2009年8月31日月曜日

自民党を操った政治で、官僚が完敗した


やっと官僚が負けた。今回の自民党の大崩壊は、官僚が国民に強烈なNOを突きつけられたのが原因だ。
 民主党政権になったところで、官僚自身が変わらなければ、鳩山さんが言う政治不信を払拭することなど出来ず、国民の信頼は取り戻せない。

 そこのところを官僚は分かっているのか。特に財務省の責任は大きい。

 官僚は、政党を通じて政策を推し進めるしか生き残れないが、そこに私利私欲、省利省益の事業を展開する余り、政党が信を失った。

 ここ1~2年で明らかになったことでも明白である。国民から大きな怒りを買ったまま解決の道がない年金問題、そして持続が危うくなった年金制度の問題は生活に直接影響する。公共事業は無駄が多い。中には半世紀前に計画された事業がまだ続き投資額もふくれあがった。地方分権で明らかになった地方へ押しつけた国土交通省のぼったくり予算、目に余る高級官僚の天下り・渡りの実体、各種税・掛け金の目的外使用、道路特定財源に見られる族議員への利益誘導、複雑な国家予算、中でも207兆円に及ぶ特別会計は予算はあるが、決算がないいい加減さ、郵政民営化をはじめ米国の年次改革要求事項にそった行財政改革は、生活不安、格差社会を増殖させている。

 あらゆる行財政に国民は疑問と不信感を募らせ、自民党を崩壊させた。

 今度は民主党に衣替えする。これが又、政権政党になると素人集団で国民は不安を感じている。官僚が信頼を取り戻すには「ここが、こう変わった」と説明する努力も必要になる。「政治はお上に任せろ」では、納税者として我慢できないのだ。

 行政をやるには、官僚機構は潰せない。しかし、やり方を変えるのは可能である。

奢るな民主 この議席数は民意を反映していないのでは(1)


圧倒的な民主圧勝で、今回の政権選択選挙は終わったが、果たしてそうだろうか。

 いつも思う事ではあるが、有権者の民意と議席数があっていない。

 前回の小泉政権での「郵政民営化」を問う選挙では、自民党が296議席をとり圧勝、その後の自民党政権の傲慢な政局運営が始まった。

 ところが、本当に国民の民意はどうだったのか。
小選挙区で国民の民意を、自民・公明の獲得票数を「郵政民営化賛成」に、その他の野党の獲得票数を「郵政民営化反対」で計算してみたら、賛成49%、反対51%で郵政民営化反対の民意であった。大体において、半々の意見だったと言っていい。ところが、議席数にすると、61%もの獲得数になるのだ。

今回「政権交代」を掲げた総選挙ではどうだったのか。8月31日の新聞報道での当選者数を見ると、自・公140人(30%)、民主その他334人(70%)になる。

本当に民意を反映しているのか。まだ確定していないところもあるので、正式には明日の結果を見てみないと分からないが、東京ブロックと四国ブロックで、検討してきた。

 東京ブロックの場合
「政権維持」を訴える自民・公明の獲得票数は42%、「政権交代」を訴える民主・その他の獲得票数は58%になるが、実際の小選挙区での獲得議席数は自民・公明4人(15%)、民主・その他は21人(85%)で、圧倒的に民主党に有利になっている。

 一方、比例区で見ると、自・公獲得票数36%、民主・その他で64%。比例区での当選者数は自・公7人(41%)、民主・その他10人(59%)でこちらは民意に則った議員数に近くなっている。

 地方はどうか。 四国ブロックを見てみた。
 小選挙区では、自民・公明の獲得票数は40%、民主・その他は43%と五分五分だ。獲得議席数は自民・公明8人、民主・その他5人で民主党が不利になっている。比例区で見ると、3人、3人でこちらは民意とあっている。

 比例区であうのは当然として、大都市近郊での小選挙区は民意にあっていない気がする。明日の最終獲得数の結果を見て、改めて検討してみたい。
 しかし、小泉さんや小沢さんのようなカリスマ政治家の選挙戦術で、民意と大きく違う議席数の獲得が可能になる選挙は考え直す必要がある。こんな事をして二大政党による政権選択など恐ろしい気がする。

 民主党は怖さを自覚すべきだ。

政権選択選挙:保守政権に終止符の政治的大変革か




30日、午後8時、選挙結果を報じるテレビ朝日は、開票間もないのに民主315,自民106,公明23,共産12,社民7,国民新党3,その他14の出口調査による見通しで、民主圧勝を予想した。

 問題議員がドンドン落選、大物議員、閣僚経験者が苦戦する状況に、痛快感を覚える。

 麻生さんもこの状況に驚いているのではなかろうか。メデイアの報道を見ると、街頭演説では、あれほどの観衆を集めての満面の笑顔が映っていた。党首の街頭遊説距離でトップは鳩山さんの1万6220kmであるが、麻生さんも1万5680kmだ。

 「麻生さんが来ると票が減る」と敬遠する候補者もいることで、スケジュールが立たない状態だと聞いていたが、結構遊説をやったことになるが、あの観衆は何だったのか。麻生さんは「15万人は聞いてくれた」と言っていたが、街頭演説に集まる観衆は決してすべてが支持者ではなく、モノ見たさの群衆である。

 しかも、開口一番「私の力不足」を謝罪していたが、「責任力」を問う麻生さんにしてみれば何やら違和感ある。麻生さんに「責任力」と言われて欲しくないと思ったが、多くの人もそう思っていたのではないか。悪い冗談だ。

 政局より経済を優先し解散・総選挙が先送りになったが、経済も底打ち、明るさが出てきたことに、自分のやった「経済政策が効を奏してきた」と胸を張り、「経済対策は道半ば」と政権継続を訴えたが、失業率は過去最悪の5.7%雇用不安は増すばかりで実感が湧かない現状に国民は認めなかった。

 一方の鳩山さんは「政権交代をしようではありませんか 皆さん」が常套句だった。政策の訴えも、ブレを晒してはまずいとの考えからか慎重で面白みはなかった。

 2人の話を聞いても、日本経済の見通しを知ることは出来ず、どっちの政権になっても不安は残るし、いままでやってきた構造改革が今後どうなるかも不明だ。その構造改革だって、タクシー業界参入の規制緩和で台数が増えたが、運転手の収入は減少し生活を圧迫している結果の追求に対して、竹中さんは「製造業で辞職した人達を吸収できたではないか」と言う。その程度の小泉、竹中構造改革なのかも知れない。

 しかし、この歴史的な惨敗に、麻生さんは辞意表明した。
 10時ごろの表明なので、早い表明になった。今後は自民党の再生に向け一党員としてがんばるという。全体的には、覚悟していたのかサバサバとした麻生さんの会見であった。

 今回の圧勝の第一の功労者と見なされる小沢さんは終始、慎重なコメントだ。
 今の結果は、メデイアの予想に基づいた結果であって、まだ確定したわけではないので、コメントは出来ないと言う。メデイアの「小泉チルドレンと小沢チルドレンの違い」に大して、そんな言い方はおかしいと不快感を露わにした。それぞれの候補者の質は違うだろうが、戦術は先の自民党の戦術と同じだ。

 小沢さんが選挙に強いと言うが、今回はそれ以上に自民党に対する嫌忌感が強く、民主党でもなんでも良いから、変わって欲しいの国民の意識が強かったのだ。マニフェストの実施についても、その財源問題では、「今言われているのは、官僚の立場で発言していること」と実際に財源はあるという。

 鳩山さんの会見で、まずやることは政調会長級をトップにする「国家戦略室」を作り操業的政策運営に当たるらしい。最終的には「国家戦略局」に持っていくという。財源では、行政刷新会議を設けてムダの徹底的な排除をする。外交/内政では政治不信を払拭し、信頼される政治を取り戻すという。

 政治不信は、民主党にも責任がある。福田さんと小沢さんとの大連立構想、ねじれ国会での国会運営の稚拙さなど民主党にも大きな責任があるのは確かだ。

 明けて31日、議席数が確定した。
 民主308,自民119,公明21,社民7,国民新党3,共産9、みんな5、日本1,大地1、無所属6だ。

 世論調査とほぼ同じだ。「まさかが本当になった」。民主党は一党では衆議院2/3の議席を確保できず、他党との政策協定が必要だ。麻生さんは「必要な場合は協力する」とコメントしていたが、ねじれ国会での民主党の行動を考えると、しっくりは行かないだろう。

 今回の選挙で、私が注目したのは静岡7区だ。

 城内、斎木、片山、竹内の4人が立候補し、城内さんが当選した。斎木さんは民主で非礼で当選だが、片山さんは自民であったが落選した。先のあの郵政民営化選挙で、城内さんは反対し、自民党は片山さんが刺客として落下傘候補になった。僅差で片山さんが当選し、城内さんは苦杯をなめた。
 城内さんは、議員宿舎を去るときテレビカメラに向かって、「それでも私は反対する」と語った目には郵政民営化の本当の姿を見ていると感じた。それから4年、毎日の辻立ちを実施し今回無所属で当選できた。
 両党ほどのマニフェストは持っていない無所属の城内さんが当選したことは、自民党は嫌だが、民主党でなくてもいい。自民党候補に変わる人材がいればいいのだということになる。

 今回の圧勝で民主党は奢ってはいけない。

海外メデイアは、55年の保守政権に終止符を打った政治的大変革というが、民主党は保守(旧自民党系)から革新(旧社会党)の議員で構成されており、決して革新政党が政権を握ったわけではない。

 今までの政治手法を変えていくだけの話だ。政治を国民の手に取り戻すために、民主党がどれだけ役に立つ化だ。

2009年8月30日日曜日

好きな政治評論家だった 細川隆一郎さん

丸いドングリ目に、太い黒縁のメガネ、袴姿でテレビの時事放談(?)に出ていた時の細川隆一郎さんを覚えているが、いつの間にか姿を見ることが出来なくなった。
 ところが、毎日新聞(2009.8.29)の「近聞達見」、岩見隆夫さんの「遺言「この日本、何とする」で細川さんの最後を知ることが出来た。

