2010年3月31日水曜日

80:20の法則で世の中のことを考えると・・


今、余り聞こえてこないが、80:20の法則というのがある。
うる覚えであるが、イタリアの統計学者が納税の研究をしていた時、「国民の20%の人が、税金の80%を納入し、残り80%の国民が、残り20%の税金を納めていた」ことに気が付いた。

このことから、「大部分のことは少数でこなしている」と考えられるようになった。

企業にとって見れば、製品の開発、製造、営業が基本である。これらの部門に属している人の20%が、企業の80%の仕事をしている。残り20%の仕事を80%の従業員がやっていることになる。コンプライアンス、安全、品質など企業活動では重要な分野であるが企業にとって見れば20%の仕事になる。

これを80%の人がやっていることになるのだから、リストラもこの分野から始まる。その結果、注意が行き届かなくなるのだから違法行為や事故などの発生に繋がる。この種の仕事は余裕人員を抱えていなければ出来ないことかも知れない。

政治だってそうだ。民主党政権はどうなのか。

国政(彼らがやっていると仮定して)の80%を20%の政治家(約150人の国会議員)がやっているとしたら、官邸に入ったり、各省へ送り込まれている国会議員になるのか。それにしても普天間移設問題での迷走、郵政民営化見直しでのごちゃごちゃ感、参議院選に向けてのマニフェストを強行せんがための赤字の増大。鳩山首相の発言からして、しっかり国政を担っているとは思えない。31日の党首討論で公明党の山口さんから「失望内閣」と糾弾された。

自民党はどうなのか。野党慣れせず、立ち直りのきっかけもつかめていない。舛添さん、与謝野さんに新党立ち上げを臭わせた一時の力はなくなってきた。相変わらず,人気で総裁を選ぼうとし、谷垣さんでは参院選を戦えないと言う。

残り600人余りの国会議員は何をやっているのか。政治資金集め、組織固めの為の選挙区廻り、選挙区での国会報告会、ミニ集会などあるだろう。委員会での審議、国会での採決など重要な仕事もあるだろうが、それにしても多すぎる。国会議員の削減は民意をくみ上げられなくなると抗弁するだろうが、80%に属する国会議員のリストラは避けて通れない。

それでも、優秀な(?)官僚が行政を担っているから何とかなるが、その官僚でも80:20の法則が成り立っているのではなかろうか。一生懸命がんばったとは思うが、膨大な数の独立法人を作り、特別会計で自分たちの利権を拡大していった。80%の公務員からリストラしようにも公務員制度を根本的に変えていかなければならないが、自治労が支援組織である民主党に出来るはずがない。政治主導で公務員改革をやるのであれば、まず国会議員から始めるべきだろう。

あらゆる面で、80:20の法則で考えると納得がいく場合もある。

しかし、80%の人間が全部ダメなのかというとそうでもなさそうだ。ある研究によると、80%に属する人間ばかりを集めて仕事をさせると、この中から80:20の法則が成り立ち、20%の人間が出てくるのだそうだ。

2010年3月29日月曜日

セキュリテイーってこんな程度のものか

建設工事現場で、床下の廃刊の保温剤を巻く作業で、地下から湧いたガスに引火した爆発事故(普通ならガス検知を行なって始める工事だ)、JRで屋外の通信ケーブル管を吊す部品に屋内仕様を使っていたために劣化して垂れ下がる運転休止事故。大事故の原因は意外にお粗末である。

一般家庭のセキュリテイーも同じことが言える。

先日東京のマンションに引っ越しした。警備会社と契約してセキュリテイーは完璧だという。当然ながら、エントランス、エレベーターはキーをかざさなければ明かない。部屋の玄関のドアも、セキュリテイー・ロックされる。非常階段、ゴミ置き場もキー操作が必要でセキュリテイーは万全だという。

しかし、それは設計者の頭の中でのセキュリテイー・システム構築である。

当然起こるべきことが起こった。便利なのでよく利用する、非常階段のドアが完全にロックされないのだ。完全に閉まりきらない状態で、誰でも侵入することが出来る状態にあった。

試してみると、ドアが自動で締め切ることが出来ないのだ。人間が最後までドアを締め切らないとロックされないのだ。

セキュリテイーの設計者は頭の中では完全なセキュリテイー・システムを構築しているのだろうが、使っている部品が不備か、調整不足でマンション全体のセキュリテイーが不備になっている。

