2011年7月31日日曜日

やらせメール事件:県知事、保安院 お前もか







電力会社の「やらせメール」が問題になっているが、真相が明らかになるに従い、「保安院、県知事よ お前もか」の様相を呈してきた。

九州電力玄海原発再稼働での経済産業省主催の説明会での「やらせメール」事件が意外な進展をしている。古川佐賀県知事は、当初批判したはずだが、実は県知事が今回の問題の引き金発言をしていたのだ。更に中部電力、四国電力でも保安院の「やらせ」が明らかになった。

一連の新聞報道による、問題の発覚は九州電力の第三者委員会の調査だったようだ。県知事は当初「やらせ」を依頼したわけではないと否定していたが、「軽率だった」と釈明せざるを得なくなった。九電の関係者がそのメモを取っていたようで、「やらせメール」依頼文書にも添付されていたようだ。

九電は、県知事の政治生命に関する重大なことなので隠していたようだ。

更に、中部電力関連でも、2007年のくに主催のプルサーマルのシンポジウムで、保安院から「やらせ」の働きかけがあったが、コンプライアンスの問題もあり拒否したそうだ。結果的に安全・保安院長の謝罪会見になった。

そして、四国電力でも06年伊方町でのシンポジウムで保安院から口頭で要請があったという。

何で今、次から次へと類似の「やらせ」疑惑が出てくるのか。何かあると電力会社に批判が集中するが、コンプライアンスの問題もあり、責任回避を目論んでいるわけではないが、電力会社が実情を公開しているのだろう。

本来原子力の規制、安全確保が主務の保安院、再稼働を許可する自治体のトップである県知事が世論誘導ともとれる行為をしていたことに驚くと共に、当然だとの感もする。

保安院も規制と同時エネルギー対策もあり、原発を推進する立場にあるだろし、県知事だって電力会社から政治献金を受けているはずで、利益誘導も考えられる。

ところで、追う言った説明会の結果が再稼働の判断にどう影響するのか。新聞報道によると、玄海原発の場合、賛成286人、反対163人であるが、141人が「やらせ」と見ると反対者が賛成者の倍になる(一概にそうは考えられないが)。また、説明会のビデオを見たが、参加者の質問、国の説明がうまくいっていないように思える。説明会のあり方も問題ではないのか。

ところで、大きな問題が残っている。

九電は、この件で社長の交代、役員報酬の減額を決めている。では佐賀県知事、保安院の処分はどうなるのか。電力会社は実の行為者であったが、唆(そそのか)した側の責任はどうなるか。保安院には、自ら説明会の主旨に反する行為をやったことになる。

県知事の処分は佐賀県民が判断することであるが、保安院については組織の改編,責任者の処分は避けられない。

これからは、原発に関して自治体や国がやることに、疑いの目を持って当たらなければならない。エネルギー全般に対してもだ。

写真:謝罪会見をする佐賀県知事、保安院長 テレビ朝日 サンデージャポン 2011.7.31

菅総理 こんな自己満足の政治をやっていていいのか

菅総理の政治は余りにも自己満足ではないか。7月29日の夜の記者会見で「100点とは言えないが、やるべき事はしっかりやっている」と自己評価した。では、どうして国民、民主党、野党で「菅総理の早期退陣」を願う声が大なのか。

菅総理は、政治主導と称して唐突に受けを狙った政策を発表し、自分は満足しているが、国民は非常に困惑しているのだ。勿論今の状況下で根回しすれば、必ず潰されて何も出来ないことは分っている。

だからといって、身勝手に記者会見を開いて思いを表明するなど総理のやることではない。記者は、「何時退陣するか」しか注目していないのだ。案の定、会見しても質問はそこに行き着く。今までの記者会見で言ったことが真意だと言っても、「退陣する」ことを表明しているわけではないので、続投へ意欲を示したと報道される。

憲法では、「国政は、その福利は国民がコレを享受する」と記している。国益に沿っているか、国民に利益があるか、負担を強いても理解されるか、良く熟慮して慎重に進めなければならない。

そうは言っても菅総理が打ち出した政策が間違っているわけではなく正論も多い。だからこそ慎重に進めなければならないのだ。総理の口から出た政策が尻すぼみ、トーンダウンしては国民の信頼を失うのは分っていることだ。

菅総理の成獣手法は、間違っている。おまけに、直接は国民の信を問うていない。自民党政権でも行なわれたが、たらい回しなのだ。民主党議員、党員、サポーターの約35万人が投票し、小沢さんに勝ち総理の座に就いた処に、菅総理の負い目がある。

そして今、自ら議員の資格も問われる政治資金規正法違反疑惑が持ち上がっているが、国民を納得させる説明が出来ていない。その対応を、総理を辞任するまで、ずるずる引き延ばし責任を回避しようとしているようにも思える。

ポスト菅がどうなるか分らないが、いまのような政治不信は払拭されることを期待しているのだ。8月中の退陣をめざし、次の記者会見は「退陣会見」であって欲しい。

2011年7月30日土曜日

国民の評価とは裏腹に、菅総理は自分を評価している



菅総理は、国民の評価とは裏腹に、自分が進めている政策に自信を持っているのだ。自分のスキャンダルは棚に上げて、今後も続投する意欲を改めて強調している。

29日の菅総理記者会見は、復興基本方針の決定や原発低減に向けたエネルギー政策をまとめたことを国民に報告する目的だったようだが、トップニュースどころか29日の夜の菅総理記者会見の記事は、web版でも小さく、30日のメデイアの報道も重要視されていない仕方だ。

当然だろう。何ら新しい内容ではない。記者が一番知りたい辞任時期も「6月2日の代議士会、その後の記者会見で申し上げた言葉に責任を持ちたい」と従来の考えを繰り返しただけだ。

一言も「辞める」など言っていないのだ。菅総理にしてみれば、メデイアや周辺が勝手に想像しているだけのことだと言いたそうだ。

その短い記事から内容を拾っていくと、復興・復旧、原発事故の収束に全力を挙げて責任を果たすと言い、その中で第3次補正予算の編成にも取り組んでいくという。チョット待てよ、第3次補正予算は、新しい体制で取り組むのが民主党執行部の考えではなかったのか。

民主党は、執行部と菅代表がちぐはぐな動きをしている。

一方で、自分の内閣が必要なことをしっかりやっているかどうかは、自分なりに注意深く見ており、100点とは言わないが、しっかり取り組んでいると自己評価している。この考えは既に何回か聞いたことがある。

菅総理は、今退陣しなければならない理由がないと思っているのだ。8月中には決着が付くと言うが、コレでは与野党こぞって菅総理に振り回されているのではないか。

最近、小沢さんが「菅総理は辞めない」と言って居るそうだが、、当たっているかも知れない。

自らの外国人政治献金違法疑惑でも、参院本会議で、「外国人であることを知らなかった」と知らぬ存ぜぬの一点張りで、返金したのならば領収書の提出要求にも、政治資金収支報告書で添付すると繰り返すばかりだ。更に、出処進退については政治家本人が判断すべきで、菅さんは自分の使命を果たすことが責任だと強調し、前原外相とは違うという。

総理であり、政治家である以上は、政治資金規正法違反疑惑は率先して真実を究明しなければならず説明責任を果たしていないのが、今の菅総理だ。

権力の座の旨味を吸い尽くそうとする菅さんとの「政治ゲーム」は何時決着がつくのか。

写真:7月29日の菅総理記者会見を報じる 各新聞社web版

泣くな海江田さん、やるべきことをやって辞任せよ









29日のテレビニュースで、「海江田大臣 号泣」のタイトルが表示され、答弁中に涙ぐんだり、席について感極まってか、号泣する姿が映った。何のことかと思ったら、衆院経産委員会で野党議員から「早期に辞任」、「大臣の価値を落としている」と迫られての事らしい。野党にすれば、海江田さんを辞任させて、菅政権の崩壊へ持っていこうとしたようだ。

以前、海江田さんは「その時が来れば自分で判断して辞任する」と委員会審議で明言しているので、退陣時期をはっきりさせない菅総理と同じにも見えかねない。

確かに海江田さんを取り巻く状況は悪い。

九州電力の玄海原発の再稼働へ向けた手続きを進めて居るところに、菅総理が「ストレス・テスト」の導入を発言し、再稼働が頓挫した。海江田さんの面子は丸つぶれだ。経済産業省の方針にも菅総理は楔を打ち込んだことになる。

そしてメデイアの報道によると、「やらせメール」事件は、九州電力から中部電力、四国電力へも飛び火した。プルサーマル・シンポジウムへの参加を促すと共に賛成発言を依頼したというのだ。その要請が規制する側のはずの保安院なのだ。

中部電力の例ではコンプライアンスの関係から「まずい」と判断し保安院に拒否したが、浜岡原発関係者から依頼することになったらしい。約500人の参加者中、社員は150人程度だったという。

