2016年2月29日月曜日

安倍、黒田の異次元の金融緩和:「物価上昇率との相関関係なし」、では何のために

安倍総理、黒田総裁が鳴り物入りで始めた異次元の金融緩和策も黒田総裁は「物価上昇に直接関係はない」という、では何のための金融緩和策だったのか。出口戦略もなく限界説も言われる中で、「補完措置」「マイナス金利」と矢継ぎ早に打つ出す政策に打つ手なしの感が強い。

23日の財務金融委員会で民主党の玉木議員の「マネタリ-ベース増と物価上昇率の関係」を黒田総裁に質問したところ、「直接の関係はなく、物価上昇率が上がっていくものではない」と言う意味のアベノミクスの破たんともとれる発言をしていた。

就任当初の「2年、2倍、2%」と言う語呂の良いフリップでの説明は何だったのか。2年で市場に流すカネを2倍にし、2%物価安定目標を達成するという勇ましい量的質的金融緩和政策ではなかったか。

それが市場に流すカネは12年末の138兆円から安倍政権の今、365兆円に倍増したが、物価の方は一向に上がらない。誰だって失敗と判断するだろう。

しかし、黒田総裁は期待感が変わったとか、岩田副総裁は原油価格下落、中国をはじめ新興国の経済減速などをあげ言い訳する。

量的・質的金融緩和→低金利→設備投資→消費増→企業収益、家計へ再分配→税収増など経済の好循環を狙っていたが役に立たず「漏れ」が出ているのだろう。

土地や株のバブル、日銀当座預金残高増になり取り敢えずはそのうちの23兆円分に今回マイナス金利を付けて個人や企業への貸し付けを強要したのだろう。

その結果、市場は混乱、私たちの普通預金の金利は下がった。これを見て黒田総裁は「元々低金利だった」とシャーシャーしている。

29日にNHKが国会衆院予算委員会を中継することが分かったので、チャンネルを合わすと民主党の脇議員が「普通預金にもマイナス金利があるのか」と黒田総裁に問い詰めていた。黒田総裁は確か「先行する欧州ではそんな事例は出ていない」と応える。
更に脇議員は日銀、市中銀行の利息を決めるプロセスでの資料をフリップで示しながら質問を続けていた。

先行する欧州で普通預金のマイナス金利は出ていないと言うが、限りなく0に近づいた後はマイナス金利しかない。そうしないと銀行がやっていけないのだ。

日銀は出口戦略のことを考えず、60~70兆円から80兆円で量的緩和を継続中だ。そんなに市場にカネを流して何をしようとしているのかと疑うが、市場の期待感を煽るためにも2%物価目標を安定的に維持できる頃まで続けるのだろう。

出口戦略の「で」の字も言えないところに日銀の苦悩が見える。

午後の予算委員会で江田議員が「出口戦略」で質問していた。何のことかと聞いていたら、在日米軍の問題だ。自分が橋本総理の秘書官をしていたときの事を例に出し辺野古移設問題で揉めているが在日米軍についても出口戦略を考えていかなければならないのではないかと、沖縄高等裁判所那覇支部が辺野古移設問題で沖縄県と国の係争で2つの和解案を示したこと対する国の考えを問いただしていた。

確かに政策は始めるときは容易だが、止めるときの判断が難しいとよく言われる。異次元の金融緩和を縮小していく判断が求められるときに来ているのではないか。

ところが、2%の物価安定目標が未達のまま縮小に向かうことは黒田総裁、安倍総理が信を失うときだ。安倍総理は絶対避けるだろう。その時が官邸と日銀が袂を分かつ時だ。

関連記事
2016.2.26掲載
2%物価目標で日銀?:黒田総裁派期待感を変え、岩田副総裁は言い訳だけ
yamotojapan.blogspot.jp/2016/02/2.html

2016年2月28日日曜日

民維合流:野党再編の糸口か、無理筋か

ゴタゴタしていた民主党と維新の党の合流が急遽決まったようだが、野党再編の糸口になるのか、無理筋になるのか。参院選を控えて遅遅として進まぬメデイア報道に両党の指導力を発揮したい岡田代表、松野代表のトップが取り敢えず合流の動きを作ったのではないか。

成功するためには党名、旗印となる主たる政策の合意が必要なのだが、民主党には「民主」を入れろといってみたり、全く新しい名称を維新の党は要求しているようだ。政策も党の存亡に関わりそうな政策では一致が必要だ。

更には、支持者の組織をどうするか。大票田の連合などの組織票をどう維持していくかだろう。

保守系とリベラル系議員が混在する党にあっては頭の痛い問題だが、昔の自民党を考えたらどうか。自民党には保守、リベラル混在で自動的に政策も調整され長期政権を維持できた。社会党や民主党など革新党はあったがその存在は段々薄くなっていったのではないか。

その自民党では農協という組織を通じて農民の票を維持できた(今は農協の組織見直しで自民党と農協の関係はどうなっているか分からないが)。その農協を連合に変えて考えてみたらどうか。地方で各議員が労組員としっかり組織を固めることだ。

