暫く引きこもっていた菅総理が、国民の前に出てきて「復興」に向けての政府の体制を打って出た。基本は与野党協力して、この国難を切り抜けようと言うのだ。野党にしてみれば無碍に反対はできない。震災復興に向けた菅総理に反対すれば抵抗勢力と見なされる恐れがある。
震災担当相など閣僚を3人増員するという。先に自民党谷垣総裁に、震災復興担当相として入閣を打診し、断られた経緯がある。菅政権での連立は、菅政権退陣要求をしてきた自民党にとっては唐突すぎた。政策の調整なしに連立構想などもってのほかだ。
しかし、今回は様子が違う。野党の協力を得るために、子ども手当、高速道無料化など民主党のマニフェストを修正するコトになるし、11年度予算の一部執行停止など民主党政権の政策上の譲歩が見られる。
民主党内にあって小沢系グループとの党内抗争の道具でもあった衆議院選でのマニフェストの遵守はどうなったのか。小沢グループは、批判を避けるためにダンマリを決め込んでいるのか。
もう一つ、菅総理は最重要な震災復興担当をどうして野党に渡そうとしたのか。政権党であり、国民にアピールするためには民主党議員を当てる大臣であると思うが、民主党には人材がおらず手放そうとしたのか。
それとも、やっかいな仕事は自民党に押しつけようとしたのか。 マニフェストも修正し、やっかいな仕事は手放そうとする民主党菅政権に退陣すべきである。
ところで、この3人の閣僚が何なのか。岡田幹事長の話では、震災担当相を新設、防災相、沖縄・北方領土担当相は兼務を外すらしい。震災担当相には被災者支援を担当している仙石さんの名前も挙がっている。と言うことを考えると菅総理は、政権強化を図っているのか。
菅総理は国民の信を直接は受けていない。総理になりたい一心でなれてしまった。頑なに政治主導を標榜し、官僚は信用せず、相談相手に学者を内閣府参与に任命しアドバイスを受けているようだが、巨大な組織で情報を持っている官僚に太刀打ちできる訳がない。 人の話を聞く度に、混乱の原因になっているのではないか。
今回の東日本大震災で復興構想会議、復興本部、復興庁を置くらしい。菅総理にしてみれば、組織、基本法を作って対応すればアピール出来るが、本当に実効性のある組織になるのか。多くの人達の考えを聞くことは,何も決まらないことでもある。
指導力がないと批判されてきた菅さんに頼って良いのか。 ここに来て、又「小沢頼み」の声が聞かれる。「岩手県出身の小沢さんだし何かできるのではないか」と考え、小沢さんも「自分なりに考えがある」と期待を持たす含みのある発言をしている。しかし、小沢さんに期待するグループでも、小沢さんがどんな政策を持っているのかは分らない。小沢さんも周辺が考えているような案は持っていないのではないか。ただ側近連中が忖度しているだけだ。
国民の不安と混乱を抑える信頼性のある政権に持っ行かなくてはならないが、早急にその体制が出来るのだろうか。まず民主党政権で混乱している政治機構を正常化するコトが第一ではないか。 そのためには、菅総理退陣を担保に連立構想を急ぐことかも知れない。
写真:読売新聞2011.4.2
0 件のコメント:
コメントを投稿