経済指標は改善している報告が多い中で、生活感、雇用は悪くなっている。実生活も安売りに群がる傾向にある。本当のところはどうなのだろうか?
内閣府の6月の景気動向指数先行指標は、05年を100として、先月比2.9ポイント上昇の79.8。7月の消費者物価指数は前年同月比2.2%下落、3ヶ月連続で下落している。景気回復の実感のない中で、消費者の財布のひもは引き締まっている。一方、内閣府の8月の消費者動向調査では、消費者態度指数は確実に改善していると見られていい、9月は40.5と前月を0.4ポイント上回っている。
日銀の景気判断も2ヶ月続けて引き上げられ、「持ち直しに転じた」から「持ち直しつつある」という。
アジア経済も底打ち感が出て、シンガポール、タイやインドネシアではGDP成長率が大幅にプラスに移ったと言うし、世界的にも、景気底打ちの兆しが見られ、欧米の株価も上昇している中で、日本だけが取り残された感がある。
製造業でも一部の企業は、繁忙度が高まっていると言うし、損益分点売上高を越える企業も出てきているが、実体は在庫調整が進んだり、リストラで1人当たりの仕事量が増えたためでもあり、人件費削減で損益分岐点が引き下げられた為だろう。自動車産業では期間工の採用も出てきた。
経済指標は改善されて来ているようだが、雇用は悪化している。
失業が依然多いのだ。昨年10月から今年6月まで職を失ったり、失う見通しの派遣社員や契約社員は20万人をこえ、解雇された正社員は2万人の上ろうとしている(2009年5月)。企業のリストラも正社員まできた。
有効求人倍数も7月は0.42、完全失業率は5.7%に達し、8月は5.5%に改善したという。内閣府の7月の経済動向試算では5.4%と見ていたので、5.7%には驚いている。約360万人が失業していることになる。
しかし、失業者の実数はもっと多いだろうと見られている。就業者でも従業員を解雇せずに休業する企業には国が手当を補う「雇用調整助成金」により支えられている人も200万人前後おられるらしく、これも高止まりの様相を示している。
自民党政権の時、09年度緊急人材育成・就職支援制度が導入され、月10万年の生活費をもらいながら職業訓練を受けることが出来るようになったが、訓練を受けても職がない状態にあるらしい。
特に注目しなければならないのは、若年層の雇用悪化が目立つことだ。15~24歳で9.9%、25~34歳で7.1%になっている。
これは大変な事で、すさんだ人生を送ることにもなるし社会人として教育(経験)も積めず、ゆくゆくは国の成長力も低下するはずだ。
やっとのことで仕事が見つかったとしても、今は低所得化の時代だ。
OECDの08年の相対的貧困率では、日本は15%をこえ、ワースト4、1人親家族の貧困率は58%だと言う。あるテレビ局で、「貧困を感じるときはどんな時か」との質問に、食事が3度とれない時、病院に行けない時、携帯が使えない時、旅行に行けない時などを上げていた。「食事が3度取れない」は身につまされる思いだ。
読売新聞の5月の世論調査でも、54%の人が昨年の4月に比べて「生活が苦しくなった」と指摘しているが、当然かも知れない。加えて自分や家族の仕事の現状や将来に不安を感じている人も78%に達している。
経済指標が少しよくなったと言っても、雇用が改善しなければ実体感はつかめない。
外交デビュー華々しかった鳩山さんも、ここに来て「経済は必ずしも順調ではない。家計に刺激を与えることが一丁目一番地の課題だ」と指摘した。
雇用の悪化、給与所得の減少は、家計に大きく響き消費は冷え込む。その結果企業業績も当然悪化する。分かっていることだが、雇用の改善の為の景気対策は先決問題だ。
しかし、子供手当や公立高校の無料化などマニフェストに沿った政策が推進されようとしている。今の民主党の事業の見直し、公共事業の削減、赤字国債の抑制など賛成すべき面もあるが、景気刺激策として逆効果になっていないだろうか。教育・訓練が必要な医療・介護分野、補助金で保っているような環境分野で内需を拡大するのは、並大抵のことではない。
失業者を支援し、税制で雇用主を優遇する施策などで経済を活性化し、税収を上げなければ景気対策にはならない。そう言う意味では金融相の亀井さんのモラトリアムは一手だ。
需給ギャップの問題もある。供給に対して需要が落ち込んでいる。テレビで放映される画面を見ると、小企業では工場内はガランとしていて稼働しているのは数台の設備だ。経営者は、これ以上こんな状態が続くとやっていけなくなると訴える。一方で、特色のある技術を持った中小企業ではフル稼働している。今の不況などどこ吹く風だという。しかし、、多くの中小企業は似たような技術で熾烈な競争している。
おまけに、もうけなしの仕事もしている。「断れば次がない」の強迫観念がある。
失業率が高止まりの状況での景気回復はリストラ以外の何ものでもない。教育・訓練したって受け皿がないのだ。若者が企業人として経験を積めないことは、国の将来にとって大きな損失である。
写真は、大田区本羽田の工場周辺 こういった工場の活況が日本経済を支えた事になる。
今は、高層アパートやマンションに変わっている。生き残れた工場が、細々と稼働している。
