2011年4月30日土曜日

菅総理 まず民主党内で信を問え



この大震災時に対応が迫られる時に、内閣支持率の低迷、国会での退任要求、支持母体の連合からの党内対立への苦言など菅政権の足下がしっかりしていないこと自体が、国民にとって不幸なことである。菅さんは、まず民主党内で信を問うことにより出直すべきではないか。

これだけバカだチョンダと言われているのに相変わらず総理の座にしがみつける強い意志の拠り所は何なのか。

29日の予算委員会で、みんなの党の渡辺さんから、「危機管理がデタラメ、総理の退陣を要求する」とまで言われ、相変わらずの不人気ぶりだ。

本人は「一生懸命やっているのに何故だ」という心境だろう。大震災、原発災害対応では会議を乱立したが、目的が曖昧で、指揮命令系統もはっきりしない。役人が信頼できないので専門家を内閣参与に任命しアドバイスを受けるつもりが、「対策が場当たり的」と批判され辞任されてしまう。

政治家の本望として「震災の復旧・復興、財政再建に目処を付けること」と言うが、共同通信のアンケート調査では、今回の震災対応に県知事達の評価は低い。更に、財政再建を目指す姿勢は良いが、菅総理が言うと財務省に言い含まれたと批判される始末だ。民主党の公約である政治主導に反するとこれまた批判の対象になる。

震災復興財源の確保、野党への取り込みもあって子ども手当をはじめとする民主党のマニフェストの重要な政策が見直しされている。コレが公約は守れと主張する小沢指示グループなどとの対立の要因になっている。

先に統一地方選での敗北も党内抗争の要因だ。菅総理をはじめ執行部は、震災対応に批判が言ったのではなく、政権交代で約束した公約を見直したコトに原因があると分析しているようだ。公約を見直す野であれば、何も民主党に政権交代した意味はない。

それでもポスト菅が見えてこないことに菅総理は強気なのだろうか。

政権与党内もまとめきれない菅総理では、指導力不足と批判されても仕方ない。

ここは、民主党内をまとめるべく民主党の両院議員総会などを開催して党内で信を問うて出直してこいと言いたい。政権党内から「菅降ろし」の動きがあること自体、菅政権を信用できないことになる。

開かれた政党を目指す民主党が、責任回避のために、民主党大会も開けないなんて、そんな政党に政権を託するコトなど出来ないのだ。

民主党は、ガラガラポンで分裂、再編成し出直すしかない。このままでは野党との連立も覚束ない。

国民に理解されるか 東電の「賠償金上限設定」発言



第一次指針の賠償金対象を見ると、改めて今回の原発震災の重大さが浮き彫りになる。東電は株式会社存続を前提に賠償金の上限設定を主張するが、政府は官房長官会見で上限設定をすべきでないとの見解を表明した。紆余曲折はありそうだが、東電の主張に国民の理解を得られるのか。

29日の衆議院予算委員会で渡部恒三さんの質問に答えて、菅総理は「一義的には東電に責任があるが、原発推進の責任は国にもあり、避難者、被害者に対してはしっかり補償する」と、従来の考えを繰り返し、最後は国が責任を見る立場を明言している。

更に、「命をかけてやらなければならないことは何か」と問われ、菅総理は「これまで以上にこれから何が出来るか、考え行動してきた。1日も早く元の生活を取り戻し、元気な地域社会を再建する。そのためには何でもする。金のことは心配するなと言う考えで取り組む」と言い切った。

指導力の欠如を指摘され、辞任要求される菅総理であるが、「金のコトは心配するな」と言い切る辺り、増税を念頭に置いているのだろうか。

それにしても東電の賠償金上限設定発言をどう考えたらいいのだろうか。コレまで原発のリーデイングカンパニーとして地震対策、津波対策にどう取り組んできたのか。

東北電力の女川原発と比較しても対策は劣るし、遅れていた国の耐震指針を忠実に守ったための失敗だったことは明らかである。上限設定を云々するのであれば、率先して巨大地震、津波対策を進めるべきではなかったか。原発事業者として最新の注意義務がありながら、安全意識の欠如した企業である。

更に、原子力損害賠償法では「異常に巨大な天災地変」として、東電は免責されるという考え方もあるが、莫大過ぎる損害が出ている以上、責任回避は出来ない。危険な原発事業をやっている以上「想定外」で責任回避は出来ない。

東電としては株式会社として存続させ、持っている利権を保持したいだろうが、このような安全意識では原発事業を継続させるコトには抵抗がある。

みんなの党の電力再生アジェンダで、東電の一時国有化、送電線自由化を含めた電力自由化を掲げているが、民主党にもそういう考えがあるようだが、一つの改革かも知れない。こういう大惨事が無ければ改革などできっこない。

東電はこれから資産の処分、人件費の削減など賠償費用捻出のための合理化対策でどの位の費用が捻出できるのか。先の合理化策で海江田大臣は「甘い」というが、東電自身は「厳しい」内容だという。一方の国の財政も財務省の言いなりかも知れないが厳しい状況だ。

みんなの党の渡辺さんは、財源として国会議員、国家公務員の歳費カット、特別会計の埋蔵金、バラマキ予算の停止などで捻出を提案、復興会議での増税発言を批判したが、野田財務相は「増税ありきは全くない」と否定し歳出・歳入を見直して捻出するという。

財務省に言わせれば国の財政は厳しい。東電も厳しい合理化を計画しているという。しかし、本当に裸になるまで検討しているとは思えない。東電だって地域独占で甘い汁を吸ってきた。更なる資産売却、リストラで対応しなければ国民の理解は得られない。

