2017年10月31日火曜日

安倍政権の憲法改正(1):憲法は安倍政権を監視するためにもあるのだ

安倍総理 憲法は安倍総理のような政権を監視するためにもあるのです。

野党のゴタゴタでの失速に乗じて圧倒的多数の議席を得た安倍総理は当初「謙虚に」「丁寧に」を連発していたが、本領を発揮し独裁政権の姿を改めて表した。

野党が国会開会、審議を要求しても7ヶ月も国会が開かれていない状態で選挙後の特別国会も8日間の開会で実質3日間、首班指名で終わるらしい。野党が「会期延長なし」を批判すると萩生田さんは「誰が延長なしと言った」と反論する始末だ。

やっぱり「モリカケ」で質問されるのを嫌っていると想われているが、疑惑解明に憲法で言う「国政調査権」も使われていない。与党が拒否しているからだ。

安倍総理は選挙期間中の街頭演説では「憲法改正」に時間を割いていなかったようだが、いつでも発議出来る2/3議席以上を確保出来そうなので憲法改正を進めるらしい。世論調査では改正に好意的な割合が多いが、その内容になると漠然としている。

恐らく自民党が宣伝する「押しつけ憲法」「独自の憲法制定の必要性」「北朝鮮の脅威に対し国土を守る自衛隊への期待」などが影響しているのだろう。

安倍総理は選挙の大義に国難突破を訴え、北朝鮮の挑発行為への強い圧力の必要性を訴えていたが、麻生さんも認めるように自民党圧勝の一員に「北朝鮮の脅威」があったのだ。

若者達も「強い政権」「安定した政権」を望んでいるのは確かだ。今は自民党政権しか頼れないのだ。安倍総理を頼っているわけではない。

だからと言って強権で憲法をいじることは出来ない。

憲法は時の政権から国民の権利、生命、安全を守ることが重要な役目があるのだが、安倍政権は国民の権利を制限しようとしている。

今、政府・自民党は国会での野党の質問時間を議席数に応じて制限しようとしている。今は与党2vs野党8だがこれを削減しようとしているのだ。国会での質疑では与党のヨイショ質疑が続けば野党による政策のチェックが出来なくなる。

行政府が立法府に勝つことになれば三権分立が崩れて来る。

憲法改正を推進する動きが急速に高まる傾向だが、自民党憲法改正草案を推進した保岡さんは今回引退したし、高村さんも引退したが副総裁には留まるらしい。では、自民党の改正推進は誰がリードするのか。

おまけに自民党改正草案を読んだことがあるが、内容は為政者がやりやすいように国民の義務を強調している。憲法の本来の役目は時の政権から国民の権利を守ることにあるが、全くの真逆だ。

国会審議を前に、国民に本当に権威のある改正草案を提案する事が出来るのか。

更には安倍政権の違憲行為が目立つ。

野党が国会開催を要求するがすでに7ヶ月も閉会だ。閉会中審議もされて居るが申し訳程度だ。やっぱり議席数が問題なのだ。

集団的自衛権の閣議決定での解釈改憲、安保二法で見せた審議不十分なママでの制定は野党間でも意見の違いが見られる。テロ準備罪でも多くの法律に関連し国民の権利を制限している。

憲法9条の安倍総理の提案は、当初923項を維持したままで自衛隊の存在を明記、続いて2項を削除し自衛隊を軍隊とするのか。これでは平和憲法はなし崩しになる。


憲法改正より国民が望んでいるのは憲法遵守ではないのか。立憲民主党が立ち上がったのもそこに問題があったためではないか。

2017年10月30日月曜日

民進党分裂が大同団結の第一歩にならないか

メデイアは民進党の分裂、各党の総会の様子を詳細に報道するが、この民進党の分裂が野党の大同団結の第一歩にならないか。立憲民主55人、希望50人、無党派13人、民進約47人と分裂したがほとんどが民進党出身者だ。

だから数あわせの再編をしても民進党のカラーは変わらない。案の定、今の各党のゴタゴタを見ると民進党のDNAが騒いでいる。

でも、地方組織、本部職員のことを考えると民進党に頼らざるを得ないのは確かだ。政党交付金もまだ100億円あると言われ、分配が注目されている。

更に参院選も迫っている。それまでに野党の団結が必要だ。

憲法改正、消費税増税、経済成長など主要政策で考えの違いはあるだろうが、違いだけを主張するのではなく、どうすれば最終目標を達成出来るか。P→D→C→Aで修正しながら段階的に目標を目指すべきではないか。最初から極端な違いがあってはまとまらない。

