数の減少が進んでいる。予測を2年早まったという。政府は少子高齢化対策、子育て支援を打ち出すがその成果は? 問題なのは産業界の取り組みではないか。日本企業の存続基盤は何といっても「日本社会」だ。日本が存続危機にあるというのに産業界は何を考えているのか。

新聞報道では2019年に生まれた子供は86万4000人で90万人を切った。人口の自然減も51万人だ。

その要因には人口の少ない世代が親になる人口減の悪循環だ。この世代は就職氷河期世代で非正規労働、低賃金が当たり前になっている。

専門家も指摘しているが子育て家庭向け政策は政府がやっているが、一方で仕事、出産両立支援が遅れているのだ。この支援はむしろ産業界にあるのではないか。非正規労働の増加、低賃金、働き方改革も企業はずるい対応する。今まで社会問題化したすべてが産業界にあるのではないか。

国連の日本の人口予測では、2020年12648万人、2050年10580万人、2100年7496万人でこれは第2次世界大戦終了時のレベルだ。明治時代は3000万人。2100年には明治時代の約2.5倍だ。

このまま人口が減っていくと日本社会を維持していくことが出来なくなる。人口が少ないのに大きなインフラの整備維持、限界集落、地方自治は勿論のこと都市のコミュニテイー維持も困難になる。外人労働者の移入など考えられるがそれでいいのか。

人口問題(日本社会の維持)と経済問題(労働力不足)をどう調和させていくか。

2019年12月24日火曜日

今日の新聞を読んで(317):やっぱり電子書籍より「紙の本」が良いのは当たり前だ

読売新聞(2019.12.24)に国立青少年教育振興機構が読書に関する調査結果の報告が載った。納得のいく結果だ。私自身は電子書籍を利用したことはないが、政府の審議会の報告書や専門機関の研究報告書をネット検索し利用することがあるがパソコンの画面上で読み解くのは慣れていないと至難の業だ。

しっかり読まなければならない時はプリントしてペーパーで読むことにしている。

そうすれば重要な箇所をマーキングできる。引用すべき個所があればペーパーに鉛筆書きできる。ペーパーをめくりながら記事を書くことができる。記述場所を覚えているのでページをめくるのが速い。

勿論引用する場合はクレジットを与える。

ところがパソコンの画面ではレポートを読み記事にするのは大変だ。重要なことが頭に入らない。

新聞報道によると紙は主体的行動力13.11点、批判的思考力13.48点、自己理解力14.2点と電子媒体より0.22~1.04点高かったというのだ。

読書で利用する主な媒体別の主体的行動の比較を見ると紙 13.11点、スマホ・たぶれっろ12.55点 パソコン12.41点、スマホ・パソコンなど複数12.89点、ほとんど読書しないは11.58点だ。

調査した機構はこうした力は、読書習慣のある人の方が高いが紙がより優れている傾向にあると評した。

私もパソコンで文献を読む機会が多いが、やっぱり紙がいい。

でも紙の本は欠点がある。一度家に入ってきたらなかなか出ていかないのだ。本は捨てにくいのだ。

仕方ないので、本棚と天井の間のスペースに本を積んで地震対策に活かしている。

円高か円安か:紛争の多発、トランプ大統領の「保護主義」で円高トレンドか


為替はその国の経済力を反映すると経済学で習ったが、円安がいいのか、円高がいいのか。日本は長い間、円高、株安に悩まされ長期にデフレが続き、今なお脱していない。世界各地で起きる紛争、トランプ大統領の「保護主義」で円高トレンドか。

民主党政権では為替は70円台、株価も7000円台であったが、安倍政権になって90円から今は109円台の円安(?)、株価も22000円台でアベノミクスの成果として円安は輸出を促進し株高で息を吹き返し日本経済は立ち直ったかに見えた。

民主党政権では「事業仕分け」に見るように無駄を排した緊縮財政、3から5%への増税だが、円高は輸出価格が下がり国民の暮らしは良くなるとみていた。

しかし、野田政権で円安を目指し日銀に量的緩和を迫ったが、時の白川総裁は急激な金融緩和策を嫌った。一方で円高が進むと為替介入も試みたが市場は反映しなかった。

一方民主党政権に代わる安倍政権は、リフレ派経済を登用、「異次元の金融緩和」を提言、「市場にカネを流せば円は安くなる」と当たり前のことがわからないのかと自民党の新人候補も選挙戦で聴衆に訴えていたほどだ。

市場はそれにこたえ円安、株高に動き安倍政権のアベノミクスは過大な評価を受けた。しかし、その頃の世界市場は遅かれ早かれ経済的投資的限界から円安トレンドのタイミングだったという。安倍総理の政策がうまくタイミングがあったようだ。

円高か円安か。

世界で何か紛争があると「円は安全資産」として円買いドル売りだ。その要因に、日本は対外的の純資産国で資産残高は330兆円と言う。市場にカネを流すので国内投資よりも海外投資が増えた。一方、アメリカは基軸通貨とはいえ最大の債務国だ。

世界で紛争が絶えない内は「円高」が続く、一方トランプ大統領は自国経済のために「ドル高」をけん制し「為替条項」を突き付け為替操作国と認定しようとしている。中国がターゲットになっているが日本も例外ではない。アベノミクスは円安を狙った政策であるためアメリカは監視を強めているのだ。

いずれも市場は「円高」なのだ。

円はいろんな要因で上下動するが日本の経済政策、金融政策での動きではない。日銀の金融政策決定会合もFRBの動きを見ての決定だ。「現状維持」「躊躇なく追加緩和措置」が口癖だ。

そんな時、朝日新聞2019.12.24の経済気象台「今こそ円高シフト」に注目した。

それによると、円安は目先の収支をよくするが将来の投資にはつながりにくいし、企業の買収の対象にされやすい。一方円高は日本から成長する国への戦略投資につながり日本企業の成長に役立つ。原材料の輸入で円高メリットが共有できサービス産業などにはメリットがある。非正規従業員に儲けを還元、賃上げは日本経済の活性化につながるという。

そして、そろそろ円高シフトに舵切したらどうかと言うのだ。

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2019.04.16掲載
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2019年12月23日月曜日

世界の安定、平和を乱すのは米国vs中国、ロシアの構図だ


世界の平和、安全を乱す要因は米国vs中国vsロシアの主導権争いの構図ではないか。米国の「保護主義」「アメリカ第一」政策で同盟国の絆にほころびが入ると、「ここぞ」とばかりに中国、ロシアが手を伸ばす。さらに悪いことに紛争の当事国が中国、ロシアであることから国連安保理常任理事国による仲裁の機会もないのだ。ウクライナ、南シナ海、尖閣諸島問題を考えればすぐ思いつく。

何故、国連安保理常任理事国5か国に拒否権が与えられているのか。これがあるために国連が本来の機能を果たせていない。日本がこの点で国連改革を訴えているのは当然かもしれない。

北朝鮮に対する非核化での国連安保理決議の経済制裁がうまくいっていない。

「瀬取り」外貨稼ぎに中国、ロシアが一役を担っているのだ。今、ニュースで北朝鮮労働者の帰国が報じられているが恐らく一部だけだろう。中国、ロシアの経済活動に北朝鮮の労働力は欠かせないのだ。

更に非核化で米朝会談を実施しても成果が見られない。北はアメリカに経済制裁で譲歩を求めているが、北が巨大国・アメリカを相手にするのは難しいとみると金委員長は中国、ロシアに後ろ盾を期待する。