住民も注意が足りない。注意書を張ったが読んでくれないのだろうか。管理人、マンションのサービス会社にも連絡したが、その日のうちに改善はされなかった。

セキュリテイーは、システム任せではいけない。一人一人の注意力が最後は物を言う。安全もそうなのだ。

政治とどう係わっていくか

無党派層の割合が50%を越える事態になって久しい。メデイアの報道によっては、支持政党が大きく変わる可能性がある。

そんなときに、あるアンケート調査で、若者が「政治に関わる場」が少ないことを政治に無関心な理由の一つに上げていたのを覚えている。

折角政権を奪取し、今後が期待された民主党政権も、トップ2人の「政治とカネ」の問題、鳩山さんのリーダーシップの欠如による閣内不統一、混乱する「郵政民営化法案」、今のところ誰が考えたって不可能な普天間移設問題、子ども手当など「バラマキ予算」での財政問題、参議院選に向けてのなりふり構わない利権誘導行為などで内閣支持率は急降下。せめてもの慰みは民主党支持率がまだ優位なことだ。

一方、野党になった自民党は再生に向けて国民の意見を聞くべく、谷垣総裁は地方行脚を繰り返し、機関誌では車座になって話し合っている写真が載っているが、予め動員された人らしい。谷垣さんも「これでは去っていった人の意見が聞けない」と嘆いたのも無理からぬ話だ。

党員になって自分達の要求する政策を押しつける利権誘導がほとんどだろうが、財政赤字による事業の縮小、公共事業も萎む現在、自民党はピーク時の1/3になったと言うし、政権についた民主党は連合などの組織依存で党員は少ない。参議院選に向けて組織票を固めるためになりふり構わぬ利権誘導で呆れるばかりだ。

16年前、日本新党が立ち上がったとき、政治が変わると期待した知人が、党員になり会費を収めたが、それ以外何の連絡もないと怒っていた。新党だからまだ十分な地方組織が出来ていなかったのだろうが、国民の期待を裏切ったことになる。今、「みんなの党」が第三党として期待されているが、組織を上げて期待に応えることが出来るのか。

世論調査でも、「政治とカネ」の問題での説明責任、政治資金問題、子ども手当などのバラマキ予算問題にNOを突きつけられているにもかかわらず、民主党政権の対応は鈍い。このままでは夏の参議院選は大敗が予想されるが、「参院選は政局とは関係ない」と逃げるつもりなのか。衆議院で圧倒的多数を占めている奢りなのか。

自民党も、先の衆院選での敗退の要因はわかっているのに、一向に変化が見えない。ただ国会での質問者に若手、中堅が登場する姿は見られるが、メデイア報道から見放された状態だ。

ところで、党員でもない私達が、どういう格好で政治に参加できるのか。政治に参加する場があるのか。

多数の票を抱えた団体であると組織として働きかけは出来る。ホーム・ページのご意見箱では一方通行だ。

こういうこともあった。小泉郵政改革での衆院選で、自民党が圧倒的多数の議席を獲得し、「もっと大事なことがある」と真面目に訴えた岡田民主党は敗れた。しかし与党、野党の総得票数を計算すると、郵政民営化賛成49%、反対51%で国民の民意は郵政民営化反対であった。

このことを各政党のホーム・ページの意見欄に投稿したが、返事が返ってきたのは、公明党だけだった。しかも「今後の政策に活かします」というお決まりの文句であった。

英国では、何年もかけてマニフェストを作成していると言うが、我が国でも多くの人から意見得て、国民総意の政策に持っていかなければならない。

2010年3月17日水曜日

内閣支持率:急降下ではなく、期待が大きすぎたのでは


朝日新聞(2010.3.16)の世論調査によると、内閣支持率が32%に下落したと言う。小泉内閣以降の5内閣の支持率を見ると、小泉内閣を除いて150日までに支持率は大きく下落し、250日辺りで福田内閣を除いて少し持ち直すのがパターンだ。

メデイアは急降下と言うが、そもそも発足時の期待が大きすぎたのではないか。

発足時の支持率を見ると、小泉内閣、鳩山内閣で70%台、安倍内閣が60%台、福田、麻生内閣は50%前後だ。小泉さんは「自民党をぶっ壊す」、鳩山さんは「政権交代」で国民の期待が大きかった。

