2017年10月15日日曜日

財政再建で周回遅れの日本:政府、政党、国民はどう対応するのか

G20になると何時も財政再建が話題になり日本は「周回遅れ」とみなされ再建が大きな課題になるが、日本政府は「2020年、PB黒字化先送り」を決めた。会議では「強い異論は無かった」と言うが、選挙戦中にあって政党は人気取りのためか財源の確保もないままに政策を発表、有権者はどう判断するのか。

財源より政策優先が目立つ。安倍総理はアベノミクスの加速で税収増、消費税増税分の用途変更を国民に問うているが、野党は消費税凍結、希望の党は1%ワイズスペンでイングを訴える。

一体何で日本は周回遅れとみられているのか。

地方、国を合わせた借金が1000兆円を超え、対GDP比で200%の先進国一悪い状況、各国が赤字予算をGDP比3%以内に守っているが日本は守れていない。欧州中銀は緩和縮小に向かい、FRBは資産の売却、利上げのタイミングを計っているが日銀は緩和継続だ。2%成長率に対して11.5%、物価目標も0~0.5%程度と景気は「緩やかな回復基調」というが国家財政はピンチだ。

安倍政権は、財源をアベノミクスの成果として税収増を狙っているが海外ではアベノミクスには限界、構造改革、規制緩和を要求する。

ところが安倍総理は財政出動派だ。財政再建を掲げてはいるが先延ばし、海外から財政出動派のノーベル経済学賞受賞学者を招くが、「ノーベル経済学者の無責任な提言」と一笑する専門家が多い。

選挙では教育の無償化、ベーシックインカムと耳触りの良い政策が出るが財源はアベノミクスの加速、企業の内部留保に課税、麻生さんは経済財政諮問会議でこれからは「民間出動だ」と力説、民間議員は賛成するが動きは鈍い。

市場にカネを流せば物価も上がり景気も回復、企業は設備投資し賃金も上がれば家計への再分配も出来消費も伸びる。アベノミクスの目標だったが効果は出ていない。物価は景気が良くなれば上がるもので市場にカネを流せば上がるものではない。

海外からアベノミクスの限界が指摘されているのも当然だが、安倍さんだけはアベノミクスのエンジンを吹かし加速するというのだ。

国、地方の借金の1000兆円も異論もある。純資産もあるのだから純債務は半分ぐらいで心配することはないという学者もいる。先の国会で野党が質問した経緯はあるが詳細なことは分からない。

日銀の緩和継続を海外の中銀、FRBの動向と較べると周回遅れと言われても仕方が無い。いつまで続けるのかと心配になるが、「2%物価目標」達成まではやるらしい。安倍総理も見直しはアベノミクスの失敗になるので容認できないだろう。

G20で説明しても「異論が出なかった」から安心というわけにはいかないのだ。各国は日銀の異次元の緩和を「財政ファイナンス」と見ているが公には言及しない。

しかし何かの拍子に議論になると国債、円の信用はがた落ちになる。一大事であることは誰にでも分かるが、2020年のオリンピック後が要注意だろう。

消費税増税は避けられない。2%で約5兆円の増収になるが、借金の返済でなく少子高齢化、教育の無償化など人材の育成などに流用するらしい。その是非を問うのも今回の選挙の目的だ。

このまま景気の好循環が続かなければ「緊縮財政」ということになるが欧州では評判が悪く政権が不安定になっている。日本で何故、危機感がないのか。




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