2011年4月10日日曜日

震災・復興対策:今こそホウレンソウの徹底を


出荷停止から解除になったホウレンソウの話ではない。業務推進に必要なホウ(報告)、レン(連絡)、ソウ(相談)のコトだ。

企業勤務の人であれば教えられたことである。そのホウレンソウが緊急時/非常事態に際してうまく動くかどうかは保証の限りではないが、今回の原発災害ではうまく動いていないようだ。

一企業と巨大な国家機能では比べものにはならないと思うが基本は同じだ。

総理である菅さんは、原子力安全委員会、経済産業省、原子力安全・保安院、内閣危機管理センター、中央官庁などからの情報、報告を受け、適切な指示を出さなければならないが、お互いへの不信感からかホウレンソウがうまく動いていない。

確かに責任を一手に負うトップであれば、何よりも早く情報を得、指示を出したいためか、直接現場や担当部門に情報を聞き、指示をだすことになる。専門家のアドバイスを欲しいときもあるだろう。それが裏目に出て、国家機関が十分に機能を発揮していないコトは重大問題だ。

菅さんには、常に指導力、司令塔としての資質に疑問が投げかけられているが、国家のリーダーとしてみっともない話だ。

一方の東電も巨大企業で、原発部門は社長の管理も及ばない部門と言われ、官僚以上に官僚的組織だと言われて久しい。案の定、今回も車内のホウレンソウがうまく行っていないようだ。悪いことに政府と相互不信にかかっている。おまけに何か隠しているのではないかという疑いがいつもある。原発トラブルの数度にわたる隠蔽行為は、巨大技術を維持する企業にあってはならないことだ。

福島原発対策、そして今後の復興計画には、簡素でホウレンソウのしっかりした組織が必要だが、お互いに不信感を持ち合っていては話にならない。

復興計画に著名な建築家などが名を連ねているが、例にもれず、奇抜な設計の目を見張る箱モノを並べるのではなく、住宅区は出来るだけ高台で、今の被災地は漁業関連の施設、商業施設地区にし、要所要所に津波対策の建物を建てるシンプルなモノで良いのではないか。

国の援助を期待するにしても財政は緊迫している。国が青写真を作るのではなく、被災市町村が復興に向けた青写真を作るべきだ。 そのためにも、ホウレンソウが重要だ。

写真:読売新聞2011.4.10

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