2009年6月10日水曜日

新聞よ 生き残ってくれ


アメリカでは日刊紙が経営難にかかり、生き残りをかけて事業の縮小、リストラそしてwebサイトへのシフトが盛んな事が報じられているが、日本でも状況は同じだ。
 朝日新聞は大きな赤字決算になったと言うし、毎日新聞は以前から経営難にかかっており、朝日や読売が36ページ印刷しているときに、毎日は28ページしかなく、「どうしてか」と聞くと、「設備投資が出来ず、体力が弱っている。ページ数は基準が28ページであるが、広告の数によって増ページになるらしい。当然に広告料は減少する。
 メデイアの広告料は、テレビ、ネットに食われて新聞は減少している。特にネットの伸びは大きいらしい。新聞は若者の購読が減っているし、活字離れで発行部数も減っている。一方広告主にすれば、PRしようとする客層を絞ることが出来るので、効率的に広告を打てるのはネットなのだ。
 
その新聞の存続が危ぶまれる記事が、COURRiER japon7月号でも取り上げられている。

新聞の一つの使命は「私達の目となり、他のどのメデイアよりも協力に国家を監視し、私企業の行き過ぎをチェックする」存在なのだが、新聞がその使命を果たせなくなるかも知れないと言うのだ。
研究によると、購読部数の低下と政治の不正には強い相関があると指摘されている。新聞の健全化は必要なのだ。
 「政治と金」で民主党小沢さんの西松建設違法献金の問題が騒がれた。メデイアは検察が流す情報を垂れ流ししていると批判され、報道のあり方が問題になった。
 私もインターネット新聞で記者をやっており、「見逃すリスクを考えると報道のあり方は仕方ない」と論じたが、ネットでは検察リークに強いアレルギー反応を呈し、「見逃すリスク」に関しては議論がなかった。メデイアもこの点にはダンマリだった。
 
 新聞は多くの記者を海外を含め各地に配してニュースを追っかけている。テレビもそうであるが、朝の情報番組は新聞記事の紹介が多い。新聞と違うところは芸能ニュースが多いことだ。新聞のリストラが進むと、ニュースを通信社に頼るようになる。実際に通信社は増強しているようだ。
 一方、webニュースサイトは独自の取材も無いことはないが、他のニュース源からニュースを集めてモノがほとんどらしい。紙媒体を廃止して、webに完全に移行すると、コストを40%削減できるが、収入の90%を失ってしまうと言う。
 
 ネットサーフィンとよく言われる。ニュースをテレビや新聞でなく、インターネットで自分が最も関心のあるニュースを選び出すことだが、これは良くないことだ。
 結局は自分に都合の良いニュースだけを探るようになり、密閉された空間に閉じこもることになり、社会の分断かが進む危険がある。批判すべき意見にも注目する姿勢が欠かせない。

 コンテンツの信頼性については、他のメデイアに比べれば高いはずだ。新聞が得意とする分野は解説記事、分析記事だろう。若者の政治離れも新聞を読まないことに関連しているのではなかろうか。テレビやネットのニュースにばかり頼らず、活字をしっかり読めば政治に無関心ではいられないと思うのだが・・。

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