2009年6月24日水曜日

「骨太の方針」修正:まず小泉構造改革の総括を!

経済財政改革の基本方針である「骨太の方針2009」で、賛否両論があった年間2200億円の社会保障費抑制を実施しないことになった。
 麻生さんは、総選挙に向け歳出改革の継続に拘ったようだが、叶えられなかったばかりか、3年後には消費税増税を訴えていたが、これも文言にはなかったという。
 この社会保障費抑制については、医師不足や介護施設の経営難、職員不足など福祉分野で制度のほころびから医師会など関係者から強い批判があったようだ。
 2007~2012年の5年間で1兆1000億円抑制が小泉政権末期に決まったが、少子化、高齢者の増加、介護の必要者の増加で、社会保障費は毎年1兆円規模の自然増が発生しているとも言われる。財源確保に消費税増税が上がってきたが、小泉さんは「自分の政権では増税しない」と逃げ、後の政権でも選挙を控えて増税論は影を潜めている。
 
 一方で、日本の財政は厳しい。国・地方の債務残高は約820兆円に達し、対GDPでは約170%にもなり、先進国ではワースト1だ。しかも09年度税収予想は46.1兆円と見られているが、数兆円の不足で修正される可能性が大だ。さらには経済対策で財政支出も決めており、09年度は44兆円を超える国債の発行が考えられており、税収を超える借金を負うことになるようだ。

 そんな09年度の予算でも、社会保障費は24.8兆円から28.2兆円に増額され、3兆円以上が上乗せされている。2200億円の抑制は、年金特別会計の余剰金から穴埋めされているのが実体なのだ。

 財政健全化へ向けての歳出抑制も、国民生活を守る「安心・安全社会の構築」にとっては社会保障の確保は最優先すべき課題である。

 弱小派閥の領袖で、政権与党である自民党ににらみの利かない麻生さんに、どういう政治力学が働き、こういう決定になったか想像に難くない。

 だが言えることは、小泉構造改革が今まで、これと言って総括されないまま、その時その時の政治経済環境で右往左往している事に起因するのではないだろうか。

 税金(目的税、保険料など)のムダな歳入、歳出は根本的に廃止すべきであり、一般会計の5倍にもなる特別会計はしっかり見直しすべきである。180兆円にもなろうとする特別会計の経費見直しで1%程の2200億円を捻出するなんて簡単に思う(勿論法改正も必要であろうが・・)。この辺もはっきりしないから、民主党政権になると「骨太の方針」も廃棄される事になる。
何をやるにも小泉政権での構造改革という呪縛に縛られたままでの議論になる。「何をどう守り、次ぎに何をするか」、めまぐるしく変わる世界情勢に臨機応変に対応すべきである。

1 件のコメント:

真人 さんのコメント...

2009.7.2の朝日新聞 政策ウォッチ
でも「骨太の方針09」解けぬ小泉改革の呪縛と論調
骨太の方針2009では、小泉改革を断ち切れない麻生名一かうの優柔不断さを映し出したと指摘し、本気で将来の社会保障像を示すのであれば、小泉改革の呪縛を解き放ち、いちから「麻生骨太」を作るべきだと主張した。