北朝鮮の非核化、朝鮮半島の平和は金委員長ではなく中国、ロシアとアメリカの協調が必要なのだ。

核兵器開発、軍縮も米国、中国、ロシアの意向が大きく影響する。何やら「使える核ミサイル」開発競争が始まっているらしい。

また、北のサイバー攻撃に各国が悩まされているが、問題は中国、ロシアを通じてのインターネット接続がある。

気を付けなければならないのは、トランプ大統領の「保護主義」「アメリカ第一」外交路線で今まで築いてきたアメリカの同盟国との絆にひびが入ってきたことだ。駐留米軍費用を増額する要求はフランスをしてNATOに代わる独自の軍備構想が出たほどだ。日本も5倍の増額だし、他の国も同様の要求をされている。

先進同盟国との絆を害する行為は、即中国、ロシアが手を伸ばしてくる。自由主義国に対して社会主義の覇権拡大のチャンスだ。

中国の最近の動きにポンぺオ国務大臣は「米国の陸海空の優位を脅かしている」とアメリカへの挑戦と取っている。米中貿易摩擦、知的所有権問題、国営企業への優遇策など批判を強める。

一帯一路構想にはインド太平洋構想で対抗しようとしているが、新興国への港湾施設建設など経済支援の名目で中国の軍港化を目指している。

今までアメリカは巨大な経済圏、グローバルな軍事力で世界を牛耳ってきたが、如何にせんコストがかかる。そこへ中国が割り込んできたのだ。

今のGDPを見ると、はっきりしないがアメリカ2400兆円、中国1200兆円、日本600兆円だがロシアは200兆円弱、ロシアは経済成長に他国の資金が必要なことは極東開発で日本に経済支援を求めていることからもわかる。

やっぱりアメリカに対するのは中国なのだ。しかし今のような共産党一党支配の政治体制では広がらないのではないか。欧州ではポピュリズムの台頭で現政権が左派に脅かされる状況になってきているが、共産主義ではなかろう。人権を無視する政権が成功する可能性があるのか。

2019年12月22日日曜日

2020年予算 102兆6600億円:安倍政権は日本をどう導こうとしているのか


安倍政権は日本をどう導こうとしているのか、「経済再生と財政再建は車の両輪」と事あるごとに言う。消費税増税に際しては「後10年は増税の必要なし」と耳障りのいいことを言うが、2020年の当初予算は102兆を超え過去最大規模になった。

税収もアベノミクスの異次元の量的緩和策で一時効果が出て63兆5100億円になったが、法人税減収などもあり国債発行額は32兆5600億円。歳出の3割に当たる社会保障費は高齢者問題、教育無償化もあり1.7兆円増の35兆8100億円になった。毎年1兆円の増加だ。

安倍政権の当初は財政にも楽観論があった。アベノミクス→経済成長→税収増→財政再建のストーリーもままならない。経済成長率を政府はGDP1.4%と見ているが、民間の調査機関は半分以下の0.49%、成長余力を使い果たし、高いプラス成長は考えにくく、財政健全化は遠のくばかりだと指摘する。

世界に約束したPB黒字化達成も2025年度まで先送りされた。政権を維持するためには経済の減速はまずいのだ。今回の消費税増税、東京オリンピック後は大きく減速するとみられている。

だから経済再生と財政再建を両立する予算となるが、財政出動と緊縮財政ではまるっきり反対の政策だ。どうしてうまく行く保障があるのか。

年々増える国、地方の借金の残高は1125兆円に達し対GDP比197%で、相変わらず先進国一悪い。これについては純資産もあるので純債務の実態は5~600兆円と考えれば特に心配することはないという専門家もいる。国会でもこの点を質問した野党議員もいたが財務省は否定したと覚えている。

この国の借金を減らすために消費税増税を上げているが、今回の10%への増税も半分は教育の意無償化など社会保障費の財源に充てられるルール変更をしている。

今、確かな税収増は消費税増税しかない。

経団連も消費税増税を賛成していたが、景気下振れの心配が出てくると経済対策を要求しだした。当初予算に加え補正予算を組めばそのまま赤字積み増しになる。

一方で異次元の量的緩和で市場に流れたカネを大企業は内部留保し460兆円のもなるという。麻生さんはこれを吐き出させるために課税しようとしたが今度は二重課税になると抵抗された。

日本のほとんどの企業は金持ちだという。借金しなくても自己資金で投資はできるのだ。だから日銀の低金利政策も続ける必要があるかは疑問だ。

一方で、医療費を含め社会保障費の伸びを落とすために高齢者などに負担増を強要している。年金生活者には生活困窮を強いるのだ。

ところが安倍政権は大企業の法人税下げ、富裕層への優遇税制で経済界の要求にこたえている。

今日本で一番欠けているのは所得の再分配ではないか。それは税制の見直しを必要とするのだが、共産党など野党が政策に掲げているが、自民党は知らぬ振りだ。

以前、我が国でも外需に頼らない経済運営を海外から要求され、前川レポート、21世紀版前川レポートで検討されたことがあるが、ことごとく失敗した。その要因は企業の儲けを家計に再分配するシステムができていなかったのだ。

そういう教訓が未だ生かされていないのだ。

一体日本の経済界はどんな日本社会を築こうとしているのか。日本国民、日本社会あっての日本企業ではないのか。著名な経済人が各審議会、諮問会議の民間議員に名を連ね安倍政権をヨイショしている姿は残念だ。「経済界のなすべき責務」でも考えたらどうか。

そして日本にもポピュリズムの台頭で打倒自民の動きが出てくるか。それとも打倒安倍で新たな自民党政権が誕生するか。

2019年12月20日金曜日

IRで秋元議員、強制捜査:外為法は入り口、贈収賄事件、背後にもっと大物か


利権がらみの政策となるとまたまた小物国会議員の強制捜査から始まるが、外為法違反は入り口で贈収賄事件に発展するとみているが、背後には官邸が大きく絡んでいるのではないか。そもそもカジノ解禁は安倍政権が観光客誘致、税収増を目論み掲げた成長戦略の一つで、国家戦略特区構想に乗る政策だ。

今まで安倍政権の戦略特区構想は加計学園の新獣医学部構想のように安倍総理のお友達を優先した利権がらみであるが、今回のカジノでは誰が利権がらみで動いているのか。おそらく安倍官邸の誰かだろう。

アベノミクスの第3の矢「成長戦略」の目玉政策としてカジノ解禁法は国内3か所にカジノの設置が決まった。安倍総理は当初「世界最高基準のカジノ規制を導入する」と豪語していたが有識者会議で「日本に合わせた規制の在り方」に腰砕けに終わったようだ。

日本は賭け事には抵抗がある一方、政府は観光客誘致、税収増など景気対策でカジノに賭けるが賭博罪との関係が微妙だ。だから入場料6000円とか週3回とか規制をかける。

日本にカジノはないのでノーハウは海外に企業に頼らざるを得ない。その一つが今回秋元議員が関係しているとみられる中国の企業だ。

秋元議員は、内閣府委員会、副大臣としてカジノ解禁に大きく貢献している。日本に進出したい海外の企業にとっては最高の人材だろう。

その資金にするために上限を超える現金を国内に持ち込んだ疑いで外為法違反が問われているが、100万や200万で特捜部が動くはずはない。1千万単位の高額なカネが動いているのだろうし、背後にはもっと大物の議員がいるとみている。

恐らく、秋元議員が聴取を受けたことで関係者は関連資料を廃棄しただろう。特捜部が家宅捜索する頃は大した資料は残っていないはずだ。だからもっと大物議員に行き着くのは大変だろう。

一方、カジノ開設に名乗りを上げた自治体の一つ大阪は万博前にカジノを解説したいらしい。海外の観光客を呼び込みたいのだ。

最近では横浜が山下ふ頭を候補地に挙げたが、横浜港運協会のトップが反対表明し新聞で大きく報道されていた。背後に首相官邸の菅官房長官がおり神奈川出身の代議士だ。菅長官の関係で大きく取り上げられた。菅官房長官がどの程度関係しているのか知らないが、安倍政権の目玉政策だ。力を持っているのは確かだ。

