アフガンでの中村医師の死を悼む。アフガンの復興に尽くした中村さんの名言は沢山あるだろうが、一番印象に残ったのは「この30年間は破壊だけだった」というのだ。医療支援に加え干しあがった荒れ地に用水路を作りの農地に、生活改善に尽くしていた中村さんの建設的行為は、この「30年間は破壊だけだった」という発言で、いかに紛争地が大変な状況に置かれているかがわかる。
テレビで紛争地の映像を見ると、土埃の中で建物が破壊されてできた多くの巨大なコンクリート片、その中を探し回る被災者の姿、遠くで煙が立ち上るシーンは政府軍と反政府軍のどちらの勢力が正しいのかわからないが、国民に大きな犠牲を払わせていることは確かだ。
紛争を回避して難民となり他国へ出国する国民の姿を見て政府関係者、反政府関係者、武装勢力の関係者はどう感じているのか。今、欧州の先進国は移民問題で揺れているのだ。
自分たちは何のために戦っているのか、それが国民のためなのか、それともエゴなのか。国民にとっては安全に暮らせる国が一番いいのはわかっているはずだ。海外武装勢力は別として自国を焦土化することを望んでいるのか。
破戒された国土には何の希望もない。中村医師の言っていたように「建設的行為」で生活を改善していくことが大事なのだ。
ジャララバートはアフガン政府軍、タリバーン、イスラム国支部組織の3者が絡む激戦地になっているらしい。武装勢力は政府に打撃を加える目的でNGOや海外企業を標的にしているという。
アフガン政府を倒し、武装勢力の支配国にして荒廃した国土を復興させ、アフガン国民の支持を得られるのか。
こんなことをやっていれば海外からの支援も先細りだろう。有力な支援先がなくなれば当然だ。新聞報道によるとOECDは17年度で3000億円支援しているという。
今までアフガン政府軍を米軍が後方支援していたが、イスラム、タリバーンが国土の半分を支配しているらしい。米軍が予定通り撤退するとどうなるのか。
紛争地の一般的構図は反政府軍が米軍の支援を受けると政府軍がロシアの支援を受ける。常に米vsロシアそして中国の構図なのだ。国連安保理が調整しようにも常任理事国の3国が関係しているから紛争解決の道などありえない。
そこのところを日本などが国連改革を訴えている。5か国の常任理事国に何とか対抗できる組織にすべきなのだ。
それにしても惜しい人材を失ったものだ。
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