 亡くなる間際まで、ラジオで「モーニング・トーク」をやっておられたという。息の長い政治ジャーナリストだ。

 細川さんは、今度の総選挙で、自民、民主共に「国家の基本についてどう考えているのか」極めて府警格だという。憲法改正でも枯死が寺家手居ると見ている。日本人による憲法を作らなければ、独立国になったとは言えないのだ。タカ派で知られているが、同感だ。
その点、安倍政権では、国民投票法を制定しただけあって、独立には一歩前進した。

 そして、細川さんは、殺人事件の半分が親族間で起きている現状を怒り、「教育、道徳bを何とかせんといかん」と心配されていたそうだ。

わたしも同感である。

 構造改革、構造改革・・・、米国の年次改革要望事項に沿った政治をやってきたために、優れた日本の伝統が崩れてきた。社会の基本構造である「家族」が崩壊しているのだ。助け合いのままならなくなってきている。

 私も8月上旬に、インターネット新聞 janjanに「高水準の犯罪発生件数 人間力の劣化が原因か」という記事を投稿した。「こんなことをしてはいけない」「こんな事をしたらどうなるか」の教育、「想像力」、「我慢する力」など「人間力」の強化が必要なことを訴えた。

 しかし、janjanでは、編集部が一切関与していないと言うオムニパスの欄に掲載された。多くのコメントが書き込まれていた。

 この重大性が、大手メデイアは未だ、いわんやネット新聞の編集者には理解されていないのだ。これが今の日本社会の本当の姿かも知れない。

 兎に角、貴重なオピニオン・リーダーを亡くした事は残念と言う他にない。

2009年8月29日土曜日

民主党政権で、どうなるか


まだ昼間は蒸し暑い。エアコンを我慢していても、午後4時頃になると、暑さが身に堪えエアコンにスウィッチが入る。
 
 今回の夏の選挙選、候補者には暑さが堪えるだろうと思うが、東京1区の与謝野さんが、選挙カーの上で立ちくらみを起こしたぐらいで、他の高齢の候補者は大丈夫なのだろうか。
足も弱ってトボトボ歩く候補者も写真に載っていたが、何のための立候補なんだ。「国民のため」なら、他の若い候補者に変わった方がよい。やっぱり、永年勤続の銅像を建てたいだけの「自分のため」の立候補だ。

 選挙運動も今日までだが、候補者の選挙カーは来ない。昨日、社民党候補者の選挙かー7が回っていたのを、新聞で知った。

 やはり、民主党に風が吹いている。あと3時間の運動だが、それでも失言などがあれば空気は変わってくるから、恐ろしい。

 手当、補助金、助成金のバラマキ政策なので、どんな経済社会になるかよりも、いくら得するかの判断になる。しかし、手当、助成金などは家族条件、事業規模などによって自民、民主で大きく変わってくる。

 高速道の1000円、無料化も利用状況では大違いになる。背後で税金がつかわれていることを忘れてはいけない。

 余り恩恵を受けない、子供もいない年配者は、民主党が財源確保のためにやろうとしている配偶者控除の廃止になると大幅増税になる。不平等な政策の羅列なのだ。

 それでも、民主党の圧勝が予想されている。民主党政権になったらどうなるのだろう。

 一番心配なのは、安定した政権運営が出来るかどうかだ。自民党は下野するだろう。どの程度の議員数になるのか。政党交付金も減り、今の自民党本部や職員を維持していけるとは思えない。社民党の二の舞だろうが、底までは落ちないか。

 必死になって、民主党幹部の「政治と金」問題を追求し、民主党トップを追い落とす作戦に出て、早期に総選挙が行なわれる政局を狙うのではないだろうか。

 民主党も鳩山さん、小沢さんの政治資金規正法で爆弾を抱えている。右派から左派まで政策、考えの異なる集団の寄り集まりなので、政策決定過程でバラバラになりかねない。小沢さんの存在は、政権安定よりも混乱の目を持っている。しかも今回の選挙で多くの小沢シンパをかかえることになるらしい。100人も抱えれば、最大派閥だ。小沢さんの考え通りに進まなければ、政界再編へとすすむだろう。

 混乱した政局で、国民がどの位我慢出来るか、政局のキーマンがどの位我慢できるかだ。

 政権につけば、やらなければならない政策課題は山積している。半世紀続いた自民党のやり方を変えるのだから大変だ。

 官僚主導から、政治主導への政治のやり方を見直す国家戦略局の存在は大きい。予算や公共事業の見直しは、どこにムダがあるのか国民の前に示して欲しい。巨大な官僚組織を相手にどう切り込むか。官僚に適当にあしらわれるようだと、政権は持たない。

 民主党の弱み(政治資金規正法違反事案)を取り去るには、まず政治資金規正法の改正を急ぐべきだ。公明党が主張したように、政治資金団体が違反した場合は、その議員は、潔く議員辞職すべきである。

 一議員の政治資金規正法疑惑で、政局が混乱するのは控えるべきだ。鳩山さんや、小沢さんが議員辞職する場合があってもしかたない。

 「政治と金」の問題を未然防止するには、政治資金報告書を会計士が事前チェックする方法も採用すべきだ。その費用は、今出している政党交付金約320億円を使えばいい。

 兎に角、政策運営の過程を安定させることに尽きるのではなかろうか。そのためには、政界再編も仕方ない。

2009年8月28日金曜日

前回と今回の総選挙 その相違点と類似点は

前回の「郵政民営化」の是非を問う選挙では自民党に296議席ももたらし、比例区では候補者が足らず、他党の候補者が当選する結果になった。今回は「政権交代」を訴える民主党が、世論調査では320議席を越える勢いで、比例区では候補者が足らなくなる事態が起きそうだという。

 前回と今回で、何が違い、何が同じなのだろうか。

 小泉さんは、「自民党をぶっ壊す」「私に反対する者は、抵抗勢力」と位置づけ、ある意味でCHANGEを訴えた。今回は民主党が「政権交代」をスローガンにCHANGEをを訴えている。旧来の政治から新しい政治に期待を持たせる。

 前回自民党は120項目にわたり政策を訴えたが、「郵政民営化で世の中は変わり、すべて良くなる」という主張に徹した。一方で当時の民主党岡田代表は「他にも大事なことがある」と正面から攻撃に出、真面目な訴えを繰り返したが、如何にせん、小泉さんの方がメデイア操作に長けていた。

 今回は、メデイアもマニフェストが身に付いてきたとマニフェスト検証を繰り広げている。読めば読むほど、どちらが良いか選択に窮する。

 民主党が先行した為と、政権交代の機運もあって民主党のマニフェストがモデルになり比較検討がされているが、自民党の反撃は「その財源」に終始している。お互いに「どちらがバラマキか」の言い合いになったが、自民党だって不足分は消費税増税に頼っている。いままで10年間で300兆円もの赤字を積み上げてもいる。民主党を批判する資格などないはずだ。却って民主党の「根本的に仕組みから見直す」という主張の方が説得力がある。

 小泉さんは、郵政民営化是非を問う選挙だからと言って、反対する候補者がいる選挙区に対抗する候補者を配置し、メデイアは「刺客」候補と煽り面白おかしく選挙戦を報道した。それがフィーバーし、自民党へ無党派票が流れ込んだ。今回は、民主党は自民党の大物候補者に若手女性候補を立てるなど、小沢さんの戦術も前回の自民党の戦術と変わらない。

 ただ違いと言えば、前回の小泉劇場の反省から、メデイアが報道を自制していることだ。静かな報道が、有権者にしっかり考えさせる環境を提供することになり、良い傾向である。
 
 今回の選挙で大きな相違点は、党首の問題だ。前回は自民党も民主党も選挙後の党首は誰かわかったが、今回は自民党については、選挙後の政策運営を誰がするのか。麻生さんが引き続き総裁の座に居るのか分からない。

 「党首力」とか「責任力」と麻生さんは言うが、遊説では開口一番「わたしの力不足」を謝罪したのも麻生さんだ。自ら力不足を認めた麻生さんで国民は満足しないだろう。

 一方、民主党だって政権担当能力は未知数であり、小沢さんというカリスマ政治家をかかえている。今回の選挙で小沢シンパが増えれば、民主党内の政策決定段階で内紛発生の可能性も出てくるだろう。しかし、鳩山さんを党首に政権担当体制は出来そうだし、若手の論客も期待できる。ここは任せて見るか。

 政策推進体制の見えてこない政党に、政権を任すわけにはいかない。この点が民主党圧勝の原因になっていると思う。

 世論調査で320議席を越える可能性も指摘されている。民主党幹部は、選挙は最後の最後まで分からないと、引き締めにかかっている。揺れ戻しを心配してのことだ。確かに、自民党支持者だった人も、今回は民主党にと思っている人も多いだろう。民主党圧勝なら、小選挙区は民主党、比例区は自民党と考える人も出てくるだろう。それこそバランス感覚だ。

 誰かが失言したり、政策でブレたりすると事態は大きく変わってくる可能性もある。過去に橋本政権で例がある。民主党は鳩山さんもブレるような発言を避けようとしているし、小沢さんも政策について発言していない。岡田さんは固く失言はないだろう。逆に自民党はどうか。麻生さんは相変わらず変なことも言っているようだが、失言にはなっていないようだ。

 前回の選挙では構造改革が大きなテーマで、構造改革の総括が必要であるが、自民党は早々とマニフェストで行き過ぎた市場原理主義からの脱却を唄った。地方ばかりでなく、都会もそうだが、格差の拡大、地域の疲弊は大きな問題で、候補者は構造改革の必要性を喋れない状況にある。

