不出馬と言っていた前原さんが、急遽出馬を決めた事で候補者は出そろったが、これと言った実績、経験もないのにどうしてこんなに代表→総理を狙う議員が多いのか。菅総理が退陣の条件に「目処が付き次第、後を若い人に託する」と言った事も影響しているのだろうか。
ところで、民主党議員は民主党政権がいつまで続くと思っているのか。このまま衆議員任期一杯やれば、政権も維持できそうであるが、総選挙でもやれば民主党は野党に転落で、政権を手放すことになる。
来年9月の民主党代表選までの「つなぎ政権」だとか、「今度は待って本格政権を狙う」と言ってみたりしていたことを考えると、民主党にはまだ政権を維持できると思っていたようだが、もうそんなに甘くはない。
民主党政権は、長くても次の総選挙までである。
恐らくそんな事情もあって、前原さんは最後の決断をしたのだろう。他の候補が、数の確保で小沢グループに擦り寄り、小沢さんの復権をも匂わす中で、前原さんはそれを否定する。
代表選混戦は、民主党内事情をさらけ出し、前原vs小沢の様相を呈してきた。
勿論、小沢さんは党員資格停止の身分だ。直接候補者になれないが、最大多数のグループを背景に代表選を牛耳ろうとするのは当然だろう。
しかし、小沢頼みは世論では厳しい目で見られる。小沢さんに頼るメリットは何処にあるのか。2009年のマニフェスト回帰を主張するが、その財源となる根拠は乏しい。「政権に就けば何とかなる」と考えていた節があるが、今までどうして財源の確保を示せなかったのか。
自分は、党、政権の要職に就いていないからと言うのでは了見が狭すぎる。そんなちっぽけな人間を頼る民主党議員に愛想も尽き果てる。小沢グループがマニフェスト順守を言うのであれば、財源の根拠を明らかにして欲しい。
一方、前原さんにはある程度の好感は持てるが、「偽メール事件」「外国人違法献金」は誰でも心配になる。「あのメールは偽物だ」と政界では言われていたことだが、前原さんは「来週を期待してください」と何やら新しい根拠が示されるのではと注目したが何も出ず、張本人の永田議員(故人)は、衆議院予算委員会で「どういえば信用されるのでしょうか」と問いかけて周囲を唖然とさせたみっともない事件だった。
政治資金規正法違反は、金額の多少に関係なく、政治家生命に係わる問題だ。前原さんは認めて外務大臣を辞したが、事例は違っても小沢さんは秘書を含めて裁判闘争中だ。
裁判の結果を待たず、代表選で支持してくれれば復権のチャンスもあるとほとんどの候補者が言及するが、それでは今までが何だったのか。民主党としてのケジメはどうなるのか。
万一、そんなことになろうモノなら、民主党は完全に国民から見放されるだろう。
野田さんも、一番乗りで立候補を表明したが、「大連立」「増税」は受け入れ難いモノだった。財務省の言いなりと批判されるのは気の毒なことであるが、この人は決断力のない人だ。円高が進む中で、介入の声が挙がるモノの、「市場を注視する」との決まり文句で何にも出来ず、円高は最高値を更新している。
菅さんにしろ、野田さんにしろ、財務省との距離が近すぎることは政界では支持されにくい。
他の候補を見ても、グループの存在を誇示するため、あるいは代表選後の要職狙い、ステップアップのための無理な立候補だ。当然の事ながら20人の推薦人も確保できず退く者もいる。
今回の代表選が民主党政権の最後なのだ。各候補者が政策を訴え、民主党議員が個々の信念に基づき投票することを願いたいが、小沢さんに数を背景に引っかき回されては、民主党の明日はない。
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