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2011年6月20日月曜日

動き出した財務省主導の消費税10%、政治主導で詰めを





















社会保障と税の一体改革案で消費税10%引き上げが具体化してきた。今年度内の法案化に向けた協議が始まりそうだが、菅総理が政治家の本望とまで言った財政再建への一歩であるが政治主導なのか。必要性は分るが、IMFまで国の借金が対GDP200%は未知の領域として財政改善のため消費税上げに異例の提言をするほど財務省の強い意向が伺える。

確か配分など詳細は決まっていないはずだ。曖昧な内容ほど裁量が自由になる財務省の望むところで、財務省主導の増税ではないのか。

そもそも、我が国の借金(債務残高)が対GDPで200%を声、先進国では最悪の財政であること自体が本当なのか。もっと議論し、国の財政の本来の姿を国民に示さなければならないのではないか。

確かに、財務省のHPから一般政府ベースの債務残高の国際比較(対GDP比)を見ると2011年には204.2%になり、米国98.5%、英国88.6%、ドイツ81.3%、フランス97.1%と比べても異常に高い。

一方で、債務残高ではなく、政府が保有する金融資産などを差し引いた純債務残高で比較すべきだと言う考えもある。その純債務残高での比較でも、2011年には米国74.3%、英国57.6%、ドイツ51.6%、フランス61.8%と比べ、日本は120.4%でやはり異常な悪さであることは分る。

ただ、純債務残高を比較する場合、我が国政府の金融資産の多くは将来の社会保障給付を賄う積立金であり、直ぐに取り崩して債務の償還や利払いの財源などにすることは出来ないと注意書きが書いてある。何やら埋蔵金の取り崩し論議の時もそうだった。

IMFの援護もあるが、これに対してエール大の浜田先生は純政府債務であれば日本の借金は対GDP比60%以下になり、先進国とそう変わらないが、日本の借金は対GDP比約180%(2008年の173.9%)を用いていると批判している。

先進国に比べても遜色のない借金レベルであれば問題ないのだが、この見解の違いをはっきりさせるべきである。

一方で、一般政府ベースの他に、購買力平価ベースでの国際比較もある。コレだと比率がグッと落ちるが、それでも先進国では最悪だという。

IMFは、購買力平価ベースでの対GDPで財政赤字の見通し比較を発表した。それによると日本は2011年10.5%、2012年9.1%、米国はそれぞれ9.9%、7.8%で共に中期の財政再建策が不可欠というが、フランス、ドイツ、カナダは財政再建が進んでいるという(読売新聞 2011.6.18)。

購買力平価ベースは、国内総生産の実質比較を調査対象品目の価格、支出ウェートのデータで換算し、それぞれ通貨の購買力が等しくなるようにしたモノで、為替レートによる通貨換算の弊害を避けたやり方だ。

この購買力平価ベースのGDPで、最近センセーショナルなニュースが流れた。2010年の購買力平価ベースでのGDPで日本は3位だったが、今年はインドに抜かれて4位に落ちるらしい。米国、中国、インド、日本、ドイツと続くらしい。

でも予断になるが、GDPが増えたからと言って喜んでばかりはいられない。病気が増えて医者に行く、高齢化が進むと介護・福祉の需要が増える、環境汚染が進めばその処理関係でお金がかかる。すべてGDPは増加するのだ。GDPは増えても世の中は良いことばかりではないのだ。

ところで財政赤字評価も、計算条件によって債務残高を使えば対GDP比204%と先進国で突出して財政状況は悪いが、純債務残高を使えば120%と悪いことに変わりはないが、債務残高ほどではない。しかし、この純債務残高による比較でも研究者によっては対GDP比約60%になり、何ら他の先進国と変わりがなく、日本の財政危機は財務省に作られたモノだというのだ。

購買力平価ベースでの対GDP比も先進藷国見通しが2011年で8%弱、2012年で約6%なので我が国は悪いことには変わりない。大震災での税収減、復興のための財政出動も見込まれているため悪化しているのだ。

菅総理は、消費税増税案を閣議決定し、今年度内の法案化に向けて協議したいらしい。財務省に押され気味にならず、政治主導でしっかり詰めて欲しい。内容が曖昧なままでの法案化は、財務省の思うがままに出来る余地を残すことになり、将来に禍根を残すことになる。