国民は、選挙では「安定政権」「強い政権」を望んでいる。ドンと腰を落ち着けたリーダーのもとで態勢を整え、ゴタゴタ感を払拭することだ。

自民党だって憲法改正では党内に異論も多いが、反対より賛成の意見が強くメデイアも前向きな報道に終始する。

一方、野党の状況を報道するときは何故か、反対論が強く党内がまとまっていないことを強調する。だから国民にとってはゴタゴタしてまとまりがないと感じる。

保守とリベラルが混在する政党にあっては党内をまとめるのが大変であるが自民党は何故か、まとまっているように感じる。

反対意見も重要だが自民党を習った政策運営が出来ないか。

メデイアも反対者が多いことばかり強調し党内がゴタゴタしている印象を国民に与えては健全な野党を育成することは出来ないのではないか。

今回の民進党の分裂は野党が大同団結出来る第一歩にすべきではないか。

政局に「もしも・・」:小池「排除」発言で合流中止を決めていたら

政局に「もしもあの時・・」があったらどうなっていたか。今回の民進党と「希望の党」との合流が小池「排除」発言で中止になっていたらどうなったか。小池さんの求心力が落ちる「希望の党」、民進党のゴタゴタを見るにつけ、そんな気がしてくる。

前原さんは総会で激しく追及された。「全員合流」「民進党の政策を実現する」と合流計画を打ち出したが、小池さんとの会談では詳細を決めていなかったらしい。実際の進行は期待外れに動いた。

一方、力関係は国政には実績は無いが、上げ潮の小池新党、退潮著しい民進党では小池さんの方が上手だ。

小池さんは民進党の二の舞が困ると考えたし、希望の党は自分が立ち上げた党で自分がトップ、自分より政治実績の高い人は来て欲しくない。民進党組より生え抜き候補を優先する「しがらみのある」政策をとった。

そこに、「排除発言」が飛び出した。

民進党離党組も生え抜きも含め、この発言にはどん引きしたはずだ。前原さんはどうして約束が違うと合流中止が出来なかったのか。小池さんの「本音」を察知できていなかったのではないか。

前原さんが合流中止を決断していたら、「民進党に留まる人」「それでも民進党に走る人」に別れたはずだ。

そして小池新党の「希望の党」への期待は大きく失墜した。小池さんに取っては自業自得だが、「本当の敵は自分自身」であることに気づくのが遅かった。

選挙結果は散々たる結果で民主党出身者がほとんどを占めた。

希望の党で当選した人は、結党メンバー11人中5人、民進党出身者117人中41人、希望の党生え抜き98人中1人、他党より3人の50人になる。ほとんどが民進党出身者で生え抜きはたった1人、これでは小池さんの求心力も落ちるが1000万人の比例得票を考え小池さんは代表職を続投するという。
1000万票のいくらが小池さんの寄与か分からない。

でも中止していたら、無所属の会、立憲民主党は出来ていなかったろう。110人ぐらいは民進党からの当選者と考えると前の議席より上回っていることになる。

民進党は存続し野党第一党を維持できる。希望の党は全滅で地方政党としての価値も落ちるのではないか。

結果は、民進党が少しはスッキリし、前原さんも批判は受けるだろうが失脚することはなかったのではないか。

民進党の64人が集まった総会では批判続出だったが、合流に向け「前原一任」を決めたのも民進党だ。バラバラで一体感のない民進党の弱点をさらけ出した。おまけに憲法改正や安保二法では民進党と希望の党では賛否が分かれている。

民進党を軸にまとまろうとするのであれば大同団結が必要ではないか。リベラル派も実現可能な政策を重視すべきだ。P→D→C→Aで政策を実現していったらどうか。



2017年10月29日日曜日

成長戦略でロボット、AI、IoT:では俺たちは役立たずの人間になるのか

成長戦略でロボット、AI、IoTに投資促進、では俺たち人間はどうなる。役立たずの人間になる可能性も大きくないか。生産性向上、介護、医療の分野でも技術革新を目指すと言うが、人手不足や高齢化にどう対応出来るのか。どんな分野でも最後は人対人ではないか。

政府は経済成長路線で投資を促進し財政健全化、脱デフレを目指すという。生産革命で個々の労働者はより効率的に商品やサービスを提供出来れば賃金も上がり消費も伸び、念願の脱デフレも出来ると言うのだ。

選挙では自民党は好転している経済指標を上げて民主党政権時との比較をしていたが、都合の良い指標ばかりで内容がない。GDPは50兆円伸びたと言うが実質GDP成長率は安倍政権が平均1.4%だが民主党政権時の1.6%を下回っている。求人率だって非正規労働者が増えており内容に問題がある。

