昔、東京に出張したときの帰り、アメ横で「すじ子」を買って帰った。チョット塩味だったが安かった。家内は北海道育ちで「すじ子って、塩味は安く、甘味の方が高いの。品物に気をつけなければ・・」と言った。それ以来、アメ横での買い物からは遠ざかっていた。
その上野・アメ横に久しぶりに行ってみた。
夕方になり、客が込んでくると、売り子の声も大きくなるのだろうが、まだ昼間でそう多くはない。レジ袋を下げた通行人も少ない。聞くと御多分にもれず売り上げは落ちているらしい。
依然と変わったのは、回転寿司の店が多い。三浦三崎港は105円から、活魚大江戸は126円から、まぐろ市場、扇すし、海鮮築地などこの界隈に15店舗程が出店している。三浦三崎港は長い待ち行列が出来ているが、隣の回転寿司は余り客が入っていない。どうしてこんな出店になったのか。競争の激しさが伺える。
乾物店は、値下げ競争はせず、堅実な売りをしているようである。
一番売り手と買い手が値段交渉しているのが鮮魚店だ。
呼び止められて立ち止まると、「大トロ 8,800円、中トロ 5,800円あわせて2000円でどうだ」という。「別々だと1000円でいい」ともいう。「多すぎない」と言っていた年配の夫婦が、「これにしましょう」と中トロを1000円で買って行った。
売り子に「これとこれ、更にこれを合わせて1000円と言って、ちゃんと利益を計算しているんですか」と聞くと「計算なんかしていない。薄利多売で20円、30円の儲け、赤貧洗うがごとしだ」と笑う。
大トロと言っても冷凍品で、切り身の仕方がそれらしくはない。すり切れて、薄汚い発泡スチロールの箱から出してくる。一度は「大トロ8,800円」と言うが、値札で売ろうとはしない。必ず「1000円だ」と言う。
勘ぐればうまく考えたモノだと思う。恐らく、お客は値札で買って食べてみると騙されたと思うだろう。しかし「1000円だとするとまあ仕方ないか」と思うはずだ。
チョット先の鮮魚店に行くと、「大トロ3000円、すじ子2000円、合わせて1000円でどうだ」と声がかかる。一度その場は通過し、2度目に通ると同じ売り子さんが「社長、社長 500円でどうだ」と追いかけてきた。いきなり社長とおだてられた。さっきはお兄さんだ。
どうもこの界隈は、1000円、500円が相場らしい。これに何品付けるかで儲けをはじいているようだ。大トロを「8800円で買よ」というと必ず断ってくるかも知れない。もともとそんな価値はないのだ。逆に「騙された」と訴えられるのが怖い。
売りのパフォーマンスもすごい。焼き栗を露店販売していた男性が、紙袋の口を広げ栗を鷲掴みで数回分ほうり込む。更にサービスぶって、数回追加でほうり込む。買い手は何故か儲けたように感じるが、売り手は最初からの作戦なのだ。カメラを持っていた私に「カメラマンさん 食って行けよ」とサンプルを渡そうとする。
買いを急がす方法もある。御徒町店開店のためのオープニングセールをバッグ店がやっていた。「今度御徒町に店を開店するための記念に、今から2時まで、全商品3150円です。お急ぎください。ビニールではなく、すべて本皮です」と呼び込んでいる。店内にはいると2~3万円の値札の付いたバッグが配列されている。ブランド品でも塩ビ製があったと思うが。
「市場経済」の基本は「だまし」だ。負けてくれる裏には何かがある。それと分かっていれば、アメ横ほど面白いところはない。
その上野・アメ横に久しぶりに行ってみた。
夕方になり、客が込んでくると、売り子の声も大きくなるのだろうが、まだ昼間でそう多くはない。レジ袋を下げた通行人も少ない。聞くと御多分にもれず売り上げは落ちているらしい。
依然と変わったのは、回転寿司の店が多い。三浦三崎港は105円から、活魚大江戸は126円から、まぐろ市場、扇すし、海鮮築地などこの界隈に15店舗程が出店している。三浦三崎港は長い待ち行列が出来ているが、隣の回転寿司は余り客が入っていない。どうしてこんな出店になったのか。競争の激しさが伺える。
乾物店は、値下げ競争はせず、堅実な売りをしているようである。
一番売り手と買い手が値段交渉しているのが鮮魚店だ。
呼び止められて立ち止まると、「大トロ 8,800円、中トロ 5,800円あわせて2000円でどうだ」という。「別々だと1000円でいい」ともいう。「多すぎない」と言っていた年配の夫婦が、「これにしましょう」と中トロを1000円で買って行った。
売り子に「これとこれ、更にこれを合わせて1000円と言って、ちゃんと利益を計算しているんですか」と聞くと「計算なんかしていない。薄利多売で20円、30円の儲け、赤貧洗うがごとしだ」と笑う。
大トロと言っても冷凍品で、切り身の仕方がそれらしくはない。すり切れて、薄汚い発泡スチロールの箱から出してくる。一度は「大トロ8,800円」と言うが、値札で売ろうとはしない。必ず「1000円だ」と言う。
勘ぐればうまく考えたモノだと思う。恐らく、お客は値札で買って食べてみると騙されたと思うだろう。しかし「1000円だとするとまあ仕方ないか」と思うはずだ。
チョット先の鮮魚店に行くと、「大トロ3000円、すじ子2000円、合わせて1000円でどうだ」と声がかかる。一度その場は通過し、2度目に通ると同じ売り子さんが「社長、社長 500円でどうだ」と追いかけてきた。いきなり社長とおだてられた。さっきはお兄さんだ。
どうもこの界隈は、1000円、500円が相場らしい。これに何品付けるかで儲けをはじいているようだ。大トロを「8800円で買よ」というと必ず断ってくるかも知れない。もともとそんな価値はないのだ。逆に「騙された」と訴えられるのが怖い。
売りのパフォーマンスもすごい。焼き栗を露店販売していた男性が、紙袋の口を広げ栗を鷲掴みで数回分ほうり込む。更にサービスぶって、数回追加でほうり込む。買い手は何故か儲けたように感じるが、売り手は最初からの作戦なのだ。カメラを持っていた私に「カメラマンさん 食って行けよ」とサンプルを渡そうとする。
買いを急がす方法もある。御徒町店開店のためのオープニングセールをバッグ店がやっていた。「今度御徒町に店を開店するための記念に、今から2時まで、全商品3150円です。お急ぎください。ビニールではなく、すべて本皮です」と呼び込んでいる。店内にはいると2~3万円の値札の付いたバッグが配列されている。ブランド品でも塩ビ製があったと思うが。
「市場経済」の基本は「だまし」だ。負けてくれる裏には何かがある。それと分かっていれば、アメ横ほど面白いところはない。
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