メデイアは何かとセンセーショナルに持ち上げるモノだ。あの田中角栄総理誕生の時だって、今太閤とかコンピューター付きブルドーザーと言われ、取り巻きの官僚達が書いた「日本列島改造論」で高い人気を得たが、ロッキード事件が発覚するやメデイアは一斉に批判する立場になり、金権体質を糾弾した。刑務所から出てきた田中さんを自宅で派閥の有力議員が総出で迎えた光景は異様であった。それでも力を持ち続けたのは田中さんのリーダーシップなのだろうか。

人気が実力を覆い隠し多大な期待を抱かせることになるが、期待はづれになると支持が急降下する。その人気はメデイアが作り出すが、何かことがあるとメデイアは批判する側にまわる。その変化は、あの人気を煽った頃とは大違いになるから不思議だ。

鳩山さんは、「政治とカネ」、指導力不足が支持率を落とす大きな要因になっている。

小沢さんとの関係もあるのだろうが、鳩山さんは自らどうして政倫審や参考人、証人喚問に応じないのか。「知らなかった」、「贈与税の納付」だけでは解決できない背景があるとしか思えない。

「リーダーシップの無さには、賛否両論があるだろう。小泉さんのように、自分の意見と違う者を「抵抗勢力」とレッテル張りし、推し進めるカリスマ政治家もあれば、周辺の意見を良く聞いて、あらゆるケースを考え、「国益」にとっては何が一番良いかを判断する政治家もいるだろう(国益ではなく、利権?)。

麻生さんは、「ブレた、ブレた」と批判され信用を落としたが、鳩山さんは「ゆらぎ理論」で批判をかわそうとした。皆の意見を良く聞いて総合的に判断する政治手法か、独裁的に決定していく政治手法か。国民は今、独裁的政治手法を選んでいるようだが。

人気が高く、「オレが、オレが」の人では軽すぎる。発足時の支持率は50%台でも良いのだ。150日、250日経っても50%台の支持できる内閣が欲しい。

2010年3月11日木曜日

メデイアが煽る政界再編:国民不在の混沌とした政局か

民主党政権の支持率が下がるばかりの民主党、にもかかわらず一向に支持率が上がらない自民党。舛添さんと与謝野さんが、現執行部に対する不満で、「谷垣降ろし」や「新党立ち上げ」の動きを臭わせる、一方の民主党は、「政治とカネ」の問題に始まり、小沢流政治への反感もあり「民主党らしさ」を取り戻さないと国民の支持は得られないと考えている。

 その先には、政界再編問題があるが、一体どういうグループ分けが出来るのか

 自民党は、もう引退しても良い長老・高齢議員・派閥の長、変えようとする中堅・若手議員、人気度が高い舛添さん、今のままではダメだと執行部批判する与謝野さんらのグループ。
 
 民主党では、親小沢、反小沢というか旧民主党系、旧自由党系でのグループ分けが考えられている。

 これに、支持する政党で人気が出てきた第三極としての公務員制度改革で一家言持つ渡辺さんの「みんなの党」が上げられている。

 考えられる政局としては、鳩山/小沢退陣 → 夏の参議院選で民主惨敗  → 新たな民主党政権/あるいは連立政権 → 次の衆議院選前の政界再編へ?

 新たな連立政権では、今閣僚に名を連ねている旧民主党系、自民党若手/中堅議員、場合によっては公明党、あるいは「みんなの党」も加わるだろう。舛添さんや与謝野さんのグループは、どう行動するか。「政治とカネ」の問題の小沢、鳩山、若手から引退を宣告された森、青木さん達は無所属だ。

 しかし、問題が大きい。誰がリーダー(総裁/総理)になるのか、その主たる政策?、そして連立政権を維持できる力が発揮できるか。

 メデイアは政界再編を煽り、「オレがオレが」の政治家はこの閉塞感を打開するために、新党立ち上げを臭わすが、本当に政界再編が出来るのか。

政治家は誰とくっつき、誰と離れるかの権力闘争に終始し、政策は官僚任せで国民不在の混沌とした政局になる可能性が強い。

比較的安定なのは今の民主、自民の枠組みの中での連立を組むことだ。自民党の長老議員、新党立ち上げが挫折したグループ、親小沢さんのグループなどは一歩下がるべきだろう。

