2010年8月27日金曜日

民主党代表選:世論に反する小沢氏出馬だが、輿論は


世論(せろん)では、80%の人が小沢さんの要職復帰に反対しているにも係わらず、小沢さんは勝負に出た。どんな輿論(よろん)を背景にしているのか。

一方菅さんは、世論の支持も約60%に達していたが、菅再選の予想も危うくなってきた。

今度の民主党代表選は、即我が国の総理を選ぶことになる。国会議員824ポイント、地方議員100ポイント、サポーター300ポイントの合計1224ポイントのうち両陣営がどれだけ獲得するかにより決まるようだ。国会議員が大きなポイントを持っているので、議員の取り込みが重要になる。

今、小沢さんの出馬を支持を訴えているのは、民主党の小沢系と言われている議員が中心だが、広く議論され、公正な考えの輿論(よろん)になっているのかは甚だ疑問だ。

メデイアが報ずる処によると、小沢系国会議員の小沢支持の理由として、挙党一致体制の構築、先の衆院選でのマニフェストへの原点回帰、「ねじれ国会」での国会運営、政界再編には小沢さんの手腕、強いリーダーシップなどが挙げられている。

しかし、本音を言うと、人事で干された小沢系議員が主導権を取り戻そうとする権力闘争で、小沢さんが代表になっても挙党態勢など出来るはずがない。寧ろ強権政治の再来である。

マニフェストの原点回帰だって怪しいモノである。菅政権は現実論からマニフェストの見直しに取り組んだが、その政策推進のための財源をどう考えているのか。4年間は増税しないと言う約束を守らなければならない。特別会計の見直しも容易ではないと言う話も出てきている。マニフェスト推進に当たってもっと正確な情報が欲しい。

メデイアや国会議員は政界再編を煽っているが、直ぐにどうなる問題ではなかろう。水面下での寝技が必要になり、小沢さんの得意とする政治手法であろうが、「開かれたクリーンな政治」を目指す民主党にとっては相容れない政治手法だ。

強いリーダーシップの必要性は確かだ。今までの総理はブレたり、政治オンチな唐突な発言が多かった。その都度支持率を落としている。しかし、小沢さんのような古い体質の旧態然とした政治手法を国民は望んでいない。

更に小沢さんには「政治とカネ」の問題が付きまとっている。政治資金規正法で3人の秘書が起訴されてもいるが、政治的責任は幹事長辞任で取ったと周辺は解釈している。
小沢さんは、出馬に当たってどんなメッセージ、政策を発するのか分からないが、自分の政治塾で「日本人は劣化している。きちんとしたモラルを身につける必要がある」と挨拶していたが、自分のこととして、小沢さん自身が本当に変わらなければ、支持など得られるはずがないと思う。
写真:民主党代表選で「菅vs小沢」を報じる読売新聞 2010.8.27

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