荒れる株式市場、コンピューター取引に脅かされる日本経済か。日本経済自体に問題はなく「緩やかな回復基調」と言ってみても経済指標、情報のチョッとした変化を捉えてコンピューターに瞬時に取引されては叶わない。ほとんどの市場が同じように判断し行動するのだからたまったものではない。我慢していたら負けになるのだ。
市場は過剰な反応をしていると思うが、コンピューターに感情などない。0と1で動くのだ。
今回の乱高下のきっかけも日銀の「マイナス金利政策」の公表と見る専門家もいるが、やっぱりFRBイエメン議長の「米国の景気が思わしくなく利上げの先送り」、「ドル高が米国経済を圧迫している」発言だろう。
市場は「先送りで一安心」と見るより「そんなに米国経済は悪いのか」と失望したのだ。
それに原油価格の下落、新興国、中国の減速、更にはドイツをはじめ欧州での銀行の経営危機が叫ばれ出した。続く低金利で金融機関の収益が悪化しているのだ。我が国でも地方銀行の株価が一斉に下がったことで野党議員が予算委員会で問題にしていた。
原油価格の下落は燃料費の下落で生活にはプラスだが、2%物価安定目標を目指す政府、日銀にとっては足かせになっている。その原油も減産して価格上昇を目指すのが普通であるが、サウジアラビアvsイラン、米国のシェールオイル問題も絡んで調整が進まないようだ。
中国の過剰設備、過剰な労働人口、人件費の高騰は「世界の工場」を謳歌したのは昔の話と言うことになる。
闇雲に海外投資を目論んでいるが、インドネシアの新幹線建設に見るように日本優位から中国が奪い取ったかたちだが、計画はうまく行っていないようだ。どこかの国では中国がギブアップし、後を日本が受け継いだという。
英国では原発を建設する契約を結んだが、そこまで中国に頼らなければならないイギリスに驚く。中国が出資するというのだ。
日本も中国に振り回されない姿勢を示すべきではないか。輸出先としての中国市場、観光客増、「爆買い」も一時の動き、深入りは禁物ではないか。
一方、日本経済の再生には内需拡大が必要であるが長期金利が下がっても企業の投資が増えるとは限らない。
20年間のデフレ経験はデフレ感が払拭できず、内閣参与の浜田さんは「人々の期待を悲観論から楽観論に変えていくべきだ」と言う(読売新聞 2016.2.14)。
そのためにはコンピューターの瞬時取引、「空売り」で大儲けを企む投資家を規制すべきではないか。
安倍総理の言うアベノミクスの指標が株価だとするとアベノミクスは失敗だったと批判されても仕方ない。
更には、余りの円高に為替介入の噂が立っている。既にやったかどうかは分からない。又、分かるようなやり方は世界から批判される。
日本経済自体は問題がないと言ってもコンピューター判断には叶わない。当分振り回される覚悟が必要だ。
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