 しかし政治改革の必要性は、自民党候補者も個人的に訴えているようだ。小選挙区ごとに改革を訴える候補者を選べば、少しは改革が進むだろう。期待したいところである。

 前回ほど、メデイアもフィーバーしていない。メデイアに煽られることなく、静かに政党を選択するチャンスだ。

2009年8月27日木曜日

今回の緊急地震速報の誤報はドンマイ、ドンマイ


25日の朝、緊急自身速報が流れ、4時間後に誤報だったことが分かり、問題になった。

 原因は地震計ソフトウェアー回収で、依頼された民間会社の明星電気が、振幅計算の単位を間違って入力したために、実際はM4.1で揺れを感じない地震がM6.5になり緊急情報が流されたようだ。

 千葉県房総の4カ所の地震計が作動し、気象庁へデータを送信したが、他の3箇所は正常に作動したが、ソフトを誤修正した1カ所がM6.5を送信した。

 実際にも地震波発生したのだ。

 この取の災害情報は、迅速、正確を期すことは当然であるが、人間がやる以上は、監視体制構築にはどうしても人為的ミスは付き物である。それをどう認めるかの問題だ。

 幸いに、今回は交通機関などに安全確認の手間をとらせたし、利用者にも迷惑をかけた点があるにしても、幸いに人命にかかるモノはなかったようだ。寧ろ、今回はいろんな問題点を私達に明らかにしてくれたことに価値がある。ドンマイ、ドンマイだ。

 こんな重要なシステム構築に、気象庁の管理体制が手抜かりであったことが分かった。民間会社に頼っていることは仕方ないが、うっかり任せることなんてとんでもない。しかも重要なソフトの修正後に、テストランする方法で、正常に作動するかどうか確認しなかったのだ。

 単位や、管理数値などの入力には、誤入力になったときに、注意表示を出すのが常識ではないのか。例えば、「入力単位が間違っています」と注意表示すれば避けられたミスではなかろうか。

 それと、契約によって違うのだろうが、携帯電話に警報を出すことが出来るらしいことが分かった。巨大地震の発生が予測されている首都圏など地域では、この種の警報が役に立つ。アパートやマンションに住む人は、警報が出ると、まず玄関のドアーを開けることだ。地震後に、閉じこめられることが回避できる基本行動だ。

 そして、ここが大事な事であるが、房総沖、千葉県沖は巨大地震発生空白地域なのだ。56年前の1953年11月にはM7.4、深さ39kmの巨大浅発地震が発生しているし、千葉県、茨城県、埼玉県内ではチョクチョク地震が発生している。予知が当たるかどうかは分からないが、関東地方では直下型を含めて、近々地震が発生する警告を出している民間予知機関がある。

 FM電波や大気のイオン濃度に異常が出ているという。この予知では、数年前、放っておけない異常値を観測し、勇気を出して時期、場所、地震規模の警報を出したが当たらず、見放されていたと思ったが、いまでも観測を続けている。予知が結構当たっているモノもあるらしい。

 でも、一部学者は認めているモノの、地震予知では亜流の研究らしい。
 心配しすぎるときりがないし、安心できるものでもない。被害が大きくない地震が頻発して、エネルギーを放出してくれるのが一番良いのだが、そうはいかない。

2009年8月26日水曜日

これで景勝が守れるか 上高地周辺の山崩れ、がけ崩れ







何年ぶりかで、上高地を訪れた。新しい釜トンネルになって2回目だからそんなには立っていないはずだ。

 しかし、今回の上高地は景勝地というよりも、山崩れ、崖崩れが目立ち、上高地の観光に暗雲がたれ込めている感じがした。上高地は遠い将来、梓川は大小様々な石ころと、倒木、流木で埋まり、周囲の急峻な山々は山崩れと崖崩れで白い(?)山肌をのぞかせた殺風景な風景に変わって行くだろう。

 沢渡駐車場でバスに乗り換えて梓川に沿って走るが、梓川の対岸で大きな山崩れが目に入った。V字型の渓谷で川底には大きな石がごろごろ転がっている。崩れた土石が川を堰き止めているのかと思ったが、濁流となって流れ下ったようだ。
 
 新釜トンネルは快適だ。古い釜トンネルの時は、狭くて低く、暗い。勾配も急で「大丈夫か」と心配になるくらいだった。トンネルを通り抜けると、「ホッ」としたものだ。

 ところが、見えてくる焼岳の下部の大きな山崩れ、上流の多数の山崩れ、沢崩れには驚く。明治から大正にかけての活動でこのような山体になったという活火山で、今でも頂上部では水蒸気やガスらしきものが噴出している。この大正池にも昭和37年の爆発で泥流が押し寄せたようだ。

 この上高地は、明治中期には放牧場や狩猟場だったという。

 3000m級が12座ある北アルプス(飛騨山脈)のうちで、焼岳と西穂高の鞍部は低い。このことが北陸から鎌倉への山脈越えの鎌倉街道になった。野麦峠などが女工哀史では有名であるが、戦国時代、信州へはこのアルプス越えだったらしい。最近でも、安房トンネルが開通するまでは、安房峠は交通の難所で、冬季は通行止めになった。で

 かなり前だがシーズンが終了すると、ブルドーザーで大正池を浚渫する様子がテレビで報道されたのを覚えている。今でもこの作業をやって大正池の景勝を保っているのだろうか。

 河童橋から明神池まで散策することにした。行きは梓川の左側、帰りは右側の散策道を利用した。

 明神池まで各所で土石流が見られる。前穂、岳沢への登山口にはヒュッテ閉鎖、キャンプ不可との掲示が出ていた。雪崩で崩壊したらしい。

 この穂高連峰は洪積世氷期に発達したカール、堆石、U字谷など氷食地形が残っている。花崗岩、安山岩、ヒン岩、石英粗面岩などが風化し、雪、雨で流れ出してくる状況なのだろう。

 上流に行くほど、川幅は広くなり、石ころごろごろ、倒木、流木が放置された状態だ。自然環境を保つにはそのままにして置いた方が良いと思うが、明神橋上流にはブルドーザーが入り、作業していた。

 明神岳でも山崩れが各所に見え、もっと上流は、山崩れ、崖崩れが相当発生していることが想像出来る。「こんなにでっかい石がよくあるものだ」と感心するぐらいだ。

 帰りの遊歩道でも、川に迫り来る急峻な山、沢から流れてきた土石に驚く。巨木ごと崖崩れもあるし、脆い地肌が露出している箇所もある。発生時期もそんなに前ではない。

 川の両側は、鳥獣保護区に指定されているが、鳥の声も聞こえず、虫も見あたらない。流出した土石、倒木で保護区も疲弊してきている。

 このままでは、景勝地と言うよりも、殺風景な川原に変わっていくだろう。

 道路やトンネルを作るのは金次第だが、自然の破壊力には技術や金を持ってしても勝てない。

2009年8月24日月曜日

我が街は選挙過疎地か


メデイアは自民vs民主の激しい選挙戦を伝えているが、我が街は静かなものだ。選挙過疎地といっても良さそう。
 中選挙区時代は、買い物などでも生活に密着した地区割りになっていた。中曽根、福田、小渕など総理に上り詰めた人材がいた。小渕さんなどは、いつも最下位で、立会演説会で中曽根さんが「小渕さんに負けると目がないんです」と訴えていたものだ。

 それが、小選挙区になり、有権者数約30万人程度の地区割で、生活圏とは無関係な地域に割り振りされたために必然的に候補者も馴染みの低い人になったし、こんな地域から新しく理想を掲げて立候補する人材も乏しい。

 こんな状態だから世襲自民党候補者が強い。今回も自民、社民、幸福の3党から候補者が立った。今回の選挙戦の構図である自民vs民主は、民主党県連の内紛が影響してか、民主党は候補者をたてられなかったのだ。

 そのためかどうかは知らないが、本当に静かな選挙戦である。

 衆議院が解散してから今日まで、選挙カーの音声を遠方で聞いたのは3回程度で、何を言っているのか分からなかった。その間、市会議員から社民党候補を推薦するはがきが来たり、セスナ機が「8月30日は衆議院投票日です」との広報活動があった程度だ。

 候補者だってバカではない。こんな人口6万人程度の街は、重点地区ではない。もっと大きな街を回った方が効率も良い。大きな課題は公共事業を続けるかどうかで、私も取材したことがある「八ッ場ダム」がやり玉に挙がっている。

 候補者の名前は、ポスターで確認出来るが、選挙事務所がどこにあるか分からないし、選挙公約をもらうために候補者の出身の街の選挙事務所まで行こうとすると車で1時間以上はかかる。家に居るだけでは何の情報も入ってこないのだ。

 このままでは、我が街は選挙過疎地だ。29日までに改善されることはないだろう。

 各党のマニフェストは新聞などで検証しているのでわかるが、その人物やその人の重点公約などは分からない。いままで選挙公報紙などが家庭に配布されていたが、今回はどうなるのか。まだ来ていない。年配者にとっては、ついつい今まで書いてきた候補者名になりやすい環境だ。
 投票用紙も、記名投票になっているのは日本ぐらいで、他の国は印刷された候補者名にチェックをいれる方式らしい。なぜ日本は改善しないのか。穿った見方をすると、年配者が書き慣れた名前を記入し、投票しやすいようにするためだと言われている。

 メデイアが報道するのは300選挙区でも大都市や注目区。私の街のような選挙区をどう見ているのか。

 そう考えると、中選挙区の方が政治に参加する機会が多いのではないだろうか。二大政党制で、いつでも政権交代できる政治体制が本当に良いのか。選挙制度の見直しも公約に入れて欲しいものだ。

2009年8月23日日曜日

このマニフェストをどういう布陣で実行できるのか




「日本を守る 責任力」、「まず政権交代を」。自民、民主の訴えで、総選挙も佳境に入ってきた。
 民主党300議席も可能の予測は、前の郵政民営化是か非かの選挙の逆だ。小泉劇場でフィーバーしていたことを考えると、メデイアも国民も政治姿勢が変わってきたのかと思う。が、一方でフィーバーするほどの役者がいないことも関係しているのだろう。
 
