自民党は総裁選挙で何が変わったのか。失った保守層を取り戻そうと保守層最右翼の高市氏が総裁に選ばれた。その結果、保守を鮮明にし政策は信頼する安倍政権のアベノミクスを継承するという。尊敬するのはサッチャーと言って和製サッチャーを標榜する。
しかし、高市氏の思うようにはいかない。急激な変化は野党に警戒感を植え付ける。
政治とカネの問題で根本的解決に至っていないまま選挙を戦い、多くの議席を失った。これを危惧する公明党が自公連立政権から離脱を宣言した。高市氏は「一方的に通告された」というが、公明党を甘く考えていたのではないか。
先の総裁選では麻生氏が高市総裁誕生に大きく貢献(?)し、経過を見れば古い自民党の体質を再確認したようなものだ。
一方、政策面も安倍政権時のアベノミクスの継承らしい。異次元の金融政策、積極的な財政出動、そして規制緩和だ。いわゆる3本の矢だ。
金融政策では金融緩和を長期に継続し景気を過剰気味に保って潜在能力の強化、賃金を上昇し続けるという考え方か。
しかし当時はデフレでアベノミクス開始時とは状況が違う。今は物価上昇も2%を超えインフレ状況だ。このまま金融緩和を続ければさらなるインフレになる。物価高対策は緊急の政策課題というが、どうなのか。
財政政策でも積極的は財政出動だ。今まで財政出動しても一向に景気は良くならない。車金が増えるばかりだ。
その点、財政健全化も視野に入れると純債務残高の対GDP比を今後引き下げていくという。いまは136%で米国は94%に比較しても悪い状況だ。先進国でも一番に悪い。
規制緩和はどうか。いろいろ検討されたが既得権益者が反対する。高市さんは「働き働き働け」というが、さっそく反対されていた。
アベノミクスは当時、正統派経済学者が皆反対していた。「検証を受けていない」学説だと言っていた。今同評価されるか。
一強独裁政治を成し遂げた安倍政権時とは今は違うのだ。
そして、一番大事なことは政局運営ができるかだ。
今は少数与党、単独では過半数を取れない。野党と連立が必要になるが、高市さんのように保守色を強く出せば他の野党は尻込みしないか。
公明が連立を解消した事実は大きい。単独自民にどの党が連立するのか。
高市総裁は短命に終わるか。場合によっては解散総選挙で国民に高市政策の信を問うことになるか。
0 件のコメント:
コメントを投稿