その時のシンポジウムの説明者が、今保安院のスポークスマンをやっている杉山さんだという。その杉山さんは、直接調査はせず、第三者委員会に託すとコメントした。

海江田さんは、緊急記者会見で「極めて遺憾なこと。徹底解明する」と謝罪した。

九州電力の「やらせメール」事件で、社長の引責辞任まで持っていったのだから、今度は経産相の辞任か事務次官の引責辞任だろう。

原発対応も右往左往している。

菅総理は、威勢良く「脱・原発」を表明したが、いつの間にか「減・原発」になり、そして電力需要の逼迫から原発の再稼働を認める方針に変わって来ている。
ここまで混乱させて、整合性出来るエネルギー行政が出来るのか。

良いとこ取りの菅総理、エネルギー行政官庁を飛び越しての政策発表、一見経産省の考えを代弁しているようにも思えるが菅総理との考え方の相違は、閣内不一致と見られても仕方ない。

重要なことは、電力行政は大きな曲がり角に来ていることだ。

原発をどうするか、保安院の独立、発送電分離など電力自由化、電力コストの検証は勿論のこと、悪名高い原子力村の解体、政官産の特権の排除などやることは多い。

海江田さんは、自分の考え通り辞任すべきであるが、経産省およびエネルギー行政の改革だけは前進させなければならない。早く辞めて欲しいと思っている菅総理も、そこにメスを入れようとしている感がする。


追記

その後、8月4日、経済産業省事務次官、資源エネルギー庁長官、原子力安全・保安院長の3人の更迭人事を海江田さんが発表した。背後に菅官邸に人事で手を突っ込まれないようにするために、急遽記者会見で発表したという事情もあるようだ。


しかし、この人たちは、当然引責辞任すべき立場の人間であり、その後任人事を見ても、順送り人事の様相を呈していることから考えて、海江田さんも役所に手なずけられた大臣の一人だったと残念に思う。


そして、後任者も全員が原発推進派だと聞くと、エネルギー政策はどうなるのか。経済産業省の利権、原子力村の利権を維持したままの人事だとすると、国民を馬鹿にした海江田人事(?)だ。


海江田さんに対する評価も変わったし、批判はされているが菅官邸の方が、まだマシの感がする。


こんな人がポスト菅の候補に上がっているとしたら、たいしたことはない民主党だ。



写真左:衆院経産委員会で、辞任を迫られ席で感極まって号泣する海江田さん 2011.7.29 民放テレビニュースより


写真右:エネルギー行政の改革、組織改革が必要な経済産業省

2011年7月29日金曜日

ソニー水族館:水槽の中の魚は人間が見えるか
















銀座を通ったついでに、ソニービルに開設された水族館に寄ってみた。蒸し暑い日だったが、水槽と泳ぐ魚類を見ると涼感が漂ってくる。水槽の中にはハナミノカサゴなど31種類の魚が泳いでいた。

水槽の周りには、見学者や通行人で一時立ち寄った人達十数人がカメラを構えていた。私達人間は魚と認識し見ることが出来るが、水槽の中の魚は人間をどう認識できるのか。

スタッフの女性に聞くと、「水やガラスがあるので形は少し違っても、見えてるはずだ」と教えてもらった。直ぐ魚眼レンズのことを考えた。

近くの図書館で魚の見え方、持っている器官の能力などを調べてみた。通常、魚は目、耳、鼻を持っていて動くモノ、モノ音に敏感だという。

魚の目は球形レンズで両側に1個ずつ付いていて、180度の広い範囲を見ることが出来る単眼視野があるが、平面でしか見えない。しかし、前方に両眼視野があり、ここではモノが常時立体で見えるという。ただ、球形レンズで視野が広いのではなく、少し目が飛び出しているので左右、上下まで広い視野が確保できるのだ。

補食や外敵を見る場合、前方へレンズを出したり、引っ込めたりして焦点を合わせ、立体的に見るのだ。

しかし、魚は総じて近眼だ。視力は0.1~0.6で、沿岸部の魚より回遊魚の方が視力が良く、より遠くを見る事が出来るが、海の中も30mを越えればその先は見えないのだから近眼であっても、その他の感覚器官が発達しているので支障はないらしい。

水槽の中の魚は、水槽近くの人間であれば形は少し変わっても見えるが、離れれば見えないのだろう。色覚もあって紫、青、緑、黄そして紫外線も色として感じるらしい。

以前、尾瀬に行った時、清流でイワナが静止したままの姿勢を保っていたので、暫く見ていたら突然水面から飛び上がって何かをくわえて水中に落ち、また静止状態になった野を見たことがある。

人間の目では確認が難しかったが、水面付近に近づいた虫を補食したのだ。魚の前方の両眼視野で球形レンズを出したり、引っ込めたっりして焦点を合わせ飛び跳ねたのだ。
鼻の臭覚も鋭い。サケは生まれた河川に帰ってくると言うが、その誘因物質は分っていないらしい。音にも敏感だ。海水魚の多くは浮き袋の突起が内耳に繋がっていて音を聞くのに役立っている。

魚に知能は高いのだ。

写真:ソニー水族館 2011.7.28

参考図書:魚の雑学事典 富田、荒俣、さとう 日本実業出版 2004.11

2011年7月28日木曜日

米・債務上限問題が世界経済をかく乱する













日本の国の債務が増えようが、IMFが増税を勧告する位であるが、米国の債務増は米議会で激しい議論を呼びおこし、世界経済を攪乱する。待っているのは金融危機の再来か。

米国は日本と違って債務上限が法で決まっており14.3兆ドル(約1123兆円)で、今その上限にある。そこでオバマ大統領は上限枠を2.5兆ドル(約195兆円)一挙に引上げようとしている。そうすれば次の大統領選までデフォルトの危険はなくなると言う。しかし、野党の共和党は、2~3段階で計2.5兆ドルを主張し、他の思惑もあってか議論が噛み合っていないらしい。

日本の債務残高も約1000兆円に迫っている。財政再建を考えると日本も米国も同じ状況で、ドルが売られ、円が買われる円高、ドル安が分らない。今日の為替は1ドル77.68円だ。野田財務相は「注視する」兎テレビで言っていたが、介入しても効果は限定的で円高傾向は続くのだろう。

東証へ株の動きを見に行ったが、債務引上げ問題の混乱と米国経済指標の一部悪化懸念から前日のNYダウ工業株198ドル下げを受けて世界的な株安になり、日経平均も午後9934.02円の112.17円安だったが、終値は更に下がって9901.35円で145.84円安の大ひけになった。

後で職員の人に言われて分ったのだが、節電のために7/1から9/30日まで見学は休止になっていた。今日は証券会社の投資説明会が開かれていて、たまたま潜り込んでしまったようだ。照明は消され電光掲示板も消されていた。コレでは株も湿り勝ちだ。

それにしても米国の「政治ゲーム」で世界経済の危機再来になってはならない。債務上限引上げの2.5兆ドルは同じで、一気に上げるか、段階的に上げるかの違いだが大統領選を睨んだ政治背景があるようだ。

しっかり議論して経済危機だけは避けて欲しい。

写真上段左:掲示盤は世界的株安を表示 ほとんどの人が見向きもしない 2011.7.28 みずお証券前 

写真上段右:見学休止で照明の消された東証内部 2011.7.28 東証

写真下段:株価などが表示されているだけの東証内部 2011.7.28

菅総理疑惑の献金問題:納得させる説明が出来るのか



少なくともクリーンな政治家と思っていた菅総理に政治献金で疑惑が明らかになった。領収書は提示できない、疑惑の政治団体への資金の流れも十分な説明が出来ないのでは、政治家としての資質を欠くし、総理の座に居座る事など考えられない。

即刻辞任し、国会議員を退くべきだが、他人に厳しく、自分に甘い菅総理に出来るか。出来なければ総選挙で落とすべきだ。

7月21日の参議院予算委員会をNHK国会中継で聞いていた。自民党の山谷さんが、外国人献金疑惑で返金したなら領収書の提示を強く要求していた。菅総理は「政治資金収支報告書で報告する」の一点張りで、審議は紛糾し理事会で「今夕までに方針を提示する」と言うことになった。その今夕に「前例がないので提示出来ない」の回答があった。

その後、野党から国会審議で「市民の会」への資金の流れで疑惑があると追及されたが、確か菅総理は「連携のための正当な支援だ」と言うばかりで、説明になっていなかった。

ところが、今日の読売新聞(2011.7.28)を見て、「市民の会」というこんな団体に資金を流し、政権交代を目指していたと思うと「ゾッ」とする。

「クリーンで開かれた政治」を標榜する菅総理にとっては最大の汚点だ。黒い政治家のレッテルを貼ることになる。

領収書は出せない、高額な資金の流れに十分な説明が出来ないと言うことは、政党交付金、政治資金規正法の主旨を踏みにじる行為であり、政治家としての資質を欠き、総理の座に居るなど考えられない。