グローバリゼーションで東南アジアの低賃金と競争するために賃金の伸びは悪いし、労働条件も過酷だ。

過労死が問題になっているが、今の企業の儲けは労働者の犠牲の上に成り立っている。円安、株高で企業は儲かっても海外投資や内部留保に努め家計への再分配など出来ない。

今、IT関連企業はIT技術者の確保に躍起で年収1000万円を超える売り手市場と言うが、ロボット、AI,IoT関連企業はブラック企業ではないのか。

生産設備、情報処理関連はITで高度化、効率化出来るがどの分野でも「最後は人間」の仕事になるのだ。

今、日本を代表する企業の不祥事が明らかになっている。日産、スバルの無資格者による検査、神戸製鋼の品質偽造、そして東芝などの粉飾決算による経営責任などが次次に明らかになった。

社外重役による監査、社内調査もママならず訂正会見も続くし第三者機関による調査の必要性が出て来た。

如何に生産設備を高度化、効率化、無人化しても最後の人間の仕事で不具合が出て来ている。

人口減高齢化による社会の高齢化は企業内でも言われること、テクノロジーの進歩は人間を時代後れにし技術に対応出来ない使い物にならない人間にしていくのではないか。

当然に中間層は技術の進歩について行けるとしても多くの人間は単純な作業従事者で終わる。非正規労働者が主になり賃金は伸びず消費にも影響し経済成長など覚束ない。

安全、品質管理は置き去りになり企業の不祥事はまだ出てくるはずだ。

どんなに技術が高度化しても最後は「人の力」なのだ。

朝日新聞(2017.10.17)の経済気象台「経済停滞の本質を問え」では最後に、「時間がかかっても、中間層の再生とそれを支える安定雇用、まともな賃金を取り戻すことに政策の重心を移すべきだ」と指摘している。


グローバリゼーションで潰された日本型経営を取り戻さない限り経済の停滞は脱することが出来ない。優秀は人材を育成するのも企業の重要な仕事なのだ。

今日の朝日新聞を見て、政局関連の記事がないのに「ほっと」感じないか

今日(2017.10.29)の朝日新聞を見て驚いた一方で、何か「ほっと」したのだ。自民が圧勝した今回の選挙では野党のゴタゴタが目立ち、選挙後の野党の執行体制、再々編などが話題になり政治面で不安を掻き立てたが、今日の新聞では政局に関する記事がなく、物足りなさも感じるが何やら「ほっと」した感じだ。逐次のゴタゴタ報道には困ったものだ。

今日の朝日新聞で政治に関する記事を拾ってみると天声人語で「バカ」という言葉の使い方が論じられ「北朝鮮で勝ったようなもの」との麻生発言に「バカ正直」とした記事の他に「日曜に想う 「民意を担えぬ立法府の敗北」では与党対野党で野党が負けたのではなく、行政府に対する立法府の敗北と主張している(詳しくは読んでいないが)。これだけの記事だ。

一方、昨日(28日)の記事というと、「野党質問時間制限」「民進存続決定」「民進結局解党せず」「質問封じ野党批判」「麻生発言波紋」と政局に関する記事は少なくなっているがこの程度はあった。

選挙に圧勝直後は安倍総理始め自民党関係者は「謙虚に」「丁寧に」を口癖にしていたが時間がたつにつれて、いつものように横暴さが覗き出した。

一方、惨敗の「希望の党」は執行部決定にもゴタゴタし代表代行は置かず、大島幹事長、問題の首班指名では当選回数の多い渡辺周元防衛相を押すことになったという。週明けの総会で詳細を決めるらしい。

野党第一党に躍り出た立憲民主党も保守かリベラルか色分けが着かないが執行部は決まったようだ。国会では副議長を出すらしい。野党第一党が55人の少人数で大丈夫かと不安になる。

民進党から大物が集まり勝ち抜いてきた「無所属の会」も代表は岡田さんで、散らばった民進党議員を大きな塊にまとめたいらしい。

政局の動きはこんなもので週明けの月曜からまた波乱含みの政局が始まるのだろう。

「ほっと」したのも束の間だ。
各政党のゴタゴタに振り回されていると、「何をやっているんだ」、「安定政権は何処だ」「マシな政権は誰だ」「信用できるか」という疑問が湧いてきて不安になる。メデイアの世論調査にも影響する。