 各党首が集まっての政治討論でも、質問は鳩山さんに集中し、麻生さんは暇そうだ。司会者が質問を振ると発言する姿に、メデイアも各党党首も次は民主党政権を認めていることになるのだろう。麻生さんだって、「責任ラインは過半数をとれるかどうか」と言うが、内心は負け方の問題と思っているのだろう。

 この状況下で、一番心配なのは、各党がどういう布陣で、課題の多い9月からの政局に臨もうとしているかだ。政権をとった暁には、どういう人材を配して政権運営に当たろうとしているのか。

 米国だって、大統領選では大統領候補の他に、副大統領候補が2人3脚で選挙戦を戦っている。

日本は「党首の顔」だけで戦っている。少なくとも副総理格がだれなのかも分からない。民主党が政権を執った場合の副総理はというと、小沢さんか、藤井さんか、菅直人さんかと思い浮かぶが、小沢さんとなると、うまく政権運営が出来るのだろうかと心配になる。ここは小沢さんはグッと我慢すべきである。政局の混乱だけは止めて欲しい。

 一方の自民党はどうか。派閥の領袖クラスは分かるが、今回の選挙で無事に生き残って帰ってくるかが分からない。負けっぷりによっては麻生さんだって危ないが、人材の配置により新鮮みを出し、改革を進めれる体制を作れば、劣勢を挽回できるかもしれない。
しかし、総裁が麻生さんのままでは、可能性は低い。

 実のところ民主党は、閣僚候補を発表する予定であったらしいが、鳩山さんの一声でやめになったらしい。聞くところによると、閣僚を狙っている者がクレームを付けるかららしい。20から最大で50人の構成員でなる党内各グループの調整が難しいらしい。
おまけに、今回の選挙で民主党が大勝ちすれば、小沢グループが急増するのは分かっている。また小沢さんが政局の中心になるのか。

 民主党は先の国会で、それぞれ若手の論客がそろっている。自民党のように内閣の支持率を上げるためだけの女性閣僚を選ぶ必要はないだろう。誰が閣僚になっても新鮮さがある。そうだろう初めての政権なんだから。

 自らのマニフェストをどういう布陣、人材を配して実行に移すのか。マニフェストもさることながら、その実行力を問う。

「模倣」「なだれ現象」で民主党圧勝なるか


社会科学の分野で、人間の行動を予測して社会がどう動くかを研究している報文、書籍が多い。その中で「模倣」、「なだれ現象」は故人の行動を理解するのに理にかなっている戦略なのだそうだ。

 人間という者は、自分のやり方、生き方を自分で決めると考えているが、本当は他人を観察し、「模倣」するものだそうだ。それが集団で生活する場合に、役立ち理にかなっていると言われる。

 そして、何かの出来事に集団がどう反応するか考える場合でも、個人にとって「考えられる利益が損失を上回っているかどうか」つまり、損益のバランスと他人の行動や人数を考慮して行動を決めるらしい。これが往々にして「社会的なだれ現象」を起こすらしい。

 今、投票を目前に日本社会は民主党圧勝へなだれ込もうとしている。

 今回の選挙では、マニフェストが異常なまでにもてはやされている。投票に当たってマニフェストを程度の差はあれ、参考にする人が、およそ70%もいるのだ。

 しかし本当にそうなのかなと疑問に思う。多義にわたる政策に財源を考えると、その実効性に疑問符がつく。民主党の高速道路の(段階的)無料化一つをとってみても、最初に無料化可能の政策を打ち出したコンサルタント会社社長と日本道路公団民営化を推進した委員との見解は全く合わないのだ。お互いに誤解していると主張し合う。

 皆がマニフェストを参考にすると言うし、メデイアもマニフェストの検証に余念がない。ここはやっぱりマニフェストを読んでみた方が無難だと思うようになる。実際に街頭運動をやっている運動員に聞くと、マニフェストをもらいに近寄る人が多いという。

 少しでもマニフェストを見て投票に行こうとする傾向は良いことだ。

 一方、政権交代はどうなのか。自民党の長期政権、構造改革の弊害が顕在化してきた。ここは政権交代して政治のやり方を含めて根本的な見直しが必要だと思うのは当然だ。

 政権交代を誰が何時、言い始めたか覚えていないが、十数年前から政治改革が叫ばれているのだから、その頃だろう。細川政権など非自民の政権が出来、期待も大きかったが、つまらない金の問題で失脚するに至った。政治不信は国民に根深い傷をのこした。

 若者まで燃え上がった小泉構造改革は、国民に痛みだけを押しつける結果になった。今、引き続き構造改革を訴えるのは、自民党のほんの一部担ってしまい、 自民党も行き過ぎた市場原理主義はまちがいだったことを認めて(?)、構造改革からの脱却を目指した政策に転換した。「若者に希望を、高齢者には安心を 責任力ある自民党」を訴えている。

 ここは政権を交代して、新しい社会の構築を目指した方が良いとかんがえるのも当然だ。

 しかし、民主党は政権担当能力では未知数であり、不安もあるが、期待が大きい。マニフェストでも意欲が伝わってくる。

 一方、自民党は「麻生で行く」を狙っているが、麻生さんでは勝てないことが分かっており、心許ない。麻生さんは遊説で群馬に来たが、東毛の館林、伊勢崎だった。前橋、高崎でやるのが普通であるが、お呼びではなかったようだ。自民党県連に聞いてみると、予定はないと言う。

 国民は、未知数でありながら民主党に対して大きな賭けに出たのだ。麻生自民党より、鳩山民主党の方がマシなのだ。新聞報道によると、民主党は300議席に迫る圧勝にむけ雪崩現象を起こしている。

 私も無党派層の一人であるが、選挙には必ず行っている。今回も必ず行くつもりでいる。民主党に圧勝させて良いのか迷っているが、麻生さんに託して良いのかも迷う。自公が過半数とれば、麻生継投なのか。

2009年8月21日金曜日

新型インフルの脅威的蔓延を防止は、親の考え方一つ




新型インフルの猛威が伝えられている。
 4ヶ月ほど前は、死亡率は低く低毒性、湿度に弱いので夏には下火になる、高齢者には抗体があるかも知れない等、一安心出来る状態であったが、何のことはない。状況は一変している。
 特に、糖尿病などの持病のある人は重症化しやすいから特段の注意を喚起されていたが、そんな事はなく、持病のない人でも重症化している。 
 低毒性と言われていたが、10,000人に一人の死亡率だという。

 更にお粗末なことに、ワクチンが間に合わないらしい。6月に新型株を入手し、有精卵で増殖しているが、5300万人分しか用意できず、1400~1700万人分がふそくすると見られている。輸入するにも、「金持ち国だから出来ると批判」されそうで、ままならないらしい。挙げ句は、優先順位を付けるらしい。

以前、テレビで解説していた専門家も体裁が悪い。強毒性にかわる危険もあるので、安心できないと言っていた専門家もいたが、寧ろ少数で、ほとんどの専門家は「低毒性らしい」とコメントしていた。一向に前言を謝罪しないと思っていたが、よく考えると「・・・・らしい」と伝聞コメントであった。

 また、個々人の感染が注目されていたが、今は学校なのでの集団感染が問題になってきた。部活や行事に参加した生徒から感染が広がっている。9月に新学期が始まると、相当の感染拡大が心配される。

 沖縄県は断トツの感染者が出ているが、群馬県でも既にこの1週間で集団感染の疑いが9例、100人に感染の疑いが出てきたと報道されている。

 こういう場合には、感染源を特定することが、今後の防止対策に役立つのであるが、どういう訳か犯人を見つけ出すように誤解されて容易ではないらしい。

 疫学調査は欠かせないと思うし、やってやれないことはない。

 私の娘夫婦の家庭も、娘は教師をやっており、孫は保育園に行っている。9月からの蔓延の恐れは一番危ない家庭である。

 親が学校で風邪にかかると、孫に移ることになる。私のが移ったのだという。孫が風邪にかかると、「保育園で休んでいるお友達がいる?」とか「咳をしているお友達がいる?」と聞くと「○○ちゃん」と答える。「お兄ちゃんが休んでいるもんね」とさかのぼっていくことが出来る。

 保育園でも、「○○組で新型インフルエンザが発生しました」と掲示板に警告が出る。でもその先まではさかのぼれない。子供が感染し、親がウィルスを周辺にまき散らす。そんな構図になっているのかも知れない。

 脅威の蔓延を防止するのは、家庭からだ。

 うがい、手洗い、マスクの着用は当然のこととして、発熱や咳のある人、体調の悪い人は、人混みに出ないことだ。

 子供が咳をしたり、体調を崩していたりしても、共稼ぎで仕事を休む事が出来ず、保育園にやったり、学校に行かす。これが感染を拡大する要因にもなる。部活や学校の行事で参加しなければならないときもそうだ。分かっているんだが・・。

 更に悪いことに、症状が軽くて、何もせず自然に治ったようになる場合もあるらしい。大したことはないだろうと考え、人前に出て感染拡大させる場合も考えられる。
孫で経験したことだが、咳も出ず、体温がチョット高めの時に医者に行った。医者も「風邪だろう。大したことはないが念のためインフルエンザの検査をしてみよう」と検査をしたら、「A型です」と言われた。平熱になって4日間は人前に出ないように」と注意を受けてリレンザをもらった。

 うっかり見逃すところであった。その後、もう一人の孫もかかった。

 判断の難しい時もあるが、新型インフルは重症化すると言うことを考えると、早め早めの処置が大切だ。これが脅威の蔓延を防止する手だ。

 それに、マスクはお互いに適正に使用すべきである。

 感染している人、熱のある人、咳の出る人、感染者に接触した可能性のある人等が、他人に移すのを防止するために、マスクを着用することは効果があるが、健康な人が感染するのを防ぐためにマスクを着用するのは、ムダな事だと思う。

 先の流行時には、電車に乗ると、マスクを着用している人の周りの方が、着用していない人の周りよりも安全と思える光景があったが、既に「社会のなだれ現象」のように、流行している地域では、マスクの姿が目立つが、本来着用すべき人が着用しないので、皆が感染防止のために着用するようになる。

 資源のムダ遣いにもなるし、こんな事でメーカーや薬店が儲かり、GDPが少々上がっても仕方がない。

 厚生労働相の舛添さんは、これに至った原因を「国民の慢心」にもあると言ったそうだが、ある意味では言い当てている。

 新型インフルの蔓延防止には、家庭の知恵が必要なのだ。

2009年8月19日水曜日

これでいいのか選挙戦 政治を低俗化させるな!