2010年3月10日水曜日

見えてきた自民/民主の共通課題


期待された民主党政権で、一体何が変わったのか。
 中途半端だが記者クラブの解放に向けた動き、国家予算づくり、税金のムダ遣いを目の当たりにしてくれた「事業仕分け」、官房長官が右往左往する場面もあったが官僚答弁の禁止、外務省密約の検証と公開など今までとは違った政治の動きであった。

しかし、まだ政権について半年とは言え、脱官僚、公務員制度改革、景気/雇用対策、普天間基地問題、こども手当などマニフェストの実施と消費税増税が絡む財政再建などは、まだまだの感がするし、不安が残る。

 一方で、与野党共通の課題も見えてきた。

 自民党谷垣さんの「みんなでやろうぜ」は、全員が一致団結して党再生を目指そうとするキャッチフレーズであった。末端の国民の違憲を取り込むための地方行脚も始めた。民主党幹事長の小沢さんは、来る参議院選に向け「みんなで協力すれば単独過半数確保は達成できる」という。今まで強引に引っ張ってきたが、自分の力にかげりが見えてきたのか「みんなで」を強調するようになった。

支持率下落を受けて鳩山さんは「民主党らしさ」を出し、支持率好転を期したいという。「クリーンで斬新な政治」「開かれた政治」が民主党らしさだったと思うが、選挙第一、権力闘争の感がする小沢流政治で影を潜めた。自民党だって「自民党らしさ」が必要だ。党内でいろいろ議論はされても、最後はまとまることが自民党の良さだった。今は、あまりにパッとしない谷垣さんを降ろそうとする動きが顕在化してきた。政界再編にしてもまず自民党が立ち直らなければならないのでは。

私達が民主党に期待したのは、野党時代の民主党だったのではないか。

野党時代は直接政権運営に係わることはないから、相当過激なことを言っても問題なかったが、実際に政権を担うようになると、そうはいかない。国民から信を受けたとばかりにマニフェストを実行しようにも現実の大きな問題が立ちはだかる。これが「野党時代の民主党らしさ」の足かせになる。

逆に自民党は野党として、何を言っても良い立場になった。「政治とカネ」の問題では説得力のあることを言う。もっと若手に活躍の場を与え、フレッシュさが出せないのか。

結局の所、政権に就けば与野党そんなに変わらない(ここまで言って良いかは、今後の自民党の変身次第だが)。時々は与野党が交代し、前政権の政策をチェックをし、政治改革を進めていくのが良いのかも知れない。そのためには大衆迎合で大量議席獲得は控えなければならない。

取りあえず自民党にはがんばってもらって、今夏の参議院選での民主党単独過半数確保だけは阻止してもらいたい。ネットの傾向とは違うが、これが世論なのだ。

2010年3月9日火曜日

反対意見に耳を貸さず、その心配、危険が現実のものに




大規模公共事業の計画が上がるたびに反対意見が出てくる。反対者の意見に耳を傾けていれば、税金のムダ遣い、危険を回避出来た事例も多いだろう。

しかし、事業者の強い意向で建設を進めた結果、効果の低い利用率の悪い施設がほとんどだ。今は費用vs効果が叫ばれているが、事業を推進しなければならない特別な背景があったのだ。

 かなり前だったが、九州の自民党有力者の地元で橋を建設したが、地元の人もその効用に疑問を抱いていた。年配の女性が「こんな物をつくって、全国の皆さんに申し訳ない」と言っていたのが印象的だった。

 費用vs効果で、その事業が評価されるのはよいが、これが危険を伴う工事であっては話が違う。

 民主党政権になっての見直しで、ダム本体工事が凍結になった八ッ場ダム建設も御多分にもれず、以前からその危険性が指摘されていたのだ。地元の先生らが、この付近の地滑りの危険を指摘していたのだ。

 私も度々現場を訪れ取材した。「止(と)めようにも止(と)められず止(や)めようにも止(や)められない八ッ場ダム建設、完成すれば地滑りの危険」をはじめ多数の記事をネット新聞に投稿した。建設現場周辺を歩いて、地滑りの危険を感じたからだ。