メデイアは面白がって(?)ゴタゴタ情報を流す。面白そうなコメントをくれる政治家は重宝がられ毎回メデイアに登場する。「敵は誰だ」でヤクザではあるまいが刺客(敵の選挙区に送り込む)まで報じる。

メデイアが作り上げた「小泉劇場」「小池劇場」は何だったのか。何が残ったのか。政界の混乱だけではなかったか。

そこで想いだしたのが寺田寅彦博士の随筆「1つの思考実験」(大正11年5月)だ。

博士は今の世の不幸、不安の原因のかなり大きな部分が新聞という存在に直接関係しているように想う。だからあらゆる日刊新聞を全廃することによって、この世の中がもう少し住み心地の良いものになると考えていた。

更に不便さを感じる者もいるだろうがどれだけ我慢できないものか考えなければならないと言う、全廃に当たっては何か新聞に変わり知識を供給する適当な機関が必要で、週刊、月刊などはどうかと言うのだ。

10日や一ヶ月遅れても、その代わりまとまった形でかなり確実に知ることも不都合ではないというのだ。

確かに今では株式、世界情勢で経営の舵取りをしている経営者も多く毎日の情報で得した人、損した人もいるだろうがそれは毎日情報が送り込まれているからではないか。10日に一回というとどういう不都合が出るのだ。

政治で言えば毎日のゴタゴタを報じられ不安になるよりも10日ほどでまとめて報じられる方が安心感が出てくるのではないか。

しかし今はテレビが随時情報を流す。映像を伴うので情報操作も簡単で国民に取っては不安を掻き立てる情報源だが、メデイアが演じた「小泉劇場」「小池劇場」で何が残ったのか。政界に混乱だけではないか。

大正11年と違って、今はテレビ、ラジオ、日刊紙、週刊誌、月刊誌とツイッターなど情報源は余りある。ツイッターが世界の指導者の考えを知る主要な情報源とは驚くばかりだ。

飛び交う情報をどう消化していくか、国民の能力が問われているのだが日刊紙の休刊日は何故か「ほっと」しないか。


2017年10月28日土曜日

安倍晋三という男、やっぱり信用出来ないのだ

世論調査で「安倍総理は信用できない」と言うが、やっぱりこの男は信用出来ないのだ。選挙結果で大勝しながら「謙虚に」「丁寧に」とコメントしていたが数日たてばすっかり忘れた総理の座には全く不適な非常識な男なのだ。

野党が国会開催を要求するが、特別国会も首班指名で閉会になるらしい。もう7ヶ月も国会での審議がない。「森友学園、加計学園疑惑」を追求されるのがイヤなのだ。そうだろそのために大義名分のない解散総選挙に打って出たのだ。

更には国会での審議時間を与党vs野党の議席数で配分しようとする。野党の厳しい質問より与党のヨイショ質問が良いのだ。民意だと言ってもヨイショ質問では立法府が行政府を監視する機能は全く果たせない。

安倍総理はこのように違憲思想に強い人間なのだ。こんな人間が憲法改正を主導しようというのだからどんな憲法が出来るのか分からない。民進党議員が「安倍総理の下では憲法改正に反対」を唱えていたが当然だ。

それにしても野党のゴタゴタに嫌気が差し「安定で強い政権」を望んで仕方なく自民党に投票したが、これから4年、こんな男が総理として国政を担うのか。

来年の自民党総裁選では安倍さんは3選を狙うという。陣笠議員も選挙を勝ち上がってきた。

石破さんは意欲を見せるが、何しろ見方が20人足らず、地方では人気があっても永田町では不人気だと言うし、岸田さんは禅譲を期待して魅力のある発言はしない。河野さんも意欲を見せるが対峙していない。

与党を構成する公明党もブレーキ役というが、国務大臣の1席は魅力があるのだろう。政権の方針に反対するとアキレス腱の政教分離で牽制される。


国の姿、形を決めるにもこんな男に差配されてはいけない。こうなったらメデイアがしっかり監視するべきだ。

量的緩和縮小:黒田総裁 「皆でやれば怖くない」のでは

欧州中央銀行が縮小に向かうのに一人だけ緩和継続
何処に向かうのか日銀
黒田日銀総裁 何故、緩和継続に拘るのか。「皆でやれば怖くない」のではないか。欧州中央銀行(ECB)は来年1月から縮小することを決めたという。FRBは次の議長人事が注目されているが金融正常化に向け利上げのタイミングを狙っている。

