2011年12月23日金曜日

混沌とし整理できない政局?













政策にチグハグさが目立つだけで、整理できない混沌とした政局、このままでは無党派層になってしまいかねない。

ついに政権交代のメインテーマだった八ッ場ダム建設中止が、官僚主導(?)で建設継続になり、民主党が政権交代を訴えて戦った2009年のマニフェストは総崩れの様相を呈している。

野田総理が突き進める消費税増税の動きに、マニフェスト回帰の小沢、鳩山グループは反旗を翻し、党内分裂の機運も出てきた。政治基盤の脆弱な野田総理にとっては党運営も絡んで苦渋の選択を強いられる場面も出てくるだろう。

その時が総選挙となるのだろうが、「1票の格差」、国会議員80人削減が絡んでくるので制度を見直す準備が出来ているのか。各党がシミュレーションし自分に有利になる枠組みを主張するだろうから、その調整は難儀だ。

おまけに、今選挙となると民主党は大敗だ。国民に信を問うより政権を維持したい気持ちが大きいだろうから任期前の総選挙はないのではないか。

兎に角、政権与党の民主党は、政策の整合性をやってほしい。テーマごとのチグハグさが目立たないか。

バラマキ予算と批判されている「子ども手当」も3党合意で「児童手当」に復帰すると思われていたが、最近民主党から「子どものための手当」案が出てきた。民主党は面子にかけても「子ども手当」の文字が必要なのだ。所得制限をする案が出ているが、しっかり内容を詰めるべきだ。

農家の戸別補償も票獲得の政策だったが、TPPとの関連で内容がチグハグになってきた。農業も経営規模を大きくし農産物の競争力をつける必要があるが、戸別補償は貸しはがしを生み大規模化を阻害する結果になったが、TPPでは農業を強力にするためには大規模化での効率を目指した運営が必要になる。野田総理は農業を守ると言うが、どっちの方向をとるのか。

高校教育無料化、高速道路無料化など今どうなっているのか直ぐには思い出せない。

歳出削減は限界のようだ。政権交代時は予算の組み替え、見直しで確か16兆円浮くと言っていたが、現実問題として容易でないことが分かってきた。鳴り物入りで始めた事業仕分けも財務省の助けを借りたため根本的な見直しには行かなかった。中止、廃止評定が政治復活する結果に国民の信用を失うことになった。

公務員改革では7.8%の給与カットを提案したが、労働権付与などで頓挫しているらしい。人事院勧告をはるかに上回るカットであったため人事院長が国会で憲法違反と豪語することになった。過剰と思える公務員保護は解消するのが先決である。先の参院選で、東京区で日本創新党の山田候補(元杉並区長)が国家公務員30万人、地方公務員300万人いるために二重行政でコストもかかると公務員削減を訴えていたが落選し、一方事業仕分けで名を上げた蓮舫さんが170万票で当選した。有権者はどっちを向いているのか。

国会議員80人削減計画もどう進んでいるのか。各党、各議員の思惑もあり直ぐには制度改革は出来ないだろう。しかし、720人に一人当たり年間1億2000万円もかかっていることを考えると歳出削減では自ら身を削る決断をすべきである。

そういった改革を先送りし、財務省主導による財政再建のための増税が政治スケジュールに載ってきた。民主党内の事情もあり政府「素案」作りでもめている。さらに選挙を控えて「いま増税はやるべきでない」と言う小沢、鳩山系グループの動きは無視できない。

今民主党を割れば、折角巨額の選挙資金を投入して勝ち取った政権の座を手放すことになるので、そういう選択はないだろう。民主党の退潮を尻目に台頭してきた大阪維新の会の力を利用し、みんなの党など少数政党が政界再編を目論んでいるが、政策をはっきりするためには必要ではあるが、主導権争いも手伝ってうまくはいかないはずだ。

普天埋設問題は、長い年数をかけて自民党が結んだ約束を、鳩山元首相が「県外、国外移転」を言い出し、右往左往した挙句が元の案に行き着いた。しかし、環境アセスメント提出で沖縄県と溝が深まり旨く進むはずがない。決行は血を流す結果になりかねず心配だ。おまけに、米国でのグアム移転費用削減もあって不透明感が出てきたが、沖縄県民への負担軽減も限界のようだ。自由に使える地方交付金が「アメ」として与えられたが、それで沖縄県民の考えが和らぐはずはない。

東日本大震災復興も被災地域、被災者それぞれに考えもあるだろうから調整しまとめるのも大変な仕事だ。

私の当初、住居は高台移転、被災地は商業区と見ていた高台だって山を削って造成する必要があるが、その場所を見つけるのも大変らしい。住居ばかりでなくインフラ整備も必要で相当の投資が必要になる。「将来を見据えた街づくり」が提唱されたが、被災地は本質的には人口減少地域だ。その地方の産出額を超えた過大な投資は借金を残すことになる。

被災者の考えもあるが被災地に従来どおり住居を再構築し、以前の生活が出来るようにした方がいいのではないか。今回発生した東北地方太平洋沖地震の震源域と予想されていた宮城県沖地震の関係が分からないが、今後しばらくは、あのような巨大津波の来襲はないだろう。

従来の生活が出来るようにし、緊急時に避難できる施設、避難場所を整備し、生活弱者、高齢者などは高台へ移転、巨大な防波堤は景観や生活に不便を感じるので従来の規模で再構築する。流されては作り直すことの繰り返しでいいのではないか。ただ、人命の安全確保は最重要課題だ。

原発事故は巨大地震、巨大津波が原因だったとはいえ、世界最悪の事故となり、今も継続中だ。政府は早々と政治スケジュールにのった「低温停止」の安全宣言ともいえる発表したが、誰も真に受け止めている者はいない。

どう終息するのか見当もつかない。

結局、全てを政治に頼るわけには行かないが、チグハグな政策は整理し、整合性された政策の提案をしてほしい。

このままでは選挙になっても、どこを支持すればいいのか判断が出来ない。政権政党の民主党がダメなら、野党第一党の自民党となるが政策が不透明なまま支持すると、又混乱することになる。

無党派層になるのも勇気がいるのだ。

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