 それには、奈良県川上村の大滝ダムでの試験貯水で、実際に地滑りが発生した例があるからだ。2003年にテレビのワイド番組、週刊誌などでその話題が持ちきりになった。計画段階から、学識経験者などが周辺地質から地滑りの危険を指摘し、ダム建設に反対していたのだ。

 結果は、試験貯水で地下水位が上がり、地滑りを起こし、周辺住民は避難しなければならない事態に至った。現在、損害賠償を求めて訴訟中である。

 同じような危険をはらんでいるのが八ッ場ダムだ。案の定、水没住民の移転先である川原畑地域の国道145号バイパス工事で、過去の地滑りの痕跡が見つかり、のり面崩落の危険があり、対策工事の必要性から開通が半年遅れるとの新聞報道に接し、その感を強くした。

 事業主体である国の役人よりも、その地域に住んでいる反対住民の方が、よく分かっているのだ。事業主体が、反対者の考えに耳を傾けていれば、税金の無駄づかい、起こるであろう危険を回避することが出来たのだ。

事業計画に対する地域住民の積極的な参加は不可欠なのだ。
写真(左) 試験貯水で地すべりが発生した奈良県川上村の大滝ダム
3800億円、38年に歳月をかけ2002年8月完成。この辺の地形は崖錐で、22年前から危険が指摘されていた。
写真(右) 八ツ場ダム工事現場。住民移転先の川原湯地区から川原畑地区を望む。左手の工事現場が地すべりの危険がある箇所。

ついに「週刊現代」は値上げか


全国紙では書けない内容を掘り下げ,「やっぱりそうだったのか」と思う記事も多いので、週刊現代、週刊ポスト、週刊文春、週刊新潮の購読は欠かせない。しかし、今まで週に4冊買っていた週刊誌の購読を2冊に減らした。新聞に出た週刊誌の広告を見比べてどれを買うか決めている。

 この節約傾向は、私だけではなさそうだ。コンビニでは週刊誌の売れ残りが目立ち、うっかりすると古い週刊誌を買うことにもなる。

 そんな中で、週刊現代は400円に値上げしたようだ。今までも合併号になると380円とか390円は他の週刊誌でもあったが、今、週刊文春、週刊新潮、週刊ポスト各誌が350円を維持しているのに、週刊現代は400円になった。特別定価と表示されているが値上げしたようだ。350円から400円だから値上げ幅は大きい。週刊ポストと同じ曜日での発売だから、内容によっては値段面で切り捨てられやすい。

 紙面的には、記事のページ数が他誌の140~150ページに比べて週刊現代は190ページで50ページ多いし、グラビアや写真づくりの記事も8~10ページ多い。

 デフレ脱却の糸口と考えたわけではないだろうが、はたして週刊現代が勝てるか。

2010年3月8日月曜日

メデイアでの人気が言わしめた「make tanigaki step down」か


今国会の自民党の姿を見ると、予算委員会では年配議員が質問に立ち、中堅議員の活躍の場がなく、フレッシュさが感じられない。「政治とカネ」問題の国会での追及も圧倒的多数を占める民主党に無視されたまま一向に進展しない。党首討論にも迫力を欠き、討論を傍聴していた民主党議員に「変わろうか」とやじられる始末。政策面でも民主党政権に対して「対案」がない・・与党時代は野党に対案がないと批判していたのではないか。

 何とも不甲斐ない自民党である。

 そう言うときに、外国人記者クラブでの舛添さんの「Tanigaki step down」発言が出てきた。メデイアは、早速「谷垣降ろし」ではと騒いだ。

 舛添さんは、総理にさせたい人NO1の人気とメデイアの政界再編にのせられた発言で、メデイアが作り上げた虚像ではないか。

 自民党員の「先の衆院選敗北の要因」アンケートでは、「実力ではなく、人気が高いだけで総裁を選んだ」、「「オレがオレが・・」が多すぎる」が要因の一つとして上がっていた。舛添さんには何故か「ぴったり感」がする。

 今自民党には、「谷垣降ろし」や「政界再編」よりも、団結して「参議院選」を勝ち抜くことではないか。

 世論調査でも、参議院選比例区で投票する政党は民主党25%、自民党22%と接近し、民主党の「政治とカネ」の敵失で、参議院選単独過半数を阻止できる可能性が出てきた。

 これを次のステップにつなげるには、自民党らしいビジョンを発表すべきである。国民の不満が募っている今の民主党がさらけ出していることの逆をやればいい。とは言っても、民主党がそれをやったために、政権与党になって四苦八苦している。

