2009年5月26日火曜日

政権交代は一時の夢か




最近まで誰もが予想してたのは、民主党小沢代表では選挙で負けて政権交代の目はない。鳩山代表では「いいとこ勝負」、岡田代表で政権交代ありだった。しかし、小沢さんは政治献金疑惑について何ら説明することなく権威を残したまま代表を辞任し、すっきりしない形で鳩山さんが代表についた。人気を回復したとは言え、比例区では民主党優勢でも小選挙区では自民党が強そうだ。
 このままでは政権交代は難しい。
 小沢さんは選挙に強いということで引き続き選挙担当になり、地方行脚を再開したが、やっていることは自民等式のドブ板選挙と連合傘下の組合と共闘する旧社会党のやり方をミックスした方法だ。
 それに加えて、有権者に耳さわりの良い、財源は別にした政策を打ち出すので小沢さんのいうことに期待する向きが多かった。
 しかし、岡田さんが言うように「財源無くして政策なし」だ。民主党の政策を与謝野さんは「少し幼稚過ぎる」と反論していたが、政策への実現性を考えると不安になる。根本的に見直しすれば20兆円ぐらいは確保出来ると言うが、官僚が今までの利権利得をさらけ出して協力するとは思えず、官僚のサボタージュにあって行き詰まる光景が目に浮かぶ。
 今まで、小沢代表時から提案してきた政策と、これから作成されるマニフェストで政権担当能力が試されるのではなかろうか。小沢さんは例の自民党との連立構想が持ち上がったとき、民主党幹部の猛反対にあって断念したが、その時、「民主党には政権担当能力はない」と言い切った。
 今はどう思っているのか。
 政権交代がいわれるようになった背景には、官僚主導政治への不信、自民党長期政権への飽き、族議員・官僚丸抱えの税金のムダ遣い、年金制度に見られるような数々の制度疲弊が上げられる。その実現に向けては、政権交代出来る政党があることだが、今の民主党に頼れるのか。
 民主党は国民の期待にどう答えるのか。鳩山政権は小沢傀儡政権だと評されているうちは疑問が残る。いつ「脱小沢」に転換できるかだ。
 一方で、自民党だって黙ってはいないだろう。
 総選挙に向け生き残りをかけた戦術に出てくる。何やら抜け穴がありそうな世襲制度の導入、国会議員定数の削減等新しい政策が上げられている。若手議員を中心に税金の無駄づかいをあぶり出すプロジェクトチームも活動している。従来の自民党ではなく、新しいリーダーで改革を進める新しい自民党が現れ「CHANGE」の可能性が出てくれば選択肢は広がる。
 
 要は、鳩山民主党が「財源の裏付けのある」実現可能な政策をどう打ち出してくるか。官僚主導政治から、政治がどう主導権を取り戻せるかにかかっている。政治のあり方を根本からどう見直すのか。世襲制限など国会改革などの自民党の案との違いをはっきりさせることも重要だ。優秀な若手議員の活動も期待したい。

 巨大な官僚機構を政治が動かすのは並大抵のことではない。どの程度やれるか分からないが、目安は小泉政権のやり方が参考になる。自分たちの利に反する事はサボタージュする官僚に手を焼くことになるだろうが、公務員制度改革で主導権を取り戻して欲しい。国家公務員(地方公務員も)は身分ではなく職業なのだ。

 政権交代は民主党のやり方次第であるが、自民党の出方によっては政権交代なき改革も可能になるのだ。

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