共産党との関係は難しい。共産党アレルギーは各党にある。地方の市議会では共産党議員が活躍している。日常活動を通じて組織がしっかりしているのだが、野党再編は難しいのでは。

おおさか維新の会は憲法改正、道州制などを掲げるが地方政党だ。今は生き残りをかけ安倍政権寄りの動きをしているが安倍政権が終われば捨てられる運命ではないか。更に大阪は自民党大阪府連とはうまく行っていない。将来自民党への合流は無理だろう。候補者応募も激減し候補者難から消滅する運命ではないか。

小沢さんはどうなるか。政治家として昔のイメージが悪すぎる。民主党政権時代、権力の二重構造は政権の寿命を短くした。もっとしっかり政権を支えていれば状況も変わったのではないか。

又、民主党政権になって不運も続いた。鳩山さんはその資質を欠くと言われていたが、二転三転した普天開移設、県外移設は政権について間もない民主党にとって官僚に騙された可能性がある。

菅さんは市民運動家出身と言うことで期待されたが3.11大震災は不幸な出来事だった。非常事態で自民党総裁の谷垣さんを副総裁で迎え入れ震災対応に当たらせようとしたが、自民党の「民主党に益する」という狭い了見で失敗に終わった。成功していれば又違った展開になっていたのではないか。

3番目に総理になった野田さんは評価出来る政治家だ。ただあの時は「何時、解散するのか」の政局だったのでこれも不運だった。そういう事態を作り上げたのも自民党なのだ。

民主党政権時の醜態(?)がイメージとして強く世論調査でも民主党の支持率は10%をかける体たらくだが、国民がしっかり見直す必要があるのではないか。

今回の民主党、維新の党の合流は野党再編に向けては糸口よりも無理筋のようにも思えるが、議員の私利私欲ではなく国政を考え野党再編に向け一歩となって欲しい

米大統領選・予備選、目指すはトランプさんで「強いアメリカ」か

「俄然面白くなってきた」と言ったら不謹慎かもしれないが、米大統領選ではクリントンさんvsトランプさんが現実味を帯びてきたのだ。若者を含めて米国民が目指すのは「強いアメリカ」で、オバマ大統領の弱腰にうんざりしているのだ。

暴言、造反者のトランプさんを米大統領にしてはダメと遅まきながらメデイアがトランプ攻撃を始めたが予備選のテレビ報道を見る限りトランプ旋風だ。

政治家一家の世襲には飽き飽きしていたのでクリントンvsブッシュだけは避けて欲しいと思っていたが、ブッシュさんが余りにも不人気で撤退した。後はクリントンさんだが、民主党候補としては「政治改革」を訴えるサンダースさんが追い上げているが今のところ優勢な雰囲気だ。

そうなるとクリントンさんvsトランプさんの戦いだが、トランプさんにも分がありそうだ。

でも選挙期間中の暴言(?)と大統領になったときの政策の整合性が出来るのか。議会との関係がこじれて政権運営がうまく行かないのではないかとの心配も出てくる。

それだけ米国の政策は私たちの生活に大きく影響し放ってはおけない事態が来るかもしれないのだ。

しかし、ここに来ての米国のメデイアが騒ぎ出した。

ワシントン・ポスト紙は社説で危機感をあらわにした。WSJは、攻撃開始が遅すぎるとしながらも24日のオピニオンでは「民主、共和共に造反者vs既成勢力の対決」と評した。そしてドナルドvsクリントンどちらを望むかと国民に訴えている(WSJ日本版)。

格差是正、反主流派、反ワシントン政治、反エスタブリッシュメントと今まで米国政治には出てこなかった論点が表に出て来た。各党の主流派は戦術を変換する必要に迫られているのではないか。

そしてどちらが大統領になっても今までの対日外交は変わってくるだろう。辺野古はどうなるのか、軍事費を削っているアメリカにとっては日本の肩代わりは変わらないだろう。甘利さんが大筋合意に活躍したと政府は言うTPPもどの候補者も反対だ。輸入ではなく輸出に重点を置けば円高ドル安が進むだろう。

アメリカが不利益になるようなことは避け、「強いアメリカ」を目指すことは明らかだ。

新しい大統領が就任後に、ご機嫌伺いにワシントン詣でをしても厳しい政治課題を突きつけられることは容易に想像出来る。

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2016.2.22掲載
米大統領選サンダースvsクルーズ?:ブッシュ撤退、クリントン惜敗で
2016.2.11掲載
今、アメリカが面白い:参院選/衆参W選よりアメリカの大統領選に注目だ


2016年2月27日土曜日

進まぬ物価上昇:ケインズは「各国同時協調で減税、財政出動」の必要性を説く

進まぬ物価上昇だが、ケインズは「各国が協調し減税と財政出動せよ」と1933年に訴えていた。安倍総理は「もうデフレではない」というが「脱した」とは言えない。進まぬ物価上昇だが、あのケインズはどう考えていたのか。たまたま購入していた「ケインズ説得論集」を読み返した。

1933年に出版された「繁栄への道」に収録されている。1929年の大恐慌の時代後だから今の経済環境とは大きく違っているが、財政出動に変わりはないだろう。

市場関係者は株が上がれば投資家は「RISK ON」に、国債が買われれば「RISK OFF」になったと繰り返す。それがしょっちゅう変わる。確かに「RISK ON」が減れば需要減で物価は下がる。需要がなければ企業家は投資しないし、雇用も増えない。

ケインズの論評は数段階的に論じているが結論は、「多数の国がほぼ同時に減税を実施し、借り入れによる支出を増やすことだ」という。各国が協調して減税と財政出動とやれと言うのだ。

その協調するところに国際会議の重要性がある。丁度上海でG20財務相・中央銀行総裁会議が開かれている。中国に構造改革を強く求めているが果たしてどうなるか。

ケインズの「物価を上げる」考え方はこうだ。

通常は需要不足の場合、供給を抑制して価格を引き上げるのだが供給制限は失業を招くのでかえって有害だ。

ではどうするか。供給より早いスピードで商品に対する支出を増やす、需要増を作り出すことだ。

このためには、一つには国民が支出を増やせばいいが貯蓄を減らす場合もある。だから余裕のある人に支出を増やすように奨励することだがこれだけではダメだ。

二つ目は国民全体の購買力を増やすことだ。一部は物価上昇、雇用増になる。購買力を増やすには貿易収支の改善で国内生産者の所得になる部分の比率を上げることも考えられるが、一国の貿易収支改善は他国の悪化を招くことにもなる。

そこで借り入れによる支出をのばすことだという。

借り入れによる支出を世界全体で増やすことだ。そのためには外貨準備を十分に保有、長期資金を低金利で、民間企業が十分な規模で投資を実施することだ。

こうできれば借り入れによる支出の好影響が世界全体に波及するというのだ。

でも富裕国から新興国へ対外貸付には疑問を呈し、借り入れによる支出を国内で増やすことが重要なのだ。そうすれば雇用も増え、輸入も増やせる。

大切なことは、多数の国がほぼ同時に減税を実施し、借り入れによる支出を増やすこと以外に方法はないという。各国が協調しなければならないのだ。

減税と財政出動。G20でも財政に余裕のある国に対しては景気を下支えする財政出動を求めるらしい。

安倍政権もアベノミクスによる税収増分を公共投資に回そうとしている。一方で消費税10%の増税も政治課題になる。政党によっては「消費税を5%へ戻せ」と訴えてもいる。

円安、株高で企業の業績も良くなり家計への再分配、設備投資で消費を上げ、物価も上がる経済の好循環を目指してきた。しかし異次元の金融緩和で市場にはジャブジャブカネを流し長期金利も低く維持してきたが物価は2%上昇にほど遠く、今回の日銀の「マイナス金利政策」で市場は混乱、賃上げも金融機関は先送りを決めた。

マイナス金利の功罪をメデイアは報じるが、内需が好転したというニュースは聞かない。

G20も年中行事になっているが各国が協調して行動する姿勢はなく、自国の経済政策すらままならぬ状況だ。
作家の江上さんがケインズ説得論集の講評に「ものを買えば雇用が増えます。もっとイギリス(日本)製の商品を買わなければなりません。国内の雇用を増やすには国内で生産された商品を買わなければなりません」と書いている。

しかし、これを買って使えば生活も楽しくなるという商品が見当たらないのだ。


どうしたシャープ(2):3500億円の「偶発債務」通知は契約破棄を狙ったか

どうしたシャープ、鴻海精密工業に3500億円にも上る「偶発債務」を新しい文書で通知したのは産業改革機構寄りの高橋社長が、契約破棄を狙った新しい手に出たのではないか。

鴻海精密工業の傘下に入る取締役決定は銀行側の要請が強かったようだ。銀行は貸付金が保障されるかどうかが主たる狙いでシャープが将来どうなるかなどかまわない。

一方現社長らはシャープが築いた技術、雇用を確保することが狙いだ。

今までにも郭会長に裏切られた経験があり、鴻海精密工業に対する不信感は拭えない。契約違約金2000億円を要求したのもそのためだ。

最終的には金額で鴻海精密工業の傘下に入ることを決めたが、新しく「偶発債務」を切り出した。

それを聞いて鴻海精密工業は「はじめて聞くこと」として契約調印を先延ばしして検討するという。どうなることか。

高橋社長らが契約破棄を狙って行動に出たのではないか。支援金額や事業継続、雇用の問題で産業革新機構との差はあるだろうが、シャープに付いては研究開発、工場誘致などで多くの優遇策が与えられたはずだ。それをパーにしてまで海外の企業に身売りすることなどあってはならないことではないか。

鴻海精密工業との契約が破棄されることを祈るばかりだ。



G20での構造改革要請:相変わらずのお題目だけの経済政策なのか

G20を伝える読売新聞 2016.2.27
上海でのG20財務相・中央銀行総裁会議は中国に膨大な構造改革を求めることになったが、相変わらずのお題目だけの提言で終わりそうだ。構造改革を目指すにしても中身は不明で、おまけに記者の数を制限するなど共産党一党独裁の国らしさを覗かせコミュニケーションの難しさを思い知らされた。