これで良いのか選挙戦 政治を低俗化させるな!
 今回の選挙は、自民党が生き残れるか、民主が躍進できるか。二大政党による政権選択の可能な今後の政治体制が作れるかどうかの大切な選挙である。

 そんな中で、小泉チルドレンという言葉が飛び交い、「わたしのいうことを聞いてくれない。人生いろいろ、総裁もいろいろだから仕方ない」と小泉チルドレンで、今回比例区の順位が下位になったために立候補を断念した猪口さんから小泉さんの言葉が紹介された。
 
真面目な国会での年金未加入問題で審議中に、「人生いろいろ、会社いろいろ・・」と論争点をはぐらかし、その言動に総理の言葉の軽さが目立った小泉さんのお得意のフレーズであるが、小泉さんも引退した。80人近いチルドレンのうち、今回65人が小選挙区に立候補し、当選の可能性は5人前後と見られている。

 これといって仕事を果たせなかったチルドレンは、淘汰して欲しいモノだが、今度は民主党で小沢チルドレンが生まれそうなのだ。

 民主党で選挙を牛耳っている小沢さんが、自分の息のかかった者、塾出身者を候補者に仕立てているのだ。民主党が圧勝すれば、民主党内で親小沢におなり、小沢vs反小沢の図式ができあがり、党内抗争、ひいては政治の混乱を巻き起こしかねない。民主党が政権についた場合は、政治空白も心配される。

 民主党内でもそれを危惧する良識派もいるし、有権者にも「自民党の方がまだまし」と見ている者もいるはずだ。

 あれほど批判(?)された小泉手法を、小沢さんはそっくりまねをしていることになる。
刺客、チルドレン、姫の・・・等は、メデイアが作った言葉かも知れないが、1人のカリスマ政治家に踊らされた選挙戦だ。「国民のための政治」に向けた選挙より、「自分の目的達成のため」の選挙になっている。

 更に比例区が設けられたために、選挙もおかしくなってきた。得票数で優劣を決める事もさることながら、順位、惜敗率も加わり、情報を駆使した選挙技術が問われるようになった。比例区に投じた1票が、人気やタレント性しかない意外な人の候補者を上げることになるし、小選挙区で落ちた候補者が再び上がってくる。小選挙区の結果は何だったのかと疑問に思う事もある。こんなんであれば、比例区は「不必要」と書いて無効票にしたい気になる。

 国会議員の何たるかを理解できないままに、多くの議員が国会に登ってきて、教育も行き渡らずむなしい4年間を過ごした小泉チルドレンの二の舞になって欲しくない。
 国会議員は1人、年間約1億円の血税がかかっている。4年間で4億円の高い買い者なのだ。危ない交友関係、金脈、疑惑のある政治資金等に関わる欠陥者出てくる。マニフェストもさることながら、人間性もしっかり見なければならない。

 今回の総選挙で、769億円の税金が使われる。投票・開票作業などの人件費に占める割合が大きいだろうが、候補者数1人あたり6000万円の経費がかかる。

 メデイアも選挙報道をするだろうが、面白おかしく低俗化した報道は辞めて欲しい。私達もメデイアに迷わされず、候補者の甘い話に乗ることなしに、しっかり人物で評価すべきである。

 そして、小選挙区、地方ブロックの比例区で選ぶ国会議員でも「国民全体の代表」である。他の選挙区の人に恥ずかしい人物を選んではいけない。

2009年8月18日火曜日

最優先課題は労働者の生活確保だ


 やっと総選挙の公示になった。

 未だ、マニフェストの検証がされているが、その論点は政策もさることながら、財源に尽きているようだ。その曖昧さを麻生さんは、責任力で民主党を反撃している。しかし、自民党だってこの10年で300兆円の借金を積み上げ、今は確か820兆円位になっている。自民党の責任はどう考えているのか。

 ところで、各党がマニフェストで政策を競い合っているが、概して総花的で優先順位を付けた政策実現が大事だと批判されている。

 麻生さんは、経済成長率もプラスに転じたし、景気回復の実感はまだ湧かないが、自分が日本経済を回復させるので、このまま政権を執らせて欲しいと訴える。

 確かに、職探しをやっている人の話を聞くと、30回面接を受けてもまだ見つからず、以前厳しい状況に変わりはないらしい。

 それなりの職を見つけ、収入を得るだけでなく、景気が回復し、企業も儲け、給料も上がる事が重要であるが、今は低価格競争の真っ最中である。ある家具メーカーは、「更に値下げしました」をキャッチフレーズにしている。その経営者は「儲けようとすると客は来ないが、損しようとすると客が来る」と、今の小売市場を良く言い表している。

 なかなかデフレから脱却出来る状況にない。雇用や家計に大きな足かせになっている。
現状は、残念ながら年収200万円以下の人が1000万人にも達し、生活保護は月13万円であるが、働いても月10万円というおかしい状況になっている。

 「安心、安全」「生活第一」を訴えるのであれば、若年労働者を含めた、「労働者の生活確保」が最優先課題になって当然である。

 民主党は最低賃金で全国平均で1000円を目指すという。今は地域によって異なるが600~700円だろう。

 これは中小企業にとっては問題でもあるらしい。パート従業員の給料上げると、正社員の給料も上げなければならなくなる。もろに人件費にきいてくるのだ。今の状況で実効性のある政策なのか。

大企業はリーマンショック以来、派遣社員や期間従業員の契約解除で、その場をしのいできた。しかし、中小企業の経営者は、最後の最後まで雇用の確保を目指した。従業員の解雇は、即廃業なのだ。 わたしも昨年東京都大田区の中小企業街を見て歩いたことがあるが、「何故大企業は、もっと踏ん張れないのか」と批判する経営者にあった。

 大企業だって勝手なことばかりやっていてはダメだ。人件費を抑えて儲けるだけ儲けてまずくなったら首切りでは企業の社会的責任を果たしたことにならない。企業の収益に貢献した割合だけ、何らかの救済をするべきである。儲け逃げは許されない。

 非正規雇用者税など、税金で何らかのセーフテイーネットの構築が必要になる。

 結婚、子育て、持ち家などの生活環境を確保することは、将来にわたり良質の労働力の再生産、供給に重要である。これが出来なければ、ゆくゆくは企業の存続にも関わってくる。外国人労働者や海外進出ばかりで対応出来るモノではない。

 景気が回復すれば、税金での救済はしなくて済むが、それまでは救済が必要である。若者の生活環境の確保こそ景気回復へと繋がるのだ。

 生活格差も学歴格差と関連している。中学校しか出ていない。高校は中退した人達には、技術取得の道を開く必要があるが、要はそうした人を受け入れる職種、企業があるかと言うことだ。企業にとってみれば、経験のある人材の方が良いに決まっている。

 メデイアで、生活苦を見るたびに、考えさせられることが多い。

 シングルマザー、シングルパパとして奮闘している人達も多いようだ。丁度、子供さんが孫と同じ年代なので、余計にそうなる。シングルマザーには補助金がつくが、シングルパパには補助金がつかないと言うおかしげな事もある。収入面を考えれば男の方が多いのは当然としても、子育てを考えると、通常の仕事には就けないはずだ。おなじような補助が必要だ。

 このような話を聞く度に、おじいちゃん、おばあちゃんはどうしているのかと疑問に思う。理由が離婚か死別か分からないが、家族での助け合いはどうなっているのか。

 最近のアンバランスな問題が頭に残っている。

 宇宙飛行士の確か野口さんが、4ヶ月という長期の宇宙生活から、無事帰還出来たとして、大喜びの映像を見ながら、一方で、緊急時に患者を病院へ運ぶドクター・ヘリの運営がピンチだという。
 
 250回の出動で補助金が出されているが、この出動回数が2~3倍にのぼり、一機あたり年間約1億円の赤字だという。その赤字分はヘリ会社が社会的責任を考え他の収益から補填しているというのだが、全国で18機が稼働しているので年間20億円の赤字だ。

 宇宙開発に何を期待しているのか分からないが、莫大な予算が使われているのだろう。その予算の一部を削れば、貴重な生命を救う事の出来る救急救命事業を継続することが出来るのだ。

 また、この特集を見ていて驚いたことがある。このドクターヘリを飛ばしている企業が作った機構の理事長に国松さんがついていることだ。警察庁長官の時に、マンションを出て直ぐに、オーム真理教の人間に狙撃された人なのだ。その後スイス大使になったと聞いているが、今、機構の理事長になっている。

 高級官僚の天下り、渡り(?)の現実をここでも見ることが出来た。いつまで経っても仕事に有り付ける国家公務員の利得は頭に来る。

 財源がないのであれば、なおさらのこと、優先順位を付けた政策課題に取り組まければならないし、仕組みも見直して欲しい。そこに民主党への期待があるのだろう。

 ノーベル賞受賞のクルーグマン教授も指摘している。

 今、最も弱い人をアメリカや日本でたすけることは、需要を維持するために良いことだ。裕福な人に優遇税制措置をしても経済効果はない。今やるべき事は、失業手当を強化して、出来るだけ弱い人をたすけることだ。個人的な危機を乗り越えさせる事だ。「良き道徳はよき経済学である」(危機突破の経済学 ポール・クルーグマン PHP 2009.6.17)。

2009年8月15日土曜日

今の日本に必要なマニフェストはどんなものか


どういう政策で課題を実現していくか。
 各党といっても政権選択を考えて自民、民主のマニフェスト比較になるが、こっちは自民案、あっちは民主案と大方が迷う。

 国民が一番重要視していると思われる、雇用、子育てをとってみても、職を探している人、お母さん方にとっても、自分の生活環境で選択する政策も変わってくる。
 自民党は景気を良くして今後3年間で約200万人の雇用を確保するという。そして日雇派遣を原則禁止し、定年延長や65歳以上の継続雇用を助成するという。一方民主党は中小企業を支援し、最低賃金を1000円荷揚げ、月額10万円で手当つき職業訓練を計画している。

 これに大して今職を探している人の評価は、職業訓練しても、その受け皿がなければ何にもならないし、最低賃金上げればしごとを見つけるのが益々厳しくなるのではないかと不安を除かせる。30回も面接を受けて見つからない話を聞くと現実はかなり厳しいようだ。

 今の景気も、政府が発表する経済指標では、底打ち、改善の気配がするが、実感とはかけ離れている。「選挙目当ての甘い判断になっているのでは」と疑いも出てくる。

 子育て支援もいろんな意見がある。待機児童が2万人に達したといい、保育園の充実が優先課題だ。申し込みをしても予約が取れない。今育児休暇中であるが、1人の収入でやって行くには厳しい。驚いたことに、まだ生まれていないのに「預けられるか」の問い合わせが増えたという。
 
自民党は3~5歳の幼児教育の無償化を言い、民主党は子供手当月額26000円を支給するという。金額を見て助かりますという声もあるが、手当よりも施設の充実ではないのか。

 かなり前に、東京都の石原知事が、「いい建物を見つけて保育所にしようと考えたが、国の設置基準が厳しく、断念せざるを得なかった」と発言していたことがある。まずやらなければならないことは、古い設置基準を改正することではないのか。これこそ構造改革ではないのか。

 自民、民主の打ち出す政策が、バラマキと批判されているが、政策課題の本質をチョットはずれている感じがする。もっと現場の意見をしっかり聞かなければ、借金を増やすバラマキ予算の域をでない。

 他の課題も同様だ。なかなか優劣の判断が出来ない。

 先日民間のシンクタンクなど9団体が、マニフェストの検証大会を実施した。その結果を新聞で見た。

 自民党は、地方分権、財政、外交・安保で、民主党は社会保障、雇用、政権運営ビジョンでそれぞれ点数を稼いでいる。

 各政策課題での各団体の点数を合計すると、自民党2237点、民主党2307点でかろうじて民主党ががんばっているが、シンクタンクなどの評価はどっちもどっちなのだ。

 「効果のないバラツキ、どんな社会を築こうとしているのか、財源が乏しいので「これとこれをする」と優先順位を付けたら」と評価は厳しい。

 私も、今の日本でどんな政策が必要なのか、詳しい情報を持っていないので分からない。

 そこで、民間シンクタンクは、合同で「今の日本に必要な具体的な政策提言」したらどうか。各党の政策も恐らくシンクタンクや官僚のアドバイスをうけ、それに政治判断を加えて作成したモノだろうが、

 変な政治的配慮のない、官僚の思惑のない「国民のため」の政策提案を期待する。

2009年8月13日木曜日

高速道の渋滞対策:走行車線の方が早い、上り坂では速度を上げろ




今年も帰省の時期がやってきた。ETCの割引が拡大された事もあり、車での帰省が増えるらしい。
 私も、3年前までは、母が実家で一人暮らししていたために、お盆と正月は家族で帰省していたが、母が亡くなってからはその必要もなくなった。私にとって帰省は休暇と言うよりも仕事の一つだった。

 長距離運転は苦にはならなかったし、なによりも車の方が金額的には安い。新幹線で家内と2人で帰省する場合を比較すると、金銭的にはETC割引拡大がないとき、金額では1/2、CO2排出量は逆に7倍になる。地球環境のことを考えるとまずい。

 更に、毎度感じる事は、渋滞で時間がかかることだ。距離にして約670km、時間で約10時間だ。トータで50~70kmの渋滞に出くわす。その場所も決まっている。

 しかし、30kmの渋滞に遭っても、渋滞区間を過ぎると、何が原因だったのか分からない。事故渋滞の時は、事故車が路肩などに止まっているので、これが原因だと分かるが自然渋滞はくせ者だ。

 サグ(たるみ:下り坂上り坂)、トンネルの入り口、先頭に低速車などが原因であることは分かっている。

 どうして自然渋滞が始まるのか? 以前、フジテレビが「高速道での渋滞と回避法」を放映したことがある(2003.10.13)。

 名古屋大情報科学研究科の杉山先生達の研究によると、10分で自然渋滞は発生する。車間距離、速度を一定にして車を走らすが、時間が経つと車間距離の詰まったグループが出来、ブレーキを踏む車が出てくる、そして自然渋滞が始まるのだ。

 サグ(上り坂)がある限り、自然渋滞は決して無くならないと言う。サグがあると上り坂を気づかず減速になり、後続車も次々に減速していく。そして後方では渋滞が始まる。

 回避法は、安全運転では逆説になるが、「上り坂では速度を上げる」ことだ。

 走行車線と追い越し車線のどちらを走るか(勿論、通常は走行車線を走らなければならないが)。
 「どちらの車線を走ると早いか」は、いつも迷う。
走行車線はIC、SAへの出があると進むが、入りがあると遅れる事になる。迷って追い越し車線に移ると、走行車線の方が進む。
 
 しかし、これもプロドライバーの証言や、実験から「渋滞時は、走行車線の方が早い」のだ。

 高速道での渋滞防止は、車間距離、速度を一定に保つことであるが、上り坂にさしかかると速度が落ちてくるので速度を上げるようにする。万一渋滞に出くわしたときは、走行車線を走る方が早い。

 楽しい帰省だし、旅行だ。渋滞にはまってもイライラしないことだ。

2009年8月11日火曜日

意外に被害の少ない駿河湾地震 防災意識の問題か




まず、今回の駿河湾の地震で被害に遭われた方々に、お見舞い申し上げます。
 私の住んでいる群馬県安中市は、地震による揺れが少ないところである。南関東震源域などで発生する震度3程度の地震でも揺れを感じない。テレビのテロップで地震情報が流れて初めて、地震が起こったのかと知るほどである。しかし、11日早朝に発生した駿河湾での地震は、2度揺れを感じた。娘が東京に住んでいるので、心配になったのだろう、家内も飛び起きて、テレビを付けた・。
 しばらくして震源は駿河湾で御前崎北東35km、深さ23km。最大震度6弱、地震の規模はM6.6(後で6.5に修正)だ。
 駿河湾というと、2日前の9日にも関東、東北で震度4を観測する地震が発生したばかりだ。この時は、震源は東海道南方沖で震源の深さは340km、規模はM6.9だ。
 誰だって、東海地震との関連を心配する。

 東海地震は、前回(1854年)発生してからすでに発生間隔(過去4回の発生間隔の107,102,147年)を過ぎている。何時起きても不思議ではない。さらに、この付近は、今後30年以内に震度6弱の地震が起きる確率も高い(26%以上)地域になっている。

 しかし、東海地震の想定規模はM8以上だ。規模が小さすぎる。タイプも逆断層型だが、今回は横揺れだ。

 震度6弱程度の地震にしては、被害の少なさに驚く。大体地震の被害は、最初は少ないが、状況が分かるに従って、だんだん多くなってくるモノであるが、今回は驚くほど少ない。
 2時頃の集計では、負傷者72人(しかし、90人を越えているとも言われている)、住宅被害は674棟、火災4件、停電、断水も発生しているようだ。東海地震は巨大地震、南海、東南海地震が連動すれば超巨大地震になる。その危険が指摘されて、住宅の耐震補強などが進んだのだろう。家具類の転倒による被害も多いが、その転倒防止対策も進んでいるのだろう。

 日本家屋では、屋根瓦の被害はあるものの、古い家屋ではペシャンコになる被害も出てくるのだが、そのような映像は見受けない。瓦も軽く、大広間を少なくして壁にしているのだろうか。

 ブロック塀の倒壊も少ない。鉄筋を入れて補強しているのだろう。

 新潟県中越事件では、新幹線脱線事故も発生していたが、今回は東海道新幹線では、特に異常はなかったようだ。

 しかし、東名高速道では、牧ノ原SA付近で路盤の盛り土部分が約40m程崩れているし、菊川橋では5~10cmの段差が出来た。降雨も影響しての事だろうが、土木工事で盛り土をやった箇所は、要注意箇所だ。

 また、気を付けなければならないのが、水が溜まっている場所だ。ダム周辺の地滑りはよく経験する。今回は駿河城のお堀の石垣が一部、崩れた。関東大地震でも小田原城の石垣が崩れた(お堀のそばかどうかは知らない)。基礎部が水を含んでいると危険だ。

 今回の地震は広い範囲で揺れた。長周期地震動は、日本のどこで地震が発生しようが東京を揺らす。今回も渋谷(?)のマンションで25階で水道管が破裂して、エントランスまで水浸しになった。

 恐らく今後、被害状況が調査され、問題点も出てくるだろう。何故、被害が少なかったのか知りたい。実際の東海地震では、この約150倍の揺れになる。更に悪いことに東海、南海、東南海の3つの地震が同時に発生した歴史もあるらしい。日本の交通の要所でもあり被害は想像に絶するものだろう。

 被害を少なくするのは、人間の知恵なのだが、「まだ大丈夫だろう」という意識が強く、我が家もなかなか進まない。

2009年8月9日日曜日

現実を重視するも将来を見据えた政策を


各党のマニフェストが出そろい、比較論争が活発に行なわれているが、先発の民主党に公約修正も出てきて、逆に自民党が「敵失」ととらえて色めき立っているという。 
 多義にわたる政策課題、政権についていない民主党にあっては見落とされたり、意識的に十分な議論をしないままのテーマ、他党との政権協力に向け煮詰まっていないテーマが出てきても仕方ないことである。
 