北海道の一つの村、留寿都村も名乗りを上げ、中国の企業も興味を持っていたようだが北海道は見送っている。

これからどう動きか。東京地検特捜部が本気で「バッチを取りに行く」標的なのか。

今日の新聞を読んで(316):トランプ弾劾裁判、今のアメリカは本来のアメリカか


トランプ大統領弾劾訴追へ、トランプ大統領の弾劾訴追の議会動向を見ると、これが本来のアメリカなのかと疑問が出てくる。トランプ大統領が「腐敗」での調査と言えば、民主党は「権力の乱用」「議会の妨害」と応戦する。何やら日本の今の政治と似ていないか。

トランプ大統領の「ウクライナ疑惑」とは大統領選での対抗馬の民主党バイデン前副大統領に対する調査をウクライナ政府に求めたのだがそれには4億ドルの軍事支援も絡んでいる。トランプ大統領は「腐敗の調査」というが明らかに大統領選に向け国益か個人的利益か「権力の乱用」が問われている。

そしてこれらに関して行政機関や政府職員に対して下院の召喚に協力をしないように指示したという「議会の妨害」も挙げられているのだ。

直接関係ない日本人だっておかしいと思うことだが、不思議なことに下院での弾劾訴追決議に共和党議員は反対なのだ。トランプの暴走を止めようとする共和党議員がいないのだ。

トランプ政権内ではマテイス前国防大臣やケリー前首席補佐官が辞任したが、ポンぺオ国務長官は知ってはいたが口をつぐんだままだという。

このままでいくと上院は共和党が多数なのでトランプ大統領弾劾裁判は「無罪」の可能性が高いらしい。

共和党は大統領選を控え、共和党内でも人気の高いトランプを推すことで政権維持を狙っているのか。

トランプ大統領は今の民主党を「何もやらない民主党、党利党略による弾劾裁判に集中している」と批判しているらしい。

トランプ大統領の横暴な政権運営は、何やら日本の今の安倍政権と似ていないか。

安倍一強を築き、弱い野党をいいことに「権力の乱用」が目立つ。さらに憲法改正など政策が進まないのは野党が「桜を見る会」の追及に時間を割いているためだという。

このままいくと来年の大統領選はトランプ再選になるのか。民主党に強力な候補者が出てこないことが問題ではあるが、トランプ大統領の更なる4年をアメリカ人はいいと思っているのか。同盟国との絆を壊すことは中国、ロシアの進出を進めることにもなる。決してアメリカの国益に沿っているとは思えないが。

2019年12月19日木曜日

安倍総理も年貢の納め時:安倍総理やアベ友の悪だくみが裁判で続く敗訴

もう安倍総理の年貢の納め時か、安倍政権やアベ友の悪だくみが裁判で敗訴することが続いている。森友学園事件での国有地格安払い下げでの特記事項の不開示が敗訴、アベ友の密室での性暴力行為に賠償請求が認められる事態に発展した。

安倍政権の悪しき政治手法である資料隠し、改ざん、破棄により追及する手を妨害した事案が多いが、森友事件では国有地を格安で払い下げた要因に土地にゴミが混入していることが挙げられるがその混入率が特記事項で国は不開示にしたが、裁判所は重要な特記事項を不開示にしたのは違法であると断じた。

そして、もとTBS記者の就活でジャーナリスト志望の伊藤詩織さんを密室で合意なき性行為をしたと精神的苦痛の対して損害賠償が要求されていた事件で裁判所は支払いを命じる原告勝訴の判断を下した。

この元TBS記者は安倍総理の友達で警察の捜査に圧力を加え捜査妨害したことが週刊誌で報道されていた。官邸が動いたと言われている。

このほかにも森友事件では関係する官僚は不起訴処分になり、担当した大阪地検特捜部長は函館地検検事正に出世したし、安倍総理夫人には公務員が秘書についていたが、その公務員もイタリアの大使館に栄転し、野党の追及をかわした。

安倍政権の資料隠ぺい、関係者の配属替えでの追及不能に陥れる行為は目に余るほどだ。

他にも「桜を見る会」での私物化、名簿などの破棄事件を市民団体が告発している。検察が受理するかどうか、裁判にかかるかどうかわからないが、安倍政権の求心力低下で今まで通りにはいかないだろう。

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2019.12.19掲載
公共性、公益性から真実?:性暴力に対する損害賠償で伊藤詩織さん勝訴の桃郷地裁判決
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2019.12.18掲載
森友学園事件での大阪高裁判決:あべの情報不開示、資料破棄の政治手法に敗訴
yamotojapan.blogspot.com/2019/12/blog-post_34.html


公共性、公益性から安倍官邸の関与の真実?:性暴力に対する損害賠償で伊藤詩織さん勝訴の東京地裁判決

望まない性行為で受けた苦痛に対して東京地裁は「公共性、公益性」から事実と認めジャーナリストの伊藤詩織さんが元TBS記者の山口さんを訴えた損害賠償請求で伊藤さん勝訴の判決を下した。

就活などで性暴力が広がる中で「被害者救済」の道ができていない今、伊藤さんが山口さんを訴えた民事訴訟で原告伊藤さんが勝訴した意味は大きい。

刑事では敗訴していたが、民事では「性行為に合意があったかどうか」が争点になったという。判決では被害者に寄り添う内容になったという。

「Black Box」で経緯を明らかにし、広く社会で議論、性犯罪被害者を取り巻く法的社会的な状況の改善につながると認定、「公共性、公益性」の概念を採用した。

顔や実名を挙げて性暴力の被害を訴え続けたあいだ、被告の山口さんは「法に触れるような行為は一切ない」と否認を続けた。

この件は2年前、告訴を受け警視庁が準強姦容疑で捜査したが東京地検は不起訴処分に、検察審査会にも審査請求したが「不起訴相当」になった。さらに1100万円の損害賠償を求め東京地裁に提訴したのだ。

その山口さんも安倍総理に近いということもあって官邸が警察に圧力をかけもみ消したのではないかという疑惑が週刊誌で取り上げられた。安倍政権に対する醜聞にもなったのだ。

性暴力で泣き寝入りがいいい中で今回の原告勝訴は大きな意味があるが、被告は控訴するらしい。



2019年12月18日水曜日

森友学園事案での大阪高裁判決:安倍の情報不開示、資料破棄の政治手法を否定か

17日の大阪高裁の森友学園事案での国の情報不開示を違法とする判決は、安倍総理の不祥事に関する説明拒否、資料破棄、改ざんの政治手法を否定する国民にとっては久しぶりの朗報ではないか。

森友学園の小学校設置事案で国有地取引での特約条項を不開示にした精神的苦痛に対して原告が損害賠償を請求した控訴審訴訟で「特約事項の不開示」を違法と判断、大阪地裁の判決を変更し、全額支払いを命じる原告勝訴、国敗訴の結果になった。

国は安倍総理夫妻が関与した森友学園の小学校開設で国有地を異常に安い価格で払い下げた。その根拠にしたのが地下に埋葬されたごみの量だったが、その混入が重要な証拠になるがそれを記した特約条項を開示すると安倍総理に不利になると判断したため第1審の大阪地裁では不開示を合法とした。

