政権交代から2年、国民の信を問わないたらい回しで2人目の首相の就任、党内のまとまりに欠け、党内融和でできあがった内閣は適材適所にほど遠く、山積する政治課題に取り組む能力に疑問符が付く有様で、これで民主党政権は終わるのか。自民党政権の方がマシだったのではないか。
野党時代はあれだけ批判していた「たらい回し政権」を何のためらいもなく、やってのけその正統性もコメントしない。他にも多数の野党時代での言論に反する行為には呆れかえる.
見通しの甘さから見直しを要求されるマニフェストも4年で果たすもので今は道半ばだと言う。国民に嘘を付いたわけではなく、政治理念である「国民の生活が第一」は守られているという。
財政再建は緊急の政治課題であるが、鳩山さんは4年は消費税増税はしない。菅さんは唐突な消費税増税を訴えて参議院選で大敗した。でも議論はしても良いのではないかと言い、増税前に国民の信を問うと約束した。財政再建には増税が欠かせないのだ。それでも小沢グループは増税に反対する。「2010年半ばまでに10%」と言うが、2013年までに国民に信を問うての増税はスケジュール的に無理ではないか。
野田内閣は、3党による政策の事前協議を提案する。復興などでスムーズに政治を前に進める狙いがあるようだが、政府、各党が一番良い政策を国会に提案し審議して政策が決まるものだ。3党に夜事前協議は議会制民主主義を無視するものであり、自民党をはじめ野党は反対している。
「政治トカネ」の問題は根深い。野党時代が長かった民主党員は筋の悪い献金に頼ったためか政党幹部にも政治資金規正法違反疑惑が絶えない。行き着くところは小沢さんだ。国会招致にも応じず、説得も出来ないのだから自浄作用の無いことをさらけ出し、ゴネル程小沢さん自身もさることながら民主党自体の評価を落とす。
その小沢さんを頼って120人もの議員が小沢グループを形成している。今は、野田首相が融和策で何とか静穏を保っているが、常に反執行部の動きをする。党内での「まとまりがない」要因の一つだ。
何故、多くの議員が小沢さんに群れるのか。1年生議員が多いようだが、国会議員としての経験、資質に欠けどう判断、行動して良いか分らないため、小沢さんの判断に頼っているのではないか。その小沢さんの秘書が政治資金規正法違反で有罪(執行猶予付き)になり、自らの公判も控え民主党内の動揺は計り知れない。次の総選挙では多くの議員が淘汰されるだろう。
野田内閣は、今は安全運転と言うが、この内閣はこの程度しか出来ないのではないか。野田首相の財務大臣経験は、あらゆる面で財務省主導を疑わせる。泡沫候補だった野田さんが代表選で2位に付け、決戦投票で勝った背後に財務省の動きがあったらしい。
政権交代の売りの一つは、「官僚主導から政治主導へ」だが、野田さんが財務省との距離をどう取っていくのかが注目される。その一つが国会審議で注目された朝霞の公務員宿舎建設の見直し発言がある。財務省の3政務官で決めたと言うが、105億円の出費は公務員優遇と疑われても仕方ないことだ。
国民の目線での政治が重要と言うが、民主党も旧来型の目線しか持っていないのではないかと疑う。
さらに適材適所で築いたという野田内閣も今回の国会審議で「不完全な内閣」を疑わせる要注意大臣が明らかになった。復興増税では11.2兆円か9.2兆円かで大臣の国会答弁が二転三転し、山岡国家公安委員長はマルチ商法擁護で集中攻撃を浴びた。
国会審議では、全大臣が質問者の顔じっと見ながら質問を聞く姿は、今までの内閣とは違った好感を持たせるが、山積する難題をこなしていけるかどうかは、甚だ心配である。
そして民主党は終わるのだろうか。
先の「菅降ろし」騒動では、民主党が割れるのを懸念した鳩山さんが、不明朗な調停をし結果として菅政権の延命に加担した。この党内のゴタゴタ騒ぎは民主党の欠陥をさらけ出した。
生き残りを賭けた連立構想もあるが、どうなるのか。小沢さんの在籍のままでは自民党はウンとは言わないだろう。社会党系、民社党系の議員はどう動くのか。取りあえずは選挙で、どうしようもない議員を淘汰してからの話だろう。
ところが、一方の自民党も人事抗争でゴタゴタしている。若手・中堅議員とベテラン議員の間に溝があるらしい。復権に当たっては党内の主導権争いにもなる。
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