2019年12月22日日曜日

2020年予算 102兆6600億円:安倍政権は日本をどう導こうとしているのか


安倍政権は日本をどう導こうとしているのか、「経済再生と財政再建は車の両輪」と事あるごとに言う。消費税増税に際しては「後10年は増税の必要なし」と耳障りのいいことを言うが、2020年の当初予算は102兆を超え過去最大規模になった。

税収もアベノミクスの異次元の量的緩和策で一時効果が出て63兆5100億円になったが、法人税減収などもあり国債発行額は32兆5600億円。歳出の3割に当たる社会保障費は高齢者問題、教育無償化もあり1.7兆円増の35兆8100億円になった。毎年1兆円の増加だ。

安倍政権の当初は財政にも楽観論があった。アベノミクス→経済成長→税収増→財政再建のストーリーもままならない。経済成長率を政府はGDP1.4%と見ているが、民間の調査機関は半分以下の0.49%、成長余力を使い果たし、高いプラス成長は考えにくく、財政健全化は遠のくばかりだと指摘する。

世界に約束したPB黒字化達成も2025年度まで先送りされた。政権を維持するためには経済の減速はまずいのだ。今回の消費税増税、東京オリンピック後は大きく減速するとみられている。

だから経済再生と財政再建を両立する予算となるが、財政出動と緊縮財政ではまるっきり反対の政策だ。どうしてうまく行く保障があるのか。

年々増える国、地方の借金の残高は1125兆円に達し対GDP比197%で、相変わらず先進国一悪い。これについては純資産もあるので純債務の実態は5~600兆円と考えれば特に心配することはないという専門家もいる。国会でもこの点を質問した野党議員もいたが財務省は否定したと覚えている。

この国の借金を減らすために消費税増税を上げているが、今回の10%への増税も半分は教育の意無償化など社会保障費の財源に充てられるルール変更をしている。

今、確かな税収増は消費税増税しかない。

経団連も消費税増税を賛成していたが、景気下振れの心配が出てくると経済対策を要求しだした。当初予算に加え補正予算を組めばそのまま赤字積み増しになる。

一方で異次元の量的緩和で市場に流れたカネを大企業は内部留保し460兆円のもなるという。麻生さんはこれを吐き出させるために課税しようとしたが今度は二重課税になると抵抗された。

日本のほとんどの企業は金持ちだという。借金しなくても自己資金で投資はできるのだ。だから日銀の低金利政策も続ける必要があるかは疑問だ。

一方で、医療費を含め社会保障費の伸びを落とすために高齢者などに負担増を強要している。年金生活者には生活困窮を強いるのだ。

ところが安倍政権は大企業の法人税下げ、富裕層への優遇税制で経済界の要求にこたえている。

今日本で一番欠けているのは所得の再分配ではないか。それは税制の見直しを必要とするのだが、共産党など野党が政策に掲げているが、自民党は知らぬ振りだ。

以前、我が国でも外需に頼らない経済運営を海外から要求され、前川レポート、21世紀版前川レポートで検討されたことがあるが、ことごとく失敗した。その要因は企業の儲けを家計に再分配するシステムができていなかったのだ。

そういう教訓が未だ生かされていないのだ。

一体日本の経済界はどんな日本社会を築こうとしているのか。日本国民、日本社会あっての日本企業ではないのか。著名な経済人が各審議会、諮問会議の民間議員に名を連ね安倍政権をヨイショしている姿は残念だ。「経済界のなすべき責務」でも考えたらどうか。

そして日本にもポピュリズムの台頭で打倒自民の動きが出てくるか。それとも打倒安倍で新たな自民党政権が誕生するか。

0 件のコメント: