2009年7月10日金曜日

500個の風鈴が、不思議なことに一個の「音に




日蓮宗大本山 池上本門寺に500個の風鈴の音を聞きに行ってきた。

 総門をくぐり、加藤清正が寄進したという此経難持坂(しきょうなんじざか)の石段を登り始めると、「りんりん」という音がかすかに聞こえてきた。
 
 石段を登り切り、仁王門のかけての広場に、500個に上る風鈴がつるされ、折からの強風で「リンリン」という音を奏でている。
「五月蠅いかな」と思っていたが、良く聞くと一個の風鈴の音に聞こえてくるから不思議だ。

 昨年川崎大師の風鈴市に言ったときは、約800種類、約30,000個の風鈴が風に吹かれて鳴っていたが、五月蠅いぐらいだった。

 今日の風鈴の音は、さわやかな感じがする。よく見ると風鈴の材質、大きさが同じなので、沢山鳴っても一つの音に聞こえるのだろう。

 この500個の風鈴を吊すイベントの由来を社務所の人に聞いてみたが、「特にない」と言うことだった。たまたま取材に来ていた地元テレビ局のクルーの取材に応じたついでに、「特にイベントの由来はないらしいですね」と聞くと、昔ある人がコンサートを開いた時に風鈴をつかったが、500個が一番適していたと言うことで、500個の風鈴を吊すことになったと教えてくれた。

 この音を聞いて、風鈴をコンサートに使った音楽家に拍手を送る。

 ところで、たかが風鈴と言っても、由来がある。

調べてみると、中国では物事の吉凶を占う道具として占風鐸というらしい。我が国では寺の四隅にかかっている風鐸がそれで、ガランガランと鳴る音が厄除けとして使われた。平安、鎌倉時代に縁側に下げて疫病神の侵入をのぞいたという(ガラス製になったのは、1700年頃長崎のガラス職人が見せ物として伝えたからだという)。

 条件が合っていれば、500個が奏でても、一個の音に聞こえるのは発見だった。年配の女性がインタビューに「心が洗えます」と答えていた。

この催しは、7月19日まで。JR蒲田駅で東急池上線に乗り換えて、「池上駅」で降りる。

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