現在の世界経済、市場の混乱は中国に起因する要因が多く、中国自体がどう解決していくかが課題だ。

その批判を緩和するために中国は記者会見やセミナーで「金融政策にはまだ余地があり政策手段は残されている(周総裁)」、「中国には行動するための財政的余地がある(楼財務相)」と追加緩和と財政出動を匂わす。

更に、李首相もビデオで「状況はかなり複雑化している。G20は団結を」と他人事のようなメッセージを送り中国は関係ないとでも言うのか。

確かに今の世界経済、金融市場の混乱は中国に起因する。

中国はリーマンショック直後、日本円にして52兆円という投資で世界経済をけん引したことは事実だ。「さすが中国」と高い成長率を信じたものだ。

ところが中国経済が減速に入り過剰投資、過剰雇用が明るみに出、中国バブルが始まった結果、あれだけ競って買い入れていた原油、鉄鉱石など国際商品の価格は下落、人民元も信用を落とす結果になった。

メデイアは中国経済の課題として、6.9%と成長率の鈍化、資金の中国からの流出、元安、株安を上げる。

そして、中国の構造改革として、過剰生産の解消、市場の安定化、財政出動による景気の底上げ、非効率企業の整理そして不動産市況の改善が上げられている。

そのためか、中国は世界へ向け進出を企てているが、中国が貿易による収支改善を目指せば一方の国は収支が悪化する。大気汚染は激しく、河川は汚濁、工事は安全軽視で原発や新幹線建設が出来るのか。
まず、国内のインフラ整備に財政出動したらどうか。内需拡大は世界経済に余り迷惑をかけない。

そして、日本だって構造改革が急がれるのではないか。アベノミクスも限界に来ている。既に破綻しているという専門家も多いが、何故か為政者はアベノミクスを信望する。

だとしたら、日本こそ構造改革、規制改革を進め成長路線に持って行くべきではないのか。

G20IMFは余裕のある国が財政出動せよという。

財政出動と財政再建。政権は選挙も控えてアベノミクスの成果(?)としての税収増分を公共投資などに持って行きたいようだが念願の「2%物価安定目標達成」は17年度に先送りされたが、当てはない。

先の衆院財務金融委員会で野党の玉木議員が「マネタリーベース増と物価上昇の相関関係」を質問したとき、黒田総裁は「直接の関係はない」と「2年、2倍、2%」の異次元の金融政策を否定したのだ。

あれだけ期待感を覗かせていて「ハシゴを外す」結果になったのだ。

麻生財務相はG20に出席する前に安倍総理と会談したという。G20でアベノミクスの成果をどう表現するかで相談したのだろう。

でも、海外の専門家はアベノミクスを評価していないし、経済誌は破綻したという。皆知っているのだ。

G20で世界に向けられた中国の構造改革の必要性は日本にも当てはまる。構造改革、規制改革で実効性のある政策を出して欲しいものだ。否、もうないのかもしれない。あったらもう出ているはずだ。


2016年2月25日木曜日

どうしたシャープ(1):代表的企業の海外企業への身売りがあって良いのか

どうしたシャープ、我が国の代表的企業が海外企業に身売りという、こんな事があって良いのか。安倍政権は世界で一番経済活動がしやすい環境作りのために法人税下げなど政策を打ち出しているがシャープを助けることが出来なかったのか。

勿論、今回本命となりそうな台湾の鴻海精密工業とともに官民ファンドの産業革新機構とも話し合いをしていたようだが、条件面で鴻海精密工業が勝っているという。

産業革新機構案は3500億円融資で液晶部門をジャパンデイスプレイと合併させ日の丸連合を作る作戦だったようだ。でもこの案では大きなリストラは避けられない。

一方の鴻海精密工業は、56000億円の融資、リストラはせず、負債も応じるというが、シャープから契約違反の時の保証金として1000億円を要求されたという。

それかどうか、鴻海精密工業鴻海精密工業は精査する必要があるとしてまだ調印は決まってはいない。一説によると更に3500億円の負債が発生するようでこの点にあるのではないかとも言われている。

シャープの開発力は優れている。

子どもの頃は,ラジオの昼番組で早川電機提供の番組があった(具体的名前
は思い出せない)。シャープペンも有名だ。画期的なのは電卓だったが、私が買ったのでは安価ということで洗濯機、テレビは他社製品に較べて画面が白っぽい感じだった。最後に買ったのはデジタルビューカムというカメラとビデオが別々のアタッチメントで使えるカメラとノートパソコンだった。

シャープで思い出すのは、大阪万博の時、日本の主な電機メーカーは多額の投資でパピリオンを出展したが、シャープはパピリオンを止め天理か堺に液晶の工場を建設、専門家からはシャープは将来のことを考え立派な決断をした評価されていた。

それから亀山に工場を建設、亀山ブランドの液晶テレビは有名だったが、私としては手が出なかった商品だ。

その後、韓国、中国企業などの追い上げで過剰投資となり経営が悪化したようだ。近くの量販店でシャープから出向しているという何人もの社員にあった。

外国の企業の傘下に入ることは、経営のやり方が違うだろうしリストラしないと言ってもシャープ自体がやっていけない経営環境ではリストラせずにはいられないのではないか。そして不採算事業の整理だ。

