「2年、2倍、2%」と2の数値で期待感を煽る黒田日銀総裁 2013.4.4記者会見から |
奇しくも23日、衆院財務金融委員会で民主党・玉井議員が、私たちも知りたい「マネタリーベースの増加と物価上昇率の関係」を黒田総裁に問いただしたところ、仰天する答弁があったのだ。
どういう訳か全国紙は一切報じていないが、ロイターと日刊ゲンダイDIGITALが報じている。
曰く、「ついにギブアップ・・黒田総裁がアベノミクスの失敗を認めた(日刊ゲンダイ電子版2016.2.24)」、「マネタリーベース増加、インフレ期待上昇に直結せず・・日銀総裁(ロイター2016.2.23)」だ。
記事内容を見てみると黒田総裁は「マネタリーベースそのものに直ちに物価、あるいは予想物価上昇率が上がっていくことではない」という。
では、あの「2年、2倍、2%」のフリップを用意しての記者会見は何だったのか。
日銀は伝統的金融政策ある「金利」から非伝統的金融政策である「量」に政策変更した。でも経済学界では「低金利下での量的緩和政策は効果が薄い」と言われていたがリフレ派が従来の金融政策では脱デフレが出来ないとみて方向転換したのだ。
それに安倍総理が乗ってしまった。当初は円安、株高で効果があったように見えた。
しかし、今回黒田総裁は「マネタリーベースと物価上昇に相関関係はない」と認めたのだ。では市場に60~70兆円のカネを流し、更に80兆円を継続、国債の買い取りだけでは「限界が来る」という巷間のエコノミストに反発し「補完措置」「マイナス金利政策」を打ち出し、今国民は大混乱している。
今まで市場に流したカネは138兆円(12年末)から安倍政権、黒田総裁になって365兆円に膨らんだ。でも消費者物価指数は2%にはほど遠い。
アベノミクスではトリクルダウンを期待していたが成果が少ないとみて政府、日銀は経済界に賃上げを要請している。しかし、海外の専門家は「トリクルダウン」は見たことがないと頭から否定だ。
副総裁の岩田さんと来たら就任当初の記者会見では「言い訳はしない。2年で目標達成が出来なかったら職を辞す」と豪語していたが、今は原油価格の下落の影響が大きいと言い訳をする。
日銀の期待感を煽る異次元の金融緩和政策も成果につながらない。
政治は「デフレは絶対に避けたいところ」、でも効果のない政策を続けていて良いのか。世界はデフレ感が漂っている。
日銀の政策決定会合の委員9人のうち、5人は安倍政権のYESマンのリフレ派、残り4人のうち2人が間もなく任期が切れるらしい。益々反対意見を言う委員が減っていくことになる。
「日銀よ 何処へ」と言うよりも「日本よ 何処へ」と心配になる。
そして、問題は何故国内の全国紙が報じないのか。
予算委員会での出来事だと新聞に詳細がのり「日銀ギブアップか」で政権の存亡をかける事態、総裁の責任に関わることにもなるのだが今回は一切記事がなかった。
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