今になっても利権を保持しようと躍起になる東電に免責などあり得ない。






写真:緊急放射能拡散予測 2011.3.23 TBSニュース23より 広範囲に汚染が続く、原発災害の恐ろしさを改めて知ることが出来る

2011年4月29日金曜日

原子力発電:科学も政治に取り込まれると変わったモノになるのか




科学も政治や行政に組み込まれて政策となると、その内容も変わってくるコトが多い。原子力発電もその危険性から科学者、業界がグズグズしている間に、政治が予算化し一挙に推進派が群がり、危険な技術がいつの間にか安全な技術になり、巨大津波が要因だったとは言え今回の原発震災へと繋がることになった。

その経過は、理論物理学者の故武谷三男博士の「危ない科学技術」(青春出版社 2000年3月)に記されている。それによると、原子力研究に日本学術会議や湯川、武谷さんら科学者が、その危険性から「ぐずぐず」言っていた1954年に、中曽根さんが約2億4千万円の政府予算を計上したところ、多くの学者や技術屋が飛びついた。基礎研究などやらず、科学者から見ればオモチャのような原子炉を米国から買ってきたのだ。

科学者も「ぐずぐず」ばかり言っても居られなくなり、原子力平和利用三原則を学術会議に提案した。所謂「公開」「民主」「自主」だ。このどれ一つ欠けても科学技術が私達のモノにならないと考えたが、原子力推進派によって蔑ろにし、踏みにじられた。そして今日の終末的結果を招くことになったと言うのだ。

三原則の一つ「公開」とは情報公開であるが、今回の原発震災を見ると、多くの情報が発せられているようであるが、発表のタイミングが遅れているし、重大な情報が隠されていると国民は思っている。

東電社長が謝罪のため避難所を訪れたとき、女性が「モニターであれほど安全だと言っていたではないか」と詰め寄っていた姿が印象的だった。「危険な技術」が何時、「安全な技術」に変わったのか。
国家政策になると、科学も変わってくるのだ。

「今の巨大技術で一番安全なのは原子力発電だ」という話を何度も聞いたことがあるが、「ただし、事故が起こるまで」と条件が付いていた。

同じコトが、今右往左往している地球温暖化対策でも言える。

コレと言った政策課題が無いとき、政治家は環境問題に飛びつく。地球の温暖化を食い止めようと政治家が動いたのは良いとしても、あらゆる分野の科学者がその原因を議論しないままに、一部の機関の報告書からCO2による人為的起因説に傾き、政治家や環境問題の専門家、コレによる利権者が集まってCO2削減策を展開しているが、各国の利害、思惑がからんで右往左往している。

国際的政策として誰でもが納得のいく理由が必要であるが、最近、宇宙物理学、地球物理学分野の研究者から自然現象に基づく自然起因説が出てきた。CO2起因説でのデータねつ造問題も発覚し、科学者がもっとしっかり議論すべきであると思う。そうでなければ地球温暖化防止に莫大な費用をかけるコトになる。今の状態では、遅々として進まないことがせめてもの慰みだ。

科学は、あくまでも科学だ。政治に取り込まれて変質してはいけないことが、今回の原爆震災ではっきりした。国家政策推進のために予算に群がった科学者、専門家は一度反省すべきである。そして御用学者は去るべきだ。

写真は発電コストの比較。最終処分が決まっていない原子力発電が一番低く抑えられているコトに誰でも疑問がある。2011.4.16 日テレ 「崩れた安全神話」より

2011年4月27日水曜日

菅総理の政治家本望に国民は我慢するのか



国会審議でも菅総理の辞任を要求する発言が多くなったが、その度に菅総理は「復旧・復興の目処、財政再建の目処を付けるのが政治家の本望だ」と答え、引き続き政権の座に居ることを主張した。国民は、菅総理の政治家本望を達成するために、もう少し我慢しろと言うのか。

NHKの国会中継を見ていると情けなくなる。野党の追及に言い訳一辺倒で反省する気は毛頭無い。おまけに辞任要求には「やるべきコトは、しっかりやっている」と反論する菅総理、これでは「復興対策に野党も参画を」と言っても誰も信用しない。

今、菅総理が責任追及されている主なモノに、大震災の対応のミス、原発震災に対する不手際、避難勧告のやり方、「10年、20年は住めない」発言、震災対応会議の乱立による指揮命令系統の不明朗、復興財源としての増税、統一地方選での民主党敗北の責任そして自身の外国人による違法献金問題などが挙げられる。

福島第一原発で3号機のベントが遅れ水素爆発を招いた原因は、菅総理の不必要な現地視察があったためではないかと毎回追求されているが、菅総理は否定し、官邸は早い時期にベントするよう指示を出していたと説明、参考人の東電清水社長も「劣悪で、暗闇の環境での作業に時間がかかった」と苦しい弁解していたが、菅総理の現地視察が影響した疑いが大きい。

内閣府参与との「10年、20年住めない」発言も菅総理は否定し、問題の大きさに驚いた参与の訂正の記者会見も不自然さが伺える。

どういう訳か、民主党政権の総理の言動は軽すぎる。総理の資質が問題になっても仕方ないが、これも政治主導のパフォーマンスか。

ところで、菅総理批判が続く中で、「やることはしっかりやっている」、「部分的には問題があると思うが、全体としては間違っていない」と弁解できる理由は何処にあるのか。国会審議で質問者が更に追求しないので分らないが、実効性は別として震災対策、復興に向けた多くの会議を立ち上げている。原発震災では東電と合同対策本部を立ち上げた。自衛隊員10万人を災害派遣している。

