2016年2月21日日曜日

安倍総理、黒田総裁が信を失う時は近いか

安倍総理、黒田総裁が信を失い表舞台から去る時は、2%物価安定目標達成が出来なかった17年度前半ではないか。日銀がその達成時期を3度(前原さんに言わせると4度)先送りしてまで量的・質的金融緩和策を強化しているが、安倍政権の脱デフレ政策、アベノミクスの破綻は明らかに信を失う時である。

奇しくも安倍総理、黒田総裁の任期は18年度中頃だ。それまで持つかどうかはアベノミクスの成果をどう主張するか、量的・質的金融緩和策の効果があったかをどう主張するかだ。

日銀が景気を「緩やかな回復基調」という。でも政策決定会合では2%物価安定目標達成に悪影響する恐れがあるために「補完措置」「マイナス金利」政策を打ち出したが、当然反対派もいた。

政府、日銀は何か経済指標に手を加えて経済指標は好転しているとでも言うつもりなのだろうか。

産油国の事情、中国や新興国の減速、米国の国内経済減速に加えてヨーロッパでの低金利による銀行の経営悪化など短期間に改善する見込みはほとんどない。

専門家の一部にはこれらの経済事情が「マイナス金利政策」の効果を打ち消す結果になっていると日銀の金融政策を擁護する発言も出てくる。

だから、2%物価安定目標は政府や日銀のせいではないとでも言うのか。思いだしてみよう。岩田副総裁が就任時の記者会見で「言い訳はせず、2年で達成出来なかったら責任を取り辞任する」と言ったではないか。それなのに講演では言い訳をしている。

安倍総理のスタッフも消費税10%への増税を再検討の意見が出て来た。総理は経済情勢を見て判断すると言うが、法律では増税しなければならない責任がある。

財務省も財政健全化のためにも増税論だが、増税で益々景気がしぼむことは容易に想像出来る。

日銀の量的・質的金融緩和政策も国債購入以外に「補完措置」「マイナス金利」と黒田総裁に言わせると政策の余裕代を作り「限界説」に対抗しているようだが巷のエコノミストの限界論は説得力がある。

一方で参院選を控え政治的にも注目すべき動きが出ている。国民のためではなく自民党のための選挙戦術だから国民を馬鹿にした話だ。

内閣支持率が高いうちに選挙をやりたいようで衆参同日選挙で野党を混乱させ自公で多数議席を取るもくろみだ。

安倍総理、黒田総裁への信任も含めた衆参同日選挙であって欲しい。2人が表舞台から去る日は近いか。


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