2011年7月4日月曜日

菅総理、老朽原発:「延命」が社会不安を募らせる







政策を打ち出すたびに「また、延命か」と揶揄される菅総理、浜岡原発停止から、脱・原発の動きをよそに、ここに来て玄海原発の再稼働など老朽原子炉の「延命」の動きが出て、国民の不安は募るばかりだ。

案の定、菅総理の任期は落ちるばかりだ。読売新聞(2011.7.4)の世論調査では、内閣支持率は24%に下落、支持しないは63%になった。退陣については、出来るだけ早くを含めて8月までに退陣が72%を占めるという。

菅総理に言わせれば、内閣支持率はまだ24%だ、シングルで辞めていった総理もいると思っているかも知れない。「辞めろ」と言われれば逆に発憤するかも知れない。退陣条件にと打ち出した3つの法案の成立の目処も、国会審議が一向に進まず、逆に成立の目処が立っていないと退陣時期を先送りの「延命」の手段に出る畏れがある。

一方、浜岡原発を停止させながら、原発運転再開の動きが出てきた。海江田経済産業相と会談した佐賀県知事は「安全をクリアー」したと玄海原発2,3号機の再稼働を容認する意向を示したが、県議会の意向も聞くと共に、県民に説明、菅総理の真意の確認も必要だという。当然だろう。

しかし、老朽原発の延命には、重大な危険が含まれていることを忘れてはいけない。金属材料の脆化=劣化による重大事故の発生の怖れだ。

東大名誉教授井野先生によると、圧力容器は中性子線によって劣化し、脆性遷移温度が上昇して小さな力でも容器が割れてしまう危険があるというのだ。その遷移温度雅言海1号機では76年35℃だったのが、09年の調査では98℃に上昇しているのだ。例えば、高温の原子炉に緊急冷却のために水を入れると、圧力おゆきが破壊する野田(週刊現代2011.7.2)。

老朽化した原子炉は「延命」ではなく、「廃炉」にすべきだと訴えている。金属劣化のことは知ってはいたが、こういう事もあるのかと驚くと共に、福島第一原発はどうなのかと心配に為る。

原子炉の延命は重大事故にも結びつき、社会不安を増大させる。原発の是非が国政選挙の争点になる事は十分に考えられることであるが、その前に日本のエネルギーの現状をしっかり議論すべきである。今の節電要請は、「原発ありき」の疑いがある。
菅総理が打ち出した政策は、誰が総理であっても重要な法案であるが、その内容をしっかり国会で審議すべきであり、菅総理を早く辞めさせるために、内容があやふやなままに成立されたのでは堪ったものではない。

菅総理が辞めれば、政治は動くと国民は期待している。

菅総理「延命」、居座りは政治不安を募らせるばかりだ。菅総理がゴネればゴネるほど菅政権、民主党の支持派下落する一方であることを菅総理は早く気づくべきなのだが・・。

政治は国民の不安を掻き立ててはいけない。

写真左:読売新聞世論調査 2011.7.4

写真右:老朽化原発の危険を訴える週刊現代 2011.7.2

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