量的緩和縮小に「2%物価上昇」の目標があるが、ECBのドラギ総裁は「物価上昇は1.5%だが勢いは強い」と言いユーロ圏の景気拡大は底堅い見方だ。

一方の日銀は1.1%位になった事はあるが0%台に後半だ。「景気は緩やかな回復基調」(日銀)と言い「上がっていく勢いは維持されている」とみて新聞報道では「追加緩和」はしないという。

日銀一人が、緩和策に苦労しながら「量的緩和継続」なのだ。政策決定委員も全員が安倍総裁の息のかかったリフレ派で占めている。更に来年早々に黒田さんの任期が切れるが、その後の人事も注目される。

新聞報道ではG20財務相・中央銀行総裁会議でも金融政策正常化に向け議論されているが、量的緩和で金利が上がればドルやユーロにカネが流れ新興国から投資資金が流れ出すリスクもあり世界経済に大きな影響が予想されると言うのだ。

グローバルスタンダードの「2%物価目標」を掲げながら未達にもかかわらず
縮小策が検討されている。中央銀行としては物価目標も大事なのだが、一方で金利で経済をコントロールする金融政策の正常化も大事なのだ。FRBはそれを狙っている。

ところで2%の物価目標が何故決まったのか。

思い出すのは安倍政権の当初、安倍総理が野党の質問に答えて「3,4%と言う説もあったが1番達成可能な2%を考えた」と国会審議で答えていた。

黒田日銀総裁の講演でも2%の目標値にふれ、「ある程度高めの数値になっているが、上下に振れることもあり「のり代」だ」と説明していた。特に十分な根拠があったわけではなく金融政策専門家の感のようなものだ。
ところが中央銀行の国債買い入れで限界説も出て来た。欧州では発行残高の33%を買い入れの限界にしているのでドイツでは来年前半に期限が来ると言うし、日銀も既に国債発行残高の40%、500兆円に膨らんでいる。専門家の間では来年限界に来るという。国債市場を混乱させているのだ。

そればかりではない。金利を0%付近に抑えているので経済の指標になる金利である経済の体温計が壊れているし、株の購入もしているので官製相場を作り20000円台を維持、「市場の見えざる手」も機能していない。

安倍政権、日銀は日本経済を壊している。

でも、安倍総理は「アベノミクスのエンジンを吹かす」とか「アベノミクスを加速する」と言い張っている。

そのために日銀は量的緩和策の縮小が出来ないのだ。縮小すると言うと、即、安倍政権批判になるのだ。

アベノミクス推進で、経済財政諮問会議で日銀の経営の注意する必要があると民間議員が発言したことがある。確かに500兆円者資産を持てば何かの調子で国債が下落すると、日銀が赤字になり経営に支障が出ると思うが、今月初めに日銀副総裁の中曽根さんがメデイアのインタビューで「一時は赤字になるが、そのために損失を補う積み立てをやっているので問題ない」と答えていた。

日銀と政府は一体だから潰れることはないだろうが、日銀の仕事は「銀行の銀行」としての業務もある。いままでの金融危機では必ず銀行が悪事を働いていた。潰すことが出来ないので政府は救済策を出し助けるので悪事の根源はなくならない。

物価のコントロールの他に国民生活を守る重要な役目があるのだ。

先の国会での確か財務関係の委員会で民進党の前原さんが「出口戦略」にただしていたが、確か「局内では出口戦略を検討している」と答弁したのをニュースで見て覚えている

市場は皆、心配しているのだ。日銀が一人「大丈夫」と言っても誰も安心はしない。
世界の中央銀行は皆、縮小→正常化に向けて動いているのだから黒田日銀も「皆でやったらどうか」、「皆でやれば怖くないのでは」と思うのだが。


2017年10月27日金曜日

小池にはまった旧民進党議員よ 何処へ

「小池にはまった旧民進党員よ 何処へ」、選挙が終わってまだ5日、メデイアの話題になるのは民進党議員の行方だ。

今回の選挙で泥船民進党から「生き残り」をかけ小池新党に走った議員、選別の結果、合流できた民進党員、ふるい落とされて行き場がなかった議員の受け皿に「立憲民主党」に参加した議員、無所属で立候補した首相、代表などの経験者、そして民進党在籍のままの参議院議員(前原さんも含む)と民進党は5グループに分裂した感じだ。

1番割を食ったのは誰か。泥船からいち早く逃げ出した連中は自業自得だ。うまく選別で受かったと思った連中もその後の展開で不利になった。「希望の党」生え抜きが優先される。何から何までカネ次第、しがらみだらけの候補者選び、政策踏み絵までされ頭にきて断った人もいるが多くは小池頼みで我慢したのか。

