2017年10月24日火曜日

安倍総理に何故、「安倍劇場」がないのか

これだけの長期政権、打ち出す選挙は「負けなし」の安倍総理にどうして「安倍劇場」とでも言うべきメデイアや国民が騒ぐ政治場面がないのか。安倍総理を重用した小泉さんには「小泉劇場」、そして今回の「希望の党」設立に至る小池さんの「小池劇場」はあるが、何故か安倍さんにはそういう劇場型の政治場面がない。

劇場型というと勧善懲悪の好きなメデイア、国民は悪人を倒す判官びいきに働きかけて人気を得る手法だ。まず国民が悪人と認める敵を作ることが必要だ。

小泉さんは、自民党長老、郵政族、既得権益者を敵に仕立てて行財政改革に手を突っ込んだ。国会の所信表明でも「反対する者は抵抗勢力」と位置づけ長老達を尻込みさせた。

小池さんは自民党都連、都議会、石原元知事らを敵に回し「東京大改革」をぶち上げ東京都政の改革を始め東京オリンピック、豊洲移転問題などの主要政策の見直しに着手した。

しかし、その前に自民党から出て都知事選立候補に当たっての数々の虐め(?)を暴露することにより権力者による虐めを公にしメデイア、都民、国民に弱い者いじめの実体を劇場型に持っていった。

ところが安倍さんはどうか。

いろんな場面はあったが、メデイアが盛り上がらなかった。民主党・野田政権の時の党首討論を野党自民党の総裁として対峙し、「何時解散するのか」と問、野田総理の「約束してくれれば明後日解散します」との発言を引き出したが、当の安倍さんが寧ろ驚いたようで腰を抜かさんばかりの姿勢で「解散ですね、解散するんですね」と念を押すのが精一杯だった。

小泉さんの辞任で、第一次安倍内閣を作ったが体調不良で頓挫、第二次政権の前に自民党総裁選で石破さんと争ったが、地方議員などを加えた1次予選では石破さんが勝ったが、国会議員だけの決戦で安倍さんが勝った。石破さんが国会議員の中では余り評判が良くないのは今も変わらない。

総裁につくと経済政策でリフレ派を重用しアベノミクスを提唱、日銀総裁の首をすげ替えて異次元の金融緩和を採用し円高→円安、株安→株高に持っていき景気は回復基調に移った。

でも劇場型にはならなかった。

安倍さんの政策を進めるのに抵抗する敵は、日銀総裁、法制局長官で首をすげ替えれば良いだけでメデイアに訴えて戦う相手ではないし、メデイアが好む敵でもない。

改革でもお友達を重用し、〇〇審議会、諮問委員会などで知人を登用、YESMANのお墨付きで国会審議を軽視した。

考えてみれば安倍さん自身が悪代官で善人不在の政権運営では倒すべき敵が逆に善人だったのだ。

これでは劇場型政治など出来っこない。


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