国民を納得させる説明、資料の提出が出来ないのであれば、即刻辞任し、国会議員を退くべきだ。

写真:菅総理の2つの献金疑惑を報じる読売新聞 2011.7.28

国民の気持ちと離反しているのは菅総理の方では

菅総理もよく言ったものだ。大震災復興特別委員会で、自民党議員から「マニフェストを撤回するのであれば、総辞職か解散に打って出るのが筋では」と追求され、「何が何でも早く解散というのは、国民の気持ちとかなり離反する」と答弁したそうだ。

菅さんが国民の気持ちを代弁するなんておこがましい。国民の気持ちに離反して居座っているのは、菅総理の方ではないか。

「退陣時期をはっきりせよ」というと、先の民主党代議士会で言ったことに真意があると言う。不信任決議案は多数で否決されたが、菅総理の曖昧な退陣表明(?)に護摩かされた結果で、決して信任したわけではない。

財源問題や大震災復興での優先順位を付けるために、2009年の民主党マニフェストの重要政策について見直しが必要になり見直しに対して岡田幹事長は謝罪会見した。政権交代のきっかけとなった公約を見直しすることになるのだから、民主党が政権についている根拠はなくなった。

国民に信を問うのは当然の話だ。

しかし、菅総理は、任期満了に伴う2年後の総選挙(衆参ダブル選挙)で良いのではないかと発言し、そこまで発言するのかと周辺は疑心暗鬼だが、菅総理は早期の解散を否定した。

メデイアの世論調査でも、内閣支持率は16%、民主党支持も下落する一方で、自民党が優勢である。

今選挙をやれば民主党は大惨敗で、菅総理だって自分の選挙区に民主党を除名された若手議員が無所属で立候補されては、不人気と相まって落選の危機である。

当然民主党は、政権を明け渡し分裂、政界再編成に動くだろう。

菅総理がこのまま居座って、何か良いことでもあるのか。居座れば居座るほど内閣、民主党の支持率は下落するばかりなのだが。

国会予算委員会などでの菅総理を見ても天井をボーっと見上げる頻度が増えたり、質問者の発言は上の空で、官僚や側近の書いた答弁書に目を走らせ、答弁ではペーパーを棒読みするなど覇気は全くない。

菅総理が国民の気持ちを重視するのであれば、早期の退陣で政治を進めるべきだ。

2011年7月27日水曜日

日、米政界の「政治ゲーム」の根源は同じ?

日本、米国の政界での出来事は「政治ゲーム」化している。我が国は、菅総理の退陣条件・時期を巡って菅総理と与野党で駆け引きが続き、米国では債務上限枠引上げを巡って駆け引きが勃発している。しかし、その根源は同じなのだ。

両国の国会を見ると、米国上院は民主党、下院は共和党の「ねじれ現象」であるし、我が国も衆議院は民主党、参議院の第一党は自民党の「ねじれ現象」がある。

そして、米国は来年の大統領選に向けた駆け引きであり、我が国は「菅降ろし」、ポスト菅後の新体制を巡っての駆け引きが、落としどころのあやふやな「政治ゲーム」をやっているように見える。

特に米国の債務上限枠の時期上げ論議は、米国債デフォルテの危険もあり、世界経済に大きな影響を与える深刻な問題なのだ。

米国は、財政再建から債務上限引上げの法改正が論議されているが、暗礁に乗り上げている。オバマ大統領は一気に2.5兆ドルを提案するが、共和党は段階的に2.5兆ドルを主張している。

何のことはない。結果的には同じではないか。大統領選を控えた面子の張り合いに見える。

我が国も特例公債法案を巡り、40兆円もの赤字国債発行の前に、野党は子ども手当などバラマキ4Kの撤回又は見直しを要求するが、民主党は公約との関係もあり、所得制限の見直しで打開しようとしている。

しかし、菅総理の退陣の意思が不明確であるために野党間でも不信が高まっており、岡田幹事長がマニフェスト見直しで謝罪し、菅総理も国会で財源問題で見通しが甘かったと謝辞するも野党には不信感が高まるばかりだ。

米国、日本共に与野党間の信頼関係がなくなっている。

オバマ大統領の「YES WE CAN」、日本の民主党の「政権交代してみませんか」のポピュリズムに問題があったのか。

2011年7月26日火曜日

菅退陣条件で政策を歪曲化するな

退陣時期を明確にしない菅総理のずる賢さに、政局も混沌としている。一方で、退陣させようと菅さんの意思とは関係なしに周囲は憶測で政治を進めているが、政策を歪曲化するようなことがあってはならない。

菅総理退陣3条件の一つ、第2次補正予算案が昨日参議院を通過したが、与党民主党の賛成討論で、菅総理に「潔い退陣決意」を促す異常なものだった。菅総理は議場の奥の天井を見つめる姿がテレビで映ったが心境はどうだったのか。

特例公債法案が通らなければ、4割に近い予算の執行が不可能になり政治は混乱する。しかし、赤字国債発行の前にムダの削減をしっかりやらなければならない。コレは誰でも思っていることだ。野党が子ども手当などバラマキ予算の見直しを要求しているのは当然だ。

だが、民主党は年収1000万円異常の」高額所得者には9000円に減額するという案を出してきた。

民主党は国民全体で子どもを育てる政策を維持したいらしく、本来であれば所得制限を設けるべき政策であるが、減額支給に拘る。当然バラマキ予算は赤字国債に繋がるので回避しようとする野党は反対だ。

ところが、反対すれば9月には国民生活が大変なことになり、野党も責任追及されるだろう。ムダ削減に時間的余裕がない。増税を目指す財務省は動かないだろう。

互いに中途半端な判断をすれば、政策が歪曲化され、今後の政治に禍根を残すことになる。

再生エネルギー特別措置法案も、いまエネルギー供給の9%でしかない自然エネルギーの分野を30%まで高めるというのだ。原子力開発につぎ込む予算を考えれば出来ないことはないとも言う。

正論に思えるが、電気料金も相当上がるだろう。菅内閣でこの法案を通すことは余りにも拙速過ぎないか。「脱・原発」を提唱して実績にしたいと思う菅総理に乗っかってはいけない。

日本のエネルギー事情の本当の姿は、日本の国家財政と同じように、その実体は正確に公開されていない。データ不足のまま、国民に判断を強いることは避けるべきだ。
菅総理は、1日も早く退陣し、政治を前に進めなくてはならない。

菅退陣→民主党代表選→新しい総理指名で政治を前に進める体制を築かなければならない。

しかし、心配な面もある。いざという時になると、「自分たちに少しでも有利に」と悪い病気が出てくる。総理だった竹下さんが言ったことだが、「汗は自分がかき、手柄は他人に」出来る政治家はいないのか。

2011年7月25日月曜日

菅総理の政治姿勢:約束はパフォーマンス、弁解で責任逃れ

ろくに内容も検討もせず、唐突に政策を打ち出し、批判が出ると弁解に終始する菅総理に与野党協調などほど遠い。菅総理の政治姿勢は約束はパフォーマンス、責任回避に弁解に終始する。政策を提示したのだから「これから議論していこう」と言うことになる。

21日の国会審議で外国人違法献金の疑いで、返金したのなら、領収書があるだろうと、領収書の提出を求めていたが、菅総理側は「前例がないために応じられない」と回答してきた。退陣まで延ばせば、総理としての責任を回避できると考えたのだろう。

前例を打ち破り新しい政治を造るのが民主党ではなかったのか。

民主党幹事長のマニフェスト見直し発言で、2009年のマニフェストをどう評価しているのかと問われた。菅総理は例えば子どもを重視する点で方向性は間違っていない画、必要な財源への見通しが甘かった。今回の大震災との関係で復興を優先することを考え、相当部分は実行できたが、見通しは甘かった。お詫び申し上げると謝罪した。

民主党が政権を奪取出来た根底にある公約だから、これが実行できないと言うことは、政権に対する信が問われるところではないか。

「詐欺ではないか」と追求され、こども、農業など現在も定着しているが、多くの課題は財政的問題が十分でなかったという。しかし、民主党のマニフェストが公開された時も財源問題から実行は疑問視されていたのではないか。民主党にとっては当初からマニフェスト見直しはタブー視されていたのではないか。

人気挽回の意思がアリアリの「脱・原発」を記者会見で表明しながら批判が多いと見るや国会で「個人的思い」とトーンダウンした。日本の将来のエネルギー政策に対していとも簡単に言及する。他の閣僚と見解の不一致が出ると、答弁に困り「これから議論しよう」ということだと言う。