ところが、それを大阪高裁が違法と判断したのだ。

情報を隠ぺいしたり、破棄したり、改ざんし民主政治の根幹を揺るがす横暴さが目立安倍政権にあって今回の高裁の判決は久しぶりの朗報ではないか。

読売「日米共同世論調査」から:安倍総理はトランプ大統領との友好関係を見直す時では

読売新聞(2019.12.18)の「日米共同世論調査」で日本人がトランプ大統領をどう見ているか、参考になる調査結果をもたらした。日本の政府はアメリカ大統領と良好な関係を築くことで政権維持を図ってきた。しかし、今のトランプ大統領を頼る安倍総理の異常なまでの友好関係(?)を見直す時ではないか。

オバマ大統領が伊勢湾サミットで日本に来れば付きっ切りのアピール、急きょ広島まで同行する始末だ。そして未だオバマ政権でありながらトランプさんが次期大統領に決まればいち早くお土産を持ってトランプ詣でをやる。執拗な政治ショーはむしろ恥ずかしかった。オバマ政権から「今はまだオバマが大統領だ」とクレームがつくほどだった。

そして今回の調査で

「トランプ大統領の再び当選する方がいいか」との設問に「そうは思わない」76%で、「再び当選する方がいい」14%を大きく引き離した。さらに「外交の基本姿勢であるアメリカ第一主義を評価するか」では「評価しない」が75%で、「評価する」はたったの15%だった。

世界がトランプ大統領の「アメリカ第一」「保護主義」に引っ掻き回されている現状を日本の国民は良くないと思っている。早く従来の世界での立ち位置を回復してほしい思っているのだ。地球温暖化での「パリ協定」離脱、米中貿易戦争での世界経済の下降リスク、米軍駐留費の増額要求で同盟国関係にひずみを生じさせている。その隙間をぬって中国、ロシアが暗躍してる。

米国民ばかりでなく、日本国民も危惧しているのだ。

「日米安保条約は役立っているか」の設問に「多少役立っている」が51%、「大いに役立っている」22%で日本国民は期待している。米国民も同じ考えだ。

しかし、尖閣諸島問題では中国が領海侵犯を侵している現状ではアメリカもなかなか動きが鈍いが、トランプ政権はやっと「日本の施政権の範囲にある」と言及した。オバマ政権時もなかなか認めなかったのだ。

我が国に駐留する米軍は日本を守るのが目的ではなく、アメリカの世界戦略の一つなのだ。沖縄の海兵隊もアメリカが海兵隊組織を維持するには沖縄に基地があることが一番安くつくのだ。それでも駐留費を5倍にしろと言う。今2000億円として1兆円にもなるのだ。

北朝鮮が「核ミサイル開発をやっているが脅威と感じるか」との設問に「大いに脅威を感じる」は日本が58%、アメリカは29%、「多少脅威に感じる」は日本26%、アメリカ46%で日米で北の核、ミサイルの考えが大きく違っている。トランプ大統領の北への姿勢も影響しているのか。

兎に角、トランプ大統領とは距離を置いた関係を築くべきだ。知日派と言われる共和党のアーミテージさんも「いつまでも続くわけではない。方針が変わる可能性もある」と警告しているほどだ。


2019年12月17日火曜日

元農水次官懲役6年:「もっと他に方法が」と言うが、本人にしてみれば選べなかったのだ

元農水次官が長男を殺害した裁判員裁判で懲役6年の判決が出たが、殺害以外で「もっと他に方法がなかったか」と言うが官僚のトップになった被告だ。身内以外に他に相談する方法を選べなかったのではないか。

それにしてもテレビの情報番組は事細かに情報を伝え、分析しているが被告とはいえ個人情報保護も考えなかればならないのではないか。裁判所内では仕方ないことだが、裁判所の外では最低限守らなければならないのではないかと思う。

被告や家族が長男から日常的に暴力を受け、今度は危害を加えられ危険も出てきた。また、放置すれば他人に危害を加える恐れもあることから今回の行為に至ったと思う。他人に危害を加え一生後悔の生活よりも自分が加害者になった方が楽と判断しても不思議ではない。

誰でも情状酌量の道を探すだろう。裁判でも検察の求刑は8年と以上に短いし、判決でも懲役6年の実刑判決だ。執行猶予と言うことになると確か3年ぐらいの懲役だからチョッと無理か。

無理して執行猶予を付ければ「上級国民」かと批判され裁判が信用を失う。

詳しくはわからないが、発端は中学でいじめにあったことか。この時母親を味方だと思わなくなったようだ。その後長男の将来を思って、被告はいろいろそれなりに頑張ったようだ。しかし、思うようにいかなかったのも確かだ。

第三者からすると「もっと他に方法が」とか「外部の専門機関と相談しなかったのか」など努力が足りなかったことを指摘する向きのあるが、官僚のトップに上り詰め、外国大使も経験した被告だ。そう簡単に家庭内のことを外部に相談することもできなかったのだろう。

被告と同年齢なので残念としか言いようがない。


迷える日銀の物価見通し:現状維持で口癖は「躊躇なく追加の金融緩和」


物価見通しは間違ってばかり、金融政策は現状維持で口癖は「先行き物価安定の目標に向けたモメンタムが損なわれる恐れがある場合は躊躇なく、追加的な金融緩和措置を講じる」だが、やったためしがない。

期待感を煽るだけの日銀の金融政策はリフレ派経済の限界なのか。「2%物価目標を安定的に達成」するまでは異次元の金融緩和策を継続しているが、物価見通し1.9%に対して現実は0.5%、民間調査機関の予測があっている。

政策委員も任期交代で今はほとんどがリフレ派の政策委員のため皆、安倍政権のYESMANだ。

以前、木内さんと言う政策委員がいて、経済財政諮問会議の議事録を見るといつも反対意見を述べ否決されていたが、木内さんの考え方が正しかったと思う。

最近の朝日新聞経済気象台は「市場を手玉に取った日銀」「物価見通し日銀の甘さ」と続き日銀に批判的な内容だ。

先に日銀が異次元の金融政策の検証をすると言っていたがやったのか。経済の専門家は事実の検証に基づかない非伝統的金融政策と批判していた。量的緩和もマイナス金利政策も欧米の中央銀行の後追いだ。マイナス金利もECBバラギ前総裁が初めて取り入れたそうだが検証もせずに退任した。

今の日本経済は「穏やかな拡大」という。FRBは利下げを打ち止めするという。トランプ大統領の強い要求で利下げしていたが、ここへきて主体性を発揮したか。ECBは9月に利下げと量的緩和策再開を決定した。新しいラガルト総裁も政策を維持するらしい。

日銀も市場は緩和策を期待していたが、「現状維持」ではないか。追加的金融緩和も本音はやりたくないのだ。

このまま日銀に金融政策を任していいのか不安になるが、専門家の反対意見の方が今は正解かもしれない。



2019年12月16日月曜日

米朝会談の行方?:北は経済疲弊で「年末まで」、米は大統領選へ考慮?