 野党が党内抗争していては政権を取り戻すことは出来ない。現実味のある政策を提言するしか方法はない。

2010年3月7日日曜日

健全な市民メデイアは幻想だった


オーマイニュースに次いで、市民メデイアの草分けだったjanjanも3月末で休刊(廃刊?)になる。私も市民記者として初めて登録したのが6ヶ月後だったので感無量だ。

 最初は編集者と記事内容を確認しながらの投稿であった。意見よりも取材に重点を置いた編集になったようだが、市民メデイアとは言え認知度は低く、取材もままならなかった。編集者としては情報源を確認し、記事の信憑性を得たかったのだろうが、秘密を守らなければならないと言うジレンマもあった。

しかし、市民メデイアの問題点は、いつも言われていたことであったが、偏った記事内容とマナーなき意見記入だろう。

国家権力に対する反抗は当然の姿であり、韓国ではオーマイニュースなどネットが大きな力を発揮していると言うが、我が国ではチョっと様子が違う。代表的なのは、小沢さんの「政治とカネ」の問題で、検察の情報リークによる世論操作の疑いで、小沢さんを擁護する記事が多く「政治とカネ」の問題を歪曲する結果になった。

 「ネットは怖くないか」と言うのが一般的な見方だ。書き込みにマナーがなく、誹謗中傷が横行していることだ。オーマイニュース創刊時にも記名か無記名かなど書き込みが問題になったが、市民メデイアの一番の問題点だ。

 こんなことでは、スポンサー、広告も付きにくいだろう。

 また、一般の世論調査とネット記事内容は違った傾向があったような気がする。ネットサーフィンだけで世の中を見ようとすると間違うことになる。

 市民参加型ニュースサイトの運営も苦戦が続いたようだ。

 「誰でも記者になれる」がうたい文句であり、当初は登録記者数1万人を目指したが、結局は5000人足らず。オーマイニュース、janjan両方に登録した記者もいたはずだ。ニュースサイトを見ていると、投稿者は限られている感じがしたが、実際に記事を書いたことがあるのは、5%程度らしい。

年齢構成などを問い合わせた結果、20代17%、30代33%、40代26%、50代13%そして60代6%ということだった。ネット社会は若者で持つようだが、団塊世代を取り込むことには成功しなかったようだ。
広告を載せる効果があるページビュー(PV)は一日100万PVと言われているようだが、創刊当初は100万あったが、コメント欄書き込み規制なども影響し35万、20万と落ち込む結果になった。

 PVと記事へのアクセス数、どんな記事が多く読まれていたのか知りたくて、オーマイニュースに問い合わせたが、企業秘密で教えてもらえなかった。

 記者の書く記事の「ニュース・ソースは何だったか」とも問いあせたが、それは公開していないという。新聞の危機を訴え「新聞はネットに殺されるのではないか」と言われる。市民記者の書く記事のニュース元は、新聞 → テレビ → ネットのニュースサイトになっているのではないだろうか。朝のテレビの情報番組は新聞記事の紹介だ。

ネットでのニュースサイトの維持は大変だ。大手新聞社だって苦戦している。休刊、廃刊は仕方ないことだ。

大衆迎合に惑わされず、あふれる情報をどう受け止めるか


 あの大衆迎合に流された感のある政権交代は「真夏の夜の夢」だったのか。

 毎日溢れ飛ぶ情報をどう受け止めるか? 大衆迎合に流されず、自分でしっかり検証し、その真偽を判断しなければならない。受け手の質が問われるのだ。

 今一番問われているのは、「民主党政権を本当に信じて良いのか」だろう。

 政権トップ2人が、「政治とカネ」のスキャンダルを抱えている現状は異常である。鳩山さんは「知らなかった」といいながら、贈与税を納付した。しかし、贈与は送る側と受ける側が了解しなければ成り立たないことである。今回は鳩山さんは「知らなかった」のだから贈与は成り立たたず、脱税である。

 小沢さんの土地取引に何する疑惑では、検察が情報をリークし、メデイアを操作、小沢悪者の流れを作ったと国家権力への反感を煽った。検察など捜査機関の情報リークは確かに問題がある。しかし、検察の不起訴処分で小沢さんは「潔白」という判断には無理がある。