私は、マニフェストは一発出せば、それに固定されるモノではないと思う。小泉さんはかって、「大きな政策を達成するためには、この程度の公約の未達成は仕方ない」という意味の答弁を国会でやって、顰蹙を買ったことがある。ここまでは言ってはいけないが、修正や停滞は仕方ないことである。

 PDCAで修正、見直しをしながら国民の期待する政策実現に向けて行けばいいと思う。
「ブレた」と批判されるかも知れないが、それは間違いだ。民主党の修正に「政権につこうと思うと考えがブレても良いのか」との批判も出ているが、そこのところを国民にしっかり説明する度量がなければならない。

 どの政党を選択しても、これで良いんだという政策はない。何らかの不満は出てくるのはドウしようもないことだ。

 読売新聞の「衆院選」第3回全国世論調査(2009.8.8)を見ると、支持政党、小選挙区の政党候補者、比例区の政党候補者そしてどちらが首相に相応しいかでは、民主党が圧倒的に強いが、政策面でインド洋での自衛隊による給油活動では民主が分が悪い。外交問題では、民主党も困る場面が多く見受けられる可能性がある。政局混乱の原因になるかも知れない。

 政策推進能力でも、民主党の政権担当が未知数のところがあり、民主党に分が悪いが、全体的には民主党政権への期待が大きい。

 民主党は「現実を重視しつつも、将来を見据えた政策」を期待するしかない。

 詰まるところ、考え方が異なるグループが混在する民主党が、第一党或いは政権の座に就いたとしても国民が期待する多義にわたる政策に答えられる可能性はない。一方の自民党も構造改革推進かどうか、リーダーの問題も含めて各派、派閥横断の各グループが蠢いている。

 自民か民主化の選択ではダメなのだ。
 
 そこで、「連立政権か新しい枠組みの政権再編か」が課題になるし、世論調査でも60%足らずの人が望んでいる。

 有権者が候補者を選ぶときに、「自民党政権か民主党政権か、連立か政権再編を考えているのか」を考えて選ばなければ、結果的に騙されたという事になりかねない。

 政権選択選挙に向けて、候補者の国家観、マニフェスト、改革への意気込みなどしっかり確認する必要があり、有権者の質が問われている。地域の代表を選ぶのではなく、全国民の代表を選ぶのだ。

 世論調査によると、「必ず投票に行く」が70%を越えている。「なるべく行くつもり」を入れると、95%が投票の考えがあるという。投票率が上がれば、圧倒的に民主が優位になる。政権交代は目前だ。

2009年8月7日金曜日

高い水準の犯罪件数 人間力の低下が原因か


こう毎日、新しい事件の発生が報道されると犯罪が多発しているように感じるが、実際には認知件数は減少しているのだという。
 
 警察庁犯罪白書で認知件数の経過を見ると、刑法犯全体では平成18年は前年比7.9%減、19年は前年比6.5%減で2,690,883件。このうち道路上の交通事故関係を除いた一般刑法犯は18年は前年比9.6%減、19年は前年比6.9%減で1,909,270件。このうち窃盗を除いた一般刑法犯は18年は前年比5.1%減、19年度は前年比7.2%減で479,314件。

 全体で考えると、平成14,15年頃のピークから減少傾向にあるのだ。

 問題の殺人の認知件数は、横ばい傾向にあり16年以降4年連続でやや減少し、19年は前年比8.4%減の1,199件だったという。一日平均3件強の発生だから目立つのも当然だろう。

 親が子供を殺したり、子供が親を殺し尊属殺人、生活の貧困からか金の貸し借りでの殺人事件、非社会的な行為を注意して殺される事件、最近多くなった大麻やMDMSなど大麻や麻薬取締法違反事件、高齢者を狙った振り込め詐欺事件、生活保護を逆手にとったと思われる詐欺まがいの事件、それぞれ世相を反映した事件が多発している。

 犯罪白書では減少しているのに、どうして私達は治安が悪くなっていると思うのか。これを「体感治安」と言うらしい。

 河合幹雄桐蔭横浜大学教授はその原因を、以前は「犯罪の起きる場」として盛り場が多かったが、最近は住宅街で昼間からのひったくりや空き巣の犯罪が増え、誰でもどこでも犯罪に合うかも知れない状況になったことが要因の一つだという(朝日新聞 2007.1.22)。

 私の住んでいる田舎町でも、焼肉店周辺での暴力団抗争による殺人事件からアパート街での痴情のもつれによる殺人事件も発生し、NHKで報道されると遠い親戚でも知る事件となった。何時どこで起こっても不思議ではない状況だ。

 事件を未然に防ぐ抑止効果がないのか。

 私達が小さい頃は、祖父、祖母、親、叔父、叔母など大家族で生活していた。何か悪いことをすると祖父から「こんな事はやってはダメだ」と懇々と説教されたモノだ。家族みんなでお互いに注意し合っていた。
しかし、核家族になり、生活のために親が忙しくなると子供と接する機会が少なくなってきた。お互いに何をしているか知らない生活になった。

 「こんな事をしたら、親が怒るだろう」という「家族の抑止力」が働いていたが、今は親が子供を殺したり、子供が親を殺す事件が多い。社会の基本単位である「家族」という組織が崩壊しているのだ。「親が困るだろう」「家族が困るだろう」なんて考えもつかないのだろう。
 
 「人間力」も劣化している。「人間力」と言っても定義は分からないが、「常識を持って社会生活が出来る能力」とでも言うのだろう。

 学校で、道徳教育を受ける。評判が悪かった「ゆとり教育」は、子供が大人になり生活していく上での力を付ける教育だと聞いていたが、教育内容をしっかり検討する前に、学力低下の元凶と見なされ廃止になった。

 大きい企業にはいると、社員教育がある。「我が社に相応しい行動を」と教育される。何かやらかすと、会社の幹部が記者会見で謝罪する例もある。しかし、学校を中退したり、正規社員として入社しなければ、社員教育の機会はない。

 十分な社会人教育も受けないままに大人になり、子育てをすることになる。

 有名人の大麻、MDMSなどによる麻薬取締法違反事件は、ことさらやっかいな事件である。何故この犯罪行為が非社会的行為であるかが分からないのか。

 押尾容疑者の場合、MDMSが違法なモノであるとは知らなかったと言っているようだが、こんなに有名な麻薬を知らなかったとは驚くが、「問題はどういう目的で飲んだか」だ。更に人間力を疑う。自分のやった結果に「どうして良いか分からず、マネージャーを呼んで現場をはなれた」と言う。30歳も過ぎてそんなことも分からないなんて一児の親として恥ずかしい。

 酒井容疑者も、夫が覚せい剤取締法違反現行犯で逮捕されて、「この辱めをどうしてくれる」と泣き崩れ、子供を連れて失踪した事件と同情を買っていたが、何の事はない、自分も
覚せい剤所持で逮捕状が出たという。逮捕を逃れるため、逃げ回っている立場になった。

 有名人である以上、一般人に比べても社会的責任は大きいが、どうしてやってはいけないという抑止力がはたらかったのか。人間としての未熟さか、夫もやっている事だし、見つからなければいいという安堵からか。有名人になる事は、それなりの責任がある。

 こんなことも言えるのだろう。「やってはいけないこと」という規範意識は、それとなく持っているが、自分の行為が「重大な結果を招く」という「想像力」が低下しているのかも知れない。
それは社会人教育だ。企業や芸能プロダクションなど所属組織がしっかり具体的に教育しなければいけない。

 犯罪を起こせば、被害者側はさることながら、加害者側にも自分自身は勿論のこと、家族、親兄弟、親戚にはバラバラになり、それぞれの家庭が崩壊する過大な影響が出てくる。

 昨日は、普段であれば余り注目もされない殺人事件が、裁判員制度第一号の裁判と言うことで注目された。「身勝手で極めて短絡的な殺人」と言うことで、検察の求刑16年に対して15年という量刑になった。専門家は13~15年考えていたので、ほぼ妥当な量刑と評されているが、重すぎるという批判もあるらしい。

 この被告人は、被害者を斬りつけて殺す前に、何故、「相手側、自分も含めて結果がどうなるか」考えなかったのか。被害者の言動も問題で、自分の考えが受け入れられていない批判しているらしいが、「想像力」にかける行為であった。

 「想像力」、「我慢する力」は「人間力」として重要である。家庭でも、会社でもしっかり教育しなければならない。

2009年8月6日木曜日

政治にも「山本勘助」のような軍師が必要なのだ

「山勘」が当たり、興奮した経験は誰にも一度はあるだろう。

 ギャンブルの世界では、勘が冴えて大儲けした人もあるだろう。その経験がなかなか忘れられず、ズルズルはまってしまう人もあるだろう。

 私の場合は、大学学部の定期試験でかなり山が当たった経験がある。大学では、A4の紙が一枚配られ、「○○○○について記せ」と黒板に2~4問ほど問題が出て、90分で答案を書く形式だった。 講義でメモったノートを見て、どの辺が試験に出るか当てるのだ。その講義テーマの内容、ノートに占めるページ数などから、この辺だと察しを付けるのだ。山があたると、答案を書く時間は早い。試験が始まって20分ほどで答案用紙を提出することになる。

 しかしこういったことは、往々にして運の要素が強く、能力によるモノと信ずると失敗するものだ。

 当時、「山勘」とは戦国の軍略家で山本勘助という武将がおり、やることなすことすべての作戦が当たって成功した事から、「山勘」と言われるようになったと聞いているが、実在するかどうかは不明で、歴史小説上の架空の武将だという説もあった。

