2019年12月6日金曜日

「安心、成長」の新経済政策26兆円:十分に検証されてのアベノミクスの再加速か


安心、成長を植え付けるために26兆円に上る大規模経済政策案を打ち出したのか。麻生財務相は国内経済は緩やかな回復基調にあり、堅調であるが世界経済は下押しリスクの可能性もあり、「安心」のための規模の経済対策だという。

経済財政諮問会議後の記者会見でも担当大臣はアベノミクスでデフレの状態を抜けたが下方リスクに対応するのだという。

記者の「過去の経済政策が示した数字より大きな効果があったのか」との質問に「経済は生き物、一概に言えない」と逃げた。経済政策とクリアーすべき目標を示すが何ら検証することなく次の政策を打ち出す。「これでもか これでもか」ということだ。

だから安倍政権の経済政策はアベノミクスの3本の矢、異次元の量的緩和、次いでアベノミクスを加速し新3本の矢でGDP600兆円、そしてアベノミクスを再加速して「安心と成長の未来を拓く」として災害対策の復興、復旧5.8兆円、下振りリスク対応で3.1兆円、オリンピック後の活力維持などで4.3兆円の13.2兆円の財政支出、借金は9.4兆円か。

総事業費を26兆円と見て民間企業の資金活用も期待しGDP1.4%増(約7兆円か)を狙っている。

どんな事業項目かと思ったら200近くあるらしい。今までの内容を少し変えて再登場したり、何度も同じような内容が挙げられているらしい。問題は予算は付いたがいまだ実施されていない、消化されていないテーマも残されているのだ。

新聞報道によると、専門家の間でも疑問が出ている。「国内経済は安定しているのになぜ、大規模なのか」、政策を出す官僚でも「従来の政策の看板替え、無理やりに突っ込んだ」と言うのだ。民主党政権の時に公開の「事業仕分け」を見学したが、その時の「廃止」、「見直し」判定されるとテーマをまとめて焼け太りする例が多かった。官僚は曲者だ。

しかし驚いてはいけない。自民党には「1年以内に選挙がある」ことを前提に選挙対策の経済政策になっているのだ。政権与党は何でもできる。国民生活のためと言って利権食いしているのだ。

とても期待はできそうにないが、気になることは多い。

世界経済は気になる。TPP、先の見えない米中経済摩擦、日本に分が悪い日米貿易交渉、欧州経済の停滞、英のEU離脱、さらにはトランプ大統領の駐留負担費増で世界経済は動く。

国内経済でも日銀の低金利政策、マイナス金利、量的緩和の出口戦略が不透明だ。国債価格、企業の内部留保とどういう政策を取ればうまく動くのか。誰にもわからない。マイナス金利政策だって検証されないままだ。

安倍政権も今回の不祥事を含め、死に体状態にならないか。任期いっぱい務めることができるか。

そして、財政再建が重く押しかかってくる。2022年のPB黒字化が財政出動のためにいとも簡単に25年に先送りされた。どの政権が責任を持って達成するのか。1000兆円の国地方合わせた借金は対GDP比200%を超え先進国一悪い。赤字財政もGDP比3%以内を欧米は守っているが、日本は猶予されている。何時まで続くか。

消費税10%へ、安倍内閣になって2度目の消費税増税だ。しかし、IMFは15%を超える消費税の必要性を主張する。IMFへは財務省から多くの出向者が出ているので、財務省の考えを代弁している。今後、税収増を見込める可能性がなければ消費税に頼るしかないのだ。

最後の手段は大企業、富裕層への優遇税制の見直しだ。大儲けしながら微々たる納税で威張っている企業は許されない。アメリカも日本も最後はここに手を付けることになるだろう。経済界は一体どんな日本の姿を期待しているのか。



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