2019年12月3日火曜日

今日の新聞を読んで(308):トランプ外交で米vs中露、再び冷戦に逆行か


トランプ大統領の「アメリカ第一」「保護主義」外交は、多国間協定、同盟国の団結を蔑ろにし、その亀裂に中国、ロシアが入り込み終わったはずの冷戦が再びやってくるのか。世界の平和、安全も米vs中露で国連の役目も果たせていない。米中ロは対立しているのだ。

1985年ゴルバチョフの政治体制改革、情報公開の「ペレストロイカ」でソ連が崩壊、ゴルバチョフ氏はノーベル平和賞受賞、1989年11月ベルリンの壁が撤去され東西ドイツが統一され今、ドイツは東ベルリン出身のメルケル首相だ。共産党政権が倒れ冷戦は終わる。マルクス経済は破綻、資本主義経済が勝ったと思った。

一方中国も社会主義国か共産主義国かわからなかったが、それに市場経済を取り入れ鄧小平さんが「先富論」を打ったが、格差の拡大があちこちで見られるようになったが経済成長を目指した。

リーマンショック後は高い成長率、過剰な投資をかかげ世界経済をリードしていったが、鉄鋼産業のように作りすぎたために、安値で輸出し世界の鉄鋼業に悪影響を与えている。

そして今、習主席は「社会主義国近代化強国」を掲げ軍事大国、中国を中心とした世界秩序再編へ向かっている。専門家の間では中国が世界を制するには今の政治体制を見直す必要があると言っていたが、国内の人権問題、香港、台湾への圧力は世界的に批判の的だ。

そんな習主席を日本は国賓として招くのだという。国賓だから12人の随員を含めた滞在費などを税金で賄うという。アメリカは香港人権法を可決し香港の民主化運動を支援している。日本とはまるっきり違った動きだ。

そのトランプ大統領の登場で掲げた「自国の利益」「優位性」が脅かされるのを防ぐ外交に出た。「アメリカ第一」「保護主義」だ。デイールが得意なトランプ大統領は多国間交渉より二国間交渉を好み巨大市場、軍事力を背景に相手方の譲歩を迫る手法だ。

ポンぺオ国務大臣は中国を「米の陸海空の優位性」を脅かしているというし、巨額な貿易赤字で、米国民の雇用や産業を犠牲にして損をしているとトランプ大統領は貿易赤字対象国に高関税をかけ、是正させる動きをしている。

また、「世界の警察官」の立場を捨て他国のために米軍兵士が犠牲になることも避けようと、米軍の撤退や駐留米軍の維持費の負担増を要求し、応じなければ米軍の撤退や縮小を臭わせる。

それらの行為が先進国、同盟国の支持を失い、アメリカの世界における立場に変化が出てきている。

こんなことではまずいという声も上がっている。

大統領選に民主党からブルームバーグ元NY市長が出馬を決めた。「このままではアメリカが持たない」と言うのだ。また、親日派で知られた共産党のアーミテージ氏も「いつまでもこのままトランプではない。方針は変わる可能性がある」と警告している。

アメリカはどんな関係になっているのか。

駐留米軍事費の増額要求。日本は5倍増の1兆円と言われている(今は2000億円)。NATOに対しても関係国に増額要求、フランスのマクロン大統領は欧州で独自軍の創設を提案し、トランプ大統領の反感を買った。

貿易赤字国に高関税をかける。中国はいま、米中貿易摩擦で世界経済が停滞する事態になって来た。日本も日米貿易交渉で不利な条件をのまされている。合意文書の解釈に違いが出てきている。国会審議では十分な説明がされないままに通過した。EUやその他の国にも関税をかける動きだ。

米軍撤退。同盟国の反対にもかかわらずシリアからの撤退、トルコがロシア側に寝返った。

地球温暖化ではパリ協定離脱。世界第2位のCO2排出量だがパリ協定から離脱した。残った国で協定を守ろうとしているが、第1位の中国も「発展途上の大国」の考え方で不利な削減を避けようとしている。

G7, G20では米国vs先進国の構図で米国の合意がなければ合意文書、共同記者会見も開かれない状態だ。合意した後でツイッターで反対することもあった。アメリカの態度はリーダーなきG7,G20になった。トランプ大統領と異常な友好関係にある安倍総理の存在が期待されるが、多国間交渉を嫌うトランプ大統領とは考え方が違うのだ。トランプ大統領が孤立化していることをわかっているのか。それともアメリカ国民に支持があればいいとでもいうのか。先進国首脳の悩みは大きい。

一帯一路vsインド太平洋構想。海のシルクロード構想で海外の新興国とで経済支援のため港湾建設に精を出している。新興国は貿易用の船が寄港するのかと思ったら中国の軍艦が来たという。軍備拡張のための一帯一路だ。遅まきながらアメリカもインド太平洋構想を打ち出し日本にも参加要請した。日本はすでに一帯一路に理解を示していたので困ったのではないか。債務が返済できなければ港湾付近が中国に取られてしまうことがわかってきた。

朝鮮半島の平和、安全、北の非核化。米vs北中露の構図になって来た。米朝首脳会談も金委員長が中国、ロシアを味方につけての交渉となる。うまくいかない現在、経済支援も含め中国、ロシアが支援の手を差し伸べた。国連安保理決議に反する行為も見られる。

日本外交もアメリカ大統領の側に立つことだ。故中曽根総理は写真撮影でレーガン大統領の隣を無理やり確保したし、安倍総理も伊勢湾サミットではオバマ大統領と付きっ切りで広島訪問までついていった。トランプ大統領とは別荘での会食、ゴルフ外交と他国の指導者がうらやむ(?)ほどだが、この先もトランプ寄りでいいのか。

近より過ぎない方がよいと思うが、安倍総理自身の価値をどこに見出すかだ。


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