内閣府の6月の景気動向指数先行指標は、05年を100として、先月比2.9ポイント上昇の79.8。7月の消費者物価指数は前年同月比2.2%下落、3ヶ月連続で下落している。景気回復の実感のない中で、消費者の財布のひもは引き締まっている。一方、内閣府の8月の消費者動向調査では、消費者態度指数は確実に改善していると見られていい、9月は40.5と前月を0.4ポイント上回っている。
日銀の景気判断も2ヶ月続けて引き上げられ、「持ち直しに転じた」から「持ち直しつつある」という。
アジア経済も底打ち感が出て、シンガポール、タイやインドネシアではGDP成長率が大幅にプラスに移ったと言うし、世界的にも、景気底打ちの兆しが見られ、欧米の株価も上昇している中で、日本だけが取り残された感がある。
製造業でも一部の企業は、繁忙度が高まっていると言うし、損益分点売上高を越える企業も出てきているが、実体は在庫調整が進んだり、リストラで1人当たりの仕事量が増えたためでもあり、人件費削減で損益分岐点が引き下げられた為だろう。自動車産業では期間工の採用も出てきた。
経済指標は改善されて来ているようだが、雇用は悪化している。
失業が依然多いのだ。昨年10月から今年6月まで職を失ったり、失う見通しの派遣社員や契約社員は20万人をこえ、解雇された正社員は2万人の上ろうとしている(2009年5月)。企業のリストラも正社員まできた。
有効求人倍数も7月は0.42、完全失業率は5.7%に達し、8月は5.5%に改善したという。内閣府の7月の経済動向試算では5.4%と見ていたので、5.7%には驚いている。約360万人が失業していることになる。
しかし、失業者の実数はもっと多いだろうと見られている。就業者でも従業員を解雇せずに休業する企業には国が手当を補う「雇用調整助成金」により支えられている人も200万人前後おられるらしく、これも高止まりの様相を示している。
自民党政権の時、09年度緊急人材育成・就職支援制度が導入され、月10万年の生活費をもらいながら職業訓練を受けることが出来るようになったが、訓練を受けても職がない状態にあるらしい。
特に注目しなければならないのは、若年層の雇用悪化が目立つことだ。15~24歳で9.9%、25~34歳で7.1%になっている。
これは大変な事で、すさんだ人生を送ることにもなるし社会人として教育(経験)も積めず、ゆくゆくは国の成長力も低下するはずだ。
やっとのことで仕事が見つかったとしても、今は低所得化の時代だ。
OECDの08年の相対的貧困率では、日本は15%をこえ、ワースト4、1人親家族の貧困率は58%だと言う。あるテレビ局で、「貧困を感じるときはどんな時か」との質問に、食事が3度とれない時、病院に行けない時、携帯が使えない時、旅行に行けない時などを上げていた。「食事が3度取れない」は身につまされる思いだ。
読売新聞の5月の世論調査でも、54%の人が昨年の4月に比べて「生活が苦しくなった」と指摘しているが、当然かも知れない。加えて自分や家族の仕事の現状や将来に不安を感じている人も78%に達している。
経済指標が少しよくなったと言っても、雇用が改善しなければ実体感はつかめない。
外交デビュー華々しかった鳩山さんも、ここに来て「経済は必ずしも順調ではない。家計に刺激を与えることが一丁目一番地の課題だ」と指摘した。
雇用の悪化、給与所得の減少は、家計に大きく響き消費は冷え込む。その結果企業業績も当然悪化する。分かっていることだが、雇用の改善の為の景気対策は先決問題だ。
しかし、子供手当や公立高校の無料化などマニフェストに沿った政策が推進されようとしている。今の民主党の事業の見直し、公共事業の削減、赤字国債の抑制など賛成すべき面もあるが、景気刺激策として逆効果になっていないだろうか。教育・訓練が必要な医療・介護分野、補助金で保っているような環境分野で内需を拡大するのは、並大抵のことではない。
失業者を支援し、税制で雇用主を優遇する施策などで経済を活性化し、税収を上げなければ景気対策にはならない。そう言う意味では金融相の亀井さんのモラトリアムは一手だ。
需給ギャップの問題もある。供給に対して需要が落ち込んでいる。テレビで放映される画面を見ると、小企業では工場内はガランとしていて稼働しているのは数台の設備だ。経営者は、これ以上こんな状態が続くとやっていけなくなると訴える。一方で、特色のある技術を持った中小企業ではフル稼働している。今の不況などどこ吹く風だという。しかし、、多くの中小企業は似たような技術で熾烈な競争している。
おまけに、もうけなしの仕事もしている。「断れば次がない」の強迫観念がある。
失業率が高止まりの状況での景気回復はリストラ以外の何ものでもない。教育・訓練したって受け皿がないのだ。若者が企業人として経験を積めないことは、国の将来にとって大きな損失である。
写真は、大田区本羽田の工場周辺 こういった工場の活況が日本経済を支えた事になる。
今は、高層アパートやマンションに変わっている。生き残れた工場が、細々と稼働している。
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