そうだったのか。経済政策も事実の検証に基づく必要があるのだ。成功した1960年代の池田勇人首相の「所得倍増計画」、逆に失敗したらしい安倍総理のアベノミクスの「異次元の金融政策」だ。
「異次元の金融政策」は事実の検証を経ない非伝統的金融政策と言われ、当初から主流派経済学者に批判されていた。だから6年過ぎても目標を達成できずズルズル継続している。
読売新聞(2019.12.11)「日本経済の規模をおよそ10年間で倍増 積極投資 好循環生む」を読んで「やっぱりそうか」と思うのだ。
政治家は将来の展望を示す→企業かは投資し生産性を上げる→国民は所得の増加→消費が増え経済は好循環する。
新聞記事によると「所得倍増」ではその展望示したのが池田勇人元首相だが、ヒントは中山伊知郎氏のコラム「賃金2倍を提唱」にあった。その理論づけをやったのが下村治さんだという。岸さんの後を受けて池田さんが何をしようか考えた時中山さんのコラムを見て「これだ」と決めた「国民所得倍増計画」だ。
下村さんはケインズの理論を読み込み「投資の二面効果」を理論化したのだ。設備投資は機械の購入という需要の側面と安く良い製品を作る供給側面と二面性があるというのだ。東大名誉教授の宇沢弘文さんは、ノーベル賞ものの論文だったという。
そして下村さんは過去の経済データを綿密に分析に、日本経済は2桁成長が可能と結論、民間投資が経済成長につながるという。投資が投資を呼ぶのだ。
今の経済停滞時期でもイノベーションで経済成長は可能、規制緩和すれば伸びる分野はまだあると専門家はいう。
一方、異次元の金融政策はどうか。
安倍総理が何をするか探していた時、友人からリフレ派経済を紹介され勉強会にも加わり経済政策に採用したのが安倍にミクスの第一に矢「異次元の金融政策」だ。エール大の名誉教授の浜田さんを参与に迎え華々しく打って出たが、如何にせん、事実の検証に基づかない暴挙だったのか。未だ目標を達成できず、日銀の金融政策はマイナス金利にまでなり銀行経営にも暗雲が立ち込めているらしい。
量的緩和にしろマイナス金利にしろ他の中央銀行の後追い政策だ。
政策続行が経済の好循環に結びつく保証はない。
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