欧州中央銀行が縮小に向かうのに一人だけ緩和継続 何処に向かうのか日銀 |
黒田日銀総裁 何故、緩和継続に拘るのか。「皆でやれば怖くない」のではないか。欧州中央銀行(ECB)は来年1月から縮小することを決めたという。FRBは次の議長人事が注目されているが金融正常化に向け利上げのタイミングを狙っている。
量的緩和縮小に「2%物価上昇」の目標があるが、ECBのドラギ総裁は「物価上昇は1.5%だが勢いは強い」と言いユーロ圏の景気拡大は底堅い見方だ。
一方の日銀は1.1%位になった事はあるが0%台に後半だ。「景気は緩やかな回復基調」(日銀)と言い「上がっていく勢いは維持されている」とみて新聞報道では「追加緩和」はしないという。
日銀一人が、緩和策に苦労しながら「量的緩和継続」なのだ。政策決定委員も全員が安倍総裁の息のかかったリフレ派で占めている。更に来年早々に黒田さんの任期が切れるが、その後の人事も注目される。
新聞報道ではG20財務相・中央銀行総裁会議でも金融政策正常化に向け議論されているが、量的緩和で金利が上がればドルやユーロにカネが流れ新興国から投資資金が流れ出すリスクもあり世界経済に大きな影響が予想されると言うのだ。
グローバルスタンダードの「2%物価目標」を掲げながら未達にもかかわらず
縮小策が検討されている。中央銀行としては物価目標も大事なのだが、一方で金利で経済をコントロールする金融政策の正常化も大事なのだ。FRBはそれを狙っている。
ところで2%の物価目標が何故決まったのか。
思い出すのは安倍政権の当初、安倍総理が野党の質問に答えて「3,4%と言う説もあったが1番達成可能な2%を考えた」と国会審議で答えていた。
黒田日銀総裁の講演でも2%の目標値にふれ、「ある程度高めの数値になっているが、上下に振れることもあり「のり代」だ」と説明していた。特に十分な根拠があったわけではなく金融政策専門家の感のようなものだ。
ところが中央銀行の国債買い入れで限界説も出て来た。欧州では発行残高の33%を買い入れの限界にしているのでドイツでは来年前半に期限が来ると言うし、日銀も既に国債発行残高の40%、500兆円に膨らんでいる。専門家の間では来年限界に来るという。国債市場を混乱させているのだ。
そればかりではない。金利を0%付近に抑えているので経済の指標になる金利である経済の体温計が壊れているし、株の購入もしているので官製相場を作り20000円台を維持、「市場の見えざる手」も機能していない。
安倍政権、日銀は日本経済を壊している。
でも、安倍総理は「アベノミクスのエンジンを吹かす」とか「アベノミクスを加速する」と言い張っている。
そのために日銀は量的緩和策の縮小が出来ないのだ。縮小すると言うと、即、安倍政権批判になるのだ。
アベノミクス推進で、経済財政諮問会議で日銀の経営の注意する必要があると民間議員が発言したことがある。確かに500兆円者資産を持てば何かの調子で国債が下落すると、日銀が赤字になり経営に支障が出ると思うが、今月初めに日銀副総裁の中曽根さんがメデイアのインタビューで「一時は赤字になるが、そのために損失を補う積み立てをやっているので問題ない」と答えていた。
日銀と政府は一体だから潰れることはないだろうが、日銀の仕事は「銀行の銀行」としての業務もある。いままでの金融危機では必ず銀行が悪事を働いていた。潰すことが出来ないので政府は救済策を出し助けるので悪事の根源はなくならない。
物価のコントロールの他に国民生活を守る重要な役目があるのだ。
先の国会での確か財務関係の委員会で民進党の前原さんが「出口戦略」にただしていたが、確か「局内では出口戦略を検討している」と答弁したのをニュースで見て覚えている
市場は皆、心配しているのだ。日銀が一人「大丈夫」と言っても誰も安心はしない。
世界の中央銀行は皆、縮小→正常化に向けて動いているのだから黒田日銀も「皆でやったらどうか」、「皆でやれば怖くないのでは」と思うのだが。
0 件のコメント:
コメントを投稿