北の金委員長が「年末まで」と期限を切り弾道ミサイルの実験で「戦略的位置づけを変える効果」を主張するのは経済制裁で国内経済が疲弊している証拠だろう。先の新聞でロシアに派遣されていた北の労働者が帰国を急いでいるニュースが伝えられた。国連安保理決議に沿った動きだろう。外貨を稼ぐ道を絶つことになる。

米は挑発行為が続くことに「敵対的行為を取れば多くの物を失う」「必要な軍事行動をとる」とけん制する。今まで弾道ミサイルの発射も黙認していたトランプ大統領だが執拗な挑発行為、米まで届くICBMエンジンテストともなれば黙ってはいられないのだ。

ビーガン北朝鮮対策特別代表が訪韓し、板門店での実務者協議を提案しているが、「年末までに」という期限には否定的だ。

米国は北とのの非核化交渉が「大統領選にどう影響するか」が判断基準になるのだろう。

米国は引き延ばせば有利になると思うが、一方で北は中国、ロシアへ軸足を動かすだろう。どっち道、北朝鮮の非核化は困難と見る。金委員長とトランプ大統領との友好関係(?)も大統領選までではないか。


今日の新聞を読んで(313):次期総理はやっぱり石破さんか


安倍総理はどう思おうと国民が思う次期首相は石破さんだ。自分の政策を継承してくれる人、院政を敷くことができる人と望んでもそうはいかないのだ。「桜を見る会」など一連の不祥事でも政府の説明に75%が納得していないということは安倍総理本人に対してなのだ。

この件は公職選挙法違反、政治資金規正法違反の疑いがあり、議員辞職の必要も出てくるので安倍総理は「逃げ」の一手なのだが、成功するかどうか。

そんな中で読売新聞(2019.12.16)の世論調査で次期首相に石破さんなのだ。

それによると 

石破さん 22%
小泉さん 22
安倍さん 16
菅さん   5
岸田さん  4
野田さん  4
加藤さん  1
茂木さん  1
いない  12

石破さんは他社の調査でも1位だが、弱点は党内で支持が広がらないのだ。一時離党し、のち復党したが一番厳しい時の自民党を離れたことに非難があるのだ。 地方議員などの予備選ではトップでも永田町の本選では負けるのだ。

小泉さんに支持が集まるのはどうしてか。政策らしいものはわからない。「期待されている」うちが花かもしれない。急な世代交代は自民党では禁物だ。小泉さんが出れば皆で潰しにかかるだろう。そんなことはわかっているので総裁選には出ない。

安倍さんをまだ押す人があるとすれば4選狙いか。日本の民主政治をダメにした。政権はYESMANで支えられている。政敵潰しで何とか成り立っている安倍政権がこれ以上続くことは無理だ。

憲法改正の議論が進むことを期待する人が多くなって来たが、改正まで行くことはないだろう。

岸田サンの支持が低いのは何とも不思議である。ポスト安倍と見ていたがこれでは無理だ。禅譲ばかり狙っていたため消極的と見られたのか。本人は「本気で取りに行く」と言うが打つ手があるのか。

一番いい方法は通常国会冒頭の内閣総辞職→自民党臨時総会→自民党新総裁選び→新総理選出ではないか。

一日も早く「安倍政権よ さようなら」しようではないか。

COP25 進まぬ対策:政府担当者と市民の意識のギャップが大きすぎないか


毎年開催されるCOP、今年も会期延長したにも関わらず、成果も「野心反映要請」で終わり、計画策定する政府の交渉担当者と地球温暖化防止に関わる市民団体との意識のギャップが大きすぎた。

先進国はできるだけ自国産業、エネルギー計画の足かせになりたくないし、一方、市民団体、海面が低い島国の住民は地球温暖化に恐怖におびえている。今年はスウェーデンの女子活動家を表に立てて訴えを続けた。青少年も将来を危惧しているのだ。

ところが排出量1位の中国は「発展途上の大国」と都合のいいことを言って先進国からの財政支援を求め、2位の米国はトランプ大統領の「アメリカ第一」「保護主義」路線から2020年に「パリ協定」離脱を決めた。全体の40%を占める大国が勝手な方向を向いているのだ。

さらには削減するための「ルール」への合意も見送られた。問題があるのは「排出権」で、削減の抜け道として評判が悪い。

日本は、NPOから「化石賞」を2度も受けたが、「2030年までに13年度比26%減」を主張しているが、原発比率が高まらず現在は6%減らしい。COPではより一層の削減計画を期待するが、石炭石油計画もあり散々な評判に終わった。

小泉環境相は、「政府との調整不足」とコメントしたが、政府はエネルギー計画に石炭石油発電を残しておきたいのだ。輸出にも貢献する。天然ガス、再生可能エネルギー、省エネで削減目標達成を主張する専門家もいるがそうたやすいことではない。群馬に帰るとあちこちの空き地に太陽光発電の建設が見られるが自然環境保護から考えると疑問符が付く。かえって周辺は気温が上昇するのだ。

根本的な問題は、現在の削減目標を達成したとしても今世紀末までに3℃以上になるという。だから更なる削減量の積み上げが要求されるのだろうがシナリオ作りのシミュレーションに間違いはないのか。

そもそも、CO2人為説と自然変動説との決着はどうなったのか。

今、地球温暖化対策で騒いでいる「地球温暖化」村の人たちが利権に群がっているだけではないか。国連の求心力も落ちている。中国やアメリカが言うことを聞くはずがない。

新興国は先進国からの経済援助を期待し、先進国はそれに抵抗する構図だ。こういった利権争いを失くし本来のCO2削減対策ができないものか。

2019年12月13日金曜日

米中合意?:大統領選を控え弾劾条項可決で米中貿易摩擦交渉を譲歩か

米中合意、米国下院での弾劾条項可決の動きのニュースで、大統領選を控え、トランプ大統領がウクライナ疑惑での弾劾訴追をうけ下院で可決されそうな動きに不利と見て米中貿易摩擦での制裁関税の発動の回避やこれまでかけてきた追加関税税率の引き下げを米国が中国に提案したのではないか。

米中貿易摩擦交渉は国内経済、国際経済で景気下降リスクが強まり、トランプ大統領が国内経済維持のためFRBに更なる利下げを強要していたが拒否される事態になった。

大統領選を有利に進めるためには米中貿易摩擦交渉の一部合意を目指し、ダメージを少なくする作戦に出たのではないか。

北朝鮮の新しい弾道ミサイルのエンジンテストも当初トランプ大統領は無視していたようだが、国連安保理でも北の勝手な行動は許さないという動きから大統領も厳しい姿勢に変えたのではないか。これも大統領選を控えてのことだ。



今日の新聞を読んで(312):政治家の一文字、安倍の「始」、山口の「軽」の本当の意味

「今年の漢字は」と記者に聞かれ安倍総理は「始」、公明党の山口代表は「軽」を上げたそうだ。聞かれて急に思ったのか、聞かれるだろうと用意していた漢字なのかどうかわ知らない。

安倍総理の「始」はW杯、東京オリンピックパラリンピックなどスポーツの力、躍動感を感じる新たな時代が「始」まると言うのだ。ところがマラソンでのゴタゴタ、会場の見直し、海水の汚水の臭いなどクレームが多く、オリンピックの在り方が問題になった。

一方、政治では安倍長期政権の終わりの「始」まりと言う感じではないか。「桜を見る会」では私物化、内閣改造早々に2人の重要閣僚の辞任、首相補佐官の不倫旅行、政権を支えた菅官房長官の求心力の低下は安倍政権の終わりの「始」まりではないか。

また、公明党の山口代表は消費税増税にあたって生活弱者を救済するために軽減税率の制度導入を主導したということで「軽」を上げたのだが、政権与党として支える安倍政権の質の「軽」さではないか。

更に菅官房長官に記者が「桜はどうか」と聞かれ「見たくも聞きたくもない」と苦笑いしたそうだ。そうだろう今、「桜を見る会」で記者の厳しい質問攻めにあっている。

安倍総理の不祥事にどうこたえるか四苦八苦しているのだ。ここは「総理自身が説明責任を果たすべきだ」と答えることができないのか。

英総選挙保守368vs労働191:英国はグローバルから自主政治尊重へ?