生産請負の企業で15兆円規模のようだが、シャープを傘下に置くことによって技術力を獲得することになるメリットは大きいだろうがそのままで赤字企業が黒字にはならない。何かやるのではないかという不信感はある。


企業が大きくなるには工場進出で自治体から優遇策を得ていたはずだし、研究開発にも優遇策があったはずだ。そういった優遇策を受けながら海外企業に身売りと言うことでは、なかなか納得のいかない。

2%物価目標で日銀?:黒田総裁は期待感を変更、岩田副総裁は言い訳だけ

「2年、2倍、2%」と2の数値で期待感を煽る黒田日銀総裁
2013.4.4記者会見から
海外要因も含めて日銀、政府が目指した2%物価安定目標達成時期が3度も先送りされたが日銀はどう考えているのか。黒田総裁は「2年で2倍、2%」の異次元の金融政策で期待感を煽ったが、今その期待感を変更、岩田副総裁は相変わらず言い訳だけだ。

奇しくも23日、衆院財務金融委員会で民主党・玉井議員が、私たちも知りたい「マネタリーベースの増加と物価上昇率の関係」を黒田総裁に問いただしたところ、仰天する答弁があったのだ。

どういう訳か全国紙は一切報じていないが、ロイターと日刊ゲンダイDIGITALが報じている。

曰く、「ついにギブアップ・・黒田総裁がアベノミクスの失敗を認めた(日刊ゲンダイ電子版2016.2.24)」、「マネタリーベース増加、インフレ期待上昇に直結せず・・日銀総裁(ロイター2016.2.23)」だ。

記事内容を見てみると黒田総裁は「マネタリーベースそのものに直ちに物価、あるいは予想物価上昇率が上がっていくことではない」という。

では、あの「2年、2倍、2%」のフリップを用意しての記者会見は何だったのか。

日銀は伝統的金融政策ある「金利」から非伝統的金融政策である「量」に政策変更した。でも経済学界では「低金利下での量的緩和政策は効果が薄い」と言われていたがリフレ派が従来の金融政策では脱デフレが出来ないとみて方向転換したのだ。

それに安倍総理が乗ってしまった。当初は円安、株高で効果があったように見えた。

しかし、今回黒田総裁は「マネタリーベースと物価上昇に相関関係はない」と認めたのだ。では市場に6070兆円のカネを流し、更に80兆円を継続、国債の買い取りだけでは「限界が来る」という巷間のエコノミストに反発し「補完措置」「マイナス金利政策」を打ち出し、今国民は大混乱している。

今まで市場に流したカネは138兆円(12年末)から安倍政権、黒田総裁になって365兆円に膨らんだ。でも消費者物価指数は2%にはほど遠い。

アベノミクスではトリクルダウンを期待していたが成果が少ないとみて政府、日銀は経済界に賃上げを要請している。しかし、海外の専門家は「トリクルダウン」は見たことがないと頭から否定だ。

副総裁の岩田さんと来たら就任当初の記者会見では「言い訳はしない。2年で目標達成が出来なかったら職を辞す」と豪語していたが、今は原油価格の下落の影響が大きいと言い訳をする。

日銀の期待感を煽る異次元の金融緩和政策も成果につながらない。

政治は「デフレは絶対に避けたいところ」、でも効果のない政策を続けていて良いのか。世界はデフレ感が漂っている。

日銀の政策決定会合の委員9人のうち、5人は安倍政権のYESマンのリフレ派、残り4人のうち2人が間もなく任期が切れるらしい。益々反対意見を言う委員が減っていくことになる。

「日銀よ 何処へ」と言うよりも「日本よ 何処へ」と心配になる。

そして、問題は何故国内の全国紙が報じないのか。

予算委員会での出来事だと新聞に詳細がのり「日銀ギブアップか」で政権の存亡をかける事態、総裁の責任に関わることにもなるのだが今回は一切記事がなかった。


安倍総理の責任は
2012.11.20 テレビ朝日 報道ステーションより
安倍政権の意向に反する報道には横やりが入ることを恐れて報道を控えたとしか思えない。「公正な報道」とはこう言うことなのか。

2016年2月24日水曜日

野合批判:民・維新党より自民党の方が悪質ではないか

維新の党と新党合流
民主党本部
民主党と維新の党の合流が現実味を帯びてきたが、与党の自民党、公明党は単なる選挙目当てでは野合と批判するが、自民党こそ選挙目当てで候補者を掻き集め「風」だけで当選させる方がより悪質ではないか。

今日の新聞で民主党と維新の党が3月に合流、党名変更で大同合意に達し党首は岡田さんだという。うまく行けば総勢150人を超えそうだともいう。

当初はお互いに解党し新党結成を考えたようだが民主党には野党第一党としてのプライド、民主党の党名に拘る議員も多く格好は吸収合併と言うことになるらしい。

でも、政策に付いては完全に一致したはずはなく自民一強への対抗馬としての野党、受け皿作りの臭いがするために自民党・谷垣幹事長は「単なる選挙目当て」、公明党の山口さんは「政策的立場の違い、展望の不透明さ」を上げて野合と批判する。

