2011年9月7日水曜日

立川断層M7.4:メデイアの騒ぎをよそに地元は意外に冷静?





















メデイアは、首都圏に大きな被害を起こす断層として立川断層、三浦半島断層周辺を取材し、危険をあおり立てる。でも発生確率がどの程度上がったのかはわからないので地元は困惑するが、首都直下地震、多摩直下地震に対する対応で立川地震にも取り組んでいくという。

東日本大震災前は、30年以内に発生する確率が0.5~2%で主要活断層の中ではやや高い部類であった立川断層が、震災後、地殻変動で地震を起こしやすい状況になり、地震発生確率が高まったと中央防災会議は公表した。

埼玉県飯能市~東京都府中市にかけて約33kmの立川断層が動くとM7.4、私に住んでいる東京・大田区も6弱だ。

7日、その立川市を訪れた。断層上にどんな構築物があるのか、断層の位置を表示し、どんな防災対策をしているか見たかったのだ。資料としては立川市のHPの断層地図から道路マップに想定断層位置をチェックした。

JR南部線で立川駅についた。駅前は高層ビルが林立し大きく変化していた。西国立駅の方から立川女子高付近を通り、多摩モノレールの高架を横切り、自治大学校、モノレール運営基地、阿豆佐味天神社付近、玉川上水大曲付近を断層が走る。

裁判所や国立の研究所が建ち並ぶが、結構空地も確保した佇まいだ。断層の上を避けた都市づくりかと思ったが、そうでもなさそうだ。

立川市役所があったので、立川断層の位置図と話を聞くために防災課に寄った。

「ここが断層の上と分る表示がされていないのはどうしてですか」と聞くと、担当者は「位置が確定している訳でもないし、想定の位置なので、表示などはしていない」というが、
立川市の立川断層の地下構造調査が泉町(モノレールの運営基地や広域防災基地のある辺)で行なわれた結果では、断層付近で地層が大きくたわみ、地下深くでは断層の両側の岩盤が大きくズレていることが分ったそうだ。

「でも、断層から15~20m離れれば影響は極端に減少する事を考えれば必要なのではないですか」と言うと「実はそうとも言えないんです。地震の揺れは広範囲に及ぶが、建物が大きな被害を被るかどうかは、地盤の善し悪しが影響するので、基礎をしっかりやることなんです」と、同時にもらった「東京の活断層 立川断層帯を調査する」の資料の「活断層との共存」の章の「活断層の真上だから怖い?」の項目を示しながらの説明だった。
立川市のHPの「立川断層帯について」(201.8.10)でも、地震の大きさは揺れで決まるが、武蔵野台地は地盤としては良いところで、関東大震災でも地震による倒壊率は0%だったと地盤の良さを主張している。

でも、直下に断層の存在が想定されているのに、地盤が良いというのはどういう事なのか。おまけに関東大震災の震源は、小田原付近で遠く離れているのだ。

今回の震災で、発生確率が何%上がったかは算出できていないらしい.ただ1段上がったことは間違いないが,何段上がると地震が発生するかは分らない処に,市の担当者に迷いと困惑がある。「国がはっきりして欲しい」という。

写真上段左:立川断層が走っていると想定される立川女子高付近 2011.9.7

写真上段右:玉モノレール高松駅の手前の高架下を立川断層が横切る 2011.9.7

写真中段:立川断層地震の分布図 地震「主と直下」高まる危機 東日本大震災で地殻変動が 毎日jp 2011.8.10

写真下段:立川断層位置図 立川市のHPから道路マップにうつす

[後記]
立川断層帯 「横ズレ型」の可能性 東大地震研  2013.2.7 読売新聞
東大地震研が6日、M7.4が想定される立川断層帯について、武蔵村山市で実施しているトレンチ調査を報道陣に公開した。
従来考えられていた逆断層ではなく、「横ズレ型」の可能性が高いことが分かった。揺れの想定が変更される可能性があるという
                                      (2013.2.7)

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