 私も以前、小沢さんが自民党を飛び出し作った新進党を指示したことがある。しかし、突然解党した。当時、岡田さんも言うように、なんら解党すべき理由が見あたらなかった。
考えるに小沢さんを取り巻く人間関係(権力関係)が小沢さんの意向に沿わなくなったのだと思ったが、残った政治資金の私物化も目的だったのかと疑う。

小沢さんの掲げる国会改革は、小選挙区制、党首討論、政治倫理審査会、族議員の排除、国会答弁の官僚排除など目的から考えると、見るべきモノがある。しかし小沢さん本人はこの改革とは異なることをやっている。

 小沢さん自身の「政治とカネ」の問題でどうして政治倫理審査会で説明できないのか。族議員排除と言うが、実際には民主党の幹事長に権限を集中し利益誘導、選挙のための集票マシーンになっている。先の永作県知事選では、以前の自民党にも勝るあからさまな利益誘導の戦法をとった。

 民主党が掲げた政策も予算面で無理が出てきた。まだ政権について半年だから、酷評も気の毒ではあるが、選挙目当ての耳さわりの良いマニフェストの達成率は5%以下という。

 特に予算編成には、これで良いのかと心配になる。一般会計の92兆円の内訳は、税収37兆円、その他11兆円、赤字国債44兆円。税収を超える赤字予算は先進国一の赤字国家だ。国の長期債務は800兆円を超えるが、国民の資産がまだ1400兆円あるので大丈夫という理屈も成り立つが、IMFは後10年で日本は行き詰まると警告している。

 景気対策も含め、「財政再建か財政出動か」が問われるが、民主党は財政再建(健全化)に軸足を置いた。

 消費税増税しかないだろうと国民は思っているが、票を減らす増税を口に出せない政権与党の苦しい立場がかいま見える。しかし、増税して政権を去ることも考えなければならないだろう。それが民主党か自民党かは分からない。

 小沢さんは、参議院単独過半数を目指し、参議院候補者を約90人公認し、更に2人区に2人を擁立しようとしている。衆参で安定政権を築き、自分の好む政治を進めようとしているのだろうが、自民党壊滅を念頭に置いているらしい。

 しかし、これは何時でも政権交代が可能になる二大政党制に反する。

 今、「どの政党に投票するか」のあるメデイアの調査結果では、民主党22%、自民党20.8%、みんなの党3.6%だった。確か今までの世論調査では民主党約30%、自民党約205弱だったことを考えると民主党は支持を落としてきた。

 政治、経済両面で難しい政局が続くが、小沢流政治にはどうしても疑問符が付く。

2010年3月2日火曜日

チリ地震大津波警報:災害情報も受けて側の判断次第


今回のM8.8の巨大なチリ地震は、遠く離れた我が国でもいろんな教訓を残した。

 思い出すのは、2007年1月13日に千島海溝の深さ30kmでM8.3の地震が発生したときに、我が国でも津波警報1m、注意報0.5mが北海道から和歌山県に至る海岸線で発せられた。

 この時、NHKテレビニュースは、「津波に注意してください。海岸日回避とは安全な場所に避難してください」と繰り返し放送した。警報が発せられている自治体の総務課長には電話インタビューでは「防災無線、広報車で勧告している」と言うことだったが、予め作成されたハザードマップで危険地区を指定して避難させた自治体はなかったようだ。ズッとテレビを見ていて緊張感がなく、「津波1mは、まだ安全なのか」と言う記事を書いた。

 今回気象庁は、最大で3mの大津波警報を出した。 避難指示・勧告を受けた人は146万人に及んだ。しかし、津波の高さは最大で1.2m、避難した人は指示・勧告された人の6%だったという。公共交通機関をはじめ,警報に対する対応はマチマチだったようだ。

 前回の1960年の時は、3~4mの津波を経験し、多くの人が犠牲になったことを考えるとチョット寂しい。

 こういう災害情報の有益性は、受け手側がどう判断し、行動するかが大きく影響する。

 気象庁は、予測が過大だったことを陳謝したが、これは仕方ないことではないか。もし問題があるのであれば、予測値に例えば2~3mと幅を持たせて公表すればよいのではないか。災害予想を躊躇してはいけない。

