電力供給という公益事業を担っている九州電力の「やらせメール」事件での最終報告書に経済産業相からクレームが付き、「重く受け止める」と再提出の羽目になったという。社会的に大きな問題になった事案に対して、どうしてこうも権威のない報告書が提出されるのか。九電にはコンプライアンスの意識があるのか疑いたくなるほどだ。
この程度で良いだろうと甘く見た九電側の誤算は大きい。またまた、失態を繰り返したことになる。そういえば、最初に問題が発覚した時の社長の記者会見も見ても、重要な問題との認識はなかったのだ。
メデイアの報道によると、経済産業相が不満を述べたポイントは、第三者委員会が指摘した佐賀県知事の関与を明確にせず報告書の都合のいいところだけを取り上げたこと、そして社長など経営陣の引責辞任を撤回したことにある。
原発の発電再開に先立つ経済産業省主催の県民説明番組がどんな意義付けの説明会だったか良く分からないが、一般に言う公聴会の一種なのだろう。この番組での賛否が原発再開に向け、どの程度の影響力があるのかも分からないが、認めるかどうかは最終的には首長の判断ではないか。
そうすると、佐賀県知事の「やらせ関与」の疑いは、はっきりしなければならないし、その行政責任は大きいのは確かだ。
しかし、九電は県知事の辞任にも発展しかねない「やらせ関与」に対して、九電自身が認めたとは言いたくないだろうし、県知事側にしたら辞任要求が強まることを避けたいために、発言を曖昧にして何とか逃げようとしている。そこに問題がある。
九電が県知事側の関与を認めるのは、もっと大きなプレッシャーが必要だったが、案の定、第三者委員会の委員長が反発した。そして経済産業相の発言を、これ幸いとばかりに再提出で方針転換をしようとしているのではないか。
念のため九州電力の「経済産業省主催の県民説明番組への意見投稿呼びかけ等に関する事実関係と今後の対応について(ご報告)」を九電のHPで見た。
40ページ程に及ぶ報告書でふんだんに資料が添付されている。
それによると、意見メールしたのは社員45人、社外106人の合計151人という。
再発防止策として、コンプライアンスの本質や重要性に関する意識の徹底を図り、経営者層をはじめ全社一丸となって信頼回復に努めるという。
そして、社長及び取締役並びに関係者の厳正な処分では、会長、社長は100%減額、3ヶ月、副社長は50%減額、1ヶ月など減額処分で、他の関係者は10月中に実施するという。言われていた引責辞任には触れていない。
九電のコンプライアンス行動指針には、「お客様との信頼関係の構築」を挙げているが、今回の「やらせメール」は、信頼を失墜することになった。
広く県民の声を拾い上げる公聴会への不当な関与は、あってはならないことであり、経営者の責任は重い。
コンプライアンスに反する判断をした企業の責任として、会長、社長は引責辞任だろう。県知事の責任は自ら辞職するか、県民がどう判断するかになるだろう。
今回の事件は、どの企業もコンプライアンスを強調するが、実際の事案では旨く働いていないことが分かった。そして、国に対する報告書ぐらいは、しっかり権威付けされ、批判があっても押し通せるものであってほしいと思う。
この程度で良いだろうと甘く見た九電側の誤算は大きい。またまた、失態を繰り返したことになる。そういえば、最初に問題が発覚した時の社長の記者会見も見ても、重要な問題との認識はなかったのだ。
メデイアの報道によると、経済産業相が不満を述べたポイントは、第三者委員会が指摘した佐賀県知事の関与を明確にせず報告書の都合のいいところだけを取り上げたこと、そして社長など経営陣の引責辞任を撤回したことにある。
原発の発電再開に先立つ経済産業省主催の県民説明番組がどんな意義付けの説明会だったか良く分からないが、一般に言う公聴会の一種なのだろう。この番組での賛否が原発再開に向け、どの程度の影響力があるのかも分からないが、認めるかどうかは最終的には首長の判断ではないか。
そうすると、佐賀県知事の「やらせ関与」の疑いは、はっきりしなければならないし、その行政責任は大きいのは確かだ。
しかし、九電は県知事の辞任にも発展しかねない「やらせ関与」に対して、九電自身が認めたとは言いたくないだろうし、県知事側にしたら辞任要求が強まることを避けたいために、発言を曖昧にして何とか逃げようとしている。そこに問題がある。
九電が県知事側の関与を認めるのは、もっと大きなプレッシャーが必要だったが、案の定、第三者委員会の委員長が反発した。そして経済産業相の発言を、これ幸いとばかりに再提出で方針転換をしようとしているのではないか。
念のため九州電力の「経済産業省主催の県民説明番組への意見投稿呼びかけ等に関する事実関係と今後の対応について(ご報告)」を九電のHPで見た。
40ページ程に及ぶ報告書でふんだんに資料が添付されている。
それによると、意見メールしたのは社員45人、社外106人の合計151人という。
再発防止策として、コンプライアンスの本質や重要性に関する意識の徹底を図り、経営者層をはじめ全社一丸となって信頼回復に努めるという。
そして、社長及び取締役並びに関係者の厳正な処分では、会長、社長は100%減額、3ヶ月、副社長は50%減額、1ヶ月など減額処分で、他の関係者は10月中に実施するという。言われていた引責辞任には触れていない。
九電のコンプライアンス行動指針には、「お客様との信頼関係の構築」を挙げているが、今回の「やらせメール」は、信頼を失墜することになった。
広く県民の声を拾い上げる公聴会への不当な関与は、あってはならないことであり、経営者の責任は重い。
コンプライアンスに反する判断をした企業の責任として、会長、社長は引責辞任だろう。県知事の責任は自ら辞職するか、県民がどう判断するかになるだろう。
今回の事件は、どの企業もコンプライアンスを強調するが、実際の事案では旨く働いていないことが分かった。そして、国に対する報告書ぐらいは、しっかり権威付けされ、批判があっても押し通せるものであってほしいと思う。
写真:九州電力の「経済産業省主催の県民説明番組への意見投稿呼びかけ等に関する事実関係と今後の対応について(ご報告)」 九州電力HPより
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