でも1番割を食ったのは、これで「日本に希望が持てる」と思い小池さんに賛同、希望の党を支持した国民ではなかったか。

希望の党失墜の原因は合流条件で「さらさらありません。排除します」という小池さんの発言だったが、「希望の党」自体がガバナンスなし、党の体制も不十分なままの小池商店だった。

小池さんは知事職も十分に果たせないままに何故、国政に進出するのか。何故、小池さんに出馬を要求するのか。小池さんが出馬していれば「希望の党」の勝敗に大きく貢献していたのか。後の知事候補者の名前も挙がっていたが、うまく行っていない都政を誰が好んで小池さんの尻ぬぐいをするのか。

日に日に増す劣勢を巻き返すことなど出来っこない。擁立する候補者も「刺客」などと言ったがろくな玉ではない。短期間での落下傘候補では、地元に根付いた活動をする自民党候補者には勝てっこない。

選挙結果は50人当選、18人が小選挙区で勝ち上がり、32人が比例復活だ。90%は民進党出身者という。「希望の党」の小選挙区での得票は11`437,604票20.6%、比例では9677524票17.4%だった。

この比例での得票に小池さんの寄与度がどれぐらいなのか。

希望の党の懇親会で、小池さんの責任、辞任を追求する意見が多数出されたと言うが、小池さんは「創業者責任として代表の座は守る」と言ったそうだ。恐らく比例区での1000万票の得票は自分の寄与と勘違いしているのだろう。

民進党在籍者、希望の党合流者、立憲民主党、無所属の会の間で民進党議員は反小池でどういう動きをするのか。誰がキーマンで接着作業をするのか。

小池色や旧民進党色を払拭しなければ国民の理解は得られないだろうと再々編成の難しさを覗かせる。

希望の党へ移る前原さんは失脚だ。小池さんは都知事専従へ、無所属の党は岡田さんが代表に、立憲民主は枝野さん、残された希望の党はどうなるか。

テレビニュースでは代表代行はおかず、幹事長に大島さん(前民進党幹事長)、首相指名では当選回数の多い渡辺元防衛相の名前が挙がっていた。あくまで取り敢えずの人事だと言う。小池さんは大島さん、樽床さんに任せると言うが、前途多難だ。

旧民進党の連中は誰かが強力に引っ張っていかなければまとまる連中では無さそうだ。そういうアクの強さを持った議員はいなくなった。政権交代という「美味しいニンジンがぶら下がっていなければまとまって走ることが出来ないのだ。

メデイアが作った小池像も崩れてしまった。週刊誌、月刊誌は小池否定の記事が満載だ。


各党に分散した「民進党議員よ 何処へ」

2017年10月26日木曜日

小池さんの最大の敗因:「敵は自分自身」である事に気づくのが遅すぎた

追い風で順風満帆かと思えた今回の選挙での小池さんの最大の敗因は、「「敵は自分自身」である事に気づくこと」が遅すぎたのではないか。

小池さんは常に敵を作りそれに対抗する構図で勝ち抜いてきた。

都知事選では自民党、自民都連、東京都議会、ドン内山、石原都政を敵に回し悪代官退治の判官びいきで勝って来た。メデイアも勧善懲悪で「小池劇場」を巡り異常な小池像を作り上げた。

小池さんにはそういった世論を背景に次第に「驕り」が高ぶったのであろう。国政に参加するにも玉不足を解消するために民進党との合流を画策したが、合流条件に「全員参加はさらさらありません。選別致します」と発言したことで「驕り」と「戦略ミス」が露わになった。

一気に小池人気は墜落した。昨日の希望の党の総会でも「辞任要求」が出たのは当然だ。全てが小池さんの言動が大きな敗因になっているのだ。

「ガラスの天井」「鉄の天井」と相変わらず敵を作ろうとしたが、結局は「自分自身が敵」である事に気づくのが遅すぎたのではないか。

もっと自分を謙虚に考えていたら、「もしかしたら」と残念な気がする。

野党再々編成、今度は国民が「排除します」!