菅流政治主導の弊害はあるモノのコレと言った大きな失政はないだろうと言うことか。

度重なる辞任要求に、菅総理は「復旧・復興への道筋、財政再建への道筋を付けるのが政治家として本望である」と続投の意思を表明する。

復旧・復興、財政再建への道筋と言ってもいろんな意見があり、安易な増税には抵抗が大きい。いわんや復興財源を考えると財政再建なんて言っていられないのではないか。

世論調査では菅総理に「指導力があるとは思えない」が80%でも、菅総理でも仕方ないと思っている。目処が立つまで菅政権で国民は我慢すべきだというのか。

折しも、政権与党内からも「菅降ろし」の気運が高まってきた。統一地方選の敗北の責任も絡んで辞任しろと言うのだ。

菅総理は、敗北の原因として震災への対応は相当がんばっており、影響はしていない。寧ろ政権交代への期待に応えていないことを挙げている。

統一地方選で求心力を失った菅総理にこのまま任せて良いのか。野党を含め多くの国民の不安要因だろうが、世論調査で70~80%の人が「しっかりやっていない」と判断していることに菅総理は「何故だ」と言いたいのだろう。

菅総理でなく、「谷垣総理ならうまくいくのか」とい問えば「?」と言うことに政治への不安は払拭できない。


写真:NHK国会中継 2011.4.26

2011年4月25日月曜日

「想定外」発言:無知だったのか、責任の回避か



東日本大震災でのM9の巨大地震、それに伴う大津波と福島第一原発による原発震災の当初は地震学者、東京電力関係者から「想定外」の発言が続いた。関係者がバカで無知だったのか、降りかかる大きな責任を回避するためだったのか。清水東電社長は3月13日の会見で「コレまでの想定を大きく越える津波だった」と想定外であったことに言及した。

この政府や東電の「想定外」発言に対して、土木学会など3つの学会が共同緊急声明を出した。

それによると、今回の震災は古今未曾有であり、想定外と言われる。我々が想定外という言葉を使うとき、専門家としての言い訳や弁解であってはならない。このような巨大地震に対しては、自然の脅威に畏れの念を持ち、ハードのみ為らず、ソフトも組み合わせた対応という視点が重要になることを改めて認識すべきである(共同緊急声明 東北関東大震災―希望に向けて英知の結集をーより)。

すごく真っ当な考えである。専門家として、関係者として専門性が要求される分野に於いて「想定外」と言うときは、思考が至らなかったと自らの非を認めることであったり、又、それぞれにかかる責任を出来たら回避したいということだろうが、決して責任逃れに使ってはならない。

今回の震災は天災に起因するものであるが、原子力発電事業者の東京電力にどんな責任があるのか。

我が国にあっては原子力発電のパイオニアとして東電は非常に重要な役割を果たしてきたと思うが、経営上、他の原発事業者と比較しても安全意識が欠落していたのではなかろうか。

120km北に位置する東北電力女川原発では、今回の津波でトラブルは発生したが、福島第一原発のような原発震災には至っていない。その要因に福島第一原発は想定津波5.4mと見ていたが、女川原発は9.1m、しかも非常用発電機など炉の冷却に必要な機器は堅牢な建物内に設置していた。

今回の大津波による大震災は決して想定外ではなかったのだ。97年には今回のような原発震災に警鐘を鳴らす論文が発表されていたし、869年の貞観地震や1500年には巨大な津波が襲った痕跡を産総研が見つけ再び来襲する危険を指摘していた(朝日新聞2011.3.25)。

しかし、耐震指針が見直されたのは2006年になってからだ。産業界から圧力があったと言われている。

その新耐震指針を見ると、(4)確率論的安全評価手法活用に向けた取り組みとして、「想定した基準地震動を上回る地震動の影響により、施設が損傷し放射性物質の拡散や周辺公衆の被爆をもたらすリスク(残余リスク)の存在を十分認識しつつ、それを合理的に実行可能な限り小さくするための努力が払われるべきとする・・」と記され、残余リスクとして今回のような原発震災が認められているのだ(耐震設計審査指針 平成18年9月)。

経営上コストを重視する(?)東電にとっては、この新耐震指針を忠実に守っていたために、津波対策を怠り、重大な原発震災を招く結果になった。

ところで、東電の技術者が全員津波対策を軽視していたわけではないだろう。東電は、福島第一原発に設計の想定を越える津波が来る確率を「50年以内に約10%」と予測し、2006年に国際会議で発表したという(朝日新聞2011.4.24)。

東電には、対策を怠れば今回のような事態が発生するだろうことを予見する可能性は十分あったし、今までやる気になればいくらでも津波対策をするコトは出来たはずだし、国民はそうすることを期待していたはずだ。

危険を伴う巨大技術である原子力発電の事業者としての注意義務を怠った東電の責任は避けられない。


写真:耐震設計審査指針(改訂) 平成18年9月

2011年4月24日日曜日

復興財源:「財務省vs国会議員」で日本の財政の徹底議論を



復興に向けた財源に増税の考えが出ている。しかし、その前にもっと国の財政状況について国会で論議しなければならないのではないか。国会予算委員会で「財務省vs国会議員」の徹底的議論で、財政の本当の姿を明確にしなければならない。

被災県や市町村は何かと言えば「国に考えてもらわなければ」と言う。原爆震災も含め今回の大震災を国民全員で助け合う必要があることは分るが、財務省に寄れば国の財政状況は極めて悪い。