3年前の国民投票で賛否拮抗し国内政治経済の混乱を招いたEU離脱(プレグジット)も今回の総選挙の出口調査で保守党368vs労働党191でジョンソン首相率いる方種等が過半数を獲得する結果になり、イギリスはグローバリズムから政治の主体性を尊重することになる。

グローバリゼーションの見直し機運が高まっている現在、EU加盟国に少なからず影響を与えるだろう。

国民投票の時は国民に十分な情報を与えていなかったが、今回ジョンソン首相はあたらしいEU離脱協定案を示した。それによると関税同盟は抜ける、北アイルランドはルール通りと言うことで国民の支持を得たのか。従来の政権は事あるごとにEUともめていた。

英国は議会制民主主義、二大政党制の代表存在だったが、両党の中でも分裂していたので迷走する結果になったのだ。

それでも自国は自国でという自主性を取り戻したことになりこれは大きな動きだろう。

米のトランプ大統領も「アメリカ第一」「保護主義」のもと、グローバリゼーションの見直し的立場だが、国際社会でのアメリカの立場は下落していないか。

英国のEU離脱での混乱は、他人事ではない。日本も憲法改正では国民投票が予定されている。おそらく国を二分する結果になるだろう。今回の英国のEU離脱過程は大きな参考事例になる。


2019年12月12日木曜日

抗生物質が風邪に効く?:医者の処方する薬はよく効くのは本当か

読売新聞(2019.12.12)の「抗生物質 風邪には不要」と言う記事を読んで「医者の処方する薬はよく効く」という話を思い出す。

誰でも経験していることだが、風邪をひき、市販の「風邪薬」を飲んでいたが良くならないので医者に行ってきた。症状も改善しやっぱり医者の薬はよく効くというのだ。多くの場合市販の風邪薬で少しは良くなっていたのだ。そこに医者の薬を飲んだので改善が進んだということか。

医者は「念のためにテストしましょう」と言い、「インフルエンザではなくただの風邪です」、「お薬を出しましょう、5日間分全部飲んでください」というパターンが普通だ。

「5日分全部飲んでください」と言うのは抗生物質を処方しているためだ。細菌などがいる場合完全に殺すには5日間分の全部飲む必要があるためだ。

ところが風邪やインフルエンザの原因はウィルスだ。抗生物質は効果がないどころか、細菌が耐性を持つ「薬剤耐性」が出て本当に抗生物質が必要な患者さんが有効な治療を受けることができなくなるのだ。

以前から言われていることで素人でもわかることを何で開業医は知らないのだ。

こんなことがあった。

中学生の孫の風邪症状がなかなか良くならないので小児科に連れていった。テストの結果、インフルエンザとわかったが、医者な「どうしますか、インフルエンザの薬飲みますか」と聞いてきた。「飲まなくてもいいんですか」と聞き返すと「風邪ですよ、温かくして寝ていればそのうちに治ります」という。全くの正論だ。

でも孫のことでもあり、重篤なことになってはいけないので「薬を飲みます」といって処方してもらった。大事なことは親が判断すべきだと考えたからだ。

何故、重篤なことが問題になるのか聞けなかったが、風邪でも同じことなのだ。この医者は信頼できると判断したが、小児科は中学生までだ。

今日の新聞を読んで(311):COP25「化石賞」批判に小泉環境相努力も官邸拒否

COp25で石炭火力発電を抑制できない日本は「化石賞」の汚名を浴びているが、小泉環境相は前向きなメッセージを発信しようと努力したが経産省や官邸の抵抗に会い実現しなかったようだ。

新聞報道では、小泉環境相は国際的に批判を浴びている石炭火力発電に対して海外への輸出制限を国際公約などに盛ろうと努力したが叶えられず、「力不足」とコメントした。

日本のエネルギー政策は安価な石炭火力を選択肢に残しておきたいのだ。全発電の3割、17基の新設計画があるということは政策との整合性できない状況だ。

だから、自分の子どものことに触れ、「すべての子どもの未来のために確かなものにする義務がある」と言わざるを得なかったのだ。新しいフレッシュな閣僚として期待されている小泉環境相だから思い切って前向きなメッセージを出そうとしたのだろうが残念な結果に終わった。

今の日本経済の方向は経産省と官邸が握っている。環境省は三流官庁なのだ。

2019年12月11日水曜日

事実の検証に基づく経済政策:成功した「所得倍増」、失敗か「異次元の金融政策」


そうだったのか。経済政策も事実の検証に基づく必要があるのだ。成功した1960年代の池田勇人首相の「所得倍増計画」、逆に失敗したらしい安倍総理のアベノミクスの「異次元の金融政策」だ。

「異次元の金融政策」は事実の検証を経ない非伝統的金融政策と言われ、当初から主流派経済学者に批判されていた。だから6年過ぎても目標を達成できずズルズル継続している。

読売新聞(2019.12.11)「日本経済の規模をおよそ10年間で倍増 積極投資 好循環生む」を読んで「やっぱりそうか」と思うのだ。

政治家は将来の展望を示す→企業かは投資し生産性を上げる→国民は所得の増加→消費が増え経済は好循環する。

新聞記事によると「所得倍増」ではその展望示したのが池田勇人元首相だが、ヒントは中山伊知郎氏のコラム「賃金2倍を提唱」にあった。その理論づけをやったのが下村治さんだという。岸さんの後を受けて池田さんが何をしようか考えた時中山さんのコラムを見て「これだ」と決めた「国民所得倍増計画」だ。

下村さんはケインズの理論を読み込み「投資の二面効果」を理論化したのだ。設備投資は機械の購入という需要の側面と安く良い製品を作る供給側面と二面性があるというのだ。東大名誉教授の宇沢弘文さんは、ノーベル賞ものの論文だったという。

そして下村さんは過去の経済データを綿密に分析に、日本経済は2桁成長が可能と結論、民間投資が経済成長につながるという。投資が投資を呼ぶのだ。

今の経済停滞時期でもイノベーションで経済成長は可能、規制緩和すれば伸びる分野はまだあると専門家はいう。

一方、異次元の金融政策はどうか。

安倍総理が何をするか探していた時、友人からリフレ派経済を紹介され勉強会にも加わり経済政策に採用したのが安倍にミクスの第一に矢「異次元の金融政策」だ。エール大の名誉教授の浜田さんを参与に迎え華々しく打って出たが、如何にせん、事実の検証に基づかない暴挙だったのか。未だ目標を達成できず、日銀の金融政策はマイナス金利にまでなり銀行経営にも暗雲が立ち込めているらしい。

量的緩和にしろマイナス金利にしろ他の中央銀行の後追い政策だ。

政策続行が経済の好循環に結びつく保証はない。


安倍曰く「憲法改正は私の手で・・」:現憲法のどこが悪いのか、他の人では無理なのか

安倍総理曰く「憲法改正は私の手で・・」と、では現憲法のどこが悪いのか、どこが気に入らないのか、他の人では出来ないのか。今までの選挙では「憲法改正」を争点隠しして自民党が勝利してきたが、先の参院選で初めて憲法改正を争点にして戦い、議席数は減らしたが、相変わらず過半数を維持した。

有権者は憲法改正に理解を示したと受け取り勢いづく。「必ず私の手で」と繰り返す。

ところが肝心の国会の憲法審査会は国民投票法案でさえてこずり一歩も進んでいない。安倍総理の意欲だけが独り歩きしているように見えるし、世論調査でも憲法改正要求は最下位だ。しかし憲法を審議しようとする動きは出てきたのではないか。

安倍総理は憲法改正の必要性を訴えるが、集団的自衛権行使の閣議決定、野党の国会開催要求に長期間無視するなど憲法の趣旨に反した政権運営する人間に憲法改正など任せられない。

立憲民主は安倍総理の下での改憲審議には応じられないというのも正論だし、国民民主の憲法を審議する環境づくりは賛成という意見も正論だ。だから野党の統一が難しい面もある。

安倍総理は本当に憲法改正が必要と思っているのか。「ただ改正に初めて手を付けた」という功名心だけではないのか。9条に自衛隊を明記することによる違憲論を葬り去ることができるのか。かえって9条解釈が混乱するのではないか。