ところで、菅総理は国会審議で増税の場合、予め国民の信を問うと言ったことがあるが、そんなことはお構いなく、国民の信を問わず強行突破するのではなかろうか。国民は民主党に衆院で308議席を与えてしまった。総選挙になれば民主党は惨敗で民主党政権は存在しない。

菅政権での消費税増税などできないはずだ。まず、民主党内をまとめることが出来ない。「マニフェストで増税しない」といったはずだと党内論争が起きる。

消費税増税の必要性は分るが、国家財政のあり方に対し国会審議が不十分である。財務省言いなりの増税策ではなく、政治主導の増税策をやって欲しい。

写真上段左:IMFの11,12年主要国財政赤字見通し 米国同様中期の財政再建策が必要という 2011.6.18 読売新聞

写真上段右:財務省 何かにつけ悪者になるが、しっかり財政状況を説明すべきである

写真中段:純債務残高対GDP比 わが国は120%で、先進国では最悪 財務省HPより

写真下段:債務残高対GDP比 200%を超え、IMFは未知の領域に入ったという 財務省HPより

2011年6月1日水曜日

消費税10%へ:経済へのマイナス効果は少ないって本当か




社会保障と税の一体改革、財政再建に向け,政府は消費税wo2012年に3%上げ,続いて15年までに更に2%上げ10%にする事の検討を始めるらしい。今のような経済状況では、景気の足を引っ張るのではないかと心配されるのだが、増税分は社会保障分野に使うために、確実に自分に戻ってくると納得すれば経済への影響は小さいのだという。

増税は財政再建にとっては重要課題であるが、総理の立場で言うと相当の求心力がなければ扱えない政治課題なのだ。

最近では、麻生総理が2008年10月30日の記者会見で、新総合経済対策を発表し、財政規律や安心な社会保障のために行政改革、景気回復を前提に3年後(2011年)に消費税を引上げると言明した。この時も経済財政相だった与謝野さんは10%程度を目指すと言った。

この背景には、総選挙で消費税率引上げを避ける民主党との違いを強調する狙いもあったようだが、2009年の総選挙で政権の座は民主党に移った。

政権交代時、民主党は4年間は消費税増税はしないと公約したが、菅政権になって一転し、財政再建、社会保障のために消費税上げを主張し、最近では目処を付けるのが政治家の本望とまで言い出した。

厳しい経済状況の下では、増税は経済を更に悪化させる戸見るのが常識だが、菅総理の持論は「増税しても使い道を間違えなければ景気は良くなる」なのだ。

その「有効な使い道」とは、雇用の拡大に繋がるかどうかだ。環境、医療、介護、観光などに投資し、雇用拡大で経済成長につなげるという。今回も経済への影響は小さい(経済の足を引っ張る主因にはならない)と言う。

この菅総理の持論のブレーンは内閣府経済社会総合研究所の小野さんだ。その小野さんが、震災復興には時限増税が必要だが、なかなか進まない。その要因に政治家の選挙事情がある。政治家は自分だけ増税を言うと相手が減税だと闘えないという。だけど世論調査でも7割の人が「増税も仕方ない」と認めているのだから政治家はもっと有権者を説得しろと言うのだ(読売新聞2011.5.10)。

ところで、この消費税増税も財務省に言わせると、2012年4月から3%上げを考えているようだが、菅政権はどういうスケジュールを考えているのか。私は以前、「菅総理は国民に信を問わず国会審議だけで強行突破するのではないか」と書いたことがあるが、その後菅総理は、値上げ前に国民の信を問うと言明した。

次の臨時国会に法案を提出するとして、何時どういう形で国民の信を問えるのか。

総選挙をやっても民主党は惨敗で菅政権は消えて無くなる。自民党も10%増税を以前から掲げていたので、自民党政権に戻っても増税論議は残るだろう。

消費税増税は、その時の経済情勢に大きく影響される。社会保障分野、成長分野への投資と言っても増税は増税だ。消費者心理としてはマイナス効果と見るのだが・・。

6月下旬に正式に社会保障と税の一体改革案に盛り込まれると言うが、菅、与謝野とくれば財務省の言いなり案と言うことだ。聞くところによると詳細はまだまだ曖昧らしい。曖昧なことこそ財務省の望むところなのだ。財務省を制するためにもしっかりした検討をして欲しい。

増税ばかりでは財政再建にはならない。赤字を減らすことにも専念せよ。YESMANの御用学者ばかりでなく、広く反対意見も聞くべきだ。