やっと総選挙の公示になった。
未だ、マニフェストの検証がされているが、その論点は政策もさることながら、財源に尽きているようだ。その曖昧さを麻生さんは、責任力で民主党を反撃している。しかし、自民党だってこの10年で300兆円の借金を積み上げ、今は確か820兆円位になっている。自民党の責任はどう考えているのか。
ところで、各党がマニフェストで政策を競い合っているが、概して総花的で優先順位を付けた政策実現が大事だと批判されている。
麻生さんは、経済成長率もプラスに転じたし、景気回復の実感はまだ湧かないが、自分が日本経済を回復させるので、このまま政権を執らせて欲しいと訴える。
確かに、職探しをやっている人の話を聞くと、30回面接を受けてもまだ見つからず、以前厳しい状況に変わりはないらしい。
それなりの職を見つけ、収入を得るだけでなく、景気が回復し、企業も儲け、給料も上がる事が重要であるが、今は低価格競争の真っ最中である。ある家具メーカーは、「更に値下げしました」をキャッチフレーズにしている。その経営者は「儲けようとすると客は来ないが、損しようとすると客が来る」と、今の小売市場を良く言い表している。
なかなかデフレから脱却出来る状況にない。雇用や家計に大きな足かせになっている。
現状は、残念ながら年収200万円以下の人が1000万人にも達し、生活保護は月13万円であるが、働いても月10万円というおかしい状況になっている。
「安心、安全」「生活第一」を訴えるのであれば、若年労働者を含めた、「労働者の生活確保」が最優先課題になって当然である。
民主党は最低賃金で全国平均で1000円を目指すという。今は地域によって異なるが600~700円だろう。
これは中小企業にとっては問題でもあるらしい。パート従業員の給料上げると、正社員の給料も上げなければならなくなる。もろに人件費にきいてくるのだ。今の状況で実効性のある政策なのか。
大企業はリーマンショック以来、派遣社員や期間従業員の契約解除で、その場をしのいできた。しかし、中小企業の経営者は、最後の最後まで雇用の確保を目指した。従業員の解雇は、即廃業なのだ。 わたしも昨年東京都大田区の中小企業街を見て歩いたことがあるが、「何故大企業は、もっと踏ん張れないのか」と批判する経営者にあった。
大企業だって勝手なことばかりやっていてはダメだ。人件費を抑えて儲けるだけ儲けてまずくなったら首切りでは企業の社会的責任を果たしたことにならない。企業の収益に貢献した割合だけ、何らかの救済をするべきである。儲け逃げは許されない。
非正規雇用者税など、税金で何らかのセーフテイーネットの構築が必要になる。
結婚、子育て、持ち家などの生活環境を確保することは、将来にわたり良質の労働力の再生産、供給に重要である。これが出来なければ、ゆくゆくは企業の存続にも関わってくる。外国人労働者や海外進出ばかりで対応出来るモノではない。
景気が回復すれば、税金での救済はしなくて済むが、それまでは救済が必要である。若者の生活環境の確保こそ景気回復へと繋がるのだ。
生活格差も学歴格差と関連している。中学校しか出ていない。高校は中退した人達には、技術取得の道を開く必要があるが、要はそうした人を受け入れる職種、企業があるかと言うことだ。企業にとってみれば、経験のある人材の方が良いに決まっている。
メデイアで、生活苦を見るたびに、考えさせられることが多い。
シングルマザー、シングルパパとして奮闘している人達も多いようだ。丁度、子供さんが孫と同じ年代なので、余計にそうなる。シングルマザーには補助金がつくが、シングルパパには補助金がつかないと言うおかしげな事もある。収入面を考えれば男の方が多いのは当然としても、子育てを考えると、通常の仕事には就けないはずだ。おなじような補助が必要だ。
このような話を聞く度に、おじいちゃん、おばあちゃんはどうしているのかと疑問に思う。理由が離婚か死別か分からないが、家族での助け合いはどうなっているのか。
最近のアンバランスな問題が頭に残っている。
宇宙飛行士の確か野口さんが、4ヶ月という長期の宇宙生活から、無事帰還出来たとして、大喜びの映像を見ながら、一方で、緊急時に患者を病院へ運ぶドクター・ヘリの運営がピンチだという。
250回の出動で補助金が出されているが、この出動回数が2~3倍にのぼり、一機あたり年間約1億円の赤字だという。その赤字分はヘリ会社が社会的責任を考え他の収益から補填しているというのだが、全国で18機が稼働しているので年間20億円の赤字だ。
宇宙開発に何を期待しているのか分からないが、莫大な予算が使われているのだろう。その予算の一部を削れば、貴重な生命を救う事の出来る救急救命事業を継続することが出来るのだ。
また、この特集を見ていて驚いたことがある。このドクターヘリを飛ばしている企業が作った機構の理事長に国松さんがついていることだ。警察庁長官の時に、マンションを出て直ぐに、オーム真理教の人間に狙撃された人なのだ。その後スイス大使になったと聞いているが、今、機構の理事長になっている。
高級官僚の天下り、渡り(?)の現実をここでも見ることが出来た。いつまで経っても仕事に有り付ける国家公務員の利得は頭に来る。
財源がないのであれば、なおさらのこと、優先順位を付けた政策課題に取り組まければならないし、仕組みも見直して欲しい。そこに民主党への期待があるのだろう。
ノーベル賞受賞のクルーグマン教授も指摘している。
今、最も弱い人をアメリカや日本でたすけることは、需要を維持するために良いことだ。裕福な人に優遇税制措置をしても経済効果はない。今やるべき事は、失業手当を強化して、出来るだけ弱い人をたすけることだ。個人的な危機を乗り越えさせる事だ。「良き道徳はよき経済学である」(危機突破の経済学 ポール・クルーグマン PHP 2009.6.17)。
未だ、マニフェストの検証がされているが、その論点は政策もさることながら、財源に尽きているようだ。その曖昧さを麻生さんは、責任力で民主党を反撃している。しかし、自民党だってこの10年で300兆円の借金を積み上げ、今は確か820兆円位になっている。自民党の責任はどう考えているのか。
ところで、各党がマニフェストで政策を競い合っているが、概して総花的で優先順位を付けた政策実現が大事だと批判されている。
麻生さんは、経済成長率もプラスに転じたし、景気回復の実感はまだ湧かないが、自分が日本経済を回復させるので、このまま政権を執らせて欲しいと訴える。
確かに、職探しをやっている人の話を聞くと、30回面接を受けてもまだ見つからず、以前厳しい状況に変わりはないらしい。
それなりの職を見つけ、収入を得るだけでなく、景気が回復し、企業も儲け、給料も上がる事が重要であるが、今は低価格競争の真っ最中である。ある家具メーカーは、「更に値下げしました」をキャッチフレーズにしている。その経営者は「儲けようとすると客は来ないが、損しようとすると客が来る」と、今の小売市場を良く言い表している。
なかなかデフレから脱却出来る状況にない。雇用や家計に大きな足かせになっている。
現状は、残念ながら年収200万円以下の人が1000万人にも達し、生活保護は月13万円であるが、働いても月10万円というおかしい状況になっている。
「安心、安全」「生活第一」を訴えるのであれば、若年労働者を含めた、「労働者の生活確保」が最優先課題になって当然である。
民主党は最低賃金で全国平均で1000円を目指すという。今は地域によって異なるが600~700円だろう。
これは中小企業にとっては問題でもあるらしい。パート従業員の給料上げると、正社員の給料も上げなければならなくなる。もろに人件費にきいてくるのだ。今の状況で実効性のある政策なのか。
大企業はリーマンショック以来、派遣社員や期間従業員の契約解除で、その場をしのいできた。しかし、中小企業の経営者は、最後の最後まで雇用の確保を目指した。従業員の解雇は、即廃業なのだ。 わたしも昨年東京都大田区の中小企業街を見て歩いたことがあるが、「何故大企業は、もっと踏ん張れないのか」と批判する経営者にあった。
大企業だって勝手なことばかりやっていてはダメだ。人件費を抑えて儲けるだけ儲けてまずくなったら首切りでは企業の社会的責任を果たしたことにならない。企業の収益に貢献した割合だけ、何らかの救済をするべきである。儲け逃げは許されない。
非正規雇用者税など、税金で何らかのセーフテイーネットの構築が必要になる。
結婚、子育て、持ち家などの生活環境を確保することは、将来にわたり良質の労働力の再生産、供給に重要である。これが出来なければ、ゆくゆくは企業の存続にも関わってくる。外国人労働者や海外進出ばかりで対応出来るモノではない。
景気が回復すれば、税金での救済はしなくて済むが、それまでは救済が必要である。若者の生活環境の確保こそ景気回復へと繋がるのだ。
生活格差も学歴格差と関連している。中学校しか出ていない。高校は中退した人達には、技術取得の道を開く必要があるが、要はそうした人を受け入れる職種、企業があるかと言うことだ。企業にとってみれば、経験のある人材の方が良いに決まっている。
メデイアで、生活苦を見るたびに、考えさせられることが多い。
シングルマザー、シングルパパとして奮闘している人達も多いようだ。丁度、子供さんが孫と同じ年代なので、余計にそうなる。シングルマザーには補助金がつくが、シングルパパには補助金がつかないと言うおかしげな事もある。収入面を考えれば男の方が多いのは当然としても、子育てを考えると、通常の仕事には就けないはずだ。おなじような補助が必要だ。
このような話を聞く度に、おじいちゃん、おばあちゃんはどうしているのかと疑問に思う。理由が離婚か死別か分からないが、家族での助け合いはどうなっているのか。
最近のアンバランスな問題が頭に残っている。
宇宙飛行士の確か野口さんが、4ヶ月という長期の宇宙生活から、無事帰還出来たとして、大喜びの映像を見ながら、一方で、緊急時に患者を病院へ運ぶドクター・ヘリの運営がピンチだという。
250回の出動で補助金が出されているが、この出動回数が2~3倍にのぼり、一機あたり年間約1億円の赤字だという。その赤字分はヘリ会社が社会的責任を考え他の収益から補填しているというのだが、全国で18機が稼働しているので年間20億円の赤字だ。
宇宙開発に何を期待しているのか分からないが、莫大な予算が使われているのだろう。その予算の一部を削れば、貴重な生命を救う事の出来る救急救命事業を継続することが出来るのだ。
また、この特集を見ていて驚いたことがある。このドクターヘリを飛ばしている企業が作った機構の理事長に国松さんがついていることだ。警察庁長官の時に、マンションを出て直ぐに、オーム真理教の人間に狙撃された人なのだ。その後スイス大使になったと聞いているが、今、機構の理事長になっている。
高級官僚の天下り、渡り(?)の現実をここでも見ることが出来た。いつまで経っても仕事に有り付ける国家公務員の利得は頭に来る。
財源がないのであれば、なおさらのこと、優先順位を付けた政策課題に取り組まければならないし、仕組みも見直して欲しい。そこに民主党への期待があるのだろう。
ノーベル賞受賞のクルーグマン教授も指摘している。
今、最も弱い人をアメリカや日本でたすけることは、需要を維持するために良いことだ。裕福な人に優遇税制措置をしても経済効果はない。今やるべき事は、失業手当を強化して、出来るだけ弱い人をたすけることだ。個人的な危機を乗り越えさせる事だ。「良き道徳はよき経済学である」(危機突破の経済学 ポール・クルーグマン PHP 2009.6.17)。
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