ならばもっと党内、経済産業省内で検討すべきではなかったか。国内では、脱・原発を言いながら海外へは原発を売ろうとすることも理解に苦しむ。

菅総理のいつもの答弁は、「責任はある」「申し訳ない」「お詫び申し上げる」と反省の弁はあるが、続けて必ず弁解し責任回避をする姿だ。

原発の再稼働では突如「ストレステスト」の導入を言い出した。「何故今この時期に」と思うし、経済産業相との見解の違いも出てきた。菅総理は「経済産業省の判断だけでは安全確保は出来ない。安全を国民に納得してもらうにはストレス・テスト」が必要という。

正論であるが、原発の再稼働が不可能になれば電力不足から企業は海外へ工場を移すだろうし、日本経済への影響も大きい。これらの意見にも真っ正面から答えて欲しい。

震災復興計画での仮設住宅で、菅総理はお盆までに全員が入れるようにすると誓ったが、まだ不足していると追求された。今、5800戸のほとんどを着工し、間にあって欲しいと努力しているが、今月中旬に新たに建設追加分が出て、お盆までに間に合いそうもないのだ。

見通しが甘かったのではと責任追及されたが、「お詫びする」と言いながら、仮設住宅の戸数は自治体からの要望を聞いて決めている。この事情だけは国民の皆さんに理解して欲しいと訴えた。

パフォーマンスから「お盆までに全員が入れるように」と言ったのだろうが、見通しの甘さは自治体のせいにする。


復興相が暴言で引責辞任した事に対しても「任命責任」を問われたが、「責任はある」と言うが「責任は取らない」のだ。後任の大臣は今までも復興の仕事をやっており、適任だという。ならば最初に任命しておけば良かったのではないか。

こんなやり方では、菅総理の下での与野党協調などできっこないし、こんな政治手法では、人気を挽回し続投するなど期待できない。

2011年7月21日木曜日

菅総理 領収書などないんでしょう



菅総理、領収書なんてないんでしょう。21日の第2次補正予算質疑の参院予算委員会で、菅総理の外国人政治献金疑惑での返金に関する領収書の提示が問題になった。政治資金収支報告書で領収書を沿えて総務省に提出すると菅総理は答弁したが、野党は納得せず審議を中断して理事会で検討した結果、今夕までに与党理事を通じて方針を提出することになった。

政治家や要人が係わる資金の動きについて、領収書などの存在はいつも問題になる。故宮沢さんは、疑惑を晴らすために三点セットの提出を求められたが提出できず、確か辞任したと思う。最近では元日銀総裁が村上ファンドに投資していた事が判明し、契約書の提出を求められたが、なんだかんだと言い逃れしていたが提出は出来なかった。

菅総理の外国人政治献金疑惑は、大震災直前に自民党から指摘され、菅総理は「既に弁護士を通じて返金した」と答弁していたが、返金に使用した場所なども疑惑に包まれていた。

その時から、菅総理は政治資金報告書で報告すると野党の要求を突っぱねていたが、今日の審議で「週明けにでも検討し対応する」と言ったが、納得しない野党の攻勢に予算委員会の審議が中断した。

菅総理の突っ張りもおかしい。領収書があるんなら直ぐ提示できるはずだ。なにも政治資金収支報告書まで待つ必要などないいはずだ。

それにしてもどうして、政治家の公明正大な政治活動を国民が監視できることを目的にした政治資金規正法に違反する事例が絶えないのか。

しかも、政治家によって対応が大違いだ。前原さんは事実を認めて早々と外相を辞任したが、菅総理は「知らなかった」の一点張りで違反をのがれようとしている。

今夕、菅総理側から「政治資金収支報告書で報告する」方針が回答されれば、またまた審議は混乱する。

それ以上に菅総理の潔白さが否定されるが、退陣時期ははっきりしないが、もうすぐ退陣かも知れない。退陣まで処理を引き延ばそうとしているのだろうか。脇の甘い政治家だ。

写真:領収書の提示で紛糾する参院予算委員会 2011.7.21NHK国会中継より 

2011年7月20日水曜日

それでも菅総理を支えるのか



なかなか辞めようとしない菅総理が、早々と「なでしこジャパン」を官邸に招いて祝福した。改めて「諦めない」「まとめる力を学びたい」となでしこジャパンにあやかって続投意欲を表明する菅総理を閣僚、執行部はどう思っているのか。

ハシゴを外された格好の海江田経産相は、「時期が来たら辞める」ことを表明したが、他の閣僚は苦言を呈することはあっても、「菅内閣の一員だから・・」とか「目処が付いたらお辞めになるのでは」と質問をはぐらかす。

安住さんは、野党対策で苦労しているのに、予め何の相談もないと菅総理の手法を厳しく批判したが、岡田さんは従順さを示しながらも8月末で菅総理退陣のレールを引きたい意向だ。

菅総理を退陣させようと思えば、閣僚が辞表を提出したり、執行部役員が辞表を提出すれば良いものを、どうして誰も辞表の提出をしないのか。

菅政権は、民主党最後の政権の様相を呈している。ここで辞めればもう二度と檜舞台にはあがれない。ここは我慢してでも従順さを示しておいた方が得策と思っているのだろう。こんな事もあった。菅内閣不信任案が議論されていたとき、副大臣、政務官6人が辞表を提出したが、否決の号令が出ると笑顔で辞表を撤回した。

一体、民主党政権はどうなっているのか。今、国会では予算委員会が開かれている。NHKの国会中継を聞いていたら、みんなの党の江田さんが、期待されて政権に就いたのに途中で辞めてしまう。天下り規制、八ッ場ダム建設、中国人船長逮捕みなそうだ。脱原発だって個人的見解を記者会見で言っていると批判した。

これに対して菅総理は、3月11日の事故、避難で原子力に対する基本的な考えが変わった。2030年に原発50%を白紙にし、再生可能エネルギーにシフトする。安全保安院も独立した組織にする。これらの背景から考え方を述べたのだと答弁した。

また、江田さんは、民主党政治への認識はどうなんだ。言っていることを実行していないではないか。ある大メデイアが「民主党政治を組織運営の経験のない弁護士や政経塾出身が多く、組織を知らない人が組織を動かしている。マネージメント能力がない」と書いているが、どう考えるかと質問した。

これに対して菅総理は、一つの指摘として謙虚に受け止める。野党生活の中で、内閣は官僚に任せ、党の方でコントロールすると族議員化、政官業の癒着という従来の弊害を打ち破る可能性を持っていると認識を示した。 

更に江田さんは、総理が辞めるには3つの場合がある。「死亡」、「不信任可決」、「自ら辞める」だが、自ら辞めるしかないと迫った。

これに対して菅総理は、3月11日以降、何がやられて、何がやられていないか、いつも見ている。不十分な点も多々あるが努力している。原発事故も汚染では迷惑をかけたが、STEP1は完了。しっかり前進している。そうした責任を果たしていく事が大切だ。辞任時期は記者会見で真意を述べたと反論した。

そして、閣僚が反対しても全員罷免し解散することが出来る。この閉塞感を解散でリセット、タイミングを見て辞めて欲しい。脱・原発、TPP、消費税増税で国民に信を問えという。

「なでしこジャパン」は、最後まで諦めないで一致団結し勝利した。そこにはチームプレーがあった。菅総理も「最後まで諦めないでがんばる」と言うが菅政権は、本質的には菅総理の個人プレーだ。そこには一致団結して政治を進め、その福利を国民に享受させる可能性など期待できない。

菅総理は、責任を果たしていく事が大切だとし、原発事故対応もSTEP1を完了したと言うが、何やら政治色の強い発表だ。簡単に鵜呑みは出来ない。

退陣時期については、記者会見や代議士会で言ったことが真意だというが、曖昧な表現のために政局の駆け引きが続き、政治不信が募っている。

閣僚や民主党執行部が、こんな政治でよいと思っているのか。だとすると民主党は政権を担う能力はない。

写真:国会予算委員会で質問に答える菅総理 2011.7.20 NHK国会中継より

2011年7月19日火曜日

自民党に政権奪取のチャンスがあるのか







自民党に政権奪取の意思があるのか。この1ヶ月の新報道2001の1週間毎のアンケート調査「衆院選で、どの政党に投票するか」を見ると、民主党20、15,17.6,10,15.4%、一方自民党は26.4,27.8,22.6,27.6,26.8%で、民主党政権への批判を受けて自民党が優位に立っている。

しかし、自民党には、政権奪取に向けた動きが鈍い。

確かに、復興・復旧に対して577項目を提案し、4割近くが実施され、補正予算も自民党案がベースになっていると自民党は主張する。被災地ではガレキ処理が遅れていると国会で追及するが、菅総理は遅れてはいないと反論する。