ところで現憲法のどこが悪いのか、否、気に食わないのか

自衛隊違憲論があることは確かだが9条があるために国際社会での日本の暴走が制御されているのではないか。海外で活躍するNPO,NGOの関係者が現9条があるから私たちは尊敬されているが、9条をかえるとなると評価も厳しくなるだろうと言っていた。

一度も見直ししていないというが、見直しする必要がないからではないか。政治家が国際社会で活躍するためには集団的自衛権などは必要だろう。でも国民にとっては必要ないのだ。

国会の憲法審査会のメンバーが欧州で憲法改正の回数の多い国を視察した。その結果他国では憲法に記する内容ではない場合が多かったという。事情が日本と違うのだ。自民党は出鼻をくじかれた。

憲法改正は自民党の党是、岸、安倍家の家訓のように考えているが政治は岸、安倍家のものではない。

押し付け憲法と言われた。これは間違った考えで、当時のことを考えると、GHQが手を付けたことで日本政府案よりもより民主政治が確保されたのだ。押しつけではなく日本も新しい国会、議員で検討され、修正も加えての現憲法なのだ。

更に、憲法改正は安倍さんでなければならないのか、他の人ではダメなのか。

本当に憲法改正が必要となればもっと盛り上がり、時の総理でも動くはずだ。保守系リベラルの総理が動くことになるかもしれない。そうなれば時の野党も動かざるを得ない。

安倍総理の憲法改正が新しい令和時代の国造りと思いあがってはいけない。安倍総理自身がもっと憲法を学ぶべきだ。


2019年12月10日火曜日

安倍総理に「説明責任を果たせ」と言うが、「ウソの上塗り」になり果たせないのです

流行語大賞になりそうな(いな、なったかもしれないが)安倍総理の「説明責任」が毎日テレビの情報番組、新聞の記事に出るが、それに経産相を辞任した菅原さん、法務相を辞任した河井さんが加わり、誰も責任を果たすことなく令和元年の政治が終わろうとしている。

その原因は従来の説明の整合性が付かず「ウソの上塗り」になり、記者会見で全国民に説明することができないのだ。

安倍総理の「モリカケ」「桜を見る会」では説明をしたというが、国民の60%以上は納得していないのだ。

安倍総理は「求められれば国会に出て説明する」と言う意味の発言をしていたが、森山国対委員長は野党の要求に拒否だ。自民党のトップである安倍さんが出てもいいといっているのに、何故下っ端の国対委員長が拒否するのか。森山さんだって国会正常化に向け安倍さんの出席を望んでいるのだろうが、官邸や側近連中がウンと言わないのだ。

更に資料は改ざんしたり、破棄してしまって「ない」という。だから「説明のしようがない」と言うのだろう。それがあったということになるとこれは一大事だ。野党がパソコンに保管されていなければ、「サーバーに保管は」と聞いてくる。「サーバーの資料を破棄した」というと「復元できないか」という。「サーバーに保管されているのは公文書や、行政文書でない」というと「印刷すれば公文書になるのか」と追及が激しい。

さすがの菅官房長官も答えに窮し、事務方が11回もメモを差し入れる羽目になった。

安倍内閣は「ウソの上塗り内閣」だ。今本当のことを言っても誰が信用するか。

立憲民主、国民民主の合流に亀裂?:旧民主党は何だったのか、小異を捨て大同団結を

新聞報道では、野党再結集で立憲民主と国民民主の合流話に暗雲が立ち込めているらしい。では政権交代前の旧民主党は何だったのかと問いたい。あの時の自民党を脅かす野党の勢いはどこに行ったのだ。安倍総理は事あるごとに「悪夢のような民主党政権」と言うが、旧民主党議員に反論する元気もないのか。

無所属の岡田さんや野田さんそれに小沢さんも合流を提案している。しかし立憲民主、国民民主の中には結党時、そして先の参院選でのゴタゴタが合流に足かせになっているようだ。

でもよく考えよう。

民主政治の根幹を揺るがす安倍政権を今後も許すのか。

旧民主党のプライドはどこに行ったのか。

党内には多様性があってもいいのではないか。政策の一致が大事なことはわかるが、自民党だっていろんな意見があるではないか。それでもまとまっている。

今までの経緯を捨て、とりあえず大同団結する広い心を持てないのか。

確かに両党の結党時の経緯は複雑だ。国民民主は旧民進党解体後小池さんの希望の党へ移り、さらに離党して国民民主を結成した。一方立憲民主は希望の党でふるい分けされ残されて議員の受け皿として枝野さんが設立した。

だから枝野さんは立憲民主に合流を考えている。国民民主の対等合流に否定的だ。でも立憲民主は政党支持が伸びない。単独では無理とわかって枝野さんは合流にカジキリした。

枝野さんは自分が野党合流後の代表になることを目指しているようだが、集金力は国民民主の下だ。一時自分は降りて、他の人を代表に合流を進めることができないか。

政策の不一致で笑いものにされるが、自民党だって政策の不一致がある。憲法改正だって安倍総理の案に反対している議員は自民党内でも多い。立憲民主は安倍総理の下では憲法改正反対、国民民主は憲法を議論する環境造りには賛成と言う。憲法改正は国民の民意からしても低位であるし安倍総理の任期中に改正などできない。気にすることはない。

全員が合流すれば166人の野党第一党になるが、国民民主の22人のなかで慎重派がいるというし自民との連立を望む議員もいるらしい。そういう議員をのぞいて合流できないのか。旧民主党でもそうだったが皆好き勝手なことを言い合って政権の足を引っ張る傾向にあった。代表的なのが小沢さんだ。権力の二重構造が危惧されていたが実際にそうなった。

小さなコップの中でいがみ合っていてもしようがない。小異を捨て大同団結で日本の民主政治を守れないか。




「モリカケ」「桜を見る会」(4):誰が見ても「これほど本質的問題」はない

安倍総理の擁護派は「桜を見る会」より「もっと大事なことがあるだろう」と国会での野党、メデイアの姿勢を批判するが、誰が見てもこれ以上本質的問題はないのだ。徹底的に追求し安倍政権の政治姿勢を糾弾し安倍政権を追放しなければならない。

「モリカケ」「桜を見る会」ともに安倍総理は説明責任を果たすというが、国民の60%以上は「はたしていない」「納得できない」という。

まずい公文書を早々と破棄し、情報公開を不可能にし野党の追及をかわしている。公文書、行政文書の定義、保管があいまいなままだ。否、決まっているが守っていない。

安倍政権を何故、守ろうとするのか、官僚の忖度行政は公平公明な行政を害している。

政権与党が安倍総理をとことん守ろうとする。安倍総理は「求められれば国会で説明する」というが自民、公明の与党が拒否している。安倍総理は自民党のトップでありながら決断できない。

ウソの上塗りを続け最後は誤魔化すか、解散で脅す。菅官房長官も官邸での記者会見で立ち往生し、事務方が11回もメモを渡すシーンが見られる。

公的イベントを「私物化」している。自分の地元での有権者厚遇、自民党支持などに利権誘導が激しい。「桜を見る会」も安倍総理の後援会活動と相まって公職選挙法違反、政治資金規正法違反の疑いが大きい。政治家の政治資金規正法違反、公職選挙法違反は議員辞職の責任も負う大きな問題だが、安倍総理はその意識がないのか。