今回の参院選での民進、希望の党の合流不調、民進党の3分裂が自民圧勝の結果になり、案の定野党再々編が課題になってきた。今度は国民が「排除」するときだ。与党なのか、野党なのか、更には私たちにとって敵なのか、味方なのか。

従って国民が選別できるわかりやすい基準、離合集散、数合わせではなく自民補完政党の与党的立場か、リベラルで共産、社民と共闘できる政党なのか。

そして、野党再々編成(あるいは政界再編成)のキーマンが誰なのか。

前原さんや小池さんは政治生命は終わっている。野党第一党に躍進(?)した立憲民主の枝野さんは安易な再編は出来ないという。立憲民主もリベラル政党とは言っていない。

無所属の岡田さんは野党で大きな塊を作る必要があると選挙期間中から主張、ネットワーク作りにも注力していた。無所属は岡田さんがリードするのだろう。

一方、希望の党はキー政党にはならないだろう。希望の党自体の体制もはっきりせず、今回の当選者のほとんどが民進党出身者だ。だから民進党を中心にした動きになるのか。

朝日新聞の報道で民進党出身者の所属を見ると、希望の党合流組50人、参議院などの残留47人、無所属16人、立憲民主55人だ。

読売新聞では今回の選挙で民進党出身者は108人当選し、解散時の97議席を11人増で一応の成果はあったのではないかという。

難しい政局だ。国会は始まるし、来年は参院選だ。下手な再々編では民進党の二の舞になるのはわかりきっている。

モタモタしていると、今度は国民が「選別」するぞ!


2017年10月25日水曜日

2017衆院選での前原さん、小池さんの失態

衆院選の民進党、希望の党の無残な惨敗は前原さんの「小池さんを信用しすぎ」、小池さんの「「敵は自分」に気づくことが遅かった」ことに尽きるのではないか。

前原さんには代表の時に当時の自民党の幹事長である武部さんの子どもさんに関わる偽メール事件所謂永田事件があった。自民党議員を含め「間違っている」との情報も無視して永田さんを信用し赤恥をかいた事件だ。

更に国土交通相時代は、鳩山政権の方針で八ッ場ダム凍結の判断を示し「言うだけ番長」の異名もとった。

こういった不名誉を「反省し再度代表に」と訴えて民進党代表についたが幹事長に予定していた山尾さんの不倫騒動で出だしから躓いた。

しかし民進党には難しい問題を抱えていた。共産党などとの野党共闘は前原さんに取っては認めがたいこと。保守系議員の離党が続く。「解党的出直し」を要求する議員もいたほどで、このまま放置すると「風」にのった小池新党に潰される可能性も出て来たのだ。

前原さんが小池さんに近づいたのは当然かも知れない。生き残りを懸けた議員は小池さんになびく。

生き残るためには宗旨替えも何とも思っていないのだ。

都知事選、都議会議員選挙で圧勝した小池さんは「風」に乗って「希望の党」を立ち上げた。

早速、前原さんは小池さんに接触した。メデイアは追っかける。以前から仲の悪かった自由党の小沢さんにも前原さんは接触していたために「壊し屋」小沢が背景にいるのかと思われた。

民進党と希望の党との合流に前原さんは「全員合流」を言うが、小池さんは「さらさらありません。選別します」の排除の論理を言い出したから合流は複雑になってきた。

かなりの人がどん引きしたのだろう。ここを時点に小池人気は急落する。

小池さんは「「敵は自分」であることに気づくのが遅すぎた。メデイアが築き上げた小池像で「驕り」があったのだ。

それでも記者の質問に「含み」のあるコメントをしてメデイアを引き付けていたが、選挙結果は有権者に「排除」されてしまった。

前原さんは民進党の代表の立場にあるが、政治生命は終わり辞任しかないだろう。

小池さんも厳しい立場だ。東京選挙区では民進党出身者が一人当選しただけだ。自らの選挙区だった東京10区でも自民党が当選し、若狭さんは落選、比例にも引っかからなかった。

これから難問山積の都知事としての仕事に専念すべきであるが、党体制、代表の立場、国会での体制をどう築くか。当選した議員と相談して決めると言うが代表の地位は外したくないのではないか。でもほとんどが民進党出身者だ。数人の生え抜きだけでは立場がなかろう。

メデイアの前原評は合っていたが、小池像は間違っていた。

政党のトップにつく人材は「自分」自身をよく知っておくことだ。 


自民党はどう答える?:世論調査で「自民党で仕方ないが、安倍さんはイヤ」に

安倍自民党の圧勝に終わった今回の衆院選挙だが、自民党は喜んでばかりはいられない。朝日新聞(2017.10.25)の世論調査をみると「自民党で仕方ないが、安倍さんではイヤ」という声が聞こえる。

前原、小池さんの民主党と希望の党との合流策がゴタゴタした結果、自民党に漁夫の利をとられた格好だ。

世論調査では内閣支持(42%)が不支持(39%)を上回ったが、どうしてか。今まで僅差ではあったが不支持が高かった。

その理由にやはり「他より良さそう」(44%)で政策面より高い。反対に支持しない理由に政策の面(36%)上がった。支持派でも「総理が安倍さんだから」はたったの9%だ。

