満面の笑顔で握手する。「生で麻生太郎の面を見た人?」、「テレビで見るよりは良いと思う人?」と受けを狙っての聴衆への問かけ。
テレビでの麻生さんの東京都議会選候補者の応援の画面を見ていると、支持率とは違う反響に「何故」という疑問が湧いてくる。
最後に拳を振り上げて、「先頭に立って麻生太郎は戦うぞ」という姿に世論調査の民意とかけ離れた自民党政権の姿が映る。
麻生さんの演説で、「必勝を期して・・」と言うべき場面で「惜敗を期して・・」と言ったのには驚くが、反面間違えるのも当然だという気もする。自分が「選挙の顔」として来たるべき静岡知事選、東京都議選、総選挙を戦おうとしたとき、「勝利」「惜敗」が頭の中を巡っているのだろう。
今は、「惜敗」が頭の大部分を占め、それが応援演説の中に出てしまったのだ。言い間違いとは言えないところに、麻生さんの置かれた今の立場がある。
麻生さんの政治判断、行動は支持率を落とし、どんどん「惜敗」に近づいているのだ。
西川日本郵政社長続投問題では、認可を拒否する鳩山さんを切り、続投の道を選んだが、国民の西川支持は15%程度。ここでも民意に反する判断をしてしまった。鳩山さんの「正義が通じないことがある」という発言は国民に訴えるところが大きかった。
補正予算での相次ぐ景気対策は、先に予算ありきで、その効果に疑問がある政策が多く盛られた。
党首討論も歯切れが悪い。追いつめられても反論できずにニタニタしている姿は総理らしくない。政策責任者としてもっと積極的に論ずるべきだろうが、相手の政策を「財源は?」で切り込むだけでは討論に迫力を欠き、見ていても減点だ。
麻生降ろし、内閣改造、総裁選前倒し、総総分離など麻生さんにとっては、足を引っ張る事ばかりが自民党内から噴出しているが、こんな考えが出るたびに麻生さんの心配する「惜敗」に近づいていないか。
民主党にも麻生さんに点数を稼がせる場面も出てくるだろう。小沢さんの公設秘書の公判開始、厚生労働省の局長を巻き込んだ偽造証明書問題での民主党議員への捜査だが、「敵失」を期待した今後の政局運営では、あまりにも寂しすぎる。
今、自民党が考えなければならないことは、「麻生で何をするか」だ。そうでなければ
大方の予想である「惨敗」なのだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