どんな計画にも財源の裏付けのないモノは無いに等しいが、宮城県知事は「災害対策税」を提案し、岩手県知事は「増税反対」を主張、東日本大震災の復興会議も、それぞれの思惑もあってスムーズにはいかないようだ。

菅総理をはじめ政権内は、民主党マニフェスト見直しでの費用捻出、増税が考えられているが、同じ民主党にあっても、マニフェスト見直しではなく、特別会計の見直しで捻出出来ると主張する議員もいる。政権与党内でもまとまっていないのだ。

今、増税を言うと財務省に言い含められたと批判される。政治主導を標榜する民主党にあっては菅政権の増税による財政再建は公約違反で、民主党退潮の要因にもなっていると見る議員も多く、コレが党内権力闘争の源にもなっている。

しかし、確かに「日本の財政」の実体がよく分らない。財務省HPによると対GDP国際比較で総債務残高を見ると日本は199.2%で最悪、2番目がアメリカの89.6だ。この総債務残高から金融資産を差し引いた純債務残高でも日本は114.9で最悪、2番目がイタリアの104.1で、財務省の言いなりになると最悪の経済状況だ。

日本の財政は、一般会計は92兆2992億円、特別会計は367.1兆円だが、会計間のやりとりを除くと176.4兆円になる。一般会計は予算委員会で審議されるが、特別会計は国会の監視が緩い。176兆円もあるのだから、10%削減しても17兆円が浮くはずだと簡単に考えていたが、先の事業仕分けでは、そう簡単にはいかないようだ。

平成22年8月「我が国の財政状況」を見ると特別会計は18会計あり、中には一般会計に組み入れられたモノもある。しかし、詳細は全く分らない。国民にとっては無駄なモノが、もっともらしい項目で計上されているかも知れないのだ。

「余剰金はもうない」と言いながら、今までも財務省は小出しに出してきた。財務省がどのように予算の見直しをしているのか。

HPによると、決算などに関する国会審議、会計検査院の指導(平成22年で1688億円)、多額な不用が生じている事業の見直しなどを挙げている。余り期待できなかった事業仕分けの結果も含まれているのだろう。

我が国の財政状況は厳しく増税以外に手はないのか、まだまだムダはあるのか。

「財務省vs国会議員」で、国の財政の実体について国会予算委員会で徹底的に質疑すべきではないか。大臣相手ではなく、財務省役人と国会議員で議論してはどうか。予め質問事項に沿った見繕われたペーパーを読み上げるのではなく、財務省は実体を明らかにすべきだ。

一方、民主党議員の中には、公約は守り特別会計の中からムダを捻出すべきだと主張する議員がいるが、そのムダの実体を明らかにすべきだ。出来なければ小沢系議員の主張もいい加減な主張になる。
財務省の考えが正しいのか。日本の財政に対する統一見解を持ちたいモノだ。増税はそれからだ。

2011年4月18日月曜日

菅総理を歴史はどう判断するだろうか


菅総理の政権運営は厳しくなってきた。18日の参議院予算委員会では野党議員から「総理として相応しくない。辞任を」と迫らたが、政権運営について「震災復興、財政再建に目処がつくまで」と自身の気持ちを吐露した。

一国の 総理が自分の実績を批判された時、説明に窮して発する言葉に「歴史が判断してくれる」とよく言うが、菅総理もその気持ちだろう。

予算委員会での野党議員の質問は、福島第一原発の原発震災の初動ミス、会議の多さによる指揮命令の欠如に集中した。

原発震災に際しては数種類の法律があり、それぞれ対策本部の設置、そのメンバー、マニュアルが決められており、情報の一元化が出来るが、菅政権はその通りにやっていないと言う。官邸対策室が設置されても指定機関の専門家は詰めていなかった。 現地本部の本部長に経済産業副大臣が任命され、強い権限を持っているはずだったが、代行や代理など6回も替わり扱いが軽い。地元の要望が国に上がらず、コレで責任ある仕事が出来るのかと追求された。

15日に東電から「現地が退避する」という連絡を受け、菅総理が東電に乗り込んだコトはよく知られたことであるが、社長の話で「撤退」と言うことではなかったそうだが、ここで官邸、東電、現地のコミュニケーションを良くするために政府と東電の「合同対策本部」設置した。 本部長になった菅総理は、最初の会議に出席しただけだ。おまけに国会議員を東電本社に入らせるなど勝手なことをやっている。

原子力対策本部を通じてやるように法に規定されているが、菅総理はむちゃくちゃなことをやっているそうだ。

対策に当っては、情報を吸い上げ、指示命令が出来るシンプルなシステムが良いに決まっているが、菅総理は自分勝手にムチャクチャな組織を作っているようだ。 おまけに、官僚は信用できないから、知り合いを内閣参与に任命し相談に乗ってもらうと言うことらしいが、それもうまく働いていない。

松本参与との「10,20年は住めない」発言、笹森顧問との「東日本はつぶれる」発言は、今回の事態の重要性は十分に感じているが、言葉として表現したことはないと事実無根を主張した。 相変わらず、民主党政権の総理の発言は軽すぎる。

世論調査の菅内閣の支持率もNHKでは26%、朝日新聞21%で、「出来るだけ早く」「6月頃まで」「今年いっぱい」で辞めて欲しいが半分を占めるほどになっているが、菅総理はどう考えているのか。

予算委員会での片山さんの退陣要求に「復興・復旧、財政再建に目処」がついた時点と言及したが、それぞれ大きな問題で何時目処が付くのかわからないのが正直な話だ。菅総理は今後も相当長い期間、総理の座にしがみついていくのか。

こんな菅総理を「歴史はどう判断するのか」。良い判断を得るためにも今辞任は出来ないのだろうか。

写真:参議院予算委員会での菅総理 2011.4.18 民放テレビより

2011年4月16日土曜日

他人事でない東日本大震災復興計画


20兆円を超える被害の出た今回の大震災の復興計画は、「スピード感がない」と批判されながらも構想会議が始まった。今後、首都圏直下型地震、東海・東南海・南海地震の連動型超巨大地震の発生が危惧されている我が国で、この復興計画は「東北モデル」と限定した他人事ではないのだ。

未来を見つめ「新しい日本の希望」となるようなグランドデザインづくりが基本方針になっている。どんな案が出てくるのか興味のあるところだが、この会議が首相の私的諮問機関だと言うから心細い。菅さんの政権生命は危うい所に来ているからだ。6月までに緊急対策を提言すると言うが総理が替わった途端どうなるのか.

それにしても錚々たるメンバーを揃えたモノだが、未来都市の街作りなど非現実的な復興、地域住民の資力を越える開発、その地方の生産高を超える投資、政権や政治家の利権がらみなど「やってはいけないこと」も明確にしておくべきだ。さらに大事なのは「国民への説明責任」だ。

国が資金を見てくれるので、あれもこれもと計画して、後になって自治体に大きな負担がのしかかってくるようであっては復興とはほど遠い。

東北地方は今後も過疎化が進行するだろう。未来志向の街づくりで若者を呼び込める可能性などない。過疎化、住民の高齢化を前提に漁業、水産加工、農業、観光などその地域の特性にあった産業を再建していくことだ。

更に急ぐべきことは、明日の仕事をどう確保していくかだ。被災地の状況をテレビで見ると、復興に向けて立ち上がった企業家も紹介されているが、多くの人は収入源となる仕事を失っている。グランドデザインが出来なければ被災地の再開発も遅れ、仕事の確保も大きく遅れる。「現実的なデザインに希望を持てるようにしなければ」と思う。

復興資金をどう手当てしていくかも重要だ。

震災復興税とか言うモノが検討され、基金を新設しようとしている。消費税1%増は2.5兆円になるから2%で5兆円、5年で25兆円になる。でも今の時期の増税は、更に景気を押し下げる危険がある。 民主党のマニフェストを見直し、費用を捻出するのではなく、「特別会計の余剰金を使え」と提案する小沢系議員グループもいる。

また、これだけ税収が落ち込んでいるのに、公務員の給料が減らないのはおかしいという点から年間27兆円にも上る公務員の給料を20%カットすれば年間5兆円が確保でき、5年間で25兆円が捻出できると先の参議院選で訴えていた政党があった。

ここはみんなで支えないといけないと思うのだが、増税に至る我が国の財政の緊迫さ、財政の現状に財務省を信用できないのだ。国の財政について、広く議論し統一見解を出すべきだ。

この東北地方の被災地の復興のやり方は、今後起きるであろう超巨大地震による震災復興にも影響を及ぼすものである。否が応でも注目しなければならない。

2011年4月14日木曜日

民主党に再生の道はあるか



菅民主党政権への大きな不信、統一地方選での民主党の退潮、相変わらずの党内抗争など、政権交代への期待を大いに裏切る結果になった民主党は、支持率を落とすばかりであるが、再生への道はあるのか。

大きな夢を抱かせての無党派層の取り込み、利権誘導まがいの組織の取り込みにで、予想外の300を越える議席数を獲得したが、民主党が繰り出す総理は国民を失望へとたたき落とし、烏合の衆の党内事情をさらけ出した。

民主党に再生の道はあるのか。それは整合性された党に再生できるかどうかだ。

まずは、小沢、鳩山さんの訳あり議員が退くことだ。この二人は、波世多摩政権で民主党退潮の原因を作ったお人だ。その訳あり議員が「菅総理のリーダーシップの無さ」「無責任内閣」と菅政権を厳しき批判している。

元代表、総理経験者の行動だから無視できない。小沢さんは、自民党時代に宮沢内閣打倒に動いた過去がある。今後、タイミングを見て、内閣不信任案でも出されようものなら、その動きが注目される。
今の執行部で「菅おろし」が出来ないのであれば、このグループに頼るしかない。

しかし、民主党は「小沢頼み」から脱却しなければならない。小沢さんに掘り起こされ当選した議員、小沢さんの強力なリーダーシップに期待する議員など小沢さん頼みの議員が多い。「この国難の時に、小沢さんをもっと使うべきだ」と主張する小沢系議員が居る。

自分には政策立案の能力はないが、あらゆる面で小沢さんを頼り、小沢さんを盲信し脂雲に追随するコトは避け、議員一人として「どう行動するか」を考えるべきだ。

民主党議員一人一人の意識改革が必要だ。

小沢さん主導で作成した衆議員選時のマニフェストも現実問題の壁は高く、更に大震災での復興財源捻出のために大幅な見直しがされている。政権交代に向けてのマニフェストの主要課題はご破算になった状態だ。

これからは、何も民主党政権でなくても良いと言うことになる。

もう一つ目指した政治主導はどうか。官僚に頼らない政治家主導の政治は、今多くの問題を顕在化させている。民主党政権の稚拙な対応、飽くなき政治主導の推進は、官僚をして不作為を決め込んだ。

何でも自分から発表する。何でも根回しせずに唐突に政策を発表する。菅総理の政治主導は、大いなる勘違いのパフォーマンスなのだ。従来の政治手法とは異なると言われればそうだが、それでうまく行くのかと疑問を感じる。