19日の国会予算委員会で小池さんが、「なでしこジャパンの戦いをどう思うか」と質問、菅総理は「なでしこジャパンのように諦めないで最後までがんばる」と言わしめた。菅総理に諦めさせる手がないのだ。

自民党のイメージも良くない。何とかしようと中堅・若手議員ががんばっているんだけれども思うように進んでいない。

自民党改革委員会が派閥政治、長老支配に楔を打とうとしたが、派閥の領袖はこぞって党運営に関与していないと反論する。世代交代を訴えて首相経験者を公認・推薦しない案も反響を怖れた石原幹事長が削除を要求するし、麻生さんに至っては公認されなくても出馬すると脅す始末だ。

国会議員は地元の代表ではなく国民全体の代表者であるべきで、地元で票が採れるからと言って立候補するのは筋違いで、ベテラン議員はそのことが分っていない。

新人発掘も覚束ないようだ。政権を手放すと資金も不足するし、人材も集まらない。300議席のうち100議席がまだ候補者が決まっていないと聞いたことがある。コレは民主党でも同じ事だ。組織票があり、名の知れた人材が欲しいところだろうが、誰だって良いというモノでもない。

国民の政治不信を駆り立てるような候補者選びは辞めて欲しい。

更に、よく言われることではあるが自民党の顔も良くない。
次の総理に相応しい自民党議員としては、石破さん、石原さんの名前が上位に挙がるが、肝心の谷垣総裁は下位で、総理に相応しいとは思われていないところに自民党の低調さが見えある。

自民党執行部だってコレで良いのかと思える。谷垣さんはどう思って選んだのか分らないが、石原幹事長は国土交通相の時、道路公団の藤井総裁の更迭に戸惑い、恫喝話まで口にし出し、反響に驚き口を閉ざしてしまった。今回の民主党内の「菅降ろし」でも岡田幹事長が辞表を懐に菅総理と話し合おうとしているのを曝露してしまう口の軽さが否めない。

小池総務会長は渡り鳥議員で有名で、時の権力者に擦り寄って厚遇されるが、意外性のパフォーマンスで利用されているだけだ。女性総理候補なんてとんでもないことだ。

石破政調会長も有望ではあるが、あのしゃべり方で国会論戦されては時間がかかって仕方ない。

ベテラン長老議員が跋扈する自民党、中堅、若手議員が改革に苦しむ自民党、ポスト菅後の体制が構築できない自民党に政権奪取など期待できないか。

写真左:自民党総裁室 誰が座るのか

写真右:自民党本部 政権から離れると訪問客も少なく寂しさを感じる

2011年7月17日日曜日

第16回川崎大師風鈴市:風鈴の涼感で節電に努めるか




































17日から第16回川崎大師風鈴市が始まった。今年も900種、3万個の風鈴が並ぶ最大規模の風鈴市だという(川崎大師ホームページ)。前回来たとき、川崎大師と風鈴とどんな関係があるのかと不思議だったが、川崎大師は厄除け大師、風鈴の由来も「厄除け」で関係があるのだ。

風鈴は、小さな釣り鐘型の鈴の中に舌を垂らし、その下に短冊を付ける要になっているが、起源は寺の四隅に釣るし魔除けにした風鐸で、縁側などに下げて外から疫病神が屋敷の中に入るのを防いだ。

元々は金属製であったが、長崎のガラス職人がガラスで作って見せ物にしたのが風鈴の始まりらしい。

いろんな種類の風鈴があるが、川崎大師オリジナルは「厄除だるま風鈴」だ。赤、白に塗られたダルマの絵柄だ。大きいので3700円、小さいので1600円、市は始まったばかりだが、売れ行きはまあまあと言うところか。

チリンチリン、コロンコロン、キンキンと鈴の材質によって音色は変わるが、岩手県の南部風鈴は鋳鉄製で良い音色を出している。秋田の「御殿(ごてん)まりふうりん」は民芸品のまりが付いている風鈴だ。まりは角が無く丸いことから円満風鈴だ。

どうしてこの涼感が出るのか。

南部風鈴で解析したことがあるらしい。単調な音ではなく、周波数の異なる2つの音が出ているという。音が重なり合って「ゆらぎ」があるために耳に心地よい涼感を感じるのだそうだ。規則正しい音、ランダムな音ではなく、その中間音で快適感が得られるのも「1/fゆらぎ」なのだ。

このストレス一杯の社会で、「揺らぎ」の特徴を有する音が、ストレスの解消やリラクゼーションに効果がある事は実証されているが、風鈴がその音であることは初めて知った。

折しも節電が要求されている。風鈴で涼感を得、節電に努めようと買った。


写真上段左:川崎大師オリジナル「厄除けだるま」風鈴


写真上段右:風鈴市


写真中段左:秋田の「まりふうりん」


写真中段右:南部ふうりん


写真下段:川崎大師本堂に下がる風鐸 風鈴の起源だ

2011年7月16日土曜日

国会本会議、記者会見で空席が目立つ原因?







衆議院本会議でのテレビ映像は、当選回数の多い議員の多くが座る後部座席を映し出し、与野党の重鎮達の表情を映し出す。採決で党の方針に反する行動をとった議員の起立する姿も映し出される。

私達が選んだ国会議員の出席状況など分らないが、読売新聞の報道(2011.7.16)によると、横路衆院議長が、「空席が多い。特に前列の議員の空席が目立って見苦しい」と苦言を呈したらしい。

不信任決議案の時は緊張感もあったろうが、70日という延長国会になり、菅総理も一応は「退陣」の意向を表明した事だから、全体の雰囲気は気が抜けたのだろう。

でも、空席が目立つと言うことは国会議員数が多すぎ、1人1人の議員の存在感が低く、欠席したところで大きな影響はないと考えているのかも知れない。衆議院480人ではなく半数に減じれば、それだけ存在価値が高くなる。議員の責任感も大きくなるのだ。

政府のスポークスマンである官房長官の記者会見も、真ん中部分の席が、がら空きの映像を見る。

重大事件が発生したときは、政府の見解を確認するために満席に近くなるだろうが、特にコレと言った重要事項のない時はがら空き状態だ。

政府の発表する事項も、重要な点は隠蔽され誤魔化される。政府も国民の過大な反応を避けるために言い回しも工夫されている。質問も突っ込んだ質問は出来ないようだ。

一方、総理の記者会見は、結構席が埋まっている。総理だから何か重大な政策を発表するかも知れないと言うことだろう。しかし、先の「脱原発」表明記者会見のように十分に検討されて発表された内容ではないために、批判が高まれば「個人的思い」とトーンダウンしては、政治不信も極まれりだ。

又、日本の政治がどう評価されているかは総理の国連総会での演説議場を見れば分る。米大統領の演説では満席状態であるが、日本の総理の番になると、退席者も多く空席が目立つのだ。

政府筋は、日本の提案をしっかり説明できたというが、こんな空席でどれだけ世界に発信されたかは不明だ。

世界は、日本にマネーだけ期待しているのかも知れない。

それにしても、議員1人1人の存在観(価値観)を高め、国民が安心して国政を任せられる総理が出てくるまで、会見場、議場の議席は埋まらないのだ。


写真左:13日の菅総理の「脱原発」表明会見 久しぶりの会見と会って議席も埋まっていたが、日本のエネルギー政策という大きなテーマであったが、背景となるデータが示されず、説得力に欠け、批判も大きく、国会で「個人的思い」とトーンダウンした。あってはならない会見だ。 2011.7.13民放テレビより

写真右:衆議院本会議での前列の欠席が目立つとの横路衆院議長の苦情を伝える読売新聞2011.7.16

菅総理! 「即時退陣」こそ最善の実績では



今、最も信頼されていない菅総理に、政策で評価されることなどあり得ない。「即時退陣」こそ最良の実績になるが、これ以上「居座り」を続けると、それも難しい。

何とか実績を残そうと「脱原発」と表明したモノの閣内をはじめ、余りにも大きい反発に、「個人の思い」とトーンダウンし、かえって菅総理の「浅はか」ぶりを露呈させた。

何でこんな政治手法を続けるのか。今回の唐突な「脱原発」表明も、周りの人間が「背景説明が無ければ説得力はない」と忠告したらしいが、菅総理は耳を貸さず、突き進んだようだ。

以前にも言及したが、菅総理の政治手法は、常に新しい課題に飛びつき、「オレがオレが」の独善政治で、結局は国民が大混乱する羽目になる。国民に安心を与える政治ではなく、不安を掻き立てる政治に人気など出るはずがない。

菅総理は、一時外国人献金疑惑で窮地に立っていた。最近の予算委員会でも自民党議員から「献金問題はどうなったのか」「返金したのなら領収書を提示せよ」と迫られたが、政治資金規正法で報告すると言うだけだ。

