2010年12月3日金曜日

地球温暖化:科学的検証おざなりで急ぐ対策に政治的理由?




また、気候変動枠組み条約第16回締結国会議がはじまった。その温暖化対策は、国内でも調整が難しいのに、国際的に纏まるはずがない。今までも決裂を回避すべく排出量削減は義務づけずに採択は次の会議へと見送られるのが精一杯だった。その要因は、政治主導で科学的検証が不十分なままスタートしたことにある。

日本はCOP15で90年比25%を提案した(勿論条件付きである)が、2大排出国である米国が提案した05年度比17%は、90年比では3~5%と言う数値、中国はGDPあたり05年比40~50%で安易な数値だと言われる。国内事情があるとは言え、数値を出してきたことに意義があるだけだ。

更に途上国の支援だけでも、約45兆円と言う巨額の費用がかかると言われる。これから発展しようとする途上国は、足かせになることを懸念する。中国だって途上国と思っている。

遅々として進まぬ温暖化対策の一方で、世界の気温は厳しい。世界気象機関WMOは、2日今年10月末までの平均気温が14.55℃で、観測史上最高と予測し、対策を急ぐよう警告した。

IPCCの第4次報告でCO2人為的原因説に強く影響したのは、我が国の地球シミュレーターによる解析結果だ。それによると、気温の上昇トレンドが、自然現象だけでは説明できず、それにCO2のファクターを加味するとトレンドが一致するというモノだ。

日本は民主党鳩山政権で90年比25%削減を決め、停滞する状況を突破しようとしたが、国内では批判が大きい。

日本はどんなロードマップを描いているのか。

環境省は、22年度、地球温暖化対策に係わる中長期ロードマップ精緻化検討費として2億円要求、目的達成のための費用、促進策を検討しようとしている。しかし、この事業は事業仕分け第3弾で、予算計上見送り徹底的に内容精査となった。

ところが、地球温暖化対策税(環境税)構想だけは進んでいる。民主党政策調査会は、税収2400億円確保のために石油石炭税を50%引上げるという。

12年前のCOP3の京都議定書で「先進国全体で5%削減」をうたったが、温暖化の科学を無視した削減率であった。しかし今、科学は2050年までに全体で半減、気温上昇を2℃以内を要請している。

科学は本当に正しかったのか。そこが問題なのだ。

ノーベル賞を受賞したゴアさんの映画は、英国の裁判所から9カ所にわたる事実を否定された。IPCCの報告の一部ねつ造疑惑も明らかになった。

地球温暖化の科学的検証は見あたらないが、一つエネルギー・資源学会が「地球温暖化 その科学的真実を問う」をテーマにメールでのデイスカッションを公開したが、CO2人為説を疑う発言が多かった。お互いに疑問点を戦わせたに過ぎなかった。

最近では、奈良の400歳の杉の倒木から気候変動説を裏付ける研究が報告された。17~18世紀太陽活動が弱まり、0.6℃下がったと言うのだ。北半球は寒冷化したのだ。

太陽は今後、超低活動期に入ると見られている。

向かっているのは温暖化ではなく、寒冷化なのだ。これなら理解できるのだが。

科学的検証をおざなりに急ぐ対策に政治的理由があるのか。

巨額の対策費を要する地球温暖化対策。無駄な投資を防ぐためにも、寧ろ国際的な調整に四苦八苦していることは、良い傾向かも知れない。


写真左:自然現象だけでは気温上昇は説明できず、さらにCO2排出量を加味すると傾向が一致するという JGL 2007.No2 地球温暖化と気候予測・・IPCC第4次報告・・ 
写真右:e-mail討論 地球温暖化:その科学的真実を問う エネルギー・資源学会

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