民主党には、多くの優秀な議員が居ることは確かで、そう言う人に政策でがんばって欲しいとは思うが、何分にもトップクラスがお粗末すぎる。野党時代が長く行政経験のない議員が、政治主導で政治をかき回す姿は、国内外に不安をもたらす。

そして一番みっともないのは、党内抗争だ。野党で党内抗争をやっているうちは良いが、政権与党での党内抗争は余りにも情けないし、その中心になっているのが曰く付きの小沢、鳩山グループだ。

民主党は、一度党内整合のための議論をすべきではないか。議員一人一人が、どう行動すべきか問い直すことだが、一度失った信頼は取り返せない。

民主党の再生は、分裂、再編成しかない。

菅総理の取るべき決断は、復興へ向けた体制づくりが終わった時点で退き、一時的な連立政権を樹立し、当面の政治課題をかたづけていくべきだ。菅さんは私達とは違った見方で、総理の地位に固執しているようだが、5~6月にきっぱり決断すべきだ。

2011年4月13日水曜日

菅さんの「私とあなたの見方がかなり違っている」発言:どこがどう違っているのか


菅総理が、記者会見で「与野党協議の最大の障壁は首相の存在、何のために地位にしがみつくのか」との質問に「私とあなたの見方はかなり違っている」と答えたそうだ。

コレを聞いて思い出すのは福田さんが確か総理辞任の会見で「私とあなたは違うんです。私には分るんです」と言ったことがある。 今回の統一地方選での惨敗、大震災、原発震災での対応のまずさから菅総理は、野党は勿論のこと与党内からの退陣を突きつけられている。

福田さんのように自分のコトが読める人間は、退陣の機を読むことが出来るのだろうが、菅さんにはその能力がない。

この「見方がかなり違っている」のであれば、菅さんの見方はどんな見方なのか。なぜ記者はトコトン突っ込んで質問しないのか。同じ記者が発言できないのであれば、他の記者が関連質問すればいいのではないか。

また、記者会見では記者に向かって「あなた」と言っているが、記者会見であれ「国民」に向かって発言しているのではないか。

菅さんにしてみれば、福島第一原発の放射能汚染問題、大震災後の復興問題、復興予算などなど緊急課題が山積している今、政権を放り出すことは国民のためにも良くないと思っているのだろう。おまけにポスト菅の顔が見えてこない。

多くの人が指導力の欠如というが、震災対応もいろんな会議で委員を任命し、広くアイデアを集めようとしている。官僚は信用できないので、学識者などを内閣府の参与にしてアドバイスを受けている。被災現地には3回も入り実情を把握している。自分からもドンドン指示を出している。

なのに、どうして国民から評価されないのか。

民主党の退潮の要因は「政治とカネ」、「小沢vs反小沢」の党内抗争、原発震災の原因である原発推進は自民党政権、自分に責任があるわけではないと見ているのではなかろうか。

この国難の時に、与野党協調の挙国政治が出来ない原因に菅総理の存在があることは皆分っていることであるが、「それでも自分がやるのだ」と言う理由がはっきりしない。

「見方がかなり違っているとしか言いようがない」だけでは、理解のしようがない。もっとはっきり言及すべきだ。

写真:菅総理の記者会見を伝えるTBSひるおび 2011.4.13

2011年4月10日日曜日

震災・復興対策:今こそホウレンソウの徹底を


出荷停止から解除になったホウレンソウの話ではない。業務推進に必要なホウ(報告)、レン(連絡)、ソウ(相談)のコトだ。

企業勤務の人であれば教えられたことである。そのホウレンソウが緊急時/非常事態に際してうまく動くかどうかは保証の限りではないが、今回の原発災害ではうまく動いていないようだ。

一企業と巨大な国家機能では比べものにはならないと思うが基本は同じだ。

総理である菅さんは、原子力安全委員会、経済産業省、原子力安全・保安院、内閣危機管理センター、中央官庁などからの情報、報告を受け、適切な指示を出さなければならないが、お互いへの不信感からかホウレンソウがうまく動いていない。

確かに責任を一手に負うトップであれば、何よりも早く情報を得、指示を出したいためか、直接現場や担当部門に情報を聞き、指示をだすことになる。専門家のアドバイスを欲しいときもあるだろう。それが裏目に出て、国家機関が十分に機能を発揮していないコトは重大問題だ。

菅さんには、常に指導力、司令塔としての資質に疑問が投げかけられているが、国家のリーダーとしてみっともない話だ。

一方の東電も巨大企業で、原発部門は社長の管理も及ばない部門と言われ、官僚以上に官僚的組織だと言われて久しい。案の定、今回も車内のホウレンソウがうまく行っていないようだ。悪いことに政府と相互不信にかかっている。おまけに何か隠しているのではないかという疑いがいつもある。原発トラブルの数度にわたる隠蔽行為は、巨大技術を維持する企業にあってはならないことだ。

福島原発対策、そして今後の復興計画には、簡素でホウレンソウのしっかりした組織が必要だが、お互いに不信感を持ち合っていては話にならない。

復興計画に著名な建築家などが名を連ねているが、例にもれず、奇抜な設計の目を見張る箱モノを並べるのではなく、住宅区は出来るだけ高台で、今の被災地は漁業関連の施設、商業施設地区にし、要所要所に津波対策の建物を建てるシンプルなモノで良いのではないか。