安倍総理は在位日数最長記録を更新中だが、民主政治の根幹を揺るがす悪政も更新中だ。そんな中で、4選も出てくるとは驚く自民党ではないか。

野党にしっかりせよと言いたいが、それを支持するのは国民であり、メデイアだ。民主政治を維持するためにも野党を育てていこうではないか。

2019年12月9日月曜日

北の「重大な実験を行った」発言:常に騒いでいないと忘れられる哀れな存在か


米朝首脳会談に向け良い動きがないことを懸念し北朝鮮が「非常に重大な実験を行った」と世界に発信した。北朝鮮のような国は常に騒いでいないと忘れられる存在と言ったのは金正日前主席だった。その教訓(?)を活かしているのか。哀れな存在ではないか。

先の米朝会談は、金委員長一行が華々しい政治ショーで意気込んで出かけたが互いの譲歩を期待したために内容はパッとせず失意の帰国になった。おまけにアメリカを批判するコメントを発表した。

北はアメリカが大きく譲歩し経済制裁を勝ち取ること、一方アメリカは北が非核化に向け譲歩することが目的だからうまくいくはずがない。そこのところを両国の事前協議でしっかり話しているのか。事前協議は平行線だが首脳同士で歩みよりが期待できると思って首脳会談まで持っていっているのか。

経済制裁解除を急ぐ金委員長は年末までの期限を切ってアメリカの譲歩を求めるがアメリカから良い感触が得られない。

痺れを切らして先月末に弾道ミサイルを発射、日米韓ともに弾道ミサイル発射は国連安保理決議に反すると批判すれば、北はロケット砲だといい、日本を批判した。「近いうちに身近に本当のミサイルを撃ち込む」と脅してきた。

トランプ大統領が何らコメントを発しないのでいらだっているのだ。代わりに日本を非難している。

北の行動に何ら批判はしないが、トランプ大統領は「自分の大統領選に妨げになるようなことはしないはずだ」「良い関係を保っている」という。

自分の大統領選しか頭にないのだ。トランプ大統領が非核化、朝鮮半島の平和、安全に貢献するとは思えない。もたもたしているうちに北は中国、ロシアとの距離縮め、ますます米朝階段は難しくなる。

重大な実験が新型エンジンの発射実験だとしたら次の騒ぎはICBMの発射実験と思われている。このような国が新聞の話題になるのがミサイル開発とすると哀れな国としか思えない。

今日の新聞を読んで(310):地球温暖化と原発、それぞれでごもっともな意見、難しい選択か


地球温暖化と原発問題は、それぞれの立場の意見を聞くとすべてごもっともと思えるからこそ、難しい選択を強いられることになる。成果の見えない地球温暖化対策だが、必ずやってくるのが国連気候変動枠組み条約国会議COPで今回で25回目になる(COP25)。

新しい動きとして、CO2排出量世界第2位のアメリカが「パリ協定」離脱した。でも締結国同士で取り組みを進めるらしい。日本も厳しい立場に置かれている。先の国際会議で小泉環境相の国際舞台初デビューの機会だったが「具体的削減計画がなかった」と言うことで発言の機会が与えられなかった。また日本は「化石・・・」とも皮肉られている。

確かに「原発は?」と問われれば「NO」と言えるが、「地球温暖化は?」と問われれば「?」となる。地球温暖化と強調されれば「原発NO」は声が小さくなるが、各立場、分野で評価が大きく異なるのだ。

海水温に上昇による台風の巨大化、気圧配置にもよるが局所豪雨、帯状豪雨、海水面の上昇による島国の生活支障、南極、北極の氷の氷解、そして氷河の後退、乾燥による山火事、アメリカを襲うハリケーン、人為的だがアマゾンの緑の減少など地球温暖化に影響とみられる現象が世界的規模で増えている。シベリアでは温暖化で凍土が解けメタンガスなど地球温暖化原因物質が放出されている。私たちが排出するCO2など温暖化原因物質を削減すれば解決できる問題なのか。

政府の考え方はどうか

安倍政権は原発再稼働に舵を切っている。原発は電力コストを下げるので日本経済への影響が大きい。石炭石油を減らすことで電力業界は経営が楽になる。一基動かせば赤字がぶっ飛ぶと言われているほどだ。ただ、原発再稼働も安全確保が前提だ。地震対策、テロ対策が強化され数千億の費用が掛かる。それで地元住民が再稼働反対だったらどうするのか。陣と自治体の財政問題も絡んで賛否拮抗か。

また、今まで築いてきた原子力技術をどう維持していくか。原発ゼロでは廃炉技術しか生かされない。そこで原発の輸出になる。経団連も推奨している。

小泉元首相の行動が面白い。現役時代は原発賛成派だったが、総理を辞めると考えが変わって今は「原発ゼロ」を訴えて行動を起こしている。「安倍政権は間違っている、やればできる」というのだ。政策責任者と一般市民で立場が変われば考えも変わってくるのだ。

経済団体はどうか

電力企業が加わっているし、今は原発メーカーの経営者が経団連の会長だ。輸出にも賛成している。電力コストが下がれば企業の経営にもメリットがあるし、電力会社の経営は大きく改善する。

日本原子力産業協会は「CO2を排出しない原子力の活用は必要不可欠だ」という。「CO2を排出しない」とは「運転中のこと」であり、原子力設備を作るには当然にCO2を排出することを忘れてはいけない。

国際原子力機関(IAEA)はどうか

原発の利用がなければCO2排出削減、気候変動での目標達成は困難と見ている。

国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)はどうか

2℃未満できれば1.5℃以下に抑えたい目標だ。化石燃料を大幅に削減し2050年までにCO2を排出しない電源を80%以上にする。原発は「発電時にはCO2を排出しない」と念を押している。

いま世界で稼働中の原発は440基(約1割)、20億トンのCO2が削減可能と言う。気温を抑えるシナリオの中では50年の原発割合はどのシナリオでも10%程度を見ている。

EUはどうか

原子力は気候目標達成の役割を果たせるという。

COPはどうか

高い資本コスト、10年と言う長い建設期間、事故と核拡散のリスク、廃棄物の長期保管で社会の反対にどう対応するか。

世界の動きを見ると

中国は東南アジアへ輸出、英国へも輸出することで英国内ではエナルギーまで中国頼みかと批判も出てきた。ロシアも原発輸出だ。小型モジュール炉の開発も進んでいるらしい。

原発に頼らないエネルギー政策をドイツ、イタリア、台湾が推進しているらしい。「パリ協定離脱」を宣言したアメリカも40年と言う寿命を超えての原発の運転を目指しているし、再生エネルギー、天然ガスの価格低下で原発の採算も悪化しコスト競争に原発は破れているという。やっぱりアメリカは資源大国だ。

こう見てくるとIPCCが目標にしている気温上昇を2℃未満に抑えるには運転中にCO2を排出しない原発の存在は大きく原発に反対しているのは誰だということになる。

IPCCも化石燃料を減らし、再生エネルギーなどCO2を排出しない電源を80%に上げれば可能と見ている。その時電力コストはどうなるのか。

原発を廃止しても温暖化は抑制できるという調査研究もある。石炭火力を廃止し、太陽光、風力発電を8~9割に、バイオマスガス火力ではCO2回収技術を併用するシナリオだ。

しかし、成功するかどうかは政府がそういう政策に変更しなければならないだろう。しかし、原子力産業は大きな経済規模だ。

今までは原発に慣れていた。これほど巨大技術で安全なのは原発しかないと洗脳されていたが、チェルノブイリ、JOCそして福島第一原発の事故で安全神話は崩れてしまった。一度事故を起こせば甚大な被害をこうむることが明らかになった。

全世界が福島第一原発の被害状況を知っている。それでも原発容認はどういう考えなのか。

朝日新聞(2019.12.8)の時々刻々の「原発アピール躍起だけど」を見てなかなか判断がしにくい「地球温暖化と原発」問題だ。COPで原発と戦っている間も我が国では地震対策、テロ対策の安全対策に巨額の投資をしながら原発は再起動を待っているのだ。