2010年7月3日土曜日

政界も角界も改革しなければ悪の温床に




角界や政界の収入(給金)資料を見て驚く。ある意味でよく似ているのだ。

角界では幕下以下は場所毎に7~15万円支給され、十両に上がると100万円を超え、大関235万円、横綱は282万円、そのほかに各種手当ても大きい。関取の収入で、母国で事業を展開している外国人力士の話も伝わる。

一方、国会議員の所得も発表になった。衆参国会議員の給与は1834万円が大多数で、それに不動産利子などが公表された。必然的に鳩山さん、菅さん、小沢さんの項に目がいく。

何故、この人がこの程度と疑問が湧く例もあるが、琺の不備で公表を除外されているものもあるらしい。例にもれず「あくまで自主申告、ウソを言っても罰則はなく、緊張感の欠如が目立つ」と学者は批判する。虚偽記載については、国会で何らかのルールづくりが必要なのだが、自分で自分の首を絞めるようなことはしないのが国会だ。

国会議員の給与手当は3500万円と言われ、勤続年数に関係なく、ベテランでも新人でも同じである。政治家を目指しているのかどうかは知らないが、税金から給与が払われる公設秘書などは別として、私設秘書などは7~10万円と言われている。

何やら角界も政界もよく似ている。

黒塗りの高級車で高級料亭に乗り付ける国家議員伸す型を見ると、自分も国会議員に当選すれば、同じことが出来ると錯覚を起こしても不思議ではない。

自民党だった杉村さんが、初当選で「料亭に行ってみたい。BMWに乗ってみたい」と発言し、顰蹙を買ったことがあるが、何で国会議員にあのようなことが出来るのか。官房機密費などが疑われる。

角界も政界も閉鎖的社会で、身内意識が強く、悪い慣例が蔓延っている。威勢のいいことを言っていた新人だって、その世界に入れば、なにも出来ない。当選回数が物を言うのだ。

角界は、力士の仲間で協会が運営され、外部からはよく分からない組織になっている。今、不祥事の反省からギブの人達が参加することになったが、その抵抗も大きいようだ。閉鎖社会で反社会的行為に対して鈍感になっていると批判するが、そのような環境を醸成したのは、相撲ファン、後援会、タニマチ、NHK等ではなかったのか。法人のチェックもろくにしないでその特権を認め続けた監督官庁の文部科学省の責任も大きい。

政界も世代交代が求められている閉鎖社会で、古い慣例を一生大事にし、激動の社会の変化についていっていない。消費税増税の前に、「まず自らの身を削ること」を要求されている。改革の本気度を自ら示せと言うのだ。

政界も角界も自らを律する能力に欠けている。求められる自浄能力がないのだ。不祥事が起きるたびに、曖昧な処理で時間を稼ぎ、突風が通り過ぎるのを我慢強く待つだけだ。病根は絶っていないので、次から次に不祥事が起きる。

今回の日本相撲協会の野球賭博汚染に至っては言語道断、国技を返上し、一介の格闘技、プロスポーツとして出直すべきである。国技とは言うが、名ばかりで外国人力士に負うところが多くなっていることを考えても、今後国技としての相撲を維持することは難しい。

政界も同じだ。折角政権交代しても自民党も民主党も余り変わらない。政権党内ではゴタゴタが絶えない。何やら権力闘争をやっているようだ。政治改革を推進しようとしているが、模範となる英国では二大政党制、選挙制度で弊害が指摘されている。日本には日本に相応しい政治制度があるはずだ。それが国の品格でもある。すべてのことを海外に学ぼうとするのは、余りにも安直である。

政界も角界も、その閉鎖性による組織の腐敗は、どんな組織にも見られることである。しかし、国技の継承、政治を司る公的分野であるが為に、その弊害は許されない。
写真:国会議事堂、国技館 改革しなければ組織は疲弊し、悪の温床に

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