この疑惑の直後、この大震災が発生した。菅総理は信用挽回が出来るチャンスと思ったのだろうが、原発事故と相まってその処理は能力を超えていた。未曾有の原発事故への政治介入は、かえって被害を拡大する結果になったと疑われている。

「菅降ろし」の手詰まりを見て、その時、その時の局面で「戦術的に勝った」と密かに思っているだろうが、既に信頼を失ってしまっている。メデイアの報じる内閣支持率も16%台だ。9%台までなり、辞任した森内閣に比べれば、まだ高いと見るのだろうか。

「開かれた政治」「わかりやすい政治」を標榜するのであれば、「即時退陣」こそ最良の決断だ。


写真:新たな実績づくりのために発した「脱原発表明」も反発の大きさに驚き、国会で「私の個人的思い」とトーンダウンさせた菅総理 2011.7.16 テレビ朝日 やじうまテレビより

2011年7月15日金曜日

「国政の福利は国民がこれを享受する」というが



今の国政は、本当に国民のためになっているのか。憲法前文には、国政の福利は国民がコレを享受するという。国政は、国民全体の利益、幸福のために行なわれることをようするのだ。

菅総理は居座り、次々に唐突に打ち出す政策が国民のためになっているのか。提言していることは正論でも、何ら検討された形跡もなく、実現に向けたプロセスも不明だ。おまけに菅総理を退陣させる動きも耐えないが、手詰まり感は否めず、そんな総理に国政を託しても国民に利益が出てこようはずがない。

財政再建のための社会保障と税の一体改革も時期を曖昧にした増税になったが、経済に与える影響を考えて賛否両論あるが、要は選挙で増税を訴えると負けるという議員のご都合主義で、どれだけ国民のためになっているのか。

菅総理は、久しぶりの記者会見で「脱原発」表明した。原発はフェードアウトするしかなく、将来は原発に依存しない社会を目指すのだという。「泥田に金の卵を産む鶴が降りてきた」と進められた原発行政も交付金などで立地自治体は潤ったが、事故が起これば多大な被害を被ることとなった。

代替エネルギーに再生可能自然エネルギーと言っても、メインエネルギーには為らず、火力発電になると燃料費高騰で国民への負担が大きくなるらしい。電気代が高騰すれば製造業の競争力は弱まり、海外進出になれば、戻ってこない空洞化が始まる。国民生活にはマイナスだ。

震災復興も遅れているらしい。あれほどあったガレキもテレビ画面を見る限り片づいてきたと思うが、35%位の処理率らしい。

よく阪神大震災復興と比べられるが、そもそも被害規模が違うし、阪神地区には大阪湾フェニックス計画で最終処分場があるし、近隣自治体で焼却処理が出来た。しかし、東北地方にはそのようなインフラの整備が遅れていた。復旧が遅れているのは当然かも知れない。

原発事故対応もメルトダウン、メルトスルーになると未知の分野だ。法律で定められた対応をやれば良かったのだが、菅さんによる一種の政治介入があり、かえって被害を拡大させた疑いは否めない。菅さんの私的諮問機関である復興構想会議が報告案を提出したが、それがどう活かされているのか、メデイアの報道には見えてこない。被災者の不満は高じるばかりだが、満足のいく処置を望んでも無理な話だ。

政治は、国民全員に利がある訳ではない。利のある人もいれば、不利な人もいる。そこを調整して実現に向けなければならない難しさがある。政党は票を得るために組織、団体の要望を聞き約束したことをマニフェストに表明する。しかし、国民の大多数はそんなチャンスはなく、我慢するしかない。

自分たちの選んだ国会議員が国政でどう行動しているのか。おおかたの国会議員はグループ、派閥、党の意向に従って行動しているが、最終的には自分自身のために利があるかどうかが行動規範だ。

退陣を言明していないと言う菅総理に対して、退陣を表明したのだから早く退陣しろと居座りを批判する異常な国会だ。それでも菅さんは何を考えているのか、やりたい政策を小出しにして今回は、「脱・原発」に言及したが、案の定、閣僚からは異論が続出氏、官房長官は「総理の個人的な思い」とまで言い切った。

閣内不一致、官僚排除の政権で、国民に利のある政策など推進できるはずはない。1日も早く菅総理は退陣し、政治を前に進めなくてはならない。そしてポスト菅がどうなるのかを国民に示さなければ、安心は出来ないのだ。

写真:霞ヶ関官庁街から国会を望む 本当に国民のための政治をやっているのか。「政治ゲーム」をやっている時ではない。

2011年7月14日木曜日

脱原発表明:菅総理でないと出来なかったことか



またまた、菅総理は都合の良いときに記者会見し、エネルギー政策に大きな転換点になる「脱原発」を表明した。いろんな評価がされているが,退陣を要求されている菅さんでなければ出来なかったことか。他のリーダーでは出来ない表明だったのか。

菅さんが言えば、何でも「延命」と揶揄され正論を吐いても評価が低く、おまけに政治主導と言うのだろうか、十分なエネルギー事情の検討、民主党や官庁への根回しなしの表明だから、その実現性へ向けた各分野でのアプローチに疑問が出てくる。

折しも、大口事業には罰則付きの節電が要求され、家庭でも15%の節電が要求されている。エアコンが止まった部屋で高齢者が熱中症で死亡する事例も報道される今、13日に東電の新しい西沢社長がテレビのインタビューで「余力を西日本に融通する」と言い出した。

計画停電で東電管内は、安定供給出来るが、関西電力は需要の方が大きいらしい。

節電をしつこく要請する裏には、原発の必要性を認めさせる作戦もあるようだが、一方で菅さんは、脱原発を表明し原発のない社会を目指そうというのだ。

脱原発、原発の必要性を議論する前に「日本のエネルギー事情」をはっきりさせるべきだ。何のデータもなしに、「脱原発」を言われても判断のしようがない。その時5000万kWとも言われる「埋蔵電力」も重要になってくる。

今回の唐突な脱原発表明を聞き、願わくは、国民が正当に評価できる方法で提案されるべきだったと思う。原発事故を省みて、正論を言っているだけに残念でならない。

写真:菅総理の脱原発表明記者会見を報じるテレビ 2011.7.14 テレビ朝日 やじうまテレビ

2011年7月11日月曜日

国民新党・亀井さんは、菅内閣信任決議案を出す度胸があるのか

国民新党の亀井さんは、菅内閣信任決議案を出す度胸があるのか。最近、亀井さんの動きが良くメデイアに登場する。野党は勿論のこと与党まで、菅内閣に批判的である今の政局で、「菅降ろし」を批判したり、首相補佐官になってみたり、「第3次補正予算も急げ」と菅総理を激励したというニュースがメデイaの電子版で流れている。

亀井さんが、菅総理に寄り添う背後には、国民新党の公約の1丁目1番地であるが、遅遅として進まぬ「郵政改革法案」を進めたい意図があることは分かる。弱小で政党支持率0%の国民新党は、このまま総選挙にでもなれば勢力を落とすのは確実で、何とか存在感を示したいのだろう。

政権与党である民主党の執行部は、8月末での菅退陣に向けた動きをしているが、これといった手はなく、フン詰まりの状態であることは間違いない。

そんな政局の中で、菅総理を支持するのであれば、菅内閣信任決議案を出すべきではなかろうか。その度胸がないのであれば、世論の動きに反する行動は避けるべきだ。

国民新党が内閣信任決議案を出し、国会が否決/可決の判断をしてはどうか。自民党がまた、不信任決議案を出そうとしている。前回と状況が変わってきたからと言うが、何かしっくりしない。

国民新党が、信任決議案を出す方がよい気がする。そうでなければ、郵政改革法案の推進のためだけに、菅批判に抵抗する行動はモヤモヤした政局をさらけ出し、政治不信を募らせるだけだ。

2011年7月8日金曜日

菅総理 憲法で与えられた権限以上に大きい国民への義務があるんです







6,7日の国会予算委員会集中審議をNHKの中継で聞いた。原発対応で批判する野党議員の追求に「憲法上与えられた権限の中で仕事をしている」と総理の伝家の宝刀である解散権をちらつかせた。しかし、内閣総理大臣には憲法で与えられた権限以上に大きい国民への義務があるのだ。

内閣総理大臣は、国務大臣の任命・罷免、内閣不信任決議案が可決、または信任決議案が否決したときは解散権の行使、議案提出、行政各部を指揮監督など行政の長として権限を有している。

特に議会と考えが対立した時の解散権の行使は、内閣総理大臣の専権事項だ。いまは政府野党の要職にある者が、容易に解散に言及しているが、そんな立場の人間が言っても仕方ないことだ。

