2011年6月1日水曜日

消費税10%へ:経済へのマイナス効果は少ないって本当か




社会保障と税の一体改革、財政再建に向け,政府は消費税wo2012年に3%上げ,続いて15年までに更に2%上げ10%にする事の検討を始めるらしい。今のような経済状況では、景気の足を引っ張るのではないかと心配されるのだが、増税分は社会保障分野に使うために、確実に自分に戻ってくると納得すれば経済への影響は小さいのだという。

増税は財政再建にとっては重要課題であるが、総理の立場で言うと相当の求心力がなければ扱えない政治課題なのだ。

最近では、麻生総理が2008年10月30日の記者会見で、新総合経済対策を発表し、財政規律や安心な社会保障のために行政改革、景気回復を前提に3年後(2011年)に消費税を引上げると言明した。この時も経済財政相だった与謝野さんは10%程度を目指すと言った。

この背景には、総選挙で消費税率引上げを避ける民主党との違いを強調する狙いもあったようだが、2009年の総選挙で政権の座は民主党に移った。

政権交代時、民主党は4年間は消費税増税はしないと公約したが、菅政権になって一転し、財政再建、社会保障のために消費税上げを主張し、最近では目処を付けるのが政治家の本望とまで言い出した。

厳しい経済状況の下では、増税は経済を更に悪化させる戸見るのが常識だが、菅総理の持論は「増税しても使い道を間違えなければ景気は良くなる」なのだ。

その「有効な使い道」とは、雇用の拡大に繋がるかどうかだ。環境、医療、介護、観光などに投資し、雇用拡大で経済成長につなげるという。今回も経済への影響は小さい(経済の足を引っ張る主因にはならない)と言う。

この菅総理の持論のブレーンは内閣府経済社会総合研究所の小野さんだ。その小野さんが、震災復興には時限増税が必要だが、なかなか進まない。その要因に政治家の選挙事情がある。政治家は自分だけ増税を言うと相手が減税だと闘えないという。だけど世論調査でも7割の人が「増税も仕方ない」と認めているのだから政治家はもっと有権者を説得しろと言うのだ(読売新聞2011.5.10)。

ところで、この消費税増税も財務省に言わせると、2012年4月から3%上げを考えているようだが、菅政権はどういうスケジュールを考えているのか。私は以前、「菅総理は国民に信を問わず国会審議だけで強行突破するのではないか」と書いたことがあるが、その後菅総理は、値上げ前に国民の信を問うと言明した。

次の臨時国会に法案を提出するとして、何時どういう形で国民の信を問えるのか。

総選挙をやっても民主党は惨敗で菅政権は消えて無くなる。自民党も10%増税を以前から掲げていたので、自民党政権に戻っても増税論議は残るだろう。

消費税増税は、その時の経済情勢に大きく影響される。社会保障分野、成長分野への投資と言っても増税は増税だ。消費者心理としてはマイナス効果と見るのだが・・。

6月下旬に正式に社会保障と税の一体改革案に盛り込まれると言うが、菅、与謝野とくれば財務省の言いなり案と言うことだ。聞くところによると詳細はまだまだ曖昧らしい。曖昧なことこそ財務省の望むところなのだ。財務省を制するためにもしっかりした検討をして欲しい。

増税ばかりでは財政再建にはならない。赤字を減らすことにも専念せよ。YESMANの御用学者ばかりでなく、広く反対意見も聞くべきだ。

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