市場の混乱の原因になったマイナス金利政策を打ち出した 日本銀行 政策決定会合の9人の委員中5人がリフレ派だ。 量的・質的金融緩和政策の見直しの必要性があるのでは。 |
マイナス金利政策で利回りの高い国債の購入に動いたが、価格が上昇し10年国債利回りが急低下し0%になったというのだ。
再び頭をもたげようとしている原油安、米国経済悪化による円高ドル安で114円/ドル、東証株価は918円安の16,085円に、ダウ平均株価は315ドル安の15,889ドルで比較的安全と思われる日本国債購入が広がったようだ。
株価は16000円を割るか 乱高下の激しい東京証券取引所 (撮影日は記事とは関係ない) |
金融市場を混乱させているのは日銀のマイナス金利政策だ。日銀の政策決定会合でも賛成5vs反対4の危ない綱渡りだ。メデイアでは「さっきまでない」と言っていたのに何故急に決まったのかと黒田総裁を問い詰めている。
昨日、日銀が「金融政策決定会合における主な意見」を公表したというので日銀のHPから開いてみた。
日銀は現状をデフレマインドの転換が遅れ賃上げの広がりを欠き、これが物価にも悪影響を及ぼし、2%物価安定目標も先送りを繰り返しているという。
でも景気は「緩やかな回復」を続けていると以前からの見方を変えていない。
物価の基調は着実に高まっており、2%程度に達する時期は原油価格下落の影響などから2017年度前半頃という。
問題の金融政策運営については、デフレマインドが物価基調に悪影響を及ぼすリスクが増大し顕現化を未然に防止し、2%物価安定目標には「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を導入することが望ましいという。
更にこれは、量、質、金利の3つの次元で、追加緩和の十分ある事を示すことを可能にするとも言う。
でも、反対論も多く出ている。
物価基調は悪化しておらず金融緩和度合いからしても追加緩和を正当化する理由はなく、現状維持が適当。補完措置を執った後、マイナス金利導入は資産買い入れの限界とうけ止められる他、複雑な仕組みは混乱、不安を招くリスクがあり、金融緩和効果を減衰させる恐れがあると言う。
至極もっともな意見で、今回の市場の混乱を言い当てている。
他には、現状では大がかりな政策変更を行うタイミングではない。民間の調達金利の低下余地は限られ設備投資の増加も期待しがたい。現時点では追加金融緩和の必要はなく、金融機関の収益性を悪化させ金融システムの潜在的な不安定性を高めるなど問題がある。
又、マネタリーベース増加目標とマイナス金利導入は論理的整合性に欠ける。
既にマイナス金利を採用している他国とマイナス金利競争に陥る危険があり、中長期の国債利回りのマイナス化で本行のみが最終的買い手となり、市場から財政ファイナンスと見なされるリスクが高まるともいう。
どう見ても反対論が正論と思われる。
それでもマイナス金利政策を打ち出したのは2%物価安定目標達成を意識したためだろう。中期的目標にすべきだと言う木内委員の意見が決定会合で出されているが1vs8で否決されている。
早期の2%物価安定目標が達成出来なければ安倍政権のアベノミクスも信用を落とすことになり参院選も戦えず安倍政権はぶっ飛ぶことになる。
出席した内閣府、財務省の官僚は2%の物価安定の目標の実現に向け着実に取り組むことを期待する。日銀の考え方を対外的にも丁寧に説明することが重要と賛同している。
新聞報道によると、5vs4でマイナス金利政策が決定したそうだ。毎日新聞電子版(2016.2.8)によると賛成したのは黒田総裁派、反対したのは白川前総裁派だという。政府寄りのリフレ派が賛成したのだ。
日銀の金融政策の舵取りも危うくなってきている感じだ。
今の日本は借金が1053兆円になり先進国一悪い状況に変わりはない。財政ファイナンスと見られれば一気に日本売りが始まり国債売りは日銀をはじめ国債を保有する金融機関の経営に大きく影響する。
市場にカネをジャブジャブ流しているが物価は上がらず内部留保、日銀当座預金額が増える一方でそれをはき出さそうとマイナス金利になったが、需要がなければ設備投資など出来るはずがない。
明らかに量的・質的金融緩和政策は失敗している。日銀も政府の顔色を見てばかりでなく政策の見直しをすべきではないか。日銀の独立性を発揮すべきだ。
そのためにはまず、岩田副総裁が責任を取って辞任、次いで黒田総裁が辞任し出口戦略に軸足を移すべきではないか。
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