2011年11月17日木曜日

政治家よ 利己心を捨て政治にあたれないか



今の世界各国の政治を見ると、政治家は利己心を捨て一致団結してこの国難にあたらなければならないときに、私権、党利党略に走り与野党に一致点が見られず国政の不安定性ばかりが目に付き、市場が好転する気配がない。

新聞報道によると、財政再建を最優先しなければならないイタリアのモンテイ政権に、政治家が一人も入っていないという。日本の議院内閣制とは違うのだろうが異常な内閣だ。

政治家が一人も入っていないと言うことで安定政権として危惧する見方もあるが、モンテイ新首相は、「議会や政党から強い支持を得るのに役立つ」と強弁する。学者、官僚、企業人だからそれぞれ専門性を発揮できるだろうが、議会対策が大変だろうと思うのは取り越し苦労か。

「財政再建」という国民に負担を強いる最優先課題を担っているが、国民の信を得ていないだけに、早晩解散・総選挙を迫られるだろう。

連立救国内閣でも作って、全員一致で国難にあたらなければならないときに、政治家の利己心、党利党略で非協力は頂けない。

イタリアばかりではない。

アメリカも来年の大統領栓を控え、共和党はオバマ大統領の再選を阻止するために米議会はゴタゴタしている。債務問題での上限枠引き上げ、雇用促進法案でのゴタゴタはまだ新しい。世界が何をしているのだと不信感を持っても可笑しくはない。共和党はオバマ大統領再選阻止の戦術を取っているのだ。

オバマ大統領は、点数を稼ぐ絶好のチャンスとしてAPEC,TPPに臨み国益を押し出す態度をとった。

日本だって同じことだ。

内閣支持率も下落する弱体民主党政権に協力することなど全く念頭にない。自民党は解散・総選挙に持って行き政権奪還することが最優先課題で谷垣総裁の命運がかかっている。

大震災を受けて連立政権構想も持ち上がっていたが、菅総理の手法の稚拙さから実現できなかった。野田政権は消費税増税、TPP参加の路線を進んでいるが、消費税増税は国際公約を御旗に突き進もうとしているし、賛否二分化するTPPに対しては日米交渉で解釈の違いを鮮明にした。

先の参院予算委員会の審議でも議論がかみ合わない。消費税増税では国民に信を問うタイミングが問題になった。野党は消費税増税法案の提出前に解散・総選挙を訴えているが、与党の民主党は法案成立後に国民に信を問うという。マニフェストとの整合性でこの一点張りだ。

これでは、政治家はダメだと言われても仕方ないが、政治家がダメな要因に選挙がある。

常に選挙の洗礼を受ける。私権、党利党略に走り相手側に点数稼ぎさせることなど毛頭考えていないのだ。

今はそんな時ではない。政治家は利己心を捨て国民のために政治にあたらなければならない。

写真:イタリア新政権を報じる読売新聞 2011.11.17

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