2010年10月18日月曜日

マツタケ:「香り」と「歯ごたえ」だけの食材だが「安さ」求めて


ただ「香り」と「歯ごたえ」だけの食材の松茸であるが、この時期になると「今年は松茸が食べれるか」と一度は思う。

私が小学生に頃、60年前になるが家が所有する山では松茸が採れた。朝、魚籠(背負いカゴ)を背負って山には入り、魚籠一杯の松茸を採って家に帰る。七輪に炭火をおこし、鉄器で松茸を焼き、それをおかずに朝ご飯を食べた。
      
香りと歯ごたえはあったものの、おかずとしては満足な食材ではなかったが、当時この時期は松茸しかなかった。今から思えば超贅沢な食事だ。

しかし、その後全く取れなくなった。山の手入れができなくなり富栄養化で雑菌が繁殖したためだ。

最近松茸を食べたのは、3年前に長野県の別所温泉で焼き松茸と鍋物を食べたが、ほとんど「香り」はせず、国産の松茸は「香り」が強い徒効いていたので、「本当にここで採れた松茸か」と疑ったこともある。

ところが今年は、夏が暑かったこともあり、9月は松茸が不作で日経新聞によると、東京卸値は400g/箱 約90,000円だったが、10月に入って入荷量が急増し15、000~20,000円に急落したという。9月に入って冷え込んだり、雨量が多かったためだという。

豊作で値を下げ産地によっては1/10になったと言われているが、アメ横の店員の話では昨年の1/2の値段だという。

勿論本数、重さによって異なるが、アメ横では岩手産などの国産で7,000~10,000円、カナダ産で3500円、韓国産で5800円前後だ。韓国産は国産と同じ色であるが、カナダ産は少々白っぽい。

国産の高いモノで値札は400g 23、000円~30,000円を付けている。これから交渉でいくらになるかだ。黙って聞いているだけで、簡単に半値になる。良い返事をしないと更に下げてくる。交渉すると値札の1/3付近までは落としてくる。

ある店では価格を下げたとき、「この価格は卸値と1000円しか差がない」と嘆いて見せた。本当か。
東京中央卸売市場(太田)で、10月15日の松茸の卸値はせり数量1,114kg 国内産400gで高値21,000円、カナダ産が7,350円だ。値札に2~3万円を付けるのは当然かも知れないが、直接生産者から入手していればもっと安くなるかもしれない。

韓国産に香りを強くするために松茸エッセンスを振りかければ国産に偽装も出来る。 アメ横は何でもありだ。

アメ横では、岩手産か長野産か、乾燥していないか、包装に生産者が表示されているか、詰め替えをしていないかなどを考慮し値札の1/3程度まで交渉し購入するかどうか決めると良い。

量を少なくして国産(?)を買って帰り、焼き松茸を食べた。大人は高価な食材と言うことが分かっているので「美味しい美味しい」と言って食べるが、孫はキノコ類の好きな孫は食べるが、嫌いな孫は食べない。家内が作ったおかずの方が良いらしい。

確かに「香り」と「歯ごたえ」だけではおかずにならない。子供の頃も松茸よりも漬け物、梅干しの方が食も進んだ。

松茸は、料亭や旅先の旅館、産地での松茸狩りで食べる物かも知れない。

家内は残りで松茸ご飯を作るという。これなら孫も食ってくれるかも知れない。部屋は1日中マツタケの「香り」がした。

0 件のコメント: