2010年6月12日土曜日

相変わらずの政界ドタバタ劇:その背景に曖昧な連立合意と選挙


自民党の安倍内閣以来、4日前に樹立したばかりの菅内閣まで相変わらずのドタバタ劇が続いている。背後に曖昧な合意と選挙、「国民のための政治」と口幅ったく言うが、自分たちの政権を何とか維持したいだけのことだ。

自民党の国民の信を問わない政権たらい回しを、民主党は批判したが、その民主党も政権のたらい回しで、菅内閣が発足した。その結果鳩山政権で10%台だった支持率が、V字型に回復、連立与党の国民新党との約束であった郵政改革法案の今国会の成立を反故にし、廃案にして7月11日の参議院選投開票となった。

社民党に続いて「国民新党まで連立離脱か」と注目したが、深夜に及ぶドタバタの挙げ句、責任を取って亀井さんの大臣の辞任、交代と連立維持という不可解な結果になった。「誰に対して責任を取るのか」、「離脱をしないのか」と亀井さんに質問が飛んだ。

その背景には選挙がある。どうしても政党、内閣支持率の世論調査が気にかかる。

何としても人気のある人を総理候補に担いで、政権を維持しようとするが、国民が期待する首相と政党の党首候補は、往々にして違う場合がある。国民に人気があっても、政党内では全く人気が無く、当然のことながら国民にとっては期待はずれで、世論調査結果も良くない。

このままでは目がないと思った「オレがオレが」の議員が党を飛び出し、新党を結成するが弱小政党だ。大山鳴動ねずみ5匹と言うことになる(大騒ぎするが、政党の条件である5人の確保がやっと)。

弱小政党は、生き残りをかけて連立を組み、自分の政策を活かそうとする余り曖昧な政策合意になり、肝心なところで政権離脱か維持かの判断が要求されるようになる。結局振り回されるのは、数あわせで連立した多数政党であり、国民だ。

それにしても考えてみよう。もし選挙が間近になかったらどうなったか。

自民党時代の福田→麻生のたらいまわしは、任期満了による衆議院選があったから、いろいろ批判を浴びた麻生政権も1年で終わった。

しかし、今回の民主党の鳩山→菅へのたらいまわしは、夏の参議院選がなったら、もっと鳩山・小沢体制の政権が続いていたことになる。鳩山さんは自分から止めると言わない限り、誰も降ろすことは出来ないのだ。

社民党の連立離脱は避けられなかったかも知れないが、国民新党とのゴタゴタはなかったはずだ。

「政治とカネ」、「普天間移設問題」という爆弾を抱えたまま、内閣改造を繰り返しながら後2年ぐらいは、権力二重構造で不安定な鳩山・小沢政権に耐えて行かければならなかったのだ。

ところで、連立で数あわせをしなければならないような政策が、本当に「国民のため」の政策(制度/法案)なのか。反対がある政策には、それなりの重大な欠陥があるからではないか。

国民新党が一丁目一番地にしている郵政改革法案も、衆議院で強行採決されたが、今国会では廃案になった。国民新党は民主党との政治合意を掲げて、今国会での成立を目指したが、叶わなかった。参議院戦後は民主党の獲得議席数で、又どうなるか分からない運命の法案だ。
民主党菅内閣は、「開かれた政治」をめざすという。わかりやすい政治をやってもらいたいモノだ。
写真:郵政改革法案先送りで亀井大臣辞任と、連立維持を報じるテレビ

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