 そもそも正確に予測することは難しい。津波予想シミュレーションの「カオス現象」という問題がある。初期値のわずかの違いで結果が大きく異なるのだ。今回は地震の規模であるマグニチュードの取り方で差が出てきたのではないか。気象庁は当初、M8.6とみて、津波の高さは1m程度と見ていた節があるが、米国地質調査所がM8.8と発表したので、それに従ったため高めの予測になったのではないだろうか。

災害の被害を少なくするためには、少しは大きめの予報も仕方ないことだと思う。予報を受けて余裕を持って避難することが大切であるが、地方の市町村では可能であっても、首都圏など大都市では大混乱が起きる可能性がある。
 我が国では、近い将来必ず東海地震、東南海地震、南海地震など巨大地震の単独または同時発生も予測されている。東京、名古屋、大阪など大都市での津波対策は簡単ではない。

 「1mは、まだ安全」と考えていては、対策にならない。

2010年3月1日月曜日

自民大敗の要因トップは「政権の投げ出し」

自民党は、先の総選挙での敗北の総括も出来ないうちに、地味で、国民受けする顔とはほど遠い谷垣さんを総裁に担ぎ再出発したが、参議員候補者選び、国会審議・戦術では旧態然としたままのようで、予算審議、「政治とカネの問題」では民主党への攻撃も精彩を欠いている。議席数の大差は、いかんともしがたい状態である。

 総括が出来ないために、自民党再生も覚束ない中で、自民党群馬県連が、17700人の党員を対象に「自民党再生アンケート調査」を実施し、ホームページで公開した。

 自民党が歴史的敗北を喫した原因として、「首相の政権投げだし」21.5%、「生活者の視点が足りない」17.5%、「古くさい体質」16.3%、「小泉構造改革の付け」11.1%、「マスコミの影響」9.7%、「派閥政治が良くない」9.4%、「候補者の人材不足」6%、「小選挙区の弊害」4.3%となっている。

大方の国民が想定した要因だろう。安倍→福田→麻生への政権交代は確かに異常な状態だった。小泉郵政民営化選挙で圧倒的多数で信任された自民党が、総裁、総理を選ぶのだから、この政権たらい回しも何ら問題はないとの見解だったが、総裁選びが「実力よりも時の人気者に移った」ことは反省すべきである。

新政権について、政策推進に当たっての「財源への説明不足」、「連立のほころび」が指摘されているが、一方で「脱官僚や政策」への期待がされている。「政治とカネ」の問題を抱えているが、鳩山首相を信頼し、小沢さんの手腕に期待する向きもある。

 ある党員は「今の生活は最悪、何か変わって欲しい」と「国民目線での政治」の必要性を説いている。自民党員も何らかの変化を求めているのだ。「今回は民主党が良くて投票したのではなく、お灸を据えるためで、負けたのではなく飽きられたのだ」という意見には自民党、民主党もよく考えるべきである。

では、「今の自民党に必要なモノは」との問に、「党再生のイメージ」(28.8%)、新鮮さ(22%)、若さ(17%)が上げられている。

  自民党の古くさい体質は、世襲議員や長老議員の多さ、新人候補者の人材不足、世代交代が遅れたことだろう。若者を政治に参加させる努力が足りなかったことも若者にそっぽをむかれた原因に上げている。

 私の知っている衆議院議員も先の選挙で落選した。地方の旧家の出身で代々国会議員であったが、有権者の世代交代に対応できていなかったことが敗因だと指摘されていた。
また、自民党の候補者は殿様のようで、住民にとけ込んでいないし、国会議員よりも秘書が威張っている。一人の人間として自覚が足りないと指摘する人もいる。議員が政府や党の要職についたり、党の実力者と言われるようになると秘書の態度も大きくなり有権者に反感を買うこともあるのだろう。「候補者が悪く、選挙民がバカすぎる」とまで言う人もいる。

 国会審議で年配のかって実力者が質問に立ったり、参議院選候補者に先の衆議院選で落選した人の名前が挙がるたびに、人材不足を感じる。

 兎に角、自民党には、若くて力ずくでもグングン引っ張っていく人材が求められているようだ。

 「候補者が悪く、選挙民がバカすぎる」では、自民党どころか、国民が浮かばれない。