民主党、維新の党の合流を野合と批判する
資格があるか
自民党本部
でも野合批判であれば自公、特に自民党は候補者に有名人を掻き集めただ議席数確保だけの政党のほうが悪質ではないか。

女性スキャンダルの公募候補者、手っ取り早く票が稼げるための有名人、タレント、スポーツ関係者、テレビで人気が出た弁護士、更に能力は分からないが世襲議員など多士済々(?)を野合とは言わないのか、烏合の衆とは言うが。

おまけに自民党には公明党の推薦を「国家観が違う」と拒否している正統派幹部もいる。

確かに保守、リベラル混合の政党の運営は難しい。重要な政策で党内一致が見られず予算委員会、国会本会議でも対応が曖昧だ。

でも自民党だって党内には保守、リベラル両方が混在しているが今は安倍総理が怖いためにリベラルは声をひそめているだけ。こっちの方がよっぽど悪質ではないか。


自民党に民主党、維新の党の合流を野合と批判する資格はない。

2016年2月23日火曜日

パレートの80:20の法則:この20は何を意味するか

よく知られているパレートの法則に80:20がある。この20は何を意味しているのか。それを考える打って付けの研究として北大の長谷川准教授がアリ集団の研究からよく働くと思われる集団でも20~30%のアリは働かないというのだ。

でも全く役に立っていないというわけではなく、「いざと言うとき」には働くようになることから全体集団にあっては欠かせない集団だというのだ。

私たちはパレートの80:20の法則を知っている。統計学者のパレートがイタリアの納税を調査していたときに、国全体の80%の税金を国民の20%の人が納めていることが分かったのだ。

このことから80:20はいろんな意味に応用されるようになった。

会社で考えると、会社の仕事の80%を全社員の20%の社員が担っており、残り20%の仕事を残り80%の社員が担っているのだ。だからリストラするとなると、その80%の中から選ぶことになると言う考えもある。研究、製造、営業の仕事以外に企業にとって必要な業務に多くの人間が関わっているのだ。それで会社という組織が動いている。

ところが余り働かないアリ(人間)だけのグループを作ると80%のアリ(人間)が働き、20%のアリ(人間)が働かなくなり、逆によく働くグループだけを集めても同じようなことが言えるのだ。

集団を維持するためには余り働かない人間も必要なのだ。

以前ある政治家が予算編成で言っていたがある。「国民皆が働くようになるとこの程度の予算では足りない。働かない人間もいるからこの程度の予算で足りるのだ」と。

今、安倍政権は1億総活躍社会を目指して政策を打っているが、皆が働くようになると一体どのくらいのカネが必要になるのか。

日本社会全体を見回すといろんな社会事象がメデイアで報じられているが、それも必要なことなのだろうか。


2016年2月22日月曜日

米大統領選 サンダースvsクルーズ?:ブッシュさん撤退、クリントンさん惜敗で

米大統領選は予備選でブッシュさんが撤退を表明したが、民主党クリントンさんも最後は惜敗でサンダースvsクルーズにならないか。選挙権はないが米大統領選予備選に注目だ。今日の新聞は一面トップ記事が「ブッシュ撤退」を報じる。

それだけ共和党候補の主流派の本命中の本命だったブッシュさん、しかも父親、兄も大統領経験者という政治家一家の家系だ。撤退宣言は屈辱だったろう。

でもブッシュvsクリントンの政治家一家の対決に嫌気がさしていた私に取っては、まずブッシュさんの撤退は望んだ通りだ。

次は、クリントンさんがどうなるかだ。民主党では本命、大統領選でも本命と言われ民主党予備選でトップを走っているが対抗馬のサンダースさんが追い上げて善戦している。

サンダースさんは今まではアウトサイダー的存在だったようだが、今回エスタブリッシュメント反対、ワシントン政治反対更には格差是正が若者達に好感され異例の善戦なのだ。

オバマ現大統領のリベラル色、中東、中国問題での弱腰外交から「強いアメリカ」を選挙民は要求するようになった。

その象徴が共和党候補のトランプさんだ。クリスチャン問題で法王と論争をするなど強気の姿勢を崩さない。これほど一見乱暴(?)とも思われる発言を繰り返して万一大統領にでもなったらどうするんだと心配になる。

でも、「やらせてみたら面白いのではないか」と考えている人間が世界中でも多いのではないか。

ブッシュさんが撤退した後の共和党の票はどうなるか。

サウスカロライナ州での得票率を見ると、新聞報道ではトランプさん32.5%、ルビオさん22.5%、クルーズさん22.3%、ブッシュさん7.8%、ケーシックさん7.6%、カーソンさん7.2%だ。
主流派のブッシュ票、ケーシック票はルビオさんに行くと仮定するとクルーズさんは勿論、トランプさんも越えることになり共和党のトップに立つ。クルーズさんは3 位と変わらないが得票数は大きく後退する。

