2010年10月21日木曜日

羽田国際空港化:期待と危険をはらんでいるが、「儲かる空港」か
















「新しい羽田から海外へ」とでも言うのか、羽田が新しくなった。日本のゲートウェイか、テーマパークか、エンターテーメントか。「儲かる空港」にしなければならないと言う意気込みは分かるが、期待と危険をはらんだスタートになった。

民主党政権になって、当時の前原国土交通相が、「羽田ハブ空港化」を発表した時は、余りにも唐突すぎた感がしたが、工事中のD滑走路、ターミナルビルを目前にして本当だと確信したものだ。

そして21日のオープンになった。自由化に遅れて発着枠不足、乗り継ぎの悪さも誘致も不利だったが、発着も30万回から37万回に、うち7万回は早朝/深夜便になるとあって大きな期待とともに大きな危険もはらんでいる。

狭い敷地に4本の滑走路だ。おまけに空域も制限されている。離陸/着陸で航空機が交差する管制上のハザード/エリアが出るという。最近、機長が管制の指示なしに勝手な離発着をしている事件も報道されており、心配の種だ。

更には、騒音の問題も約束が守れるかどうか。私の住んでいる大田区久が原地区は、閑静な住宅街と考えられていたが、今は騒音が気になり出した。時間帯にもよるが30秒毎に航空機の騒音が聞こえる。羽田を発った航空機が、私達の住んでいる地域の上空でターンし、西側に向かっているのだ。

多くに利用者が、羽田の利便性を強調しているが、利便=効率=潜在的危険の構図だ。
エスカレーターに乗っても両壁面に航空会社の早朝便、深夜便のPRポスターが、これでもかこれでもかと張ってある。

実際に行ってみて驚いた。日本へのゲートウェイか、テーマパークか、エンターテーメントか、ただのショッピングセンターなのか分からない。

江戸の町並みを再現したような「江戸小路」では、江戸舞台で三遊亭円楽師匠のトークが始まっていた。カメラは携帯を向けると、係員が「撮影は禁止です」と手を挙げる。「だったら止めろ」と言いたい。

多くのショップ、レストランが開店している。メーカーズシャツ鎌倉で「何故、シャツなの」と聞くと、「メイド イン ジャパンです。価格も手ごろになっています」という。確かにコンセプトは「メイド イン ジャパン」だ。4900円は5000円を切り割安感を出している。ユニクロと同じだ。
ラーメン店も出店しており、価格は800~1000円。長蛇の列がここでもできている。ここまで来て長蛇の列かと感心する。

京都で400年の綿織物の老舗の「RAAK」が、「京都(洛)から発信する」と、1000~5000円の手ぬぐいなどで老舗の歴史、技術を紹介している。絵柄は勿論尾形光琳筆だ。

1753年創業の老舗宇治茶舗「京はやしや」は、ソフトクリームなどにお茶を使ったスイーツを提供しており、付属する「庭園」は和の趣がある。

5階では、Starry Cafeでコーヒーや軽食をとりながらプラネタリュームを見ることが出来るし、博品館ではスロットサーキットが設けられ遊んで楽しめるなどエンターテーメントの趣がある。

眺望を見るために5階の展望デッキに出たが、あいにくの雨模様だ。不思議なことに、案内図が何処にもない。アトラクションの準備で近くにいた航空会社の職員に「D滑走路はどの方向ですか」と聞くと「あちらの方です。雨で滑走路は見えませんが、離着陸の航空機は見えます」と教えてくれた。

霞んで見えるが、真っ正面に新しい管制塔も見える。

「本当に儲かる空港」を目指しているのか。国のやることだ。羽田のハブ空港化に重点を置いているのだ。

しかし、今回気が付いたのだけど見学者に感想を話している会話が全く聞けなかった。大勢の見学者と行き交ったが不思議だ。あるテレビ局の取材班が、見学者に「感想は」と聞いていたが、直ぐには返答できなかった。

結局は、よく分からない羽田ハブ空港化なのだ。
交通機関は京浜急行で行ったが、ホームが2本、羽田方面(1番線)と品川方面(2番線)と隣りあわせでできているのは当然としても、改札口は1番線がB2階、2番線は2階と大きく離れていた。不便この上ない。1番線の改札を入っても2番線に行ける方法を考えた方がよさそうだ。
写真上段左:チェックインカウンター まだ便数が少ないので暇そう
写真上段右:展望デッキから新しい滑走路を望む 向こうが新しい管制塔など 
写真中段左 江戸小路 江戸の町並みを再現 テレビ局の取材クルーが活動していた
写真中段右:エンターテーメントというべきか コーヒー、軽食を食べながらプラネタリュームが見える 15分 500円だ
写真下段:にぎわう出発ロビー

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