 ところが最近、山本勘助が実在の武将であったことを示す書状が、群馬県安中市の旧家から見つかり、今、安中市ふるさと学習館に展示されている。

 天文17年(1548年)武田春信(信玄)判物と呼ばれる書状だ。

 それによると、武田春信が、山本菅介に対して、信州伊那郡における働きを賞し、恩賞として黒駒(笛吹市御坂町)の関銭のうち百貫文をあておこなったという。春信の花押しも入っており、本物と鑑定されている。

 ところが、当てずっぽうな勘で幾多の戦を勝ち抜くことは無理だろう。いろんな状況をしっかり把握して、何が今大事か、相手のどこが欠点かを見極める目を持たなければ不可能だ。

 そして国を統治しようとする場合も、優れた戦略家が必要なのだ。

 麻生政権も浮き草のように浮ついた政権のように見えるが、その裏にはこれと言った軍師がいないことだ。長年にわたる政策の制度欠陥は別として、百戦錬磨の軍師が自民党にいなくなったことが、党の凋落に関係していると思えるのだが、一方の民主党は小沢さんという策士がいて、政権が目前に迫ってきている。

 しかし、民主党は、運が良かったから政権に付けるところまで来たが、決して能力があるからではない。マニフェストの欠陥が明らかになってくると、有権者の見る目も変わってくる.
 民主党にも、どんな軍師が出てくるかが、政権寿命を左右する。

2009年8月5日水曜日

必勝ダルマの製造も大忙し


告示日も迫り、各候補者も暑い戦いに入っている用だが、ここ高崎市藤塚町のダルマ製造会社大門屋も大忙しだ。全国の70~80%のダルマが生産されている高崎ダルマも「必勝祈願一致団結」、「必勝ダルマ」の製造負われている。

厳しい選挙戦を戦い抜くには、達磨大師の強靱な精神力に支えられなければならない。

シーンと静まりかえった天井の高い広い作業場には、従業員がダルマを動かす音しか聞こえない。時々親子連れの見学者が入ってきて、一瞬賑やかになるが、従業員は見向きもしないで、作業に打ち込んでいる。当選を念じながらダルマを作っているのだ。

昨日、室内乾燥中であった、ダルマが今日はない。北海道の候補者に発想されたのだ。近隣県は勿論のこと、全国から注文が来る。小さいダルマから大きいダルマまで5種類、12,000~35,000円の値幅がある。

今日は小さいダルマの絵入れ作業が行なわれている。黒ペンキで1個70秒で書き上げていく。人出作業であるが、コンピューターで画くように正確だ。

赤い見慣れたダルマが主流ではあるが、カラーもいろいろ選べ、候補者の好みのカラーで制作できる。

 必勝ダルマは選挙には欠かせない。当選し右に目を入れることが出来るのは480人だ。暑い厳しい選挙になる。それだけ体力、気力のある議員が選ばれてくるのだろう。

2009年8月4日火曜日

総選挙:1人4億円の高い買い「者」、議員数を減らし節約を


選挙がある度に考えることは、議員数が多すぎることだ。今、国会議員の数は722人、世界的にも多いと言われている。
 そのため、かかる費用は莫大だ。議員年収約2000万円に、数々の非課税特権、政党交付金などを入れると年間一人1~1.2億円かかるという。衆議院で言うと4年間で4億円に上る税金からの支出である。

 更に、選挙制度もおかしい。衆議院は小選挙区300議席、比例区180議席。どうしてこんな制度になったか分からないが、運用面でおかしい。比例区に小選挙区の候補者が重複立候補し、小選挙区でNOを突きつけられた候補者が、比例区でYESでは小選挙区での有権者の判断が何だったのかと疑いたくなる。

 政党側に立ってみれば、中選挙区制をやっているようなものだ。小選挙区で負けても、比例区で復活できれば2政党がそれぞれ1議席ずつ確保したことになる。コスタリカ方式をとっている政党などは、2つの議席も可能性がある。

 政権与党の自民党は、国会議員数削減や参議院を廃止して一院制をマニフェストに記載しようとしたが、反対に遭い屈した。国会議員自ら自分たちの地位、身分に不利益な政策を推進することは不可能であることは自明である。

 国民が削減や一院制を望んでも、それに向け、手続きを進めるのは私達が負託した国会議員である。憲法改正など大きな問題を含んでおると、ほとんど期待できない。

 そこで、有権者が立ち上がる必要がある。

 まず、比例区の投票を「白紙」または「不必要」と書いて「無効」にしよう。

 投票自体を棄権するのは、一番ナンセンスだ。今の私達は投票でしか意思表示できない。

2009年8月3日月曜日

マニフェスト熱はさめ、民主、自民拮抗が理想か




衆議院投開票の予想は、圧倒的に民主党優勢で、雪崩的な政権交代が目前に迫ったかに思える。
 民主党は、自民党長老議員や問題議員の選挙区に女性「刺客」候補をたてて、政界革新、新陳代謝を目論んでいるようにも思えるが、自民党議員は相当の危機感を持っているようで、何十年もやったことのない「ドブ板」選挙の姿がメデイアでも報道されている。

 今まで、地域の有力者や奥さんの運動に任せっきりで有権者との接触もなく、選挙に勝ってきた自体がおかしい。そう言う面を考えると、良い傾向ではないかと思う。一方で、改革を訴える民主党が4年前の自民党の小泉手法を使っているのに、首をかしげざるを得ない。

 だが、「あいさつ」と「握手」責め、盆踊りでの選挙運動が主流とは情けなさ過ぎないか。以前は、候補者が一堂に集まって「立会演説会」が行なわれていた。私も一度行ってきたことがあるが、最近では有権者が集まらないので廃止になった。しかし、その必要性はあると思う。最近は、縁もゆかりもない落下傘候補と言われる人が、急に選挙区で立候補してくる。

 政党支部の現役議員が強力に推薦するので、ついつい入れてしまうが、本当に国民の代表者に適しているかは分からない。その人の「国家感」「政策」人物像など有権者は確認する必要はないか。

 国会議員は、地域の代表者ではない。憲法では、全国民の代表者である。その地域に知名度があれば良いという者ではない。他選挙区の人にも恥ずかしくない人を選ばなければならない。

 今は、選挙予告され、各党のマニフェストが出そろったのでマニフェスト論争が起こっている。「実現に向けた財源はどうするんだ」、「個々の政策の違い?」などメデイアは比較表をつくり、キャスターや政治評論家、政治部記者は喧々囂々であるが、他のコメンテーターは、相づちを打ったり、読んでいるのかどうか分からない、ありふれたコメントをしている。

 こんな状態は、何時までも続かない。そのうちにマニフェスト論争は下火になるだろう。

 次は、問題・注目選挙区での選挙戦の報道だ。自民、民主の候補者だけでは、まずいので、他候補者の状況も簡単に触れるやり方だ。やり方によっては、選挙結果を誘導する危険な行為で、視聴者はしっかり吟味しなければならない。

 民主党の攻勢に対して、守勢の自民党候補者は、保湯板の悪い自民党マニフェストに替えて、自分流のマニフェストを掲げて戦うだろう。麻生=自民党の人気の無さを払拭するためにも、自分を売る方法を考えるしか手はない。そうした候補者は、逆に自分の考えを持った頼りになる候補者かも知れない。

 自民党と民主党の良いとこ取りしたマニフェストも出てくるだろう。問題はあるだろうが、本人のやる気の問題だ。

 投開票日までには、民主、自民の票は、拮抗するだろう。

 自民党も強かだ。選挙資金に糸目を付けず運動を展開するかも知れない。今回の選挙後を見なければ分からないが、多数の選挙違反者を出すかも知れない。そんな議員は、退くべきだ。

 私は、容易に民主党に政権交代を許してはいけないと思う。

 そのためには、自民党はもっと国民が願っている「改革」を打ち出さなければならない。小泉構造改革には限らない「改革路線」の推進だ。そして、反省や謝罪ばっかりしている麻生さんは、どう変わろうとしているのか。選挙後の政権運営は麻生さんで大丈夫なのか。自民党は世論に未だ、答えていない。

 政権交代は、二大政党が切磋琢磨して実現していく必要がある。熱病的なチャンスは、危険だ。

2009年8月1日土曜日

自民党よ 「日本を守る責任力」を全うできるリーダーは誰か


民主党のマニフェスト発表から遅れること1週間、政策の違いを明確にしようとしたのだろうが、今後4年間の目標や工程が不明確でマニフェストの体を成していないという評価は同感である。予算編成、経済対策で財政出動はするが、一体どんな経済社会が到来するのか、いつも疑問に思っていた。

今回は、民主党の政策と違って、10年先の2%成長を目指しているが、長期目標もさることながら、4年先は何%の経済成長が見込めるのか、はっきりさせるべきだ。

キャッチコピーも「日本を守る責任力」となっている。自民党長期政権の継続を訴えて居るように思えるが、誰がリーダーで推進するのか、大事なことが分からない。これでは折角のマニフェストも「絵に描いた餅」になりかねない。

麻生さんは今まで、総理・総裁としての態度を改めて、機会あるごとに反省と謝罪を繰り返している。「私の至らないために、混乱や政治不信を招いた」、今回は「国民への気持ちの配慮が足りなかった」という。

麻生さんのリーダーシップの無さ、ブレる発言に対して、国民が不信感を募らせているのは確かだ。世論調査でも80%近くに人が否定していたではないか。その麻生さんが、謝罪しながらの政権維持の訴えである。

今までの麻生さんは、その資質やリーダーシップに問題があったが、これからの麻生さんは何ら問題ないというのか。信じられない。麻生さん自身政治姿勢をどう変えていこうとしているのか。

自民党内でさえ、「麻生さんでは選挙は戦えない」と応援を求める候補者は「ないことはない」程度らしいことは容易に想像がつく。

マニフェストからも最後の署名の箇所を除いては、麻生さんの顔写真はなくなった。「麻生がくし」と言われているが、そんなリーダーの元で選挙を戦っても勝ち目はない。

自民党に問いたい。「誰がリーダーで責任を全うするのか」、そして「求められるリーダー像」とは。