だとするとサンダースさんvsルビオさんで大統領選が落ち着く確率はどうか。

オバマ民主党大統領の後、また民主党大統領が可能なのか。「ここらで変われ」が米国民の動きではないか。だとするとルビオさんの可能性が出てくるのか。

選挙権はないが気をもむ大統領選です米。


2016年2月21日日曜日

ニュースキャスター受難:田英夫さんも「北爆報道」で米国から横やりで追われた

時の政権の意向に反する報道でニュースキャスターの受難が続いているが、キャスターの先駆け()とも言われた田英夫さんもTBSの報道番組「ニュースコープ」でのベトナム戦「北爆報道」で米の介入がありテレビから追われた。

学生時代、今から50年以上前、午後6時半からの田さんのTBS「ニュースコープ」を下宿先の近所の食堂で見ながら夕食を取っていた。どの食堂も同じようにニュースを流していたので当時は非常に人気のあった報道番組だった。

時は、ベトナム戦争で南北に分かれての熾烈な戦いをやっていた。南は米国が支援、豊富な物資で北を銃弾爆撃、ジャングルでのゲリラ戦では森林に覆われてゲリラが隠れるのを防止するために空中から枯れ葉剤を散布した。

米軍の空爆、南でのゲリラ戦の被害状況は報道されていたと思うが、北爆での被害の結果は皆目分からなかった。

そこで田さんがハノイに乗り込み米軍の北爆での被害状況を報道したのだ。当然にひどい状況だった。

学校、病院など公共の建物は破壊されがれきの山となり、負傷した子どもをだいて走り回る親、道路に横たわる負傷者の映像は目を疑うほどだったのを覚えている。

その直後だったと思う。米国から報道に対して横やりが入ったのだ。ひどい映像を流されたことに米政権は怒ったのだ。当時の駐日大使は、確かライシャワーさんだったと思う。メデイアがその時のことを報じたはずだ。

こんな状況がいつまで続くのかと視聴者は考えただろう。案の定、北のゲリラ戦が勝ち米国は撤退を余儀なくさせた。近代兵器がゲリラ戦に負けたとメデイアは騒いだ。

その米国の介入の結果、田さんはテレビから姿を消した。最後になんと言ったかは覚えていないが「歴史に残る言葉」でも言ったのだろうか。

その後、田さんは社会党の全国区候補者で出馬し当選した。私も1票を投じたことは覚えているが、国会で田さんがどんな活動されたかは覚えていない。

当時はこういった人は野党第一党の社会党から立候補する事例が多かった。今は社民党として見る影もない状態だ。

安倍政権は昨年来メデイア牽制を強め、主要なニュースキャスターは挙って第一線を離れ、局アナで報道番組を構成しようとしている。人件費の安さは局の運営に寄与するだろうが、何故か圧力に屈しているようにも思える。

最近では高市総務相が「電波止め」の可能性に言及している。報道内容に政権がいちゃもんを付けることは度々あったようだが、安倍政権では極めて多い気がする。

そのきっかけが、又TBSの報道番組「ニュース23」で安倍総理が生出演したときの街角インタビューが偏っていると安倍総理が噛みついたことだ。TBSが関係していることに何か因縁でもあるというのか。

朝日新聞(2016.2.21)の「分かる!放送法」記事中の政治の介入で田英夫さんの記事が載っていたので、当時のことを思いだし記事にした。

「公平な報道」とはなかなか難しいことであるが、メデイアの考えもはっきり報道するのが責任ではなかろうか。


安倍総理、黒田総裁が信を失う時は近いか

安倍総理、黒田総裁が信を失い表舞台から去る時は、2%物価安定目標達成が出来なかった17年度前半ではないか。日銀がその達成時期を3度(前原さんに言わせると4度)先送りしてまで量的・質的金融緩和策を強化しているが、安倍政権の脱デフレ政策、アベノミクスの破綻は明らかに信を失う時である。

奇しくも安倍総理、黒田総裁の任期は18年度中頃だ。それまで持つかどうかはアベノミクスの成果をどう主張するか、量的・質的金融緩和策の効果があったかをどう主張するかだ。

日銀が景気を「緩やかな回復基調」という。でも政策決定会合では2%物価安定目標達成に悪影響する恐れがあるために「補完措置」「マイナス金利」政策を打ち出したが、当然反対派もいた。

政府、日銀は何か経済指標に手を加えて経済指標は好転しているとでも言うつもりなのだろうか。

産油国の事情、中国や新興国の減速、米国の国内経済減速に加えてヨーロッパでの低金利による銀行の経営悪化など短期間に改善する見込みはほとんどない。

専門家の一部にはこれらの経済事情が「マイナス金利政策」の効果を打ち消す結果になっていると日銀の金融政策を擁護する発言も出てくる。

だから、2%物価安定目標は政府や日銀のせいではないとでも言うのか。思いだしてみよう。岩田副総裁が就任時の記者会見で「言い訳はせず、2年で達成出来なかったら責任を取り辞任する」と言ったではないか。それなのに講演では言い訳をしている。

安倍総理のスタッフも消費税10%への増税を再検討の意見が出て来た。総理は経済情勢を見て判断すると言うが、法律では増税しなければならない責任がある。

財務省も財政健全化のためにも増税論だが、増税で益々景気がしぼむことは容易に想像出来る。

日銀の量的・質的金融緩和政策も国債購入以外に「補完措置」「マイナス金利」と黒田総裁に言わせると政策の余裕代を作り「限界説」に対抗しているようだが巷のエコノミストの限界論は説得力がある。