こう言う結果は従来から言われていることで今更安倍さんをがっかりさせることではないだろうが、自民党圧勝の結果の後だけに心中察することがあるだろう。

与党自民党と公明党が定数の3/3を越える議席を獲得したことに51%の人が「多すぎる」と言う。確かに獲得票数50%弱で議席数75%では民意を反映しているとは言いがたいが、現行の小選挙区比例代表制では仕方ない。

有権者の考えの多様性を考えると私も中選挙区制に戻した方がいいと思うが、これでは政権交代の可能性が減るというのだ。政権交代も大事だが野党と与党の議席数が接近することで政策にもバランスが出てくるのではないか。

この自民党の過半数を超える獲得議席数で安倍総理の政策が評価された(26%)とするよりも「そうとは思わない」(65%)と言う考えが多い。

9条に自衛隊を明記する憲法改正も賛成(36%)に対して反対(45)で改正を急ぐ安倍総理とへだたりがある。理由は分からないが、戦争知らない若者達の参加で従来の平和憲法の意義が薄れてきているのではないか。

終戦直後での現・憲法を見た戦争経験者らは「これで新しい民主政治が始まる」と涙した情景は過去のものとなるのだろう。

そういうときの野党の役目は大きいが、如何にせん「無力だ」。逆に新しく出来た政党は改憲賛成派なのだ。

どうするか。


結局は自民党に頼るしかない現在の日本では、自民党内に保守とリベラルがバランスととることが先決ではないか。今の安部一強体制を打破するためにもポスト安倍とみられている石破さん、野田さん、河野さんの今後に期待したい。

2017年10月24日火曜日

安倍総理に何故、「安倍劇場」がないのか

これだけの長期政権、打ち出す選挙は「負けなし」の安倍総理にどうして「安倍劇場」とでも言うべきメデイアや国民が騒ぐ政治場面がないのか。安倍総理を重用した小泉さんには「小泉劇場」、そして今回の「希望の党」設立に至る小池さんの「小池劇場」はあるが、何故か安倍さんにはそういう劇場型の政治場面がない。

劇場型というと勧善懲悪の好きなメデイア、国民は悪人を倒す判官びいきに働きかけて人気を得る手法だ。まず国民が悪人と認める敵を作ることが必要だ。

小泉さんは、自民党長老、郵政族、既得権益者を敵に仕立てて行財政改革に手を突っ込んだ。国会の所信表明でも「反対する者は抵抗勢力」と位置づけ長老達を尻込みさせた。

小池さんは自民党都連、都議会、石原元知事らを敵に回し「東京大改革」をぶち上げ東京都政の改革を始め東京オリンピック、豊洲移転問題などの主要政策の見直しに着手した。

しかし、その前に自民党から出て都知事選立候補に当たっての数々の虐め(?)を暴露することにより権力者による虐めを公にしメデイア、都民、国民に弱い者いじめの実体を劇場型に持っていった。

ところが安倍さんはどうか。

いろんな場面はあったが、メデイアが盛り上がらなかった。民主党・野田政権の時の党首討論を野党自民党の総裁として対峙し、「何時解散するのか」と問、野田総理の「約束してくれれば明後日解散します」との発言を引き出したが、当の安倍さんが寧ろ驚いたようで腰を抜かさんばかりの姿勢で「解散ですね、解散するんですね」と念を押すのが精一杯だった。

小泉さんの辞任で、第一次安倍内閣を作ったが体調不良で頓挫、第二次政権の前に自民党総裁選で石破さんと争ったが、地方議員などを加えた1次予選では石破さんが勝ったが、国会議員だけの決戦で安倍さんが勝った。石破さんが国会議員の中では余り評判が良くないのは今も変わらない。

総裁につくと経済政策でリフレ派を重用しアベノミクスを提唱、日銀総裁の首をすげ替えて異次元の金融緩和を採用し円高→円安、株安→株高に持っていき景気は回復基調に移った。

でも劇場型にはならなかった。

安倍さんの政策を進めるのに抵抗する敵は、日銀総裁、法制局長官で首をすげ替えれば良いだけでメデイアに訴えて戦う相手ではないし、メデイアが好む敵でもない。

改革でもお友達を重用し、〇〇審議会、諮問委員会などで知人を登用、YESMANのお墨付きで国会審議を軽視した。

考えてみれば安倍さん自身が悪代官で善人不在の政権運営では倒すべき敵が逆に善人だったのだ。

これでは劇場型政治など出来っこない。