2010年6月14日月曜日

逆説:小沢一郎さんの功績

小沢さんも、要職を去り、彼曰く一兵卒になったが,政界は小沢抜きの政局に一段と苦労することになった。今までは、反小沢、「政治とカネ」を訴えていれば良かったが、これからは政策が本題になる。

ふり返って考えれば、小沢さんにはいろいろ黒い部分が多く政治家としては好ましくないが、逆説的であるがそれなりに功績もあった。

小沢さんのことは、ほとんど知らないが、彼の力の源泉を考えると自民党時代は、背後に権力者の権勢に頼り、新進党結党以降は政治資金、数の力に頼る面が大きかった。

自民党時代は、派閥の権力者の覚えが良く、若くして幹事長などの要職に付いた。印象に残っているのは、都知事選で鈴木さんの多選を阻止するためにNHKの磯村さんを担いだことだ。結果は意に沿わず、辞任した。潔い決断と思ったが、激しい党内批判に屈したのだ。

もう一つは、自民党総裁選で、自派から候補者を立てることが出来ず、4人の候補者を面接してきめることになり、大先輩の宮沢さんを事務所まで呼び出したことだ。宮沢さんは、支持欲しさに「大幹事長」と煽てていたが、腹の中では「この若造が」と怒っていたかも知れない。メデイアもその姿勢を批判した。

その後、自民党を離党し新進党結成になった。表向きは「新しい政治」を目指すと言うが、派内の権力闘争に負けたのだ。

表面上は、新しい政治を目指し政治改革を訴えていたが、その政治手法、党内把握は旧態然とした古い自民党以上の悪しきモノであった。政治資金と「数の力」は小沢さんの力の源泉であったが,その無理が疑惑の根源になった.

しかし、悪くばかり言われているが、小沢さんにも功績があるんだ。

民主党がピンチの時に、代表そして今回の幹事長の職を辞すると人気が回復した。人気が落ちた原因は小沢さん自身にあるとしても、民主党を助けたことになる。

また、「反小沢」で若手、中堅議員などを育てたことだ。反小沢がなかったら、菅さん、仙石さん、前原さん、枝野さん、玄葉さんなど、今政権中枢でがんばっている議員の存在は薄かったのではないか。

そして、金権体質の追放に国民が立ち上がった。小沢辞任は国民の80%の人が要求していたし、検察審査会は、検察内の事情で不起訴処分になった小沢さんに「起訴相当」の議決を突きつけた。2回目の議決によっては「強制起訴」に繋がる事態になっている。

国会自体の不正に対する積極的な自浄作用が起きてこない事態に、国民が「政治とカネ」の問題に立ち上がったことになる。

参議院選での、タレント、スポーツ選手、芸能人などの候補者が乱立している。候補者選考難の時代に、安易に人気者を票集めに使う手法は、政治を甘く見ている。閉塞感を打開しようと「反小沢」で結党した他の党も人選難で、訳あり候補者が多い。

有権者を舐めた候補者選考に、有権者はきっぱり判断を下すべきである。

小沢さんの存在は、良かれ悪しかれ政界に緊張感があった。第一線から身を退いた今、「仮想敵」がいなくなり、参議院選でも戦術を見直す動きもある。

これからは、政策本位で各党が戦って欲しい。小沢さんも「これが民意だ」と政府を突っついていたが、これからは各党が民意を取り込み、小沢さんの言うように国会を通年開会で、しっかり議論すべきである。

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