一方で参院選を控え政治的にも注目すべき動きが出ている。国民のためではなく自民党のための選挙戦術だから国民を馬鹿にした話だ。

内閣支持率が高いうちに選挙をやりたいようで衆参同日選挙で野党を混乱させ自公で多数議席を取るもくろみだ。

安倍総理、黒田総裁への信任も含めた衆参同日選挙であって欲しい。2人が表舞台から去る日は近いか。


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2016年2月20日土曜日

国会議員よ それでも厳粛な信託を受け、その権力を行使する人間と言えるか

国会議員よ、それでも日本国憲法に言う国民の厳粛な信託を受け、その権力を行使する人間なのか。第二次安倍内閣以降、何故か国会議員の資質に疑問を呈する事案が多く目立つようになった。中には議員辞職に匹敵するものもあるが態度を明確にしていない。

丸山参院議員の「米国大統領は黒人の血をひき、これは奴隷ですよ」という意味の発言には驚いた。人種差別発言であるし外交上も非礼な発言だ。更に「米国の51番目の州になる」という意味の発言は日本国を否定する発言であり、それが憲法審査会での発言というから何を考えているのかと言いたい。

丸山さんは、橋下前大阪市長と同様に「行列の出来る法律相談所」の回答者として正論派の北村弁護士に対して特異な論調で対抗しユニークな存在であった。人気を得て(?)政界へ進出したが壊すことはするが何かを構築する政治家にはなれないままだ。

甘利元経済再生担当相も政府やメデイアはTPP大筋合意で大活躍した政治家と評するが「政治とカネ」、贈賄疑惑が噴出し大臣を辞任する羽目になった。

政治家も秘書も一体、秘書のやったことでも政治家に責任があると政治家の美学、矜持を主張したが、最近の国会論争ではそんなきれい事では済まされない疑獄事件に発展しそうな雰囲気だが本人は姿をくらましたままだという。

丸川環境相は除染の規準が「民主党政権時の環境相が勝手に決めたことで科学的根拠がない」と講演し、当時の環境相の細野さんから追及され、やっと発言を取り消した。原発再稼働に突っ走る安倍総理を忖度した発言と批判されている。環境省をエコ、エコと批判したが自分はエゴ丸出しだ。

総務相の高市さんは「メデイアの公正は報道」を求めて「電波止め」の可能性もある事に言及した。昨年来続く官邸のメデイア牽制に続くものなのだろう。メデイアを牽制する安倍政権の内閣だから尚更危険を感じる発言だ。

議員辞職した宮崎さんのスキャンダルは「法律に違反しているわけでもないし
・・・」と自民党幹部も戸惑う程だったが、背景に何があったか知らないが自身の判断で議員辞職した。もっと女性スキャンダルが明るみに出るのを嫌ったとも言われている。

小渕優子議員の後援会による「政治とカネ」の問題は、小渕議員本人も「分からないことばかり」と困惑し、東京地検特捜部が異例の早さで家宅捜索したが肝心の証拠はパソコンのHDがドリルで破壊され破棄され秘書で前町長が有罪判決を受けた。

本人は直後の解散総選挙でトップ当選し、今どんな活躍をしているか分からないが議員をやっている。当時は初の女性幹事長、女性総理候補とメデイアは煽ったが経済産業相をあっけなく辞任することになったのだ。

又、誰のための政治なのか分からない発言をしている大臣もいる。麻生財務相はマイナス金利で中小企業の10や100・・廃業になるかもしれないと失言した。

昔だったら内閣総辞職、解散に追い込まれる事態も考えられるが自民党一党他弱、安倍右翼政権に犯された自民党にあっては安倍総理に対峙する勢力もない。

そんな安倍政権が「現憲法は押しつけられた憲法」と評し、自らの憲法を制定しようと動いている。所信表明でも最後の最後に「勇気を持って国のかたちを決める」という意味のことを書いていた。安倍総理にだけは「国のかたち」を決めて欲しくない。

参院選では取り敢えず参院で2/3の議席を獲得できるように野党議員に触手を伸ばしたり、有名タレント、スポーツマンを候補者にしようと動いている。

衆参同日選挙も視野にあるらしい。

どの政党もなかなか候補者を確保できない状況にあるようだが、安倍総理はどんな候補者を集めようとしているのか。○○チルドレンと言われる若手議員に資質を欠く人間が多い。

野党も自民党以上に候補者を捜すのが大変だ。

まず野党共闘を目指すべきだが今回の社民党大会に共産党を含めて野党が結集したことは何か変化をもたらすのだろうか。

共産党提案の「国民連合政府」構想も共産党アレルギーが強いと言うが、共産党は1人区で候補者を立てないらしい。共産党票が野党候補に回れば自民党と対等に戦えるチャンスも出てくる。

メデイアは野党の劣勢、自公優勢を伝えるが、どうして「野党頑張れのキャンペーン」が張れないのか。これこそ「公正を欠く報道」にならないか。

タレント候補、若さ、美しすぎる○○、公募候補には要注意だ。

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