国の援助を期待するにしても財政は緊迫している。国が青写真を作るのではなく、被災市町村が復興に向けた青写真を作るべきだ。 そのためにも、ホウレンソウが重要だ。

写真:読売新聞2011.4.10

2011年4月9日土曜日

産地市場で東北を応援! 風評被害を吹き飛ばせ




「宮城の日本酒 いかがですか 東北を応援してください」、「産地直売の野菜です」。有楽町交通会館の前で「産直市場 がんばろう東北」のイベントが開催されている。

9日は小雨交じりの天気だったがここは賑わっていた。茨城産では、出身の力士やレスリングなどのスポーツマンも参加して地元産を宣伝していた。 「コレと、コレと、アレもね」と年配の女性が野菜の束を売り子に渡す。「がんばってもらわなければ」と声をかけた。

  水菜、レタス、チンゲンサイ、小松菜など一束100円、レタス150円、キャベツ1個150円、イチゴ1ケース400円、鉾田のメロン1個1000円、変わったところでは山形の初物サクランボ1ケース1200円など・・。私もイチゴを2ケース買った。

「この値段で生産者はやっていけるのですか」と聞くと「産地直送で、市場を通っていないのでやっていけます」という。近くのスーパーの値段と一概に比較することは出来ないが、そう安くもないようだ。大手スーパーも生産者支援のイベントをやり始めた。

しかし、今回の放射能汚染での出荷停止による風評被害には困ったモノだ。

折角手塩にかけて育てた野菜類が出荷停止による風評被害により市場で買手がつかなかったり、生産者価格にも及ばない激安で、農家は廃棄処分しかない状態だ。 JA、農家の批判で政府は遅まきながら県単位ではなく、市町村単位でのせいげんになり、制限解除の条件も決まった。

しかし、消費者はどうして噂で買い控えするのか。 同じモノが安全だとPRするためのイベントでタダで配られると、皆笑顔でもらって帰る。安価に売値を設定してもそうだ。一体誰が風評被害を作っているのか。店頭に出しても消費者が買ってくれないだろうと予想する市場の仲買人か。

通常の価格を付けて店頭に出しても売れないのであれば、消費者の感覚の問題だ。「店に出る野菜は安全なのだ」というが、つい最近まで店に出ている食品で危険なモノは多数あったことを考えると、食品関係者が信用を失っていることになる。「産地を偽造して一儲けしよう」と言う魂胆が見え隠れしたものだ。

そして更に悪いことに、放射能汚染による「沈黙の春」が現実になりそうだ。

放射性セシウム137汚染による米の作付け制限が始まりそうだ。半減期が30年と長いために死んだ田圃になるかも知れないのだ。まさに沈黙の春だ。

ここに来て、原子力行政に係わっていた学者連中が、「安全だ」と言って原子力発電を推進して来たことを謝罪しだした。東電の安全意識は相当低かったことが分ってきたし、行政も自主性に欠け、東電にオンブに抱っこの酷い状態だったコトが分ってきた。理論物理学者の故武谷三男さんは「起こりうるべくして起こった」と言われたかも知れない。

気になることもある。3月11日の本震も、先日の余震も、今まで想定されていたM8クラスの宮城県沖地震とは違うらしいことだ。はっきりしないが、かなり大きい地震がまだ残っているのかも知れない。

写真左:2011.4.9NHKスペシャル 食品への影響

写真中、右:2011.4.9 「産地市場 がんばろう東北」東京有楽町 交通会館前

2011年4月6日水曜日

菅総理!2つの功績は認めるが、ここは潔く退く決心を


菅総理! ここは潔く退くことを決心すべき時だ。党内の権力闘争、外国人政治献金問題などで崖っぷしに立っていた菅政権に、更に指導力が確かめられる大震災が襲った。

案の定、菅・官邸は司令塔なき統制不能な状態に陥り、対策が後手後手で、どのぐらいの情報を持って、どのていど公開しているのか分らないが政治不信が募っている。

メデイアは、菅総理の不安定な精神状態を伝え、不安なのかお気に入りの学者らを内閣府にアドバイザーとして雇い入れ、政治主導の名の下に一番情報を持っているはずの官僚組織を疎んでいる。

民主党内でも政治基盤が弱く、非常事態で権力闘争が封印されているがその火種はの残ったまま、復興に向けた政策推進でも中心となる人材は乏しく民主党政権に国民は不安を感じている。 菅さんは、若いときは市民運動家とし、また厚生大臣として実績は積んだのだろうが、政治家として行政能力を磨く時間が少なすぎる。 やっと総理の席に着いたが、襲いかかる政治課題は遙に能力をこえるものだ。


こんな状態で復興計画など任せられるのか。

しかし、不思議なことに最近の菅内閣の支持率は、20%を切る状態から30%を越える所まで回復してきたが、何が評価されての結果かは分らない。

いろいろ批判が多いが、菅総理の功績を無理して拾い出すと、一つは福島第一原発の事故対応で、東電が職員の撤退を提案したとき、菅総理は自ら東電本社に行き、「撤退などあり得ない。覚悟を決めてください。撤退したときには東電は100%つぶれます」と徹底した対応を支持したことだ。一部には菅総理の恫喝事件と報じていたが、あの時なんの対応もせず東電の職員が職場を離れていたら、今、放射能汚染はどうなっていたか。

チェルノブイリ事故以上の被害が出ていたのは確かだ。我が国最初の原子力発電所として米国の設計をそのまま採用し、安全対策に欠けていたコトは確かだろうが、その後の東電の安全対策には不備な点が多く、人災事故である。知恵を出し合い収束に向けて努力するのが企業の責任だ。

