2011年8月4日木曜日

「菅降ろし」のはずが、民主党分裂、自民党主導権争いの危機













民主党の看板政策であった「子ども手当」の廃止で、政局は8月中の官退陣へ向けて進んでいるように見えるが、「菅降ろし」のはずが、民主党は分裂、自民党は主導権争いの畏れが出てきて、コレではポスト菅が思いやられる。

「菅降ろし」で政治は前に進むと思っていたが、菅政権と、まだ見えてこないポスト菅政権の悪さ加減を比較することも難しくなってきた。

「子ども手当」は今年度末で廃止し、今までの自公政権時の「児童手当」を復活させることで、民主、自民、公明が合意したという。

子育てを社会全体で見ていくための、税額控除から直接給付への理念は間違っていなかったが、財源不足のためには仕方結果と見る向きが多いが、看板政策の廃止だけに民主党は意見が二分している。

岡田幹事長は、子育て世代には大きな支援になっていると胸を張るが、復興財源に振り向けるために所得制限を設けたと意義を主張する。

しかし、小沢、鳩山さんは黙っていない。マニフェストの理念は消えた。「子ども手当」は私達の命と不満この上ないし、お盆までの今月半ばまでに、一致して退陣させるべきだと小沢さんは宣戦布告だ。

来るべき民主党代表選では、脱・原発、増税の是非、そして「子ども手当」が争点になるだろう。菅執行部と180°違う政権交代の原点復帰政策が争点になるだろう。

民主党内の権力闘争次第では、小沢、鳩山グループの離党が現実味を帯びてくる。

一方、自民党だって騒々しくなるだろう。

民主党執行部と協調路線を進もうとする大島副総裁らのグループと、民主党の他のマニフェストの見直しも要求しようと強硬路線をすすむ若手、中堅グループの思惑は大きく隔たっている。

肝心の谷垣総裁は、「政権交代の正当性が大きく損なうことになったのだから、選挙で信を問う必要がある」と解散、総選挙を主張するが、選挙の顔となるはずの谷垣さんの人気が、石原、石破、河野等に比べて遙に低いことも悩みのタネだろうし、自民党改革も進んでいない。

週刊誌などでの選挙予測も民主党300議席から100議席へと大きく議席を減らす予測が出ている。自民党は選挙に持って行きたいだろうが、民主党はどうなのか。菅総理も「憲法に規定する権利は知っているとか」、「憲法に記された権利の範囲内でやっていく」と、解散権をにおわすが牽制だろう。

政治の混乱は、まだまだ続く。「菅降ろし」でまとまっている今が、一番安定していると言うと皮肉になるか。

写真上段左:自民党本部 ポスト菅でベテラン議員と若手、中堅議員で主導権争いが勃発する危険

写真上段右:子ども手当て見直しで民主党、自民党、公明党で正式合意 2011.8.4 NHKニュース7

写真下段:民主党本部 子ども手当ては看板政策自分たちの命と言う 政権交代原点復帰で分裂の危機 

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