でも、内閣総理大臣の権限以上に、大きな義務を国民に対して負っている事を忘れては行けない。

行政権の行使に対して内閣は国会に連帯して責任を負っている。今、原発の再稼働に関しストレステストをするよう菅総理は唐突な指示を出し、既に原子力安全・保安院の検討結果から玄海原発の再稼働にGOサインを出した海江田経産相と意見が対立し、参院予算委員会で紛糾した。海江田さんは、時期をみて辞任すると言明した。

原発の再稼働時、より安全に対して評価することは誰も認めることであるが、菅総理の指示は余りにも唐突で、関係者の根回し、どういう影響が出るかも十分に評価されていない。

市民運動であれば、正しいことを主張するのは良いが、一国の総理ともなれば、その政治手法は政策の実現、国民への影響度を配慮したものでなければならない。

そして国政の福利は国民が享受するのだ。菅総理の打ち出す政策の利益は国民が得るものであるが、今、言われていることは菅政権、菅総理の「延命」のためなのだ。正しそうな政策も、菅さんにかかれば異質な政策になってしまう。

哀れな内閣だ。

又、今の国会審議は異常だ。与党の質問はヨイショが多いが、野党の質問は「責任を取れ」、「辞めるべきだ」、「質問に答えていない」という発言が多い。

松本復興相の辞任問題では、菅総理の任命責任を問われたが、「責任は認める」と言うが責任を取ろうとはしない。いつものことのように後任の適材をタラタラと述べてはぐらかす。

質問をはぐらかす答弁も多い。質問者は「質問に答えていない」と言うが、それ以上追求することなく、次の質問に移る。お互いに傷を負いたくない感じだ。

何故、納得するまで追求しないのか。議員の質問力が落ちている。

「時間がないので次の質問に行きます」というのも不思議だ。各党の質問者が、同じ事を質問している。当然の事ながら答弁も「先に答えたように・・」で始まる。各党が手分けして質問できないのか。

菅総理は、総理の権限として「解散権」しか頭にないようだが、国民に対して大きな責任を負っていることを忘れてはならない。

写真左:原発再稼動で意見が食い違い辞任を仄めかす海江田経済産業相

写真右:「憲法で与えられた権限の中で仕事をしている」と答弁する菅総理 いずれもNHK参院予算委員会国会中継2011.7.7

2011年7月6日水曜日

いつまで続く 「菅さんの、菅さんによる、菅さんのため」の政治 



今、急がれるのは被災者救済、災害復興で、菅総理の退陣時期も第2次補正予算案、特例公債法案、再生可能エネルギー特別措置法の成立の目処が付いた時と曖昧なことを言うが、その政治手法は菅総理の自らの「延命」を意識した「菅さんの 菅さんによる 菅さんのための」政治の様相を呈している。

復興対策の司令塔になる松本復興相の辞任にともなう後任人事では、副大臣の昇格で落ち着いたが、メデイアの報道によると、その背景には菅総理の求心力の低下が大きいという。それはそうだろう、野党はもち論のこと与党内にだって「1分、1秒でも早く辞めるべきだ」と言われている始末だ。

約2兆円という第2次補正予算案の内容では効果はほとんど期待できないと以前から言われていた。2次補正予算は当初、8月以降に提出される予定のモノだったが、野党の内閣不信任決議案提出を回避しようと急遽出してきた1.5次補正予算的なモノなのだ。

特例公債法案は、この法案が通らなければ40兆円と言われる予算が執行できないのだ。でも赤字予算を推し進めるモノであり、野党はその前に民主党の子ども手当などバラマキ予算を追求してきた。民主党も正式にマニフェスト見直しを始めたが、マニフェスト順守派と見直し派で党内抗争の原因になり、党内は不安定になってきた。

再生可能エネルギー特別措置法も、唐突な1000万戸の太陽光発電構想発表もあって、「自然エネルギーは大事です」と急遽テーマになってきた。いろいろやりたい事がある中での政策だろうが、福島第一原発事故、そして浜岡原発の一時停止に絡み「脱・原発」を解散・総選挙の争点にしようとしている。

菅総理は退陣の条件に、これら法案の成立を目処にしているが、野党が無碍に抵抗すれば国民の批判を招く怖れもあり、一方で菅総理を早く辞めさせるには早く法案を成立させた方がよいと言う考えも出てくる。

そうなれば、菅さんの思うつぼだ。

万一、法案の成立が8月末までに出来なかったら、菅総理は退陣の条件が達成されていないと居座りの口実を与えることになる。

8月上旬まで、まだ「菅降ろし」があれば、「財政再建、社会保障改革での増税」、「脱・原発」を訴えた解散・総選挙の悪夢も可能性は出てくる。

先の内閣不信任決議案の提出がもたらした国民の政治不信が、今、何をやっているんだ」との声を大きくし、何やら菅総理の「延命」に味方する雰囲気になってきた。

まだ菅総理が何時辞めるか疑問を持っている人も多い。これだけ叩かれても、まだ続投の意欲をみなぎらせている菅さんには恐れ入る。何が支えになっているのか。

言えることは、「菅さんの 菅さんによる 菅さんのため」の政治には早くピリオッドを打って欲しいことだ。

そして、菅総理が辞めれば「政治が前に進む」体制の構築を急ぐべきだ。自民党の谷垣総裁は「閣外協力」をあげている。

写真:国会予算委員会で答弁する菅総理 自民党赤澤さんから「もう辞めるべきではないか」「民主と自民では、圧倒的な力量の差がある」と追求された。2011.7.6 NHK国会予算委員会中継より

2011年7月4日月曜日

菅総理、老朽原発:「延命」が社会不安を募らせる







政策を打ち出すたびに「また、延命か」と揶揄される菅総理、浜岡原発停止から、脱・原発の動きをよそに、ここに来て玄海原発の再稼働など老朽原子炉の「延命」の動きが出て、国民の不安は募るばかりだ。

案の定、菅総理の任期は落ちるばかりだ。読売新聞(2011.7.4)の世論調査では、内閣支持率は24%に下落、支持しないは63%になった。退陣については、出来るだけ早くを含めて8月までに退陣が72%を占めるという。

菅総理に言わせれば、内閣支持率はまだ24%だ、シングルで辞めていった総理もいると思っているかも知れない。「辞めろ」と言われれば逆に発憤するかも知れない。退陣条件にと打ち出した3つの法案の成立の目処も、国会審議が一向に進まず、逆に成立の目処が立っていないと退陣時期を先送りの「延命」の手段に出る畏れがある。

一方、浜岡原発を停止させながら、原発運転再開の動きが出てきた。海江田経済産業相と会談した佐賀県知事は「安全をクリアー」したと玄海原発2,3号機の再稼働を容認する意向を示したが、県議会の意向も聞くと共に、県民に説明、菅総理の真意の確認も必要だという。当然だろう。

しかし、老朽原発の延命には、重大な危険が含まれていることを忘れてはいけない。金属材料の脆化=劣化による重大事故の発生の怖れだ。

東大名誉教授井野先生によると、圧力容器は中性子線によって劣化し、脆性遷移温度が上昇して小さな力でも容器が割れてしまう危険があるというのだ。その遷移温度雅言海1号機では76年35℃だったのが、09年の調査では98℃に上昇しているのだ。例えば、高温の原子炉に緊急冷却のために水を入れると、圧力おゆきが破壊する野田(週刊現代2011.7.2)。

老朽化した原子炉は「延命」ではなく、「廃炉」にすべきだと訴えている。金属劣化のことは知ってはいたが、こういう事もあるのかと驚くと共に、福島第一原発はどうなのかと心配に為る。

原子炉の延命は重大事故にも結びつき、社会不安を増大させる。原発の是非が国政選挙の争点になる事は十分に考えられることであるが、その前に日本のエネルギーの現状をしっかり議論すべきである。今の節電要請は、「原発ありき」の疑いがある。
菅総理が打ち出した政策は、誰が総理であっても重要な法案であるが、その内容をしっかり国会で審議すべきであり、菅総理を早く辞めさせるために、内容があやふやなままに成立されたのでは堪ったものではない。

菅総理が辞めれば、政治は動くと国民は期待している。

菅総理「延命」、居座りは政治不安を募らせるばかりだ。菅総理がゴネればゴネるほど菅政権、民主党の支持派下落する一方であることを菅総理は早く気づくべきなのだが・・。

政治は国民の不安を掻き立ててはいけない。

写真左:読売新聞世論調査 2011.7.4

写真右:老朽化原発の危険を訴える週刊現代 2011.7.2

2011年7月3日日曜日

民主党迎合政治2年の功罪



ポピュリズムで政権に就き、ポピュリズムで政権を追われそうな民主党迎合政治の2年間は何だったのか。叩かれれば叩かれるほど元気の出る菅総理と言われるが、世論に対抗してでも総理の座に居座る菅総理では政治が前に進まない。人気を一番重要視する政権にあっ信頼を失うことばかりやる政治手法は不可解だ。