二つ目は、人材不足、政策不足の民主党政権では対応が無理で、野党との連立を求めていることだ。 「ねじれ国会」での国会審議を聞いていると、「野党も責任を持って審議に参加しろ」と、いわば小泉さんのように「反対する者は、抵抗勢力」と言わんばかりの言論を菅総理は繰り返していたが、こんな脅迫じみた態度では、誰も菅総理を信用しない。身から出た恥だ。

菅総理の導き方には問題があるが、ここはどういう形になろうと、与野党一致して復興に当たるべきであることは当然だ。 この二つを菅総理の功績にして、「菅総理辞任を担保に、連立政権」を樹立すべきではないか。4月4日の読売新聞の世論調査でも、「夏頃までに退陣し(早く退陣19%、今年夏頃まで31%)、連立を組む方がよい(64%)」という結果だ。

自ら官僚に不信を持ち、国民や官僚から不信を持たれている菅政権に国を預けるわけにはいかない。


写真:被災地を訪問し、「最後までがんばる」という菅総理 民放テレビより

2011年4月2日土曜日

菅総理は、政権を譲るのか、強化するのか


暫く引きこもっていた菅総理が、国民の前に出てきて「復興」に向けての政府の体制を打って出た。基本は与野党協力して、この国難を切り抜けようと言うのだ。野党にしてみれば無碍に反対はできない。震災復興に向けた菅総理に反対すれば抵抗勢力と見なされる恐れがある。

震災担当相など閣僚を3人増員するという。先に自民党谷垣総裁に、震災復興担当相として入閣を打診し、断られた経緯がある。菅政権での連立は、菅政権退陣要求をしてきた自民党にとっては唐突すぎた。政策の調整なしに連立構想などもってのほかだ。

しかし、今回は様子が違う。野党の協力を得るために、子ども手当、高速道無料化など民主党のマニフェストを修正するコトになるし、11年度予算の一部執行停止など民主党政権の政策上の譲歩が見られる。

民主党内にあって小沢系グループとの党内抗争の道具でもあった衆議院選でのマニフェストの遵守はどうなったのか。小沢グループは、批判を避けるためにダンマリを決め込んでいるのか。

もう一つ、菅総理は最重要な震災復興担当をどうして野党に渡そうとしたのか。政権党であり、国民にアピールするためには民主党議員を当てる大臣であると思うが、民主党には人材がおらず手放そうとしたのか。

それとも、やっかいな仕事は自民党に押しつけようとしたのか。 マニフェストも修正し、やっかいな仕事は手放そうとする民主党菅政権に退陣すべきである。

ところで、この3人の閣僚が何なのか。岡田幹事長の話では、震災担当相を新設、防災相、沖縄・北方領土担当相は兼務を外すらしい。震災担当相には被災者支援を担当している仙石さんの名前も挙がっている。と言うことを考えると菅総理は、政権強化を図っているのか。

菅総理は国民の信を直接は受けていない。総理になりたい一心でなれてしまった。頑なに政治主導を標榜し、官僚は信用せず、相談相手に学者を内閣府参与に任命しアドバイスを受けているようだが、巨大な組織で情報を持っている官僚に太刀打ちできる訳がない。 人の話を聞く度に、混乱の原因になっているのではないか。

今回の東日本大震災で復興構想会議、復興本部、復興庁を置くらしい。菅総理にしてみれば、組織、基本法を作って対応すればアピール出来るが、本当に実効性のある組織になるのか。多くの人達の考えを聞くことは,何も決まらないことでもある。

指導力がないと批判されてきた菅さんに頼って良いのか。 ここに来て、又「小沢頼み」の声が聞かれる。「岩手県出身の小沢さんだし何かできるのではないか」と考え、小沢さんも「自分なりに考えがある」と期待を持たす含みのある発言をしている。しかし、小沢さんに期待するグループでも、小沢さんがどんな政策を持っているのかは分らない。小沢さんも周辺が考えているような案は持っていないのではないか。ただ側近連中が忖度しているだけだ。

国民の不安と混乱を抑える信頼性のある政権に持っ行かなくてはならないが、早急にその体制が出来るのだろうか。まず民主党政権で混乱している政治機構を正常化するコトが第一ではないか。 そのためには、菅総理退陣を担保に連立構想を急ぐことかも知れない。

写真:読売新聞2011.4.2

2011年4月1日金曜日

東京都知事選:こんな選挙戦で誰を選ぶか





「東京から日本を救う」、「東京から日本の元気を取り戻す」、「東京から日本復活」。主要候補者のキャッチフレーズは「東京から日本を変える」という崇高な目標を掲げている。

今回の東北地方太平洋沖地震では東京も大きく揺れた。 被災地の状況を見ると,防災,弱者対策は東京も急務だが、候補者に本当にやる気があるのか疑問を感じる。

政策の掲げ方が「お粗末」過ぎないか。

選挙公報による公約も従来のマニフェストへの不都合から政策らしいモノを掲げるだけで、言われている数値目標やスケジュールはほとんどの候補者が掲げていない。慌てて立候補した候補者は政策の箇条書きであった。

大震災のこともあってか、選挙戦も控えめで全く低調、これでは大震災に託けた手抜き選挙である。

こんな時は現職が強く、判断材料は12年間の石原都政への「YES」か「NO」になるが、政治不信が続いている現状では、面白半分の行動に出るかも知れないし、もしかしたら低調な投票率になるかも知れない。

身近での選挙活動はないが、新聞の記事で各候補者の本気度を判断しようと思う。

写真は選挙公報と選挙ポスター(東京都大田l区内)