「宮城の日本酒 いかがですか 東北を応援してください」、「産地直売の野菜です」。有楽町交通会館の前で「産直市場 がんばろう東北」のイベントが開催されている。
9日は小雨交じりの天気だったがここは賑わっていた。茨城産では、出身の力士やレスリングなどのスポーツマンも参加して地元産を宣伝していた。 「コレと、コレと、アレもね」と年配の女性が野菜の束を売り子に渡す。「がんばってもらわなければ」と声をかけた。
水菜、レタス、チンゲンサイ、小松菜など一束100円、レタス150円、キャベツ1個150円、イチゴ1ケース400円、鉾田のメロン1個1000円、変わったところでは山形の初物サクランボ1ケース1200円など・・。私もイチゴを2ケース買った。
「この値段で生産者はやっていけるのですか」と聞くと「産地直送で、市場を通っていないのでやっていけます」という。近くのスーパーの値段と一概に比較することは出来ないが、そう安くもないようだ。大手スーパーも生産者支援のイベントをやり始めた。
しかし、今回の放射能汚染での出荷停止による風評被害には困ったモノだ。
折角手塩にかけて育てた野菜類が出荷停止による風評被害により市場で買手がつかなかったり、生産者価格にも及ばない激安で、農家は廃棄処分しかない状態だ。 JA、農家の批判で政府は遅まきながら県単位ではなく、市町村単位でのせいげんになり、制限解除の条件も決まった。
しかし、消費者はどうして噂で買い控えするのか。 同じモノが安全だとPRするためのイベントでタダで配られると、皆笑顔でもらって帰る。安価に売値を設定してもそうだ。一体誰が風評被害を作っているのか。店頭に出しても消費者が買ってくれないだろうと予想する市場の仲買人か。
通常の価格を付けて店頭に出しても売れないのであれば、消費者の感覚の問題だ。「店に出る野菜は安全なのだ」というが、つい最近まで店に出ている食品で危険なモノは多数あったことを考えると、食品関係者が信用を失っていることになる。「産地を偽造して一儲けしよう」と言う魂胆が見え隠れしたものだ。
そして更に悪いことに、放射能汚染による「沈黙の春」が現実になりそうだ。
放射性セシウム137汚染による米の作付け制限が始まりそうだ。半減期が30年と長いために死んだ田圃になるかも知れないのだ。まさに沈黙の春だ。
ここに来て、原子力行政に係わっていた学者連中が、「安全だ」と言って原子力発電を推進して来たことを謝罪しだした。東電の安全意識は相当低かったことが分ってきたし、行政も自主性に欠け、東電にオンブに抱っこの酷い状態だったコトが分ってきた。理論物理学者の故武谷三男さんは「起こりうるべくして起こった」と言われたかも知れない。
気になることもある。3月11日の本震も、先日の余震も、今まで想定されていたM8クラスの宮城県沖地震とは違うらしいことだ。はっきりしないが、かなり大きい地震がまだ残っているのかも知れない。
写真左:2011.4.9NHKスペシャル 食品への影響
写真中、右:2011.4.9 「産地市場 がんばろう東北」東京有楽町 交通会館前
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