マニフェストの信頼を落とした責任は大きい。自民政権とは180℃方針転換し、組織票を獲得するために利権誘導がらみの行動に出たが、何とかなると思っていた財源の確保が出来ず、見直しが始まったがマニフェスト順守派徒党内が2分し、権力闘争の具になってしまった。

黒幕による権力の2柔構造は、総理の指導力を殺ぐ結果になり、内閣支持率を落とす結果になった。鳩山政権時の小沢さん、政策は鳩山、党運営は小沢の役割分担をやったようだが、右往左往する政策推進に、小沢さんは「コレが民意だ」と党の考えを強要し、鳩山さんの指導力は大幅に下落した。

菅政権時の仙石さん、国会での委員会審議でも総理に変わって答弁しようとする様子がテレビでも放映され、予算委員長をして「仙石総理大臣・・」と指名間違いされたほどだ。今は、「菅降ろし」の急先鋒になったが、次の一手が見あたらないようだ。

そして、一番不可解なことは議席数の数あわせで政党支持率が0%の弱小政党・国民新党と連立を組んだ事で、民主党の政策に大きな変更を余儀なくされていることだ。鳩山政権時、亀井さんが金融・郵政改革担当大臣として入閣下までは良かったが、日本郵政の新社長に急大蔵省事務次官の斉藤さんを持ってきたことで、「天下り禁止」の政策に反することになり、その後の官僚天下りは官僚の思うままの状態になった。

最近では、ねじれ国会対策として過半数確保のために、亀井さんは自民党参議院議員を一本吊りする荒技に出た。背後には自民党出身者が工作に当たったようだが、選挙での民意を逆なでする行為であり、かえって今後の対野党対策が難しくなってきた。

国民と約束した公約を守れと言う一方で、公約の内容が変質している事への責任をどうするのか。

また、「政治とカネ」の問題は相変わらず付きまとう面倒な問題だ。「任せていた」「知らなかった」で、公明正大な政治がされているかどうかを国民が監視できる方法としての政治資金規正法をかいくぐることが出来る。外国人違法献金疑惑では、前原さんは認めて辞職したが、菅さんは知らなかった、返金したことで責任逃れしようとした矢先に、大震災、原発災害の発生だ。

民主党も外交には弱い。APEC開催を控えての中国船領海侵犯事件では、政治的理由で検察が中国船船長を釈放し国益を害する行為に出た。政府は当初ビデオを公開しなかった。流出させた海上保安官は刑事犯とはならなかったが辞職していった。那覇検察審査会は中国船船長を起訴すべきだと議決したが、検察は不起訴処分にした。

日本の外交は、どうしても弱腰になり勝ちだ。相手国と争い事を起こしたくないという考えがあるのだろうが、国益をしっかり守らなければならない。一部に米国と「対等外交」が叫ばれたが、普天間移設問題では完全に沖縄と信頼関係を失った。

菅政権に至っては、独善政治が鼻につく。根回しもせず唐突な政策発表は、「これぞ政治主導」と言わんばかりであるが、その政策にどの程度執着しているのか分らないし、議論も全くされていない。総理の周辺は戸惑うばかりだろうが、一番迷惑するのは国民だ。

民主党政権になって「政治は変わるだろう」と期待した学者や国民も多かっただろうが、小沢さんが言ったように「まだ政権を担う力はついていなかった」のだ。

2011年7月2日土曜日

何故、菅代表(総理)を選んだのか



何故、菅さんを選んだのか。「早く辞めろ」「人間性に問題がある」「こんな人間とは思わなかった。選んだことに申し訳ない」、菅さん対する民主党からの批判の声だ。菅さんを国民が選んだわけではない。35万人とも言われる民主党議員、民主員そしてサポーターの投票で代表になったが、衆議院で圧倒的多数の議席をもつため、総理に祭り上げられた。

先の参議院選では、唐突に消費税値上げを打って出て、大きく議席を減らし、「ねじれ国会」の状態になったが参議院選だから直接国政に関係しないと強弁し国民の評価への対応を逃げた。

しかし、批判がある一方で、唐突な政策発表、不可解な政治手法に抵抗もあるが、良くやっているという見方もある。今は、誰がやっても難しい局面なのだ。

民主党代表選では、対樽床、対小沢での選択になった。未知数の樽床さんに比べればまだマシだ、「政治トカネ」、古い体質の政治家小沢さんよりはまだマシだ。

選択基準は「悪さ加減のすくない」のは、誰かと言うことになる。

賢い議員は菅さんと戦うのをさける。必然的にでてくるのは無名の議員で、次の局面の踏み台にする狙いが見え見えだ。何がやりたいかは必要でなく、自分のステップアップしか考えていない。

一方で、ここまで批判されながらも、党内最大グループ(?)の小沢系議員は、この厳しい局面を小沢さんで乗り切ろうとする動きもあった。しかし、小沢さんは「このやり方ではダメだ、ダメだ」というばかりで、逆にどうすれば打開できるかの政策は一向に発しない。所属議員も小沢頼みの発言ばかりだ。

最大派閥が相だから、他の数十人規模の弱小派閥から代表が出ると関係調整で大変だ。国民の人気に頼ろうと政治主導とパフォーマンスを勘違いした。

21世紀臨調からも、政治主導とマニフェストに対する不信を植え付けた責任は重大と指摘される始末だ。

更に意固地で頑固を押し通せば民主党に対する信も失うことになる。利権を求める筋は「粘り腰」と評価するが、そう評価する人間は多くない。
先の民主党両院議員総会で、立場が不利と見た菅さんは、再生可能エネルギーと関連してか、次の国政選挙では脱・原発が争点になると明言し、解散・総選挙の可能性も匂わせた。私も原発はフェード・アウトするしかないと思っているが、もっと議論すべきである。ポピュリズムで判断するのは早計だ。

ポピュリズムで政権を獲得し、ポピュリズムで沈没していく民主党なのか。

写真:2010.6.4の民主党両院議員総会での新代表決定 民放テレビニュースより

テレビの情報番組での節電対策に注意






















1日から37年ぶりに節電発令がされた。一般家庭もピーク時間帯における使用最大電力量の15%削減が求められている。テレビの情報番組も節電対策がテーマに専門家を交えて解説している。こういう対策を取ると何%野削減率になると言う内容だ。

一方、孤独な年配者が熱中症で死亡する事例が毎日、どこかで報告されているが、決まってエアコンは動いていなかったというのだ。世の中節電、節電というので、熱中症になって亡くなったと思うと余りにも哀れだ。

情報番組では、家庭での消費電力の一番大きいのはエアコンの53%だという。このエアコンの設定温度を2度あげると20%の削減になり、夏の日中の在宅世帯の平均消費電力を1200W、エアコンの消費電力695Wとすると、10%の削減になる(経済産業省HPより)。

しかし、テレビの情報番組では、設定温度を2度上げると20%削減されることばかり主張しているが、これは電気代のことを考えただけのことで、大切なのは室温である。


新聞でも設定室温を2℃引上げれば電力消費が約10%減るという(読売新聞 2011.7.1)だけで室温には触れていない。

室温についての規制では、労働安全衛生法で事業所室温を17℃以上、28℃以下としている。快適室温も居間では22~25℃という。

改めてどうなっているのか経済産業省の節電対策メニューを見ると、「室温28℃を心がけましょう」と言うし、東電の節電チェックリストでもエアコンは「室温28℃を目安に」と表示されている。

設定温度を上げろと言うと簡単であるが、冷やしすぎないように温度計で室温が28℃付近になるようにエアコンの設定温度を変えていく必要がある。この数日マンションの室温が33℃を越える。扇風機だけでは耐えられず、エアコンの設定温度を24℃に設定すると30℃をやっと切る程度でも楽になる。しかしこれではまずいので28℃設定に変更した。

風速も自動にすれば節約になると言うが、扇風機を使っても室温はあまり下がらずかえって不快になる。「強」にして30℃程度だ。家族が集まると設定温度を下げなければならなくなる。

電球もLEDに交換すれば使用電力は減ると宣伝しているので、家電量販店に言ってみたが結構高い。 しかも色が青白で好きになれず、6灯を半分にした。少し暗い感じがするが、不便さはない。

東電の節電チェックリストで、我が家をチェックしたら20%の節電になった。昨年の我が家の電気使用量を東電に確認したら7月271kWh、8月179kWh、9月297kWhだった。今年はどうなるかだ。

これから暑さが続くが、午後2時ごろをどうやって過ごすか。先日、調べモノがあって図書館に行ったら年配者が多く来て新聞や雑誌を読んでいた。一つの過ごし方だ。



写真上段左:節電対策メニュー 経済産業省HP



写真上段右:節電チェックリスト 東電HPより



写真下段:節電の基礎知識 資源エネルギー庁