国会予算委員会の審議をNHK中継で久しぶりに聞いてみたが、相変わらずの安倍総理の高飛車な答弁が野党の追及する力を削いでいる感じを受けた。必死に聞いていても何時も議論は平行線で新しい共通認識は出来ない。
安倍総理は圧倒的多数の議席を持つ自公支持の国民の総理でもあるが、野党支持の国民の総理でもある。与野党へだたりなく丁寧に答弁する義務があるのではないか。
それを民主党の階さんが質していた。
他の仕事をしながら来ていたので正確さには欠けるが、次のような内容だった。「議院内閣制で内閣総理大臣は国会の議決で指名される。そして答弁または説明のために出席を求められたら出席しなければならない」と憲法第67条、第63条の国務大臣の議院出席の権利と義務を説明、「答弁は丁寧にするべきだ」と謳えていた。
当然の主張だ。安倍総理にはどうしてか分からないが、野党に対して威喝的な答弁が多く、公明党やおおさか維新の会の質問には丁寧だ。
憲法改正の内容についても、その内容については自民党は草案を公表しているが、「民主党にはない」と議論するのであれは対案を出せと言わんばかりだ。
このような「対案を出せ」とよく政府、自民党は言う。そう言われると野党は力を削がれる。与党であれば官僚機構を十二分に使って草案の作成は出来るが野党ではなかなか難しい。与党が草案を出せるのであれば、それを叩き台に議論しても良いと思うのだが。
また、「悔しかったら何故やらなかったのか」と挑発する発言もしていた事がある。
安倍内閣が登場して間もなく、マネタリーベース増で円安、株高に成功した当時、民主党の前原さんが民主党政権でも始めていたことだと予算委員会で安倍総理を追及したことがある。
安倍総理はリフレ政策採用のために日銀総裁を更迭する手段に出たが、民主党政権時は当時の日銀総裁の白川さんの抵抗に遭っていた。そのために日銀法の改正まで言及し日銀に迫っていたのだ。
でも、日銀総裁を更迭する暇もなく、政権の座から降ろされた。安倍さんの「悔しかったらやって見ろ」と言ったのはそこら辺のことを言ったのだと思う。
更に、総理でありながら自民党総裁でもあるが、定数削減で自民党が抵抗していることに対して野党が「どう思うか」と質問すると「国会で審議を」と逃げる。圧倒的多数の議席を持つ自民党の総裁として「やろう」と言えばやれると思うが逃げに一手だ。
了見の狭い総理である。
聞き耳を立てたのは前原さんが黒田日銀総裁に2%物価目標達成の可能性を追求していたことだ。
達成時期を黒田さんは「3回先延ばした」と応えていたが、前原さんは4回だという。私も3回と思っていたが「15年度中を表現を変えていた」こともあった。
日銀が今回マイナス金利を採用したが、これが「国民の預金にもマイナス金利として影響してこないか」と問いただしていたが、先行して実施している国でもそういうことは起きていないと黒田さんは言う。
今回日銀は、達成時期を17年度前半としたが、後1年で達成出来るというのか。中国経済の減速、原油価格の下落で安倍総理が政策の指標とする株価は大きく乱高下、市場は荒れ放題だ。
アベノミクスも陰りが出て、政府、日銀そろって「賃上げ」を要求するしか手はないのだ。
どうして前原さんは安倍総理に脱デフレ、2%物価目標達成について質問しなかったのか。これは安倍政権の信用にも関わる大事なことと思う。日銀総裁が2%物価目標達成を諦めると判断したときはアベノミクスの信用は落ち、政権がぶっ飛ぶことになると思うのだが・・。
だが、フリップで経済成長率を安倍政権時と民主党政権時の比較をしていた。
安倍政権では成長率2.5%だったが民主党政権では倍以上の5%を越えていた。前原さんは「これ以上言わない」と質問を終わった。
政府やメデイアは安倍政権の成果を報じるが、もっと民主党政権の時の成果も報じなければ「野党はダメ」という論調になり、益々自民党一強を作り